2006年5月アーカイブ

2006年5月30日

新ビジィーが出来上がりました。

新型ビジィー.jpg
出張用カバン、ビジィーがモデルチェンジして登場です。
今回は黒、チョコ,茶の3色で作りました。
内側にプラスチックの軽量ハニカム構造のワクを入れて、一本取っ手にしたことで、持ちやすくなりました。ミネルバリスシオを使っているので、軽いとはおせいじにも言えませんが旧作よりは軽くなりました。適正な進化をしていると考えています。二本取っ手の旧作に比べデザインがシンプルなものになりましたが、ビジネスシーンで使用する場合、その方が良いというお客様の意見を尊重しました。

今回、関東に戻られたSさんに頼まれていた本体をシュランケンカーフの茶、付属にミネルバリスシオの茶を使ったコンビの新ビジィーも一緒に作りました。同じ茶のコンビなので新品の状態では大人しく見えますが、使い込むと、シュランケンカーフは変化するのに時間がかかるのに比べて、付属に使っているミネルバは凄く変化するので、どんなコンビネーションを見せるか、何年か先の使用後のこのビジィーを見るのが楽しみです。

バトラッシーが作るミネルバ系の革のお手入れは、特に水拭きを奨励しています。
元々オイルを多く含んだ革なので、これ以上別のオイルを含ませると革が油過多になり、アップアップして早く老化します。
全体を濡れたタオルで水拭きして、汚れと汗に含まれる塩分を取ってあげて、ついでに古くなった油分を取ってあげると、革の内側から新鮮な油分が表面に出てきて革を活性化させ、良い状態を長く保ちます。
水拭きした後、乾拭きすると爪傷なども収まります。
どんな革でも水拭きが良いわけではありませんが、ル・ボナーで使用している革は大部分、その方法の手入れが適当です。革によってはその後、保湿油を入れた方が良いものもあります。

2006年5月28日

若き鞄職人たちの明日

http://www.flathority.com/about.htm

猪瀬.jpg

猪瀬さんは三代つづく老舗の鞄メーカーです。
ル・ボナーは通販の仕事でお世話になり、2年近くお付き合いをさせてもらっています。
東京出張の時は、必ずといっていいほど顔を出しています。
社屋は下町の綾瀬にあり、昔懐かしい木造校舎のような建物で、気の良いベテラン職人と鞄作りに夢をもった若者が働く、居心地の良い職場です。

日本の多くの鞄メーカーは、鞄問屋の企画をどう効率良くこなしてゆくかを考え、鞄作りの本来の楽しさに目をつぶって、商売の部分ばかりが目に付く会社が多いように思います。海外に工場を作って、国内に若い鞄職人が育ち難い環境を作っているメーカーも多くなりました。

そんな中、猪瀬さんは若い人の感性と、ベテラン職人の技術を合体させて、オリジナルブランドを立ち上げました。それがFlathorityです。
いくつかの鞄メーカーで、オリジナルのブランドを作っていますが、特にメンズ系の鞄メーカーは既存の縫製方法と型紙を使って、素材を変え、目先を変えただけのものを多く見ます。
猪瀬さんのFiathorityは違います。型紙の段階から工夫と努力が見えてきます。若い感性が感じられます。商売ではない、鞄作りの楽しさがFlathorityの鞄たちにはあります。

営業部分を持たない鞄メーカーがオリジナルブランドを始め育てるのは、実りが目の前には見えない、五里霧中を歩むようなもの。でも、希望の光を信じて、投資を続ける。
独立系鞄職人と違って、鞄業界の中枢である鞄メーカーは背負っているものが大きいから
保守的な部分も守らなければならない。

Flathorityのプロジェクトはワクワクします。
一度は諦めた一つの夢が、この企てのせいで、私の中にフツフツとわいてきました。
デザインする人が、実際に作ることで生まれる鞄には一貫性があり、製造の現場では老いも若きも対等のデスカッションがなされて鞄が生まれる。
文化祭のようなそんな現場が羨ましい。
お金ではない、夢を紡ぐそんな共同作業のお仲間に入れて欲しいな。

2006年5月26日

至福の時間

ダビゾフ.jpg

お店を終える前、この葉巻を吸います。私にとって至福の時間です。
海外旅行のお土産でお客様から頂いて、最初は香りに抵抗があったのですが、何本か吸ううちに、この高価な嗜好品の魅力に負けてしまいました。

葉巻一本で、紙巻煙草数箱分の値段。紙巻煙草のようには吸えません。大事に大事に吸ってます。
お酒を飲まない (飲めない)私なので、葉巻はお許し下さい。
健康には害があるでしょう。でも私よりヘビースモーカーだった親父は76歳まで生きました。私も煙草吸いながらその位生きたら充分です。

五感の中で、臭覚は一番気にされていない感覚のように思います。
その部分を刺激する嗜好品は、豊かな時間を提供してくれます。
モーツァルトを聴きながら、コーヒーを飲みながら、葉巻を一本燻らせる時間。その時私は無です。何も考えていません。それが私の至福の時間です。

昨日の休日は、久しぶりに再度山公園でリフレッシュ。ビーちゃんは山道の爽やかな空気の中、気持ち良さそうにコーナーを抜けてゆきます。
帰る途中、一ヶ月分の葉巻を元町商店街にある杉本酒販で購入。煙草の種類の多さは神戸で一番です。何にするか迷いつつ、結局吸い慣れているダビドフを。
その後、神戸堂で夏用のベレー帽を購入。ボルサリーノのストローハットが魅力的ですが耐久性に不安を感じつつ、あの値段は出せません。
神戸はディープな嗜好を満たしてくれるお店が色々とある、大人のワンダーランドです。

2006年5月24日

平和な日曜日

5・24ボナー.jpg
平日のル・ボナーは来店されるお客様もまばらで、鞄作りに専念しています。
でも土日は、多くのお客様が来店してくださいます。

前の日曜日も多くのお客様が来店していただきました。
いつものローマ帰りのF夫妻がじっくり腰をすえ、前日のパーティーのお話。
行き付けのバーに集まる常連客で、数ヶ月に一度催されるブルジョア遊び人のパーティ。今回はシステムキッチンのショールームを使っての蕎麦うちパーティー。F夫妻はその末席に、借りてきた猫のように座り別世界を体験してきたそうで、ある人は趣味のジャズの私的なCDを作るため、ニューヨークからジャズの大御所を呼び、録音スタジオを借り切ってセッションをしたそうです。遊びのレベルが違う人たちが世の中には居るのです。

そんな話をしていると、いつもは奥様と一緒にBMWのM3を思いっきりチューニングして大きな排気音を奏でながら来られる、60歳を充分過ぎたお客さんが、今日はハーレイの刺繍が背中に大きく入ったGジャンで来られ、お目当ての小物を買われて颯爽と帰っていかれました。その後30分ほどして戻ってこられ、乗ってきたハーレイダビットソンのローライダーのエンジンがかからず、30分ほどの間四苦八苦されていたようです。F氏と私が押しがけしハーレイは去って行きました。久しぶりに体力を使いました。

お店に戻ると、ル・ボナーの顧客の中でも一番の若々夫婦が。この美男美女の若々夫婦のご主人は結婚前、学生だった頃からの10年以上のお客さんです。鞄や時計の話しをみんなでしていて、若々夫婦の奥様はジャガールクルトのレベルソをされています。女性がつけるならベストチョイスの時計と私は思っている時計です。その選択に拍手。

顧客の若夫婦二組とワイワイガヤガヤ話している時、初めてのお客様。仙台から来られたそうで、飛行機の時間が迫っていて大慌てのル、ボナー滞在。ゆっくりお話できればよかったのだけれどと、少し後悔。
仙台からのお客さまがお持ちだったカメラは、良いカメラだったとF氏。私も良いカメラを入手すれば綺麗な写真が撮れるようになるのかなあと言うと、その前に技術とセンスを磨く事が一番と全員一致の意見。確かにF氏のローマの写真は、ボロいバカチンカメラで撮っているのに良い感じ。カメラの腕もあげなければ。

そんなこんなで、あわただしく時間が過ぎっていった日曜日。でも幸せな日曜日。
顧客のお客様に招待状を出して、ル・ボナーの店内と野外を使ってパーティをしたいな。
お金はかけれないけれど、楽しい思い出が残るようなパーティーを。

2006年5月22日

T氏の優雅な趣向

エル、プリメロウエブ.jpg
親しくしている印刷屋の若社長のT氏が、奥さんの積み立てをくずして買ったゼニスのエル・プリメロです。
エル・プリメロはここのところデザインが毎年派手になってゆくので、欲しい人は今のうちかもしれません。
それにしても、このタイプでも充分派手で、その上45ミリの大きい方で、目立つ時計です。40ミリの小さい方でも大きく感じます。日本人で45ミリをつけてる人はめったにいないと思います。
秒針はエスケープメントが表から見えるようにくり貫いた窓のところにあり、目をこらさないと動いていることすら確認できません。
その針が秒針であることを、買った本人は知らなかった。

T氏に初めて会ったとき、関西商人丸出しのしゃべり口調にたじろぎながら、ナチュラルな考え方が面白くて、序々に親しくなってゆきました。
第一印象は、車はベンツ、時計は金無垢のロレックス、鞄はルイ・ビトンというお決まりのお金持ちのぼんぼんだと思っていたのですが、知れば知るほどT氏独特の美意識を持っていることを知りました。

T氏は直感の人です。
普通男は、大事な一品を購入するとき、念には念をいれて、ディテールを調べ、歴史を調べ、躊躇を繰り返しながら決断します。彼にはその躊躇がないのです。自由で柔らかなのです。

T氏はブランドの名前に迷わされない、自分の直感で選んだ質の良いシックな品で身の回り品をそろえていて、鞄、革小物等はル、ボナーのものです。が、時計だけは彼なりの美意識で選んだ、目立つ派手なものをチョイスします。
家族を愛し、会社とそこに働く若く才能ある社員を大事に考えながら、働きつづけるヤングエグゼクティブのT氏が、腕に巻いたからくり人形のようなエル・プリメロを見るとき、子供の心に戻れ、安らぎを感じるのかな。

そんなT氏と知り合って、豊かさのバランスを教えてもらいました。
彼は生粋の神戸人だと、私は感じています。

2006年5月20日

ボストンバッグと流行について

ミネルバ・ボストン.jpg
4年ほど前に作ったボストンバッグです。その後、目の前の仕事に追われ作っていません。
カジュアルなデザインのカバンが、ほんとは私の一番得意とするところなのかと思います。
ボストンバッグは、カバンらしい、夢を包み込んだ感じがして、大好きなタイプのカバンです。
色々な形のボストンバッグをお店に並べたいと思うのですが、旅行で使うカバンはゴロゴロ付カバンが主流に使われるようになり、ボストンバッグの需要が減ったので、ボストンバッグを色々並べるのは勇気がいります。

メンズのファッション雑誌を見ると、ここ数年トートバッグの特集を多く見ます。意図的に業界がコントロールして流行を作っているように思えて抵抗がありますが、私たちもその流れを無視は出来ません。
トートバッグは少し前までカジュアルな場所で使用するカバンでした。それがここ数年、ビジネスシーンでも普通に使われるようになってます。

情報が洪水のように流れている現代社会で、長く付き合っていける自分らしいモノに出会うのは、逆に難しくなってしまっているように思います。
失敗を繰り返しながら、自分らしいお気に入りのモノに出会えたら幸せです。
流行ではなく、自分らしいモノを身に着けている人は素敵です。

型紙を整理していると、少し前までよく作っていたのに、ここのところ作ってない定番のカバンがいっぱいあることに気づかされます。生産計画をしっかりたてて、お店に並べるようにしなといけないなと思います。

夫婦二人の小さな鞄屋、ル・ボナーは多くの人を満足させることは出来ないけれど、買っていただいたお客様が気に入っていただいて、自分らしさを表現するカバンであってくれることを希望しながら、作りつづけます。

2006年5月18日

ストーヴァのアンテア

アンテア表ウエブ.jpg

アンテア斜めウエブ.jpg   アンテア裏ウエブ.jpg
 
ドイツのストーヴァ社のアンテアです。シンプルなバウハウスデザインの、ドイツ時計らしい腕時計です。

私が時計に興味を持ち始めるきっかけになった時計です。

35年前に親に高校入学の記念にセイコーの自動巻きの腕時計を買ってもらって、それをすぐに紛失して以来30数年、腕時計には興味がなく、持っていませんでした。
しかし、ル・ボナーに来店するお客様たちの、魅力的な時計や、センスの良い時計を見ているうちに強く興味がわいてきました。

そんな時、出会った時計の中で、飾り気がなく、質感はそれなりにある優しい時計と私は感じた、このストーヴァのアンテアに出会いました。価格も手頃で、誠意を感じます。
高価な時計を色々お客様たちに見せてもらい、感動をいただくのですが、美術館で絵を見るような感じなんです。私の腕に巻く時計ではないのです。

本命の手巻き3針の時計は年末のお楽しみで、こつこつ小遣いをためている途中なのですが、常連のお客さんたちに、趣味思考がお子ちゃまと言われている私はどうしてもシースルーバックの夢捨て切れなくて、ストーヴァーのアンテアを買ってしまいました。

手元に届くまで実物を見ることが出来ない不安と、長く使っていく上でのメンテナンスの不安から躊躇していたのですが、スイスから写真付きのメールを送っていただく、時計において絶大な信頼をおいているライターのN氏の推薦と、機械時計新入生の私の最初の時計としては、入門しやすい値段とが後押しして、購入することにしました。

それから3ヶ月忘れた頃に、ストーヴァのアンテアは私の手元に届きました。
実物は想像以上の質感で、非常に満足しています。ただベルトが値段なりの出来で、自作のベルトに変えました。これからも色々な革で時計ベルトを作って楽しもうと思ってます。
年末に本命の時計を購入しても、普段はこのアンテアを付けます。私らしい時計だと感じています。

2006年5月16日

革に埋もれながら

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革の在庫がますます増えてます。革屋の棚に保管してもらっている革もお店に持ってくると、仕事をする場所がなくなるほどに、今革がいっぱいです。
無謀に見える在庫量ですが、1年の前半に気に入った革は買えるだけ買って、後半は買い控えて、鞄を作り続けて、在庫を減らす計画をたてているのですが、計画どうりになるかどうか。
夏より冬の原皮が質が良く、そのためもあるのですが。
あれも作りたいし、これも作りたいと頭では考えて革を買い込むのですが、なかなか生産力が追いつきません。がんばって作らなければ。

1枚の革を買うのにも躊躇しながら、鞄を作っていた時期が長かったため、その反動で作りたくても革がないために作れないというのだけはイヤで、買えるときには過度に買い込んでしまいます。
在庫を出来るだけ持たずに、材料を必要量仕入れて作る事が、製造業の商売成功の最も重要な事と言われていますが、私たちはその反対を、確信犯的に続けています。
鞄を作ることが私たちにとって一番大事なことだから、そのことを制約されたくないのです。

良い革は、ワインのように、寝かしていると熟成され、より良くなめされるので、まあいいかと自分達を納得させています。

06・5窓越し.jpg

今の仕事机の位置は、結構気に入っています。
機械と道具が、私の周囲にあり、包まれている感じです。
頭を上げると、窓越しに新緑が美しい。
なかなかこんな恵まれた仕事場はないと思います。
20年経って70歳になっても、同じように此処で大きくなった木々を窓越しに見ながら、常連のお客さんたちと楽しく会話をしながら、鞄を作りつづけられていたら、最高に幸せです。
その時、20年前に仕入れた革がまだ棚に残っているなんてことはないと思うのですが。

2006年5月14日

ポンテペルレ

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フィアット500ウエブ.jpg


年に一度、六甲アイランドをスタート、ゴール地点にして開催されていたクラシックカーのイベントが、今年から、神戸フルーツフラワー・パークが出発到着地点となり、見ることができません。
6年間、六甲アイランドで開催されるイベントの中で、一番楽しみだたのが、このポンテペルレでした。

去年のポンテペルレで、私が選ぶベストオブ車は1937年式ジャガーSS100です。あまりに完璧すぎるレストアに驚かされます。この状態にするまでにどれほどの手間とお金をかけていることか。
敢闘賞は習志野ナンバーの1964年式フィアット500でしょう。このイベントに出場するために、千葉からこの小さな車で来て、3日間ポンテペルレで走り続け、千葉までまた帰っていくのです。凄いと思います。

静岡から1959年式ベンツ300SLロードスターに載って来られるご夫婦は、前日の夜、必ずル・ボナーに立ち寄ってくださる、6年前からのお客さまです。
毎年、このイベントに参加して、ル・ボナーに立ち寄るのを楽しみにしてくださったこのご夫妻も、今年は会えませんでした。
ベンツ.JPG
このハイソなイベントに一度は参加したいと思い続けました。
去年は本気で参加しようと準備を進めました。
私の1968年ビートルでは、クラシックカーのお仲間には入れてもらいそうになく、ビーちゃんの主治医の古川さんに相談したところ、俺は恥ずかしくて出場する気はないけれど、1956年式のポルシェのロードスターなら用意できるから、貸してくれると言ってくれました。
助手席に座る友人も確保し、ワクワクしながら申し込もうとしました。
その時分かったのです。参加費用がいることを。それも16万円です。
ハイソな人たちのお仲間に入るには、この程度の費用は余裕で払えなければ、いけないのだ。
見てるだけで、我慢しないといけない。でも今年は見ることもかなわなかった。

私にとって、1968年式ビートルはオモチャです。移動手段という機能はおまけなんです。
身の丈相応です。ポンテペルレの仲間に入るのは、まだまだ敷居が高いようです。

2006年5月12日

F夫妻のローマ

ヴェネト通り.ブログ.jpg

ル・ボナーの常連客で、私の神戸学の先生のF夫妻が、ゴールデンウィークにローマに行って来ました。去年の秋にフィレンツェに行ったばかりなのに、またまたイタリア観光旅行です。
F夫妻の旅行は、基本的に街を歩き続けます。朝から晩まで街を歩き続け、観光マップにはない、マイ、スポットを見つけ出す旅です。そのため歩く総距離はハンパではありません。
そんなF夫妻も、ローマの荒れた石畳は、相当きつかったようです。
パンプスで、平気で一日中歩き続けられるF婦人も、途中でギブアップして、スニーカーを購入したそうです。パリの旅行の時のように、足の親指だけが腱鞘炎になってしまったような事態にならずに良かった、良かった。
ピンチョの丘から.ブログ.jpg

私はイタリアが好きです。まだ行った事のない私ですが、行った人の話しを聞くと、ますます好きになります。過去に素晴らしい文化を築きながら、優等生と劣等生が入り乱れて混沌とした万華鏡のような国。そして職人の神様は、イタリアに居ます。

F夫妻のローマの旅の話しを聞きながら、私はフィレンツェに心は飛んでます。
年に一度秋にイタリアで開催されるリニアペレ(ヨーロッパのタンナーが一同に集まる世界最大の革の見本市)に、革屋の常務をそそのかして、同行させてもらって、フィレンツェとその近くにある、タンナーのワルピエやバトラッシーがある美しい村に行きたい。
職人の神様は、そのあたりに住んでいるように思います。

2006年5月10日

キーホルダー  ル・ボナー

ベルトキーホルダーウエブ.JPG
20年近く作り続けているキーホルダーです。
ル・ボナーの商品の中で、買いやすい値段の商品ですが、ル・ボナーを特徴付ける技術を盛り込んで作っています。いせ込み、斜め漉き、コバ磨きなど。ナスカンもニッケルメッキではなくて、クロームメッキで仕上げています。
私にとって思い入れの強い小物です。それ故、名前もル・ボナーと付けてます。

一番厚みのあるところで6ミリ強あるのですが、その厚みを感じさせないで、質感は残す工夫をしています。

同じタイプのベルトキーホルダーは他のブランドからも出ています。
でもル・ボナーのベルトキーホルダーは比べると手をかけて作っていることを、解っていただけると思います。
シンプルな小物ですが、ル・ボナーの技術の多くを入れ込んだ一品です。私も愛用しています。

私は物の良し悪しは、値段の高い安いとは関係ないと思っています。
作り手の思いが入っていて、買う人がそれを感じれれば、良い物だと思います。
マーケティングや宣伝力から作られたモノは、消耗品で、飽きてしまいます。
いっぱいなくてもいいから、心を感じれる物たちと一緒に過ごしたい。作ってゆきたい。

Fポーチ.jpg

10年近く前に、特注で作ったポーチがハンドル交換で戻ってきました。
本体はシャークスキン(サメの革をヌバックのように起毛させたもの)で、ハンドルなどの部品はオーストリッチを使って作りました。
シャークスキンはまだまだ現役ですが、オーストリッチの部分が弱い。毎日ご主人さまのお供をして、この状態なら合格点かな。
ハンドルその他を交換して、綺麗にお手入れしてあげれば、このポーチ、毎日使ってもあと10年は大丈夫でしょう。出来れば、何個かのポーチを交換しながら使っていただくと、一生ものですが。

このポーチの持ち主は、ここにお店を出した14年前からのお客様で、爽やかで魅力的な人です。
彼が驚くほどに、綺麗な状態に復活させてみせます。

2006年5月 8日

ゴールデンウィークのル・ボナー

4月8日ル・ボナー.jpg
今年のゴールデンウィークのル・ボナーは、接客で大忙しでした。
去年までのゴールデンウィークは、逆に静かなぐらいで、鞄作りに集中していたように思います。
今年は、ほんとに多くのお客様に来ていただき、嬉しい悲鳴をあげてしまいました。
特に、遠方からのお客様が多く、大分や北海道からも、足を運んでいただき感謝、感謝です。

遠方より来られたお客様に、ル・ボナーを知ったきっかけを聞くと、ホームページを見てと言われる人が多く、ホームページを持ってほんとに良かったと思います。
ブログの方は、私の趣味と化し、こまめに更新しているのですが、ホームページの更新はペースが遅く、がんばって充実をはからないとと思案しています。

顧客が何組か重なっても、仲間同士のように沸きあいあい、楽しく出来るのですが、初めてのお客様が何組か重なると接客しづらい、什器の配置になっています。模様替えした方がいいかなと考えています。
年に何度もあるわけではない、いつもは静かなル・ボナーですが。

お店に並べる鞄が寂しくなってきました。がんばって補充しないと。
新型のビジィーも好評で、バックオーダーを何個かお受けしたので、急いで生産しないと。
これから作る方で忙しくなるル・ボナーです。

祭りの終わった後のような、今日のル・ボナーです。
常連の若夫婦がイタリア旅行のみやげにいただいた葉巻を一服燻らせて、気分一新鞄作りを始めます。

2006年5月 6日

設営禁止場所でのキャンプ

公園でキャンプ.jpg
我が家の前の公園にテントが一棟、朝起きてベランダ越しに見えました。
治安が良くて、水道もトイレもあるので、街中でのキャンプ地としては、良い場所かもしれない。
ゴミさえちゃんと持ち帰っていただければ、いいのではと私は思っています。
季節が良くなると、ここにテントを設営したり、バーベキューをしたりする家族を何度か見ます。
私もテントを張って、一夜をすごそうかと思ったりするのですが、目の前の集合住宅の一員であるのに、設営禁止場所にキャンプするのは、いかがなものかと躊躇っています。

私も何度も設営禁止場所でキャンプをしました。貧乏だったので、少しでも節約するという単純な理由と、体制への抵抗?という、とって付けたような大義名分で。

千葉の館山の海水浴場でのキャンプでは、夜、暴走族の大集団が通りかかり、此処はキャンプ禁止場所ですよーと石の集中砲火。多勢に無勢、私たちはテントの中でじっと我慢していました。

木曽福島の浦島伝説で有名な寝覚めの床のある公園では、夜遅くテントを張り、目覚めるとそこは一面の芝生、そこに管理人のおじさんが立っていて、こっぴどく説教されました。

芦屋カントリークラブ前の芦屋川はキャンプをするにはベストの場所でしたが、図々しい猪に悩まされました。

あと、牧場の隅で、牛の糞と牛の襲撃に注意してキャンプをしたり、真冬にスキー場のリフト乗り場の横にテントを張ったり色々な設営禁止場所でキャンプをしました。
設営禁止場所でキャンプをするのは、守られたキャンプ場でキャンプするより、体力も、図々しい精神力も必要です。でも記憶に残ります。

私は体力の衰えとともに忘れていた事がありました。
人生において、思い出作りが一番大事と言いながら、物欲に心がシフトしていました。
モノは、それぞれの思い出の脇役なのです。
自動車工場の期間従業員をしていた頃、夜勤明けの朝、寝ずに家族や仲間とキャンプに行っていた体力はもうないけれど、あの頃一緒に遊んだ仲間は、声をかければ今でも喜んで一緒に思い出作りをしてくれるだろう。
大事なことを、見失わないようにしないと。
50歳からの思い出作りの日々が始まります。

2006年5月 4日

シンプリシティーとダドグラフ

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デュフォー裏.jpg

昨夜、NHKのハイビジョンで何年か前に放送されたフィリップ デュフォーとアントワーヌ プレジウソの違った形での時計作りの日々を中心に綴った” 独立系時計師たちの小宇宙” という番組のビデオを見ていて、ますます時計が魅力的に思えて、次の日。
お客様が持って来られました。フィリップ デュフォー氏の作ったシンプリシティーとランゲ アンド ゾーネのダドグラフを。見て 触って 音を聞きました。

フィリップ デュフォー氏のシンプリシティーは、昨夜ビデオで製作風景を見たばかりだったので、特別の感慨を持って見てしまいます。
シンプルな3針時計の部品一つ一つに丁寧な仕事の手が加わり、誠意を人に伝えてくれます。
ハンドメイドが高い次元で、技術と調和しています。
値段を考えず、一つだけ手に入れられるとしたら、私は迷わずこの時計を選びます。
しっかりと響く音色が、心地良い。

ダド表.jpg ダド裏.jpg

ランゲ アンド ゾーネのダドグラフはシンプリシティーとは全然違う感動を与えてくれます。
ドイツの強さ、洗練されていない愚直な美しさ。
すべて丸見えの複雑なムーブメントに圧倒されながら、部品一つ一つの硬質な厚み感に驚かされます。
写すのがヘタなため、ムーブメントの凄さを伝えられないのが残念です。
それにしても、ケースがプラチナであることも相まって、なんて重い時計なのだろうか。

この2つの時計の唯一の共通点は、ムーブメントの素材がジャーマンシルバー(洋銀)だという事。この素材、なかなかいいのです。
鞄に使うオリジナル金具の素材としてどうか、調べてみよう。

私は今日、時計の中に夢をみました。
私の作った鞄の中に、お客様が夢が描ける、そんな鞄を作っていかなければ。
作るものは違っても、同じ職人なのだから。

2006年5月 2日

小さなちいさなダレスバッグ

太ダレスA5.jpg
横24cm×縦17cm×巾12cmの小さなダレスバッグを現在製作中。
前にフルオーダーで、ベビーカーフのグレー色で作り、気に入っていただき、追加でこの2つ。
今回はシュランケンカーフのこの2色での注文です。
セカンド・ポーチとして使われるのですが、注文されたのは男性です。
作り手の立場から言うと、定番商品として作る事はまずない、こういったタイプのフルオーダーは、作っていて楽しいです。
定番商品として作っても、値段がほどほどであれば、ほどほど売れると思うのですが、製作の手間ひまを考えると、サイズの割りに高い値段になってしまうので。  でも可愛いなぁー。

今ル・ボナーでは新規のフルオーダーはお休みさせてもらっています。
今まで何度か買っていただいた顧客のオーダーで手一杯で、新規でオーダーを受けると、お店の定番商品の補充に支障をきたしてしまいます。

私たちは、鞄を通じて私たちを表現したいと願っているので、オリジナルの定番商品メインの鞄作りを大事にしたいと考えています。
おかげさまで、定番の鞄のバックオーダーも多くいただき、フルオーダーに頼らなくても、お店を続けていけてます。
私たちのオリジナルバッグで、お店の中がいっぱいになったら、限定的な形でフルオーダーは再開しようと思っています。その時は、オートクチュールのような形式で出来たらいいなと考えています。

日本の多くの人は、ゴールデンウィークに突入です。
私たち夫婦は逆に休日の木曜日も返上して、お店を開けて、鞄作ってます。
常連の若夫婦はローマだそうです。去年の秋にフィレンツェに行って来たばかりなのに、なんと優雅なことか。  嫉妬。今週末にはローマのみやげ話を聞かせていただくことになりそうです。
私のイタリア好きは、顧客の間では、周知の事実で、何度もイタリアに行っていると思われています。
しかし、一度も行った事がなく、観光ガイドマップなどを見ながら、心だけはイタリアに飛んでます。

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