2006年6月アーカイブ

2006年6月28日

ベルトの製作

6末注文ベルト.jpg

月に一度、オーダーのベルトを作ります。バックルを止める部分を手縫いで処理しているので、サイズを調べてから作ります。毎月月末の数日、平均10本前後の注文をこなしています。10本前後の数であればプレッシャーも感じず、楽しく仕事ができます。

1年前までは、毎月40本ほどのベルトを作っていましたが、長さ、革の種類と色、糸の色など全部違うオーダーベルトを毎月40本こなすのは、頭の中がパニックをおこしてしまいました。時間的な負担もバカになりません。あの頃に比べて今は良い按配。ストックしている革で、ベルト用の革としてカタログに載せていない革でも、ベルトに適しているものであれば作れる余裕も今はあります。
ベルト断面.jpgル・ボナーのベルトは革を3枚重ねて作っています。真ん中の芯に使う革は斜め漉きをかけています。一般的に売られているベルトの場合、多くがこの芯材に紙系のものを使っています。紙系の芯材を使うとベルトは長持ちしません。
ル・ボナーでは紳士ベルトの場合、厚みが薄いベルトを厚く見せる工夫ではなく、厚みがあるのに薄く見せる工夫をしてベルトを作っています。使い続けると、その差がわかります。

北欧の革で、厚みが7ミリ強あるものを入手しました。一枚革で7ミリ強の厚みを持った革はあまり見たことがありません。既製の一枚仕立てのベルトで厚いなあと思って見てみると、とこ革を圧着して厚みを足してるものが大部分、ほんとに一枚で厚いものはなかなかみません。
この革で、一枚仕立てのベルトを作ります。
厚い革.jpgブッテーロの原厚と比べても、3倍ほどの厚みです。
作るのが楽しみです。この一枚仕立てのベルトには、オリジナルで作ったバックルは似合わないので、それ用のバックルを用立てしないといけません。浅草の三筋にある柳場で真鍮の雰囲気のあるバックルを探してきます。ヤナギバは古き良き時代の金具屋の雰囲気を今でも残している貴重な金具屋さんで、真鍮の無骨なバックルを多く扱っています。ヤナギバのおばあちゃんが元気だった頃は、夏には冷たい砂糖入りの麦茶をだしていただきました。今でもカウンターにはいつでもどうぞと飴ちゃんが籠に入ってあります。ヤナギバに行くと必ずトイレを貸してもらいます。初めての人は少し恐怖を覚える、もう見ることも少なくなったクラシックな水洗トイレが今も使われています。

2006年6月26日

学手風ブリーフケースが出来ました。

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ハミが久しく作らなかったメンズバッグを作りたいと手がけていた、学手風ブリーフが出来上がりました。
今回は7個作りましたが、4本は予約が入っているので、店頭に並ぶのは、クロ、チョコ、茶が一個ずつです。表の革は私たちが大好きなワルピエ社のブッテーロを使い、内貼りの革には柔らかな質感を出すためにピッグシルキーを使いました。ワイン色でも作ったのですが売れてしまいました。ベルトを通すゲタ型のループに手間がかかるので少しお高いです。今回は錠前も2種類使ってみました。

学手風ブリーフケースは開閉が面倒なカバンです。しかしこの2本のベルトがあることでカバンの型崩れを防ぐという利点と、カバンのなかに入れているモノを衝撃から守る役目をしています。その部分をより強化するためにル・ボナーでは太いベルトと盤面よりでっぱるゲタループにしています。
というのは後でつけた理由で、存在感のあるカバンに仕上げたくて考えたデザインなのです。
学手風ブリーフは多くのブランドで作っていますが、こんな厚いベルトを一周させてゲタを履かせたループを使っているところは他にないと思います。

ゲタ型のループはエルメスがボストンバッグに使っていて、部品一つの存在感に感心して、それ以来ル・ボナーでも手をかけたクラシックなカバンには使うようになりました。

本体は芯材を最小限に抑えて、革の質感そのままの柔らかい仕上がりにしています。ベルトがないと型崩れしやすい硬さです。それゆえに2本のベルトはなくてはならない部品なのです。
威風堂々、存在感のあるカバンです。

2006年6月24日

週末の六甲アイランド

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神戸の東の海に作られた人工の島、六甲アイランドは街の中央に六甲ライナーと言う名の新交通システムが高架を走り、その線路の下に人工の川が南北に流れ、その周りが公園のようになっています。ル・ボナーはそれを観るような位置にあります。

週末の夜は、毎週あちらこちらで野外ホームパーティーをしています。目の前のオレンジ色の高層マンションが外国人専用賃貸マンションのためなのか、野外でホームパーティーをしているのは、外国の人と日本人が半々ぐらいです。この街は関西で一番外国の人が多く住んでいる街なのです。数日前も阪神タイガースのウイリアムスが家族で店の前を歩いていました。

夏になると、この人工の川だと、安心して小さな子供を遊ばせることができるので、若い家族が多く訪れます。川の水は浄水して繰り返し使われます。欧米人の子供は10月の涼しくなった時期でも泳いでいたりします。日本人とは体温が違うのではと思ってしまいます。

この街に住み始めた頃、すべてのものに人の手が加わっていて自然なものがないことに抵抗を感じていましたが、20年ほどの時間が街を熟成させて、住む人と一体感を持って愛すべき街になってゆきました。隣の人工島の先輩、ポートアイランドは街として、少し翳りを感じますが、六甲アイランドは魅力的な街へ成長しています。
住民みんなで、新しいふるさとの歴史を作っています。

スーパーマーケットは3軒あり、ホテルも2つ、総合病院もあり、学校も大学まですべてあります。映画館も大きなプールもあります。
ないものと言えば、魅力的なお店。その部分をル・ボナーが頑張らないといけません。
個性を大事に育ててゆくお店がこの街に増えてゆけば、この街は完成形です。

2006年6月22日

囲碁

囲碁.jpg
休日の夕方からは、シェラトンホテルで囲碁を打ちます。このクラブで囲碁を打ち始めて7年ほどになりますが、なかなか上達せず1級を目の前にして足踏み状態が続いています。
勝負にこだわると上達しないし、美しい碁を打とうとするとなかなか勝てません。奥が深くて魅力的なゲームです。

会員の平均年齢が70歳を越えるクラブで、私以外はみんな60歳を越えています。
私が入会した頃は20人以上いた会員も、今は13人ほどです。最後まで生き残る可能性が高いという理由で、このクラブの幹事(雑用、経理)をさせられています。

夕方の5時から5時間ほど、4試合ほどします。日本棋院が決めているポイントで、ハンデを決めての試合になるのですが、7段の上級者でも、負けると本気で悔しがります。
私も初段になるまではやめられません。攻めと守りのバランスが良くなれば初段にはなれると思うのですが、それが難しい。

今日の対局者は、私と同レベルの82歳の横浜生まれのダンディーな老紳士。長考を重ねる人で、2局しか打てませんでしたが、2連勝しました。気分良く家路につきました。

木曜日の5時から、シェラトンホテルで囲碁を優雅に楽しむクラブに参加しませんか。
RIC囲碁クラブの幹事をしているル・ボナーの松本までご連絡下さい。

2006年6月19日

自家製ハンバーグ

ハンバーグのクレープ.jpg
我が家では、ハミがハンバーグを作った翌日の夕食はクレープと決まっています。
ハミの作るハンバーグは独特です。ミンチ肉はつなぎ程度に入れるだけで、大部分野菜を細かく刻んだもので、一般的なハンバーグではありません。私の体を心配してではなくて、ハミが肉嫌いで、そんなハミでも食べれるハンバーグを試行錯誤した結果なのです。これが美味しくて、正直肉好きの私でも、このハンバーグらしきものを食べると、レストランのハンバーグは食べれません。

作った当日は、キノコを一杯入れた和風ソースと大根おろしで食します。ついつい食べ過ぎて、野菜一杯ヘルシーなんだけど、たくさん食べてしまうので肥満対策の効果はありません。
翌日は、残した前日の特製ハンバーグやほうれん草のバター炒め、生の野菜、チーズなどを焼きたてのクレープに包んで、特製ソースでいただきます。これが我が家の決まり。
クレープの夕食の時だけは、私の健康の事を考えて止められているアイスクリームもOKで、バナナと生クリームをクレープに一緒に包んで食後のデザートです。至福のひと時。

私たち夫婦は30年近く一緒に仕事をしている共稼ぎ夫婦なので、当然家事も分担してやるべきなのですが、私はまるで手伝いません。30年近くハミは私の屈折した性格を修正することに力を注ぎ、共同生活者としての責務の事までは頭が回らず、私は修正不可能な家事の出来ないおやじのまま一生を終えると思います。
料理を作った記憶はここ久しくありません。洗濯機は操作方法がわかりません、触ったことがないのです。食べた後の洗い物ぐらいはしてと頼まれて、私のとった行動は、食洗機の購入。2週間ほどは面白くて食器をセットしていたのですが、すぐに飽きてしまい今はやっていません。

ハミが泊りがけで家を留守にした時、一瞬家事から解放されますが、帰ってからが悲惨。洗濯物が山と貯まり、食器が流し台に山とつまれ、室内はチャーの毛だらけ。そんな時ハミは爆発します。私にはなんの弁解の余地もありません。部屋の隅で小さくなって嵐の過ぎ去るのを待っています。

私はチャーと同じように、過保護で我儘なまま歳をとってゆきます。ハミのおかげで少しは良くなったと思いますが、一人では生きていけません。これからもハミにお世話を掛け続けると思います。子供のままおじさんになってしまった私です。

2006年6月17日

バトラッシー社のナッパシーディー

ナッパシーディー.jpg

今、イタリアのバトラシー社のナッパシーディーという革でボストンバッグを作っています。
この革はバトラッシー社の専売特許のようなイタリアに古くから伝わるバケッタ製法で作られた革で、基本的にはミネルバと同じです。違うのは最後に独特のツヤを出すため、卵の白身を塗って磨き上げていることです。たんぱく質をコーティング剤として使っているのです。
一般的に革の表面にツヤを出す方法は、ラッカーなどを塗るか摩擦をかけることでだします。前者の方法の方が光沢が強く、後者は鈍めのツヤになります。使い込んだときは後者の方が革が長生きします。
そのバランスをとった方法が卵の白身なのだそうです。
どんな風な表情のボストンバッグになるか楽しみです。
ニューボストン.jpg
数ヶ月前に、デュプイのカーフで作ったサンプルのボストンバッグです。
これを少し変更しての本生産です。良い鞄になる予感がします。
イタリアのフラスキーニのデッドストックのカーフのパペーテでも一つ作ってみます。

革は国によって、個性がありました。イタリアはねっとりした質感を重要視し、フランスは美しい発色を大事にし、ドイツはなめしに力を注ぎました。
しかし今は国による個性の差は弱まり、平均的な革に統一される傾向にあります。
そんな中で、魅力的な革を見つけ出すのは、大変苦労します。
日本人は、色落ちやキズつきやすいことを極度に嫌う傾向があるため、その傾向に沿った革をつくり、そのため革でなくてもいい様な合皮のような革を作り出してしまいます。
そういった革は、ル・ボナーでお手入れ方法で勧めている水拭きは、危険です。

ル・ボナーでは、出来る限り魅力的な革を取り揃えるようにこれからもがんばっていきます。その革が生きるデザインを心がけて鞄を作ってゆきます。
頑張りすぎずに、柔らかで優しい鞄を。

2006年6月15日

雨の休日

6,15車内のチャー.jpg
今日は雨の休日。
散歩だよというと、喜んでいつも吠えまくるチャーも、雨の日は別です。私が靴を履いてもリビングでぐずぐずしています。おやつでつっても来ません。ハミが玄関まで、チャーのお尻をずるずる押してようやくの散歩です。散歩にでても要をたすと一目散で帰りたがります。
水がほんとに嫌いなのです。

車は別です。車に乗るよというと雨だろうがなんであろうがへっちゃらです。リアシートの指定席に一目散です。チャーは車に乗ると、獣医さんに行く時は別として、自分が一番偉くなったかのように、散歩中のワンちゃんやヘルメットを被ってバイクに乗っている人を見ると吠えまくります。ほんとに困った犬です。

雨の日は基本的にビーちゃんには乗りません。今日はどうしても買い物にいかなければならず、久々に雨の日のドライブです。
何故雨の日は乗らないようにしているかというと、危険だからです。
まず、デフロスターが役目をはたさない。フロントガラスのくもりはタオルで拭き拭き運転します。大雨での運転で、深めの水溜りに突っ込んで、ビーちゃんは床上浸水、ドラムブレーキはまるで効かなくなり、死ぬのを覚悟?したことがありました。それ以来、雨のドライブは苦手です。
ハンドルとメーター.jpg
しかし、ビーちゃんの運転席まわりは良い。おせいじにもコックピットと言えませんが、シンプルなメーター周りとクラシックなハンドルが心を和ませてくれます。ガソリン臭が網目のところから出てこなければ、他の多くの問題点は目をつぶる事ができるのですが。雨の日もそのガソリン臭のために、窓を開けて走らないといけません。当然濡れます。
この相棒と何時までも一緒にいるように思います。多くの問題を含み込んで。

2006年6月13日

老化と肥満

お店裏の公園.jpg
お昼の食事を終えた後、チャーと散歩するのが日課です。
店裏にあるこの公園に、よく来ます。誰も居なくて静かでホッとさせてもらえます。
数十分、なにもしないで柔らかな空気感じていると、そんな時間が愛おしく感じます。

昨日は私の体に異変が起きてしまいました。
午後になってフラフラするのです。真っ直ぐ歩けないのです。そんな状態が3時間近くつづき脳梗塞じゃないかと不安になって、かかり付けのお医者さんにフラフラしながら行って、そこで紹介状を書いてもらって総合病院でCTでの検査。脳の中はからっぽだけど異常なし。理由を特定出来ないまま、その後も目眩で頭クラクラ。
そのため、ワールドカップ、サッカーの日本戦を観ないで寝てました。さすがにヘビースモカーの私でも、タバコは吸う気になりませんでした。
一夜明けた今日、調子は回復したのですが、ハミがどうしても調べてきて欲しいというので、隣の人工島にある、神戸で一番大きな病院に行って調べてもらいました。

診断の結果、お医者さんが言うには、老化と肥満が原因なのだそうです。
東京から神戸に引っ越してきて14年。食べるものが美味しくて1年1キロのペースで肥満の道を進んできました。ウエストも90を越えています。
脂身の肉が大好きで、夕食後は必ずデザートでアイスクリームを食べる日々は、もう若くない体に、注意信号を灯したのです。

こういうことがあると、健康が一番大事と痛感させられます。健康でさえあれば、残りの人生楽しくやっていけます。少し摂生していこうと自覚した昨日今日でした。今日のタバコは美味しい。

2006年6月10日

デジタルについていけない世代。

CATV.jpg

世の中のデジタル化に、私は全然ついていけません。
今日も、地上デジタルに対応させるための、ケーブルテレビの工事が我が家でありました。今日から我が家は70チャンネルほどが視聴出来るようになるのですが、リモコンの操作を覚えるだけで、頭がパニックを起こしそうです。私の老化しつつある頭脳は説明書なるものに拒否反応を起こします。

同業者を見渡した時、私の年齢あたりを境に、年寄りはデジタル機器に弱い者ばかり。それに比べ若い人たちは自分でホームページも作り、パソコンの保守点検も自分でしている人が多く、デジタルを上手に使っている。私はブログは好きで続けていますが、なにかパソコンに異変が起こると、必要以上にパニくって、専門家の助けをお願いしてしまいます。
今回のテレビデジタル化も、我が家の中の模様替えで、テレビの位置を変えてアンテナの差し込むところが変わるたびに調整が必要らしくて、そのたびにデジタル音痴の私は、ケーブルテレビジョンの人にお願いしないといけません。なんと不自由なことか。

一度、進化するデジタルネットワークを知ってしまうと、それのない生活に戻れなくなってしまいます。どのあたりが良いバランスなのか冷静になって考えて、折り合いをつけていかないといけません。

電化製品の技術的進化は急激で大容量で変わっています。しかしテレビが白黒からカラーになった時、ビデオデッキが登場した時のような感動は得られません。なくてもいい技術を押し付けられているようなところもあります。選択する知識が必要なのですが、なかなかそれも大変です。
私はデザインに着目しています。技術で大差ないなら、デザインというアナログなものでの選択の方が豊かにその電気機器と一緒に暮らしていけるように思うのです。

数ヶ月に一度来られる、70歳を越えられた仲の良いご夫婦が今日来られました。ご主人へのプレゼントでパパス、ショルダーを買って行かれました。ご主人の腕に古いオメガの手巻きの3針時計が。聞くと50年ほど前、奥様と婚約した時に結納返しで購入した時計だそうです。
文字盤は少しくすんでいますがそれも良い感じ。50年近く一度もメンテナンスに出した事はないのに、順調に時を刻み続けているそうです。
50年、ご夫婦の歴史と一緒に歩み続けた時計。拝みたくなる味わいのある機械でした。
年輪を刻んだアナログなモノはやはりいいな。

2006年6月 9日

手縫いの馬蹄型小銭入れ

小銭入れ馬蹄.jpg
手縫いのオーダーをする前には、手縫いの感覚を取り戻すために、試運転的にこの馬蹄型小銭入れを作ります。手縫いはリズムが必要で、時々しかしない私には試運転が必要なのです。
鞄や小物の手縫いは、スーツや靴と違って見せる手縫いです。一目一目気を使います。
楽しい作業ですが、工賃換算すると割のあわない作業です。でも面白くて夢中でしてしまいます。

馬蹄型小銭入れは多くのブランドから出ています。斜め縫いは手縫いの専売特許だと思っていたら、斜め縫い出来るミシンがあることを知り、恐れ入りました。
馬蹄型小銭入れも、外国製のものは大きくて、日本製のものはそれより小さめのものが多いです。
ル・ボナーではその中間ほどのサイズのパターンで作っています。
また日本人はキューと締まるのを好みますが、外国ではそのことにあまりこだわりません。エルメスの作る馬蹄型小銭入れはゆるゆるプカプカです。私は日本人なのでキュッと締まることにこだわってしまいます。

馬蹄型は小銭入れの中の王様だと私はおもっています。バランスが絶妙な小銭入れです。
ダービーハット.jpg話は変わって、この帽子ボーラー(ダービー)ハットと言います。昔からこの形の帽子が欲しかった。 私の普段のスタイルで、この帽子はアンバランスなのは分かっているのですが、この形が大好きなのです。
本格的な英国製のボーラーハットはウールフェルトを型だししてその後表面をバーナーで焼き固めるので、叩くとコンコンいうほど硬い帽子です。
日本では戦前、かぶっている人は普通にいたみたいですが、今では芸人さんが舞台でかぶるのを見るぐらいで、巷では見かけることはまずない帽子です。
神戸堂のご主人に相談したところ、英国の老舗ブランドのボーラーハットをオーダー出来るとの事。
帽子は自分が似合うと思ってかぶり続けると、どんな帽子も似合ってくると信じて、私は本格的な英国製ボーラーハットを入手します。
この帽子をかぶっている私自身を明確には想像出来ないのだけれど。

2006年6月 6日

アディダスカントリー

アディダスカントリー.jpg
私はアディダスカントリーを25年近く代替わりしながら、履き続けています。
最初に履いたカントリーはフランス製で、すごく気に入ってボロボロになるまで履き続けました。
その後、中国製になり、今はベトナムで作っていますが、初めて履いたフランス製の感動が忘れられず、全然違った靴になってしまっている現在のカントリーですが、今も愛用しています。

高校時代、アイビー全盛期、皆はローファーやタッセルの革靴を履いていましたが、私はオニツカタイガーのリンバという青いベロアのジョキングシューズを履いて通学していました。
その後、仕事柄革靴の知識も豊富になり、何度か購入意欲がわいたことはありましたが、未だに革靴はアウトドア用しか持っていません。あっ あった。冠婚葬祭用の、友人にいただいたマドラスモデーロの靴。
その靴を持たなかった頃、ご近所のお爺さんの葬式があり、その時は困った。黒い長靴を履いてお通夜にいきました。お昼にある本葬は、長靴であることがバレてしまうので勘弁させてもらいました。

20万円前後のフルオーダーの手縫いですくい縫いをする紳士靴は別として、ミシンで底縫いする既成紳士靴の場合、セオリーに忠実に作ったものは10万円前後の高級ブランド靴と3万円前後の国内靴の差が分からないのです。どちらも美しいのです。
顧客のお客様が履いていたプレーントゥの靴が良く見えて、その靴はジョンロブですか?と聞くと国内の某メーカーのものでジョンロブの3分の1程度で買える靴でした。靴は履く人の雰囲気やお手入れ方法で決まるとその時思いました。

紳士靴はアッパーを縫製した後、木型に巻き込んで成型するので、縫製段階よりステッチが美しく見え、その状態で磨き処理をするので革の表情も良く見えます。素顔と化粧をした後の女性のような違いです。
それに比べ、鞄は型を使う工程がないので、革は素顔のままです。美しく見せるためにはパターンが重要になってきます。

私は普段はずっとアディダスカントリーを履き続けるでしょう。
もしフランス製のカントリーのデッドストックの26センチ前後のサイズのものが手に入るなら、喜んで大金をはたきます(限度はありますが)。
しかしこの歳になると、冠婚葬祭用にチャンとした紳士靴も一足買わないといけないなぁと考えています。
いつまでも友人に頂いたゴム底の磨り減ったマドラスモデーロではいけないような気がします。
買うとしたら、ジョンロブ似の某国内ブランドの黒のプレーントゥにするでしょう。革もヨーロッパの有名ブランドが使っている革と同じものを使っていますから。

2006年6月 4日

エルメスのバーキン

バーキン特大.jpg
ル・ボナーのお客様のお持ちのエルメスの大きなバーキン。素材は、成牛をシュリンク加工したデュ、プイ社のラグーンブルでした。エルメスではトリオン・クレマンスという名称の革で、大きな鞄を作る時に良く使われている革です。
エルメスの場合は、流れ作業ではなくて、縫製を一人の職人がこなすので、製品の良し悪しが個々差がでます。このバーキンは丁寧な仕事で、美しい仕上がりでした。収め難いラグーンブルのフワフワしたコバを顔料での処理ですが美しく収めているし、麻糸のミシンステッチも素晴らしく、当然手縫いの箇所も美しい。素晴らしい技術を見せて頂きました。

エルメスは生地で作ったトートetcなんかの量産品以外の鞄作りの姿勢は尊敬しています。多くの事を学びます。あの値段を出せる人には一押しのブランドです。

昔、光輝いていたブランドが色あせてきたように思います。
多くのブランドが大資本のグループの傘下に収まり、利益追求が最大目的となり、作り出すモノが魅力的でなくなったように思います。
20年ほど前は、強い色香を放っていたヨーロッパのブランドが作る作品が、利益追求のための商品にかわり、夢や憧れを求められなくなってきたように感じます。
その中で、エルメスは独立独歩、色香を放つ作品を創り続けている数少ないブランドだと思います。
私はそんなエルメスに刺激を受けます。

適正価格の商品のニセモノはつくらないし、技術力のいるすぐニセモノだとばれてしまうモノは、ニセモノが出回らない。
良い仕事から生まれるモノは、かけがいのない価値を持ってます。
そんな仕事をしていきたい。

2006年6月 2日

6月1日の優しい休日

6・1ビーちゃん.jpg
昨日の休日は朝一番、チャーの散歩で、ハミと一緒に遊歩道を歩いてきた後ドライブ。
午前10時、六甲アイランドを出てすぐの神戸製鋼ラグビー部のグランド前の交差点で信号待ちをしている時、牛乳で一杯になったステンレスのタンクに写った愛車のビーちゃんをパチリ。やはり可愛いなぁー、でも暑い。走っていると三角窓から入って来る風が心地良いのだけれど、止まると暑い。ビーちゃんはもう少ししたら夏眠に入ります。関西の真夏は厳しく、私はこのエアコンの付いていない愛車に乗るのは出来るだけ遠慮しています。

山手の道を走って目的地へ。住吉から新神戸に抜ける道沿いには神戸の美味しい食べ物を作って売っているお店が多くあり、プラタナスの並木が優しい、私が好きな神戸です。
兵庫の大倉山あたりで発見。私好みのレトロで清潔そうな床屋さん。今度いってみようっと。

チャーをオタニ動物病院に連れてゆきます。恥ずかしながら前足の爪を切りに行くのです。
チャーの前足の爪を前回自分達で切った時、深く切りすぎて血が噴出してきて、それ以来私たち家族はチャーの爪を切るのが怖くなってしまったのです。そのため伸びすぎた爪は巻いてしまうほどになりました。弱虫松本家のメンバーはオタニ先生にお願いすることにしました。診察台に乗って数秒、震えるチャーには気も留めず、チョキチョキと素早く切ってもらいました。やはりプロは違う。

その後、ハミの好きな長田商店街で、お昼に食べるおこあご飯と私の大好きな豆大福を買って、途中ビーちゃんの主治医の西土居モータースの古川さんの処へ。
まだ昼前11時半なのに、古川さんはお昼の休憩でいません。1時半までは戻ってこないので今日は待たずに帰ちゃいます。レストア中の初期型カルマンギアも少し進展したようです。今まで置いてなかった古いミニが数台あり、少し気になります。西土居モータースはいい。油の匂いと、雑多な道具と、甦るのを待っているボロ車たちが、居心地の良さを演出してくれる。ここはばばちくても、それも雰囲気。
フィールにて.jpg
夕方、朝も来た六甲アイランド南端のマリンパークへ。
海辺のカフェテラスのフィールでのんびり午後のテータイム。ここはペット同伴でもOKなので時々利用します。海風と汽笛の音色が心地良い。ハミと二人、あまり会話もすることなく、柔らかな時間を楽しみました。

若い頃は、休日はめいっぱい遊んでいました。
この歳になると、ゆっくり時間が流れる休日がいいな。昨日の休日は平凡だけれど、良い感じの休日でした。

2006年6月 1日

F夫妻のセレブな体験

老舗三角地帯.jpg

大丸神戸店の前の三角形の場所には、神戸の老舗が軒を並べています。セリザワ、神戸堂、神戸シャツ。そしてその中でも特別なお店が、高級時計と少しの宝飾品を扱うカミネです。本店は決して広くなく正直狭いのですが、ここの2階に行くのは勇気がいります。置いてある時計が高級すぎて、冷やかしではあがれません。ここの会長さんはAIHH(国際高級時計協会)ジュネーブ本部の理事をしているほどの格式高い時計屋さんなのです。

今年でカミネは創業100年を迎え、その記念の行事の一つとして、今週の日曜、月曜にホテルの会場を使って、顧客のみに招待状を送り、大商談会がありました。お金持ち相手の商談会は違います。土曜、日曜ではなくて、日曜、月曜なのです。ほんとの上客は月曜なのでしょう。カミネ3店舗はその2日間は店を閉めてます。

その選ばれし者たちのサークルに、いつも ル・ボナーの一日 に話題を提供してくれる常連客のF夫妻は行ってきました。F夫妻は決して金持ちではありません。普通の共稼ぎ夫婦です。が生活を楽しむことにおいては貪欲なのです。今回も、数年前にカミネで買った、アクセサリーによる参加です。

会場は次元が違っていたそうです。
高級時計や宝飾品がいっぱいあって、特にブレゲは力が入っていて、2億円の時計を筆頭に、ツールビヨンの時計も20本近くあったそうです。指の巾より大きい宝石のついた指輪をしているご婦人、2000万前後するツールビヨンの時計を数本、腕にあててみて商談している人。そんなお金持ちがいっぱい居たそうです。

F氏はサービスのコーヒーを飲みながら、いつもは一番安いダビドフを吸っているのに、ここ一番高級手巻きのダビドフ葉巻を吸いながら(セレブなサークルでは喫煙は市民権がまだあるようです)、買うことの無い高級な機械式時計の説明を聴き。
奥様は、数百万のネックレスを何点も首にあててみて、もう少し見てから考えると席を立ち、手頃な値段のアクセサリーを購入。セレブのサークルに参加するにはほどほどの参加費。
F夫妻は、一番の目的のスイス観光とオーデマピケの工場見学の旅の抽選に応募して、選ばれし者たちの集うサークルを後にしました。

私はそういった場には行けません。ドギマギして居心地悪くて、楽しむことが出来ないのです。
F夫妻のように楽しむことはなかなか難しい。
神戸を楽しむ秘訣は、そのあたりにあるような気がします。

私は安テントでアウトドアを楽しむおじさんで居続けます。
お客様が話してくれる、そんな別世界の出来事をお店で楽しく聴きながら。

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