2007年2月アーカイブ

2007年2月27日

久々のノックダウン

ベランダから(1).jpg
自宅マンションのベランダからの風景

日曜日から体調が崩れ、夜には39度を記録。お店を早退して、翌日は午前中病院に行った以外はずーとベットで寝たきりの身。
風邪で休むなんて久しぶりです。今まで41度になった時は、熱に強い私でも参ってしまいましたが、39度程度だったら頑張れない事もないのですが、今体の中で戦ってくれて浄化しようとがんばってくれているのだから、休んでいなさいとハミに言われて、今日も休んでおります。

人間眠れるものなのですねぇ。お店を早退してから40時間ほどの大部分寝てました。
私は熱とか痛みに対して強く(鈍感)、風邪で仕事を休むのはいつ以来か思い出せません。去年、目まいが止まらずビックリしたけれど、それも普段元気なため未経験の症状だったゆえ。今日は熱も下がり仕事が出来る状態ではあるけれど、もう1日休んで万全の状態で明日から、がんばりまーす。

2007年2月24日

ボーラーハットを買ってしまいました。

東京出張の二日目はフリータイム。前の日の夜古山画伯に、是非フルハルターに行くべきだと言われておりました。イリジュウムの大粒を付けたペン先をパイロットに特注し、いかようにもペン先の研ぎ上げの達人が仕上げてくれる森山スペシャルが今なら3万円で手に入れることができますぞと誘惑する。今までこの口調にのって私のマイ万年筆は数を増やしてきました。今回も非常に魅力的なお言葉ではあったけれど初心貫徹、私は青山学園前の帽子のYAMADAへ。

YAMADA帽子店.jpg

私はボーラーハットに昔から憧れていた。文学少年だった私は、宮沢賢治や中原中也が被っていた帽子が大好きで、いつか被ってみたいと思っていました。あの時から35年、その思いは消えずに持ち続けてはいたのだけれど、なかなか手に入れる機会に恵まれなかった。

神戸堂でも購入することはできるのですが、取り寄せなので躊躇していました。帽子は同じような形でも自分の頭の形に合わない時があるので、実際に何個かを被って比べて選びたいのです。
そんな時、ライターのN氏が帽子のYAMADAであればボーラーハットを常時何種類も置いてあると教えていただいた。N氏は帽子には興味がないと思っていたら、ボーラーハットも数個お持ちだそうで、N氏の広範なモノ好き恐るべし。
本当だったらライターのN氏主催の東京お宝探索ツアーの中の一軒として行くはずだったのですが、私の東京出張が予定より遅くなってしまい、連絡したらN氏はドイツ取材中。

マイ ボーラ.jpg

ボーラーハットはアメリカではダービーハットといい、日本では山高帽と言います。戦前の日本ではよく見かけた帽子ですが、現在ではあまり見かけなくなりました。
帽子のYAMADAには何種類かのボーダーハットが置いてあり、やはりウサギの毛のフェルトをバーナーで焼き固めた本格派が気に入りました。ただ本場イギリス製は日本人の頭の形に合わないようで、選んだのはイタリア製。まずはオーソドックスなブラック。

被って鏡でその姿を見ると、間違いなく違和感を感じる。元々正装の時被る帽子なので、カジュアルな服装しかしない私にはアンバランス。しかし帽子は被り続けることで、その人に馴染んでくると思い込んでる私は、冬場はこれからはこのボーダーハットでいきます。少し恥ずかしいのだけれど、周りのみんなは似合うと言ってくれるので、そのお世辞に気をよくして、名探偵ポワロになった気分で被り続けます。

2007年2月22日

今年初めての東京出張

今回の東京出張では、ル・ボナー東京支店を自認?するTAKUYA君がマイカーのアコードで運転手をかってでていただきました。4万キロ強走っているアコードですが快適、快適。
国産の乗り心地の良い乗用車で充分なのだけれど、私はやはりアルファ。

まずは浅草界隈の革屋さんや道具屋さんに。今回は普段使わない貴重品革を仕入れないといけなかったので、貴重品革を専門に扱う革屋さんで黒色のエレファントの革を入手。そのエレファントの革についてはまた次回載せます。クロコダイルの革も買う予定だったのですが私の欲しかったビッグサイズのクロコがなかったので、またの機会としました。

イノセ2階.jpg

その後、堀切の(株)猪瀬の工房に。フラソリティー バイ ル・ボナープロジェクトの新作その他で、猪瀬3代目と打ち合わせ。工房では忙しくスタッフのみんなが仕事をこなしています。フラソリティー本体の新作を何点か見せてもらい、刺激をいただきます。
(株)猪瀬の工房は居心地の良い工房です。ベテランと若いスタッフが生き生きと仕事をしている。私はここの皆と一緒に仕事をいつまでも続けてゆきたい。

その後、新入荷した革を見るためにサライ商事へ。
TAKUYA君は初めてのサライです。サライ商事はヨーロッパ皮革の仕入れではスペシャルな革屋さんなのですが、女性社員が一人もいなくて強面の愛想の悪い革屋さんなので、初めての人は敷居が高い。でもホンモノの革が沢山ある。TAKUYA君も大感動。
今回の新入荷はイタリアのタンニンなめしのベビーカーフとバッファロー。これはなかなか私好み。当然購入決定。でも何に使おうかなぁ~。

夜は上野の森の美術館でしている古山画伯の絵画教室に見学者という名目で乱入。
未体験の世界は面白い。その後の飲み会にも生徒さんたちと一緒に参加して、新鮮な気持をいただきました。

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その時、錠前プロジェクトのサンプルを画伯に見せると、画伯、いたく感動していただき、まだ出来ていないこの錠前で作ったカバンと、またまた物々交換を条件に出来立てホヤホヤのこの絵をいただきました。神戸に戻ってハミに見せたら、大気に入り。額が付いていないから作らないと。本当に可愛い絵です。あのおやじが描いたなんて思えないファンタジィー。

東京出張の時の常宿にしている学士会館は門限が12時なので、その前に古山画伯、TAKUYA君、絵画教室の皆さんと別れ、急ぎ神保町の学士会館へ。12時の門限にギリギリセーフ。古山画伯の絵と物々交換するカバンはいつになるか分からないですが、良いカバンを作りますよぉ~。TAKUYA君、今日は運転手していただいて助かりました。これからもよろし~く。

学士会館ホール.jpg

用件だけを済ませるのであれば、日帰りでも行けない事はない。でも私の東京出張の楽しみは、昭和2年築のレトロな学士会館に宿泊すること。古き良き時代の雰囲気を残し、その上美味しい朝食付きで9200円。今回は皇居が見える部屋をお願いしたので、いつも以上に居心地の良い時間を過ごすことができました。

六甲アイランド07.2.21.jpg

今日は、青山学院前のお店に訪れた後、12時過ぎには帰りの新幹線の中。新神戸駅からの直通バスの窓越しに六甲アイランドの全景が見えてきました。
やはり私は此処が大好きです。

2007年2月20日

削りだしの錠前のサンプル(2)

グラス削りだし.jpg

金具プロジェクトの第一弾、グラスの錠前の最終サンプルが出来上がってきました。磨きをかける前の状態ですが、それでも充分綺麗です。今頃兵庫県の各地で作ってもらった部品が精密金属加工会社の秘密基地のような工場に届き、世界一の精度のカバン用の錠前が出来上がろうとしています。

前回のこの錠前についてのブログを見た、この複雑な形の削り出しのプログラミングをしていただいた精密加工会社の若きホープ君が、あのジュラルミンの初期試しサンプルの写真では恥ずかしいから、この最終サンプルに差し替えて欲しいとの要望で、社長さんが可愛い奥様と御一緒に、野生の鹿が頻繁に道路に出てくるので鹿身事故に注意しなければいけない兵庫県の奥の方から持って来て頂きました。

確かに見違えるような出来。蝶番の部分の仕上がりの精度とシャープなボディーのフォルムは素晴らしい。でも、ジュラルミンの初期サンプルあってのこの仕上がり。差し替えずそのままにしておきます。次はいよいよ完成品でーすョォ~。精密金属加工会社のホープ君、夜な夜な無理難題を克服してプログラムしていただいて本当にありがとうございます。

グラス削りだし中.jpg

削り出しはやはり違う。まだ部品を組み込んでいないのに、今まで使っていた同じタイプの錠前の完成品より重い。真鍮の金属密度が違うからでしょう。
錠前を開いた時、分かる人は分かるように削りだした時にのみ出る文様を残す事に。
時計のコート・ド・ジュネーブ仕上げのような、この文様に良い名前付けないと。コート・ド・コウベ?。

今回神戸の小さなカバン屋の見果てぬ夢をかなえてくださった皆さんに感謝、感謝です。
もう少しで出来上がってきます。最初に一番複雑な金具を頼んでしまい、採算度外視で試みていただいた精密金属加工会社のみなさまとそのお仲間の人たちには頭が下がります。
この後順次ル・ボナーで使う金具をこのプロジェクトのスタッフにお願いしていく予定に勝手に思っていますが、次回からはちゃんと普通に利益が、作っていただく皆さんにも出た上で作ってもらえるシステムを構築していかないと、このワクワクする試みは長続きしないと思っています。私はこの真剣勝負の大いなる遊びを続けて行きたいのであります。

明日、明後日は、私はイヤイヤ?東京出張でーす。

2007年2月18日

ディープなワンダーランド、 モトコー

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元町高架下商店街(通称 モトコー)は今でも怪しげなメリケン神戸の風情を残す数少ない商店街です。
古着屋さんや中古のモノを売るお店が多く、粗大ゴミを拾ってきて売っているのではないかと思うようなお店もあって、掘り出しものがありそうな気配と酷いものをつかまされる気配がごちゃ混ぜになった一種異様な空気をかもしだすショッピングアーケードです。

錠前プロジェクトをプロデュースしていただいた、屈折したアルファ好きのY氏はイタリアちょい悪おやじ風ではなく、ちょい悪まっしぐらのお方です。
旧居留地のレトロなビルヂィングに事務所を構え、日々元町に行っているのに、モトコーには今まで足を運んだことがなかった神戸人でした。
そんなY氏が始めて、仕事の合間にモトコウを訪れました。

Y氏は古着屋に架かっている革ジャンパーがきになりました。馴染んでヤレた感じが良い感じ。
今風のファッションに身を固めた若い店員さんの説明では、この革ジャンはドルガバ (ドルチェ&ガッバーナの事らしい) の下請け工場がイタリアのミラノにあって、そこで作られた革ジャンで、ブランド名はMILANO。非常に説得力のないセールストーク。ブランド名がMILANOが怪しすぎる。でもよく見てみるとゴートスキンと記してあるし、メイド イン イタリーと書いてある。
革ジャンパー.jpg

タグ.jpg

タグ1.jpg   タグ2.jpg

このデザインと革質が気に入っていれば、安ければ店員さんの説明はさておいて買いかとY氏は判断し、17,000円という充分安い値段を、ドスの効いた大阪弁で値切り交渉。
店員さんはいいっすョと言いながらはじき出した値段は7500円。安すぎる、最初の値段はなんだったといいうのかぁ~。

Y氏はこのMILANOの革ジャンが気に入ってしまい、アルファ147GTAに乗る時にはこの革ジャン。イタリアちょい悪おやじへまっしぐら。

私もモトコーで中古のアンプを買ったことがあります。
その中古家電店は洗濯機から高級オーディオまで色々あって、その頃中学生だった息子がオーディオアンプが欲しいというので買いに行きました。音を聞きたいからスピーカーにつないで聴いてみたいと店主に頼むと、大部分のお客さんは音なんて聴かずに買ってゆく船乗りさんが多いから面倒臭いとぶつぶつ不満そう。大部分のアンプがボリュームのつまみを回すとガーという音がする不良品。そんな中ガーと言わないアンプを3000円で買ったことがあります。今はもう我が家にないけれど。

モトコーは面白い商店街です。神戸のディープなワンダーランドに是非一度訪れてみてください。また訪れてみたいと思う、モトコーパラノイアにはまってしまう人と、2度と行きたくないと思う人に2分されると思います。濃いですよぉ~。

2007年2月16日

アルファ147 1600ccマニュアル

アルファ147.jpg

アルファロメオという車が気になりだしてもう数年が経ちます。それも147の1600ccマニュアル。
車に詳しい人たちの多くは、アルファは問題の多い車だから、長く乗り続けるのは大変だよと忠告を受けます。
タイミングベルトの交換は3万キロごとだし、エンジンオイルは3000キロごと。電気系のトラブルは日常茶飯事。果ては、走行距離が多くなるとボディーが歪み、雨漏りが始まり窓ガラスが外れたりするという人までいます。

そう言われても、私のアルファへの思いは強くなるばかりです。
私はステータスを誇示するような車には全然興味がなく、それより自身の勝手な思い込みであったとしても、私のアイデンティティーが持てる車に乗りたいわけであります。
そんな屈折した車趣味が1968年式ビートルを選ばせたわけですが、遠出をする時はレンタカーを借りている現状を変えるには、現在の道路事情でも普通に走ってくれて、なおかつ私の屈折した車趣味を満足させてくれる車を手に入れたいと考えたわけです。

行き着いた車がアルファ147。
調べれば調べるほど、私のためにある車であることを確信するに至ったわけであります。
それもモデルチェンジ前のツインスパーク1600ccマニュアル。

車は壊れるモノ。要は修理してでも乗り続けたいと思えるかどうかということが大事だと思うのです。
アルファロメオ147を初めて知った時、映画スターウォーズのダースベーダーのようなフロントマスクに衝撃を受けました。変ですが正にアルファらしい顔なのです。運転席周りもスポーツカーのようにコンパクトに収まった私好みのコックピット。

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私のアルファ147への思いを理解していただけるY氏は、ポルシェは3星レストランのシェフが選びぬいた食材でつくる料理のようなもので、アルファは、それもツインスパークエンジンのアルファは、料理自慢のイタリアのお母さんが、冷蔵庫の残りものの食材を使って作った美味しい家庭料理だと。この喩えは、私にとって大変魅力的な喩えであります。
そんなY氏はポルシェを筆頭に多くのドイツ車その他を乗り換えながら、マセラッティまで所有した結果、現在はアルファ147GTAというじゃじゃ馬に、体力消耗しながら乗っている、私には理解できる屈折したアルファロメオ信奉者であります。

数ヶ月前、ホンダのビートを運転してみたことがあったのだけれど、このミッドシップエンジンの軽自動車のドライビングは、大変私好みのものでした。
同じ気持の良いドライビングが、5人乗りのファミリーカーであるアルファ147の1600ccのマニュアルだと味わう事が出来るとY氏はおっしゃる。

私が60歳になった時に乗っている車を想像したとき、私にはこの車しか思い浮かばない。
中古車でも全然かまわない(今まで新車は所有したことがない)ので、じっくりハミと蝉のような顔がイヤだという娘を説得して、アルファ147を手に入れたいと思っております。
何時の事になるやら。

2007年2月14日

ミニミニダレスが出来上がりました

ミニミニダレス3個.jpg
去年の5月初め頃に作って以来のミニミニダレスです。出来上がったオーダー品のミニミニダレスを工房に置いていて、それを見たお客様たちの注文で、最初にオーダーしたお客様の了承を得て、今回は作りました。

本格的な仕事で作った小さなカバンはチャーミング。実用的ではないけれど、それと反比例して夢が一杯詰め込めるように思います。お値段は73,500円。

小さくても作る手間はそんなに変わらない。取っ手と枠縫いは手縫いだし、コバは染料蝋磨き。逆に定番のダレスの枠はまとめて金具やさんに作ってもらっているのですが、数を作らないこういった特殊なサイズの枠は、自分で作ります。ホームセンターで買った金属用のノコギリとドリルとヤスリを使って自作です。

枠作り.jpg

最初にこのミニミニダレスを合計3個注文されたお客様に頼まれていて1年以上お待たせしているカバンがあるのです。それはこれまで作ったダレスと同じサイズの小さなアタッシェケース。それもベビークロコを使って総手縫いで作ります。ベビークロコを張り込む木のケースも自作です。小さくても本格的なベビークロコのアタッシェを作ります。存在感があると思いますよぉー。

オーダー品の製作に追われています。納期が大変遅れているのは非常に申し訳なく思っています。お待ちいただいているお客様の方々、もう少しお待ち下さい。今日も遅れているオーダー品の製作にいそしんでおります。

残業していたら、ガラス越しに覗いているカップルが。S君御夫妻ではありませんか。
S君はル・ボナーの昔からのお客様で、去年結婚して久々の来店。神戸のレストランで一周年を祝った帰り、もう閉まっているだろうけれど、外からル・ボナーを覗いてから帰ろうと思っていたら、たまたま私が残業で居たというわけで、会うことが出来ました。
可愛いご夫婦は、1年経っても可愛いままで、良い感じ。この1年の出来事を話しました。
日々の繰り返しの中で、めぐり合った多くの人たちとの思い出が、私たちにとって大事な宝物です。

2007年2月12日

今日はパテックの日

パテック5085.jpg

パテック5085裏.jpg

今日はパテック フィリップの日でした。
パテックを所有することは間違っても私にはないでしょうが、素晴らしい仕事がされたモノを見ることは、大きな刺激を感じることができるし、ドキドキします。
オーダーのカバンを取りに来られたYさんのされていた時計はパテックの5085。現在生産していないモデルですが、ステンレスケースの時計の中で、世界最高の時計だと私は思っている時計です。
パテックのムーブメントの仕上げは本当に美しい。工場生産品ではあるのだけれど細部まで手抜きなしの見事なもの。

去年ル・ボナーのカバンたちを写したポスターで、印刷技術を競うコンクールで審査員特別賞をとった大和出版印刷が、今回は時計のムーブメントの超アップの写真のポスターで、金賞に輝いた(お見事)のですが、そのポスターはパテックとバセロンとランゲで、見比べてみると、やはりパテックの仕上げは別格。顕微鏡レベルで見てもパテックのムーブメントの仕上げは粗を見つけ出す事は出来ない。お見事。

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夕方来られたお客様に見せていただいたパテックはこれはほんとにまったく凄い。
50年前の2526 通称トロピカル。それも裏がスケルトン。50年前にスケルトンなんてあったのかと思いつつ、シャルマンで購入された品なので、素性は間違いない。
ムーブメントの繊細な美しさに呆然。私の大好きな独立系時計師のフィリップ デュフォーさんも大いなる刺激を受けるというオールドパテックの仕事は、今まで見たムーブメントからは感じなかった、天使が住みついている気配を感じます。
多くの物語をこの小さなケースに収まった小さな小さな部品たちの集合体が語りかけてくる。この時代のパテックはまだチラネジ、スワンネックです。正にポエムを奏でるムーブメント。
美し過ぎる。

私はセイコーロードマーベルで充分幸せなのだけれど、こんな異次元の時計を時々見せていただくと、一瞬夢の世界に迷い込んだようで、幸せな気持。時計のワンダーランドに、私を招待してくださるル・ボナーのお客様たちに感謝。しかしル・ボナーに来られるお客様たちはほんとに素晴らしいモノをお持ちの方が多いことに驚かされます。

2007年2月10日

紐財布

紐サイフ.jpg

この財布を作り初めて4年ほどになります。最初女性が使う事を意識してデザインしたのですいが、購入されるお客様は男女半々です。購買層の幅があるのは、私たちにとって予期せぬ幸運なことです。

紐止めするデザインは、江戸時代の財布を思い浮かべながら考えたのですが、ホックなどで止める財布にすると、見た目より入らない財布になってしまう。それに比べると紐で止める場合は、中身の量が多くなっても融通がききます。私などは貯金通帳入れとして使っています。紐を穴に通すのが面倒のように見えますが、慣れると全然楽。穴に通さなくても一周した紐をクルクルと巻きつけていればそれでも固定できます。

紐札内側.jpg

内側の仕様はカードを入れる部分が12箇所、小銭入れの部分にも一杯はいります。
男性の場合、薄みの財布を好むと勝手に考えたのですが、厚みがあっても一杯入る財布を好む男性も結構おられる。特に若い男性。バイカーズファッションの若者たちは収納力はないけれど、厚みのある革で作った分厚い財布を使っている人も多いのも影響しているのかも。

ペリンガー社のシュランケンカーフを使った革製品は色が一杯あって楽しい。それも素晴らしい発色。私の知っているシュリンク革のなかでは最高の革です。そんな革を使えることを幸せに思います。

2007年2月 9日

あともう少し

ドレープ.jpg

キューブボストンの内装、ポケットにゴムを入れる前です。
この作業をする度に、柔らかい革をふんだんに使ったタックやギャザーのふわふわしたバッグを
作りたいなーと思いますが、なかなか時間の都合がつかなくてイメージばかり膨らませています。
今、持ち手を付けるべく手縫いをしています。数日で完成します。
長い間お待ちくださったお客様方に感謝と共に、あともうすこしです!

2007年2月 7日

キャンディーのようでふでDEまんねん

キャンディー、筆マンネン.jpg

鳥取からの帰りの車中で、古山画伯に、奥様のハミさんに差し上げたい品があると、画伯の今回のお供の、信州のカバン仙人が作った手縫いのカバンから取り出した品は、セーラー万年筆の大ヒット作キャンディー。ただ特別なキャンディーなのです。ペン先がふでDEまんねんなのです。

このキャンディーは特別な1本ですぞと画伯。
万年筆の神様 長原さんがセーラーの台湾工場長だった35年前、初めてふでDEまんねんのペン先を発想し、キャンディーの先に付けたプロトタイプの品。その時販売はされなかったけれど、後のふでDEまんねんとして日の目を見ることになった原型なのだそうです。
画伯が長原さんに頂いた品を、ハミはプレゼントしていただいたのであります。

インクを入れて書いてみると、素晴らしい書き味。私は現行のふでDEまんねんを持っていますが、まるで別モノの書き味。プロトタイプなので、きっと長原御大が調整し研ぎあげたペン先なのでしょう、細字から太字まで変化する太さで線がすーらすら書ける。気持良い。

万年筆の神様 長原御大とはまだお会いしたことがないのですが、縁があるようで、愛知のK氏に頂いたシェーファーのタルガも、元の持ち主は長原御大であったし、この万年筆も万年筆の神様。是非お会いしたい、ペン先を見つめ続けた万年筆の巨人です。

私たち夫婦が万年筆に興味を持ったきっかけは、カバンにも特別強い興味を持っておられる古山画伯が、ル・ボナーに突然来店された時からです。万年筆趣味人のかすがいである画伯は、強~い万年筆菌をル・ボナーに持ち込み、私たちは感染してしまいました。
万年筆で書くときの指先に伝わる感触の心地良さに、心の安らぎを得ることが出来る私がいます。これは大変まずい症状?です。まあいいかぁ~。

2007年2月 5日

ル・ボナーは今日も元気です。

1,24ル・ボナー遠景.jpg

一軒明かりがついているところがル・ボナーの店舗です。
夏場は店舗前の人工の川で、水遊びする子供連れの家族が遊んでいたりするのですが、冬場は人影なくて寒々としています。殺風景な安藤建築のル・ボナーが入居するショッピングモールで、オープンして14年、最初からずーとやっている物販店はル・ボナーだけになってしまいました。
最初は右半分の8坪ほどががル・ボナーのショップ兼工房でしたが、隣の宝飾品屋さんが店を閉じたので、壁を取り払ってそこも借りることにしました。それで今は20坪ほどのスペースになりました。元宝飾屋さんの内装は予算の都合上そのままで使っているので、お店部分と工房部分の内装がアンバランスな店舗ですが、それはそれで気に入っています。
ただ宝くじが当たったら、まず最初に店舗の改装に、そのお金をつぎ込みます。お客様がゆったりできて、仕事がしやすいすっきりとした内装に憧れてはいます。

1,24ル・ボナー.jpg

昨日ミシンその他工房の什器の位置を少し変えました。作業をする動きがスムーズになったと2人満足していますが、また数ヶ月したら模様替えをしているんだろうなぁ ~。
私達2人は仕事に集中し始めると、すぐにグチャグチャの仕事場と化してしまう几帳面とは言いがたい性格のため、それを直さない限り、数ヶ月に1度は什器の配置を変え続けていることでしょう。

今日も月曜日なのに、多くのお客様に来ていただきました。
繁華街にあるお店ではないので、偶然前を通りかかって知ったというお客様は稀で、初めてのお客様はル・ボナーの顧客の方に聞いて来られる場合が多いです。そんな繋がりが嬉しくて感謝しています。
知らないお客様同士がル・ボナーの店内で居合わせ、鞄のことでお友達のように会話されている時、私達は幸福感を頂きます。

そんなお客様たちに支えられながら、私たちはこの場所で鞄作りを続けていこうと思っています。今日は良い天気でした。店舗前で日向ぼっこしたかったなぁ~。

2007年2月 2日

削り出しの錠前のサンプル

アルミのサンプル.jpg

グラスに使う錠前の試し彫りが届きました。実際の錠前は真鍮で作るのですが、これは旋盤のプログラムが間違っていないかが分かればいいので、ジュラルミンで。

普通、市販の鞄の錠前その他の金具はアルミダイキャスト(鋳造)にニッケルメッキをして銀色の金具に仕上げ、金色の金具はその上に金色の塗装をします。多くのかばん屋さんの鞄は既製のそういった金具を使っています。
そんな既製の金具に抵抗があり、今までにもオリジナルで何点か作ってきました。
しかしそういった金具は、浅草三筋界隈の金具問屋経由でのもので、制約は多くありました。

今回は鞄業界とはまるで関わりのない精密金属加工会社にお願いしました。
ル・ボナーの顧客のY氏に紹介していただいたその金属加工会社の社長さんは、私と同年代のイタリアチョイ悪風の少し怪しい人物。鞄のデザインも作りも革も良いけれど付いている金具が納得いかないと素直な発言。確かに精密金属加工をしているお人から見ればその通りでしょう、だったら作ってみてくださいということにあいなりました。

少ない数の上資金的制約もある、金銭的うまみなんて全然ない注文。それも複雑な削りが要求される形状。作ってみようと思っていただいた精密金属加工会社の社長さんに感謝、感謝。

作るなら世界一の鞄用錠前を作るべく部品含めて、時計の部品なみのレベルで作り上げると豪語する社長。
ケースの削り出しのプログラムは、精密加工会社のホープである20代の若者が残業して組んでくれました。計測も3次元計測器でミクロン単位。蝶番のところも精度が落ちるからと、溶接ではなくて本体と1体で削りだしています。ムーブを収めた蓋をとめる小さなネジ山とネジ穴も6度ほど磨き上げを繰り返し、精度を高めるそうです。

金色は真鍮素磨きで仕上げるのですが、銀色は、最初ジャーマンシルバー(洋銀)で作る予定だったのですが、この金具の場合厚みがありすぎて、この厚みを削りだせるジャーマンシルバーが手に入れられないことが判明したため、急遽ニッケルとクロームの二重メッキをすることに。ニッケルは真鍮の食いつきがよく、クロームは硬度があり丈夫。
メッキによる厚みを考慮して、真鍮本体をミクロン単位で削って、真鍮素磨きの金色のものと厚みを同じにするんだそうです。それもメッキは金属表面の洗浄の良し悪しが食いつきの良さを左右するからと、純水で洗浄するこだわったメッキ屋さんにお願いします。
ムーブの中に使う小さなバネも耐久性のある特殊なバネを但馬の工場に作ってもらっています。精密金属加工会社の社長さんの素晴らしいネットワーク。

この小さな鞄用の錠前を組み上げるために、兵庫県の北から南まで、多くのこだわりの強い職人さんたちに手伝ってもらって、出来上がろうとしています。
この後順じ、ブリーフやダレスで使う錠前や、バックル、押さえやカンを作っていく予定にしています。それは真鍮とジャーマンシルバーを使う予定です。
日本の大手鞄屋がやらなかったオリジナル金具を使った鞄作りをしようとしています。
それも世界一精度が高いオリジナル金具。出来上がるのが楽しみです。

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