2007年3月アーカイブ

2007年3月31日

フラソリティー バイ ル・ボナー開店

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「フラソリティー バイ ル・ボナー」のネットショップが開店いたします。
このプロジェクトを提案したのは私です。私が企画デザインし初期サンプルを作り、フラソリティーのスタッフと職人さんに製作をお願いし、大和出版印刷のみなさんにネット販売のホームページとシステムを作っていただきました。

当初の予定が大幅に遅れましたが、本日オープンです。
まず最初に私がデザインの決定で遅れ、その後フラソリティーの製造部隊が思いのほか手間取って遅れ、最後に大和出版印刷のスタッフが今までしたことがなかったネット販売システム作りに手間取ってしまいました。最後は大和のスタッフは連日午前2時近くまでネットの試運転を繰り返ししていたようです。ご苦労様。
なんとかこの手作りのネットショップ開店です。

フラボナのネットショップは大きなネットのショッピングモールには参加しない個人の路面店のようなお店です。最初から多くの来店は期待していません。しかし今後販売する品を少しずつ増やして、来店客も少しずつ増やしていけたらなぁと思っております。

またこのネットショップを出発点として、大和出版印刷を中心に神戸のこだわりの製品を売るお店を集めて神戸メイドをコンセプトに、ネットのショッピングモールを作る計画があります。私もフラボナのネット店以外のお店とのコラボに参加して、オリジナルなショッピングモールを作る手助けをしたいと思っています。

参加したみんなは個々の利益より、夢が描ける仕事を創造したくて作り上げたフラソリティー バイ ル・ボナーのネット店です。真剣勝負の文化祭のようなもので、これからが大事です。
おかげさまでネット店をオープンする前にル・ボナーのお店ではフラボナのカバンたちが思いのほかよく売れて、現在フラソリティーに追加生産をお願いしています。

一つのカバンが二通り以上の、まるで違った形に変化する今回のカバンたち。店頭で説明すると、皆さん驚いて面白がっていただけます。それと実際に見ると、ミネルバボックスという革の質感の素晴らしさを感じてもらっています。さりげなくて自由なカバンが出来上がりました。是非ネットにて購入して、素晴らしい経年変化を楽しんでみてください。

2007年3月30日

トミーズのあん食パン

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昨日は休日だけど、お店は閉めてお仕事でした。
がその前に、お客様から教えていただいたパンを買いに住吉台へ、ビーちゃんに乗って出発。
神戸に住んで14年、住吉台には私たちの住む六甲アイランドと同じ東灘区なのだけれど、まだ行った事のない場所。道に迷って、登山道のような道に迷い込みながら目的のパン屋さんに。途中の住宅街から、私たちの住む六甲アイランドを中心とした絶景が。曇り空で少し靄っていたけれど、晴れて澄んだ空気の日であれば感動ものです。夜景きれいだろうなぁ~。
ジブリの映画「耳をすませば」のゆめやのようなお店兼工房兼自宅がこんな場所に持てたら最高だなぁと思いつつ、目的のパン屋さんへ。

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目的のパン屋さんの「トミーズ」本店は、団地の横にある、普通のパン屋さん。午前6時半から販売が始まるので、仕事の前に買いに行ける。支店が市内に2店あり、製造はこの本店でしていて、朝早くから忙しく出来たてアツアツのパンが運び出されていきます。

目的のパンは、アンがマーブルパンのように絡めて焼いた食パン。一杯買おうと思っていたのだけれど、一人一日2つまでしか駄目なのだそうです。このパンが驚くほど重いのであります。
持ち帰り、焼いてバターを塗って食べてみると、不思議な美味しさ。お茶を飲みながら頂くと良いと思ってしまう未体験のバランス。神戸のパンは奥が深~い。
また数日したら、早起きしてビーちゃんに乗って買いに行ってこよーっと。

ハミは女学生の頃(35年ほど前)、学校の前のサカシタという店で、おばさんがコッペパンにつぶアンとバターを塗ってくれたアンバタと呼んでいたパンを思い出し、どうしても食べてみたいと思ったこのあん食パン。三ノ宮にも支店があるので、是非一度食べてみてくださ~い。

2007年3月29日

N若夫婦の決断

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時々顔を見せていただくN若夫妻が飼っているビーグル君です。我が家の次男坊チャーと似ていて、特別な甘えん坊の迷犬で、2匹のビーグルの性格の類似点が有り過ぎて、Nご夫婦が来られるとその話で盛り上がります。もしかして兄弟なのかと思ってしまいますが、彼は14歳で赤の他犬です。

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Nご夫妻は、ル・ボナーに集まる多くのお客様同様モノ好きなご夫婦です。そんなNご夫妻がル・ボナーに久しく来られていないと思ったら、夫婦の静かなモノ好き人生を覆す一大決心を、ご主人がしてしまったのであります。

Nご主人は10年弱勤めた安定した公務員生活にピリオドをうち、家具職人になるため飛騨高山の学校に出発するのです。2年間は別々での生活です。
徒弟制度現代版のような2年間。先の保障は何もない。やる気次第です。

ここのところ、独立系のモノ作りの職人になりたいと思っている人たちに会う機会が多い。
そう望む人が多いことは、私にとって喜ばしいことです。作るという行為は、お金では買えない人間だけが得ることのできる素晴らしいこと。そのことで生活するには、苦しいことの方が多いと思うけれど、作るという行為が全てを許容出来るはずです。

明日飛騨高山に、理解ある奥様と甘えん坊のビーグル君を神戸に残して出発です。
数年後に、ル・ボナーのお店の御近所さんとして、奥様がパソコンで仕事をしながらお店で時々接客し、その奥で御主人が黙々と家具を作っている工房兼ショップが開店するのを想像します。私たち夫婦は手助けは出来ないけれど、応援します。Nご夫妻の第2ラウンドを。

2007年3月27日

プレーン・シャーク革のブリーフケース

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オーダーのシャーク革のブリーフケースが出来上がりました。
使い込むと良い艶が出て丈夫な革なのですが、薄くて柔らかな革なので厚みを出す工夫をしないと質感のない鞄になってしまいます。芯材だけで厚みを出すと、芯材の質感ばかりが目立って良くないので、裏にステアの革を貼って、その後薄い芯材を使って作りました。でも使い慣れていない革で作るオーダー鞄は試行錯誤の連続です。
このブリーフケースのように、本来柔らかな革を固く仕上げるのには苦労します。特にコバ磨きには手間がかかります。タンニンなめしの革は磨くのはそんなに大変ではないのだけれど、クロームなめしの革でソフトな革は簡単には磨き上げることができません。いつまで経っても、モノ作りは勉強の連続。

この後、月に一度のオーダーベルトをこなして、また遅れているオーダー鞄を作り続けます。
モノ作りは苦しくもあり、楽しくもあり。終着点はまるで見えてこない。自己嫌悪と劣等感の繰り返し。それでも試行錯誤しながら、前に進みます。カバンを作ることが私の存在価値。

神戸・六甲アイランドの桜が咲き始めました。1年で一番気持ち良い季節が始まります。
ル・ボナーのお店のドアも開けたまま、気持良い空気を感じながらカバン作りをしている私たち夫婦がいます。

2007年3月25日

雨の週末、人模様

昨日は、春らしいく暖かですが雨降りの週末でした。
良い品を安く購入する名人のF夫妻がやって来て、近くのショッピングビルの催し物会場で、質流れのブランド品や平行輸入したブランド品を大々的に売っているという情報を持って来られたので、見に行くことにしました。

会場は大盛況。エルメスやビトンがいっぱい。エルメスの平行輸入モノは、エルメス・ジャポンで買うより高いけれど、新品といってもいい様な程度のよい中古品は結構安い。
そんな中、中古のブランドバッグがワゴンで格安で売っていました。

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現在ではオーラを失ってしまったと私が思っているヨーロッパのブランドバッグの、昔の良い革で丁寧な仕事のバッグはないかと捜してみました。
その中に、気になるバッグが数点あったので、資料用として買ってしまいました。
セリーヌのボックスカーフを使った丁寧な仕事のハンドバッグ。まだカルティエらしい質感のある革を使っていた頃のカルティエ独自の高級を表現したセカンド。それと、思ったよりいただけなかったけれどグッチ一族の手から離れたばかりの頃の、大ヒット商品のバンブーリュック。私の大好きなグッチのフィレンツェのカバン職人の仕事ではない。
このカバンたちは分解して、お勉強させていただきます。

お店に戻ってしばらくすると、「ル・ボナーの一日」に何度かコンメントをいただいている横浜のたかさんが、ご夫婦で来店。初めてお会いするのに旧知のお客さまのように接っしてしまう、不思議な親近感。
そのすぐ後に来られたエリートサラリーマンのAご夫妻、それといつものF夫妻、同年代のお客様がご夫婦で3組。ル・ボナーの店内は談話室と化し、楽しい午後のひと時。

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たかさんも困った時計好きです(笑)。気に入った時計を、破格値で購入するのを得意とされる時計好きの方で、写真の時計も相当お安く購入されたようです。それでも、元が高い時計だから相当にリスキーです。私は真似できません。

金無垢のジャガールクルトは大迫力。ジージーと鳴る目覚ましのカラクリをスケルトンで見るのは初めて。面白い。アランシルベスタインの時計は表だけでなく中まで斬新なデザインしている。ここまでオモチャチックに作ってしまう高級時計は、潔いと思う。それにしても私はムーブメント好きであります。

そんなたかさんの時計コレクションの中で、一番私が気になった時計がありました。それは、奥様がドイツのハンブルグに旅行した時、奥様の趣向でご主人のためにオーダーしたヘンチェルというメーカーの時計。
ホワイトゴールドのケースにア・シールドというデッドストックムーブメントを使った時計で、頼んで一年待って手元にとどいた一品。クラシカルな趣のあるドイツ時計です。ご夫婦の仲の良さが伝わる優しい時計でした。
飛行機往復とホテル2泊付き一人24000円(そんな安いチケットがあるのだと驚き)で来られたたかご夫婦、神戸を楽しめたでしょうか?バーYANAGASEには行かれたでしょうか?。

2007年3月23日

私のバブル景気の頃

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ファーラウトのカバンの1シリーズ

今”バブルへGO”という映画が上映されている。あの頃を知る人には相当面白い映画のようです。私も見に行きたい。

バブル景気は1986年11月から1991年10月にかけて約4年の出来事で、プラザ合意が生んだ不思議な4年間でした。株価は現在の倍まで膨れ上がり、軽薄な豊かさの中で日本が踊らされた4年間でした。

私はこのバブル景気の時代は丁度成城にお店を出して失敗し、色々なアルバイトをしながらカバン作りも続ける最悪の経済状態の時代に重なり、バブル景気の恩恵らしきものは得ることなく過ごしました。

バブル時代の最後半だけ、少しバブルの恩恵を得たと言えば得たのかな。
生活が苦しくて知人に紹介してもらって就職したところがファーラウトという日本発の世界レベルのバッグブランドをめざした会社。ここで企画の仕事(デザイナーのスケッチからパターンを起こし初期サンプルを作り、工場と打ち合わせをする仕事)をしたのですが、資金的に余裕があり、将来の夢もあり、やりがいのある仕事でした。まさに今まで経験したことのないおとぎの国でした。

しかしこの会社はイトマン100パーセント出資の会社で、イトマンが駄目になって一緒に解散することになってしまいました。私にとっては、お金のことを気にせずに、カバン作りのことだけ考えていられた最も幸せな月日でした。
バブル景気の明と暗、最後の最後に両方経験しました。

その後の日本経済どん底10年(その間、私たちは阪神・淡路大震災も経験した)を経て現在に至っています。景気は少し回復してきたとはいえ、モノ作りの環境はますます厳しくなっています。
そんな中、モノ作りを続けられている私たちは幸せです。好きなモノ作りを続けるためのお金は必要だけれど、それ以上に豊かな気持でモノ作り出来る環境が一番大事です。
カバンを作り続けて30年。紆余曲折しながら、二人三脚で今もカバンを作り続けている私たちは、より豊かなモノ作りの環境を作ってゆきたい。

2007年3月20日

絞り技法のペンケース

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私は万年筆に興味を持ち始めてから、1本1本個別に保護されたペンケースが欲しくなりました。
ル・ボナーでは筆箱は作っているのですが、個別に保護されたペンケースは今までアイテムになかったのです。私自身が欲しいから始まって、それなら既製品にはないデザインで使い勝手の良いペンケースを作ろうと思いました。

私はTAKUYA君の作る万年筆ケースが好きです。絞り技法を使った無駄のないデザインは素晴らしく、4月末からTAKUYA君のペンケースもル・ボナーに展示して、関西で初めてTAKUYA君のペンケースをオーダーできるお店になりますが、1個ずつ絞りをして、それも2枚の革を張り合わせたモノを絞るのは大変です。その上全て手縫いで仕上げるので高価なものになってしまいます。値段に見合った手間ひまかけた仕事をしている見事なペンケースですが、多くの人が買える値段ではありません。

一点作りのペンケースはTAKUYA君に任せて、ル・ボナーが作るペンケースは、合理的な量産方法を考え出して手頃な値段で供給できる工夫をして、それでいて今まで既製品のペンケースにはなかったモノにしようと思いました。
絞りの技法は、ペンケースには最適の技法だとTAKUYA君のペンケースを見たとき思いました。しかしこの技法を使ったペンケースは、現在独立系の職人が一点作りするモノしかなく、そのため高価です。
この絞り技法を使った手頃な値段のペンケースは作れないものか思案しました。
まず絞り込みを自分でやっていては無理です。そこで、絞りを専門にやっている職人さんを見つけ出すことから始めました。これがなかなかおられない。昔はランドセルや学生鞄の前面に絞りを使ったパーツを使っていたので多くおられたようですが、そういった鞄の多くがビニール製になった現在では、量産の絞り職人は本当に少なくなりました。それでも、やっと見つけ出しました。
木型が出来上がり、現在絞りの試作をしてもらっているところです。革の二枚重ねを絞ってもらっているので大変だと思います。一本入れの方は大丈夫みたいですが、三本入れのタイプが苦労しているようです。溝の部分が沈みきらないのです。沈み込む角度が急だと難しいようです。木型を削り直しながら、今がんばってもらっています。

縫製はミシンです。縫う位置から絞り込んだ部分のふくらみが近いため普通に縫うと、膨らんだ部分の革をミシンの押さえが傷つけるため、普通手縫いするしかないのですが、手縫いすると手間をかける分、値段に反映させざるおえなくなります。そのためミシンの押さえを加工して、傷つけないように工夫します。

絞りさえうまくいけば、良いペンケースが出来ると思います。綺麗なふくらみに絞れたサンプルが出来上がってくるのを、祈るように心待ちしています。

2007年3月18日

ランゲ1とレンセイ製菓

ホームページにアップしたばかりなのに、ラフィーヌの最後の1個が売れました。
ラフィーヌに使った、フランスのデュ・プイ社が作ったロダニールという革は、ここの所幻滅させられつづきのデュ・プイの革の中にあって、この革だけは特別素晴らしい革でした。しかしもう在庫もオーダーで使う分しか残っていないので、次回このラフィーヌを作る時は別の革になってしまいます。
そのため最後の1個は売れない方が良いと、店頭には並べず工房の奥のガラスケースに入れておいたのですが売れてしまいました。娘を嫁にだすような気持ちです。でも親しくしている顧客の方が買われたので、これからもその後の様子を知ることが出来るので安心です。

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ラフィーヌを買われたお客様のされていた時計、ランゲ&ゾーネのランゲ1です。
ランゲ&ゾーネの作る時計は、スイスの高級時計の繊細で上品な仕上げと違って、頑強で厚みもあって重い。それでいて上等な時計で、私は買えないけれど大好きな高級時計です。
今回見せて頂いた、ランゲ1は、ダイヤルは真珠貝を使い、ケースはホワイトゴールドのロジウム仕上げです。上品なランゲ1です。ロジウムのメッキは、削りだし錠前プロジェクトでも使う究極のメッキ素材。そのシルバーの光沢は繊細で美しい。ドイツ人の感性が作り出した素晴らしい時計です。

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そこにいつものF夫妻登場。前から気になっていたけれど、買えずに今日まで来てしまった、レンセイ製菓の紙袋を持って。

今マイブームのモトコー(元町高架下商店街)にあるレンセイ製菓は第二次世界大戦後ずーとこのモトコーで営業し続けた手作りのお菓子屋さんです。現在は老夫妻だけで作って売っているのですが、昔はお店で売るだけでなく大々的に作って卸していたのであろう事が、お店奥に並ぶ、古くなった重厚な機械類の数々がしのばせてくれるお店です。

昭和30年代から時間が止まってしまったようなお店で作る洋菓子はやはり期待していた通り、まだクリスマスケーキといえばバタークリームか固いチョコレートに包まれたモノしか食べた事のなかった私たちが子供だった頃のままの洋菓子でした。
蝋で作った食品サンプルのような見かけ、それに大きい。
しかし見かけから予想したほどには甘くはなく、甘いことは甘いですが美味しくいただけます。ただ大きいので、1日一個で十分満足します。昭和30年代のノスタルジアを一緒に頂く事が出来ます。沢山はこの年になると食べられませんが、賞味期限が10日もあるので大丈夫です。
それに安い。この大きさで、一個80円。10個入りで800円、それに和装小物を入れるような紙箱が130円で、計930円。
これで、次回からの東京出張の時のお土産は決まりで~す。15個入りのを買ってゆくことにします。かさばるけれど、神戸の笑いと感動を伝えることができます。

お客様にもおすそ分け。ランゲ1を腕に巻いて、ラフィーヌの入った大きな袋と一番甘そうに見えるレンセイのお菓子を選ばれて帰っていかれました。
屈折したアルファ好きでモトコー好きのY氏が夜来られました。どうぞ召し上がれと勧めたのですが、相当甘そうな見た目に怖気づいて拒絶されました。

変わらず作り続けることは、凄いことです。

2007年3月16日

本パナマの帽子

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昨日はお店がお休みだったので、ハミとチャーと一緒にビーちゃんに乗って神戸元町の繁華街にお買い物。小雨まじりのハーバーハイウェイを68年式ビートルは快調に走る。
もうしばらくしたらアルファロメオに代替わりすると思っているのは、我が家で私だけなのだろうか。

最大の目的は私の夏用の帽子。
一ヶ月ほど前にフェルトの中折れ帽とハンチングを安く購入したイートンズへ。
店じまいするので、現在在庫を売り切っているところ。良い帽子が一杯あるのにお店がなくなってしまうのは残念なことだけれど、帽子好きの人間にとっては今がチャンス。気に入った帽子があれば今のうちにまとめ買いしておかないと。

夏物の帽子もお店に並び出したことは、神戸通のF夫妻から聞いていたのですが、東京出張の時に憧れのボウラーハットを買ったばかりだったので、行くのを躊躇しておりました。
しかし普通に本パナマのストローハットを買うと3~4万してしまいます。扱いが乱暴だとすぐ破れてしまうストローハットをその値段を出して購入するのはずーっと躊躇っていたのだけれど、やはり夏の帽子は本パナマのストローハット。今買うしかありません。

ストローハットは子供の頃被った麦わら帽子と変わらない感じの物から、すこぶる上等な物まで色々ありますが、本パナマの素材を使うかどうかで大きく違います。
イートンズに行くと、本パナマのストローハットが一杯あります。それも安い。しかしお店にストローハットが並び出してから、時が過ぎたためサイズのあう帽子が少なくなってしまっています。その中からサイズが合う本パナマのストローハットを二つ買いました。ついでにイタリアに行った時なくしてしまったメッシュのベレー帽を2点。
白いイタリア製が8,925円、本パナマだけれどベージュの日本製のが5,250円、それとベレーが2,888円でした。この値段ではなかなか買えません。

数年前に亡くなられた神戸の老舗の不動産会社の会長さんは、正に神戸人らしいお洒落な老紳士でした。細身で長身で、夏にはグレーの麻のスーツにグレーのパナマ帽を被ったお姿を思い出します。私は背が低く太ってしまっているので、まず無理だぁ~。

その後、念願の”ぼんてん”で餃子を買いました。神戸B級グルメを自認する多く人が、神戸一うまい餃子専門店と言うお店。食べたいと思っていたのだけれど、開店が午後1時というのがネックでなかなか食べる機会がなかったのですが、やっと食すことが出来ました。
チャーがいるためお店では食べられなくて、二人前だけ焼いてもらって車に戻って食べて、残り10人前は焼いていないのを家に持ち帰り晩御飯で食べました。
ル・ボナーに集う神戸B級グルメの皆様がおっしゃる通り、美味しかったで~す。

2007年3月15日

ハミさんの書いた葉書

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ハミは昔からの友達と葉書のやりとりをしています。書いた葉書をこそっと撮りました。
ハミらしい可愛い絵です。私はそんな、ハミの描く絵が大好きです。
50過ぎの少し老人性痴呆がでてきたオバサンですが、描く絵はこんな感じ。私がランドセルを背負ったオヤジなら、ハミはこの絵のままのオバサンです。

私はハミが天才であると思っております。何の天才であるかは定かではないですが、感受性はぴか一です。私と一緒になったために、この30年経済苦の連続。それでも感受性は失わず、ハミの作るカバンは豊かな表情を見せます。私の作るカバンが、鞄の歴史やセオリーに起因して想像するのに対して、ハミは頭に浮かんだ、自分が持ちたいと思う鞄を自由気ままに作ります。自分が持ちたいと思わない鞄は全然作れません。

私はこの30年以上の鞄職人としての人生の中で、多くの人と出会い技術的な刺激を受けながら鞄作りは変わってきました。それに比べハミは多くの人と知り合いながらも、基本的には全然変わっていなくて昔出会った頃の感性のままで、今も鞄作りをしています。驚異的な頑固さです。
私が一番影響を受けたのは、そんなハミからであることにこの頃気づきました。悔しいけれど。
 
カラフルで内縫いのソフトなカバンがル・ボナーに多いのはハミの存在が大きい。私だけがカバンを作っていたら、ル・ボナーの商品構成は全然違ったものになっているでしょう。
柔らかな発想のモノ作りがル・ボナーの大きな特徴だと思うのですが、男は経験や知識に固執したモノ作りをする。自由に作れた方が楽しいはずなのに。

私たち夫婦は今年で30年目を迎えます。真珠婚式です。
ランドセルを背負ったオヤジと呼ばれる私と一緒になったことで、右往左往しながら30年の歳月が過ぎてゆきました。私にとっては最善の選択であったけれど、ハミにとっては最悪の選択かもしれなかったけれど、これからも二人で生きてゆくのでしょう。

私は娘からも田舎育ちのお坊ちゃんと揶揄されるように、仕事だけで、家事や子育ては全てハミまかせできた駄目夫です。ハミはこの30年の間、そんな私の行いを諭し続け、少しは私もまっしになりましたが、まだまだ人並みではありません。
夫婦の後半戦が始まります。これからも末永くお願いします。

2007年3月13日

いつもゴチャゴチャの仕事机

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私はいつも出歩いているわけではありません。多くの時間をこの仕事机の前で過ごしています。従業員は二人だけの製造直売の零細企業のかばん屋なので、カバン作りがメインであるのは当たり前なのだけれど、接客や事務処理など雑多な仕事も多くて、工房はいつもゴチャゴチャ。出したものは使った後はすぐかたづければいいのだけれど、几帳面ではない私たち二人の仕事場、特に仕事机は積み上げられた書類や革でいっぱい。
でもそんな仕事場だけれど、一番居心地の良い場所。

夜になるとル・ボナーのショップの灯りだけがポツンと目立つ、野中の一軒家のような状態になってしまっているショッピングモールで人影も少なく、時々不安にはなるのだけれど、居心地良いからまあいいかぁ~。
日曜日は記録的にお客様が来店されて、伝票を見ると10人以上のお客様に買っていただいて、ル・ボナーとしては凄いことです。ほんとうにありがたい接客三昧の日曜日でした。

平日はカバン作り頑張らないと。今シャークスキンのブリーフケースを作っています。
年に一個必ずオーダーしてゆく10年以上のお付き合いになる顧客の方の注文品ですが、半年以上納期が遅れちゃっています。頑張らねば。あっ、その前に太ダレスの修理をしなくてはいけません。14年もこの地でカバン作りを続けていると、修理のない月はありません。今回はダレスのトップの枠に巻いた革が擦れて破れたので、その交換です。
トップは手縫いしているので、交換修理も時間を要します。本体の革が死んじゃわなければ、あとは修理可能です。少しお金はかかるけれど。

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シャークという革は、エレファントに似た経年変化をする革です。エレファントが一時ワシントン条約の関係で使えなくなって、その代替として使い始めました。
シャークの問題点は幅がなくてブリーフなどのサイズの場合、縫い繋がないと本体の盤面をとる事ができません。その上暴れん坊のシャークなので傷が多い革で、非常に無駄が出ます。一つのブリーフケースを作るのに約3倍のシャーク革が必要になります。
シャーク革は、表皮を擦ってヌバック状態にしたものを使う事が多いのですが、今回は擦らずに吟面を残したままのシャーク革を使って作ります。薄い革なので、質感を出す工夫が必要です。結構好きな革です。良いカバンに仕上げないと。

もう時効だと思うので言ってしまいますが、2週間ほど前の39度の熱で仕事を三日間休んだ病名はインフルエンザだったのです。お客様にうつってはいけないからと、自宅で軟禁状態。家族やお客様でインフルエンザになった人はいなかったようで良かった、良かった。
今話題のタミフルを飲んで早期に回復しましたが、異常行動はしなかったと思いま~す。

2007年3月11日

素晴らしき削りだし錠前プロジェクト(後)

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蝶番も一体で削りだす錠前のメリットは色々あるけれど、その一つにもし蝶番などの突起部分を溶接すると、表面にいくら丈夫なメッキをしたとしても、溶接で熱を加えた部分に酸化する要因を残したまま、メッキで覆いかぶすことになり、メッキの内側で酸化した部分とメッキが剥離し、メッキがパリっと剥がれる可能性が生じます。一体で削り出せば、熱の加わった部分がないので酸化によるメッキの剥離の可能性はなくなり、表面のメッキが削れる心配だけになる。それも今回はカバンの金具ではまずしたことのないニッケルとクロームのWメッキで、素晴らしく頑強なメッキ。1,3ミクロンで均一にメッキしているので、削りだしの文様もちゃんと残っています。
メッキの真鍮への食いつきも、メッキする真鍮の表面を純水で洗浄するこだわりのメッキ職人さんに頼むので心配なしです。

でありながら、精密金属加工会社のK社長の提案?(私だったかなぁ~)でとんでもないメッキの錠前も数個だけ作る事になりました。
まずはメッキ技術の究極を追求したスーパークローム(勝手にそういう名前で呼んでいる)の品。これは宝飾品レベルの光沢を約束します。そして頑強。銅とニッケルとクロームの3層メッキです。メッキ職人の腕の見せ所。
それと、なんとロジウムメッキの品。ロジウムは究極のメッキ素材です。硬度はクロームの100倍(クロームのメッキでも十分固いのに)で、プラチナより全然高価な貴金属です。
それぞれル・ボナーの名前とシリアルナンバーを内側に極細のドリルで彫って各10個のみ作ります。これは凄い事です。簡単には使いません。1/10のシリアルナンバーのスーパークロームとロジウムの錠前は私の棺おけに一緒に入れてもらうために使わないで大事に保管しつづけるかもしれません。
宝飾品レベルのグラスの錠前まで作ってしまうことにあいなりました。これは凄い事です。
前代未聞の企てです。

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最終打ち合わせ?を終え、この地の名店ビフテキむさしに。知る人ぞ知る名店なのだそうですが、見た目は至って質素。田舎のお好み屋然。出てきたビフテキ200グラムは素晴らしく旨みに満ちた但馬牛。神戸で食べれば1万円オーバーはするビフテキがなんと3400円。また行って食べたい素晴らしいビフテキ。
ただデミグラスソースがのっているのです。美味しいデミグラスソースではあるのだけれど、あれだけ素晴らしい牛肉、次回は塩で頂こうと思っております。

K社長は私と同年代の、イタリアチョイ悪おやじ風を標榜しつつなりきれない、金属に関しての知識と技術のスペシャリスト。30代でその知識と技術で請われて大手企業の工場長になった金属加工に関してオールマイティーな凄い人なのです。
しかし元来の独立独歩アウトローな性格が災いして、7年前にこの秘密基地の主人となる。約束された安定した生活を捨てたイタリアチョイ悪おやじの奥様はそれを自然に受け止め、今やこの秘密基地は奥様なしでは動かない(私のところに似ている、、、)。
それにしても、K社長夫人は私たちと同年代とは思えない可愛い女性です。どうみても30代に見える。主人に苦労させられる女性は若いままいられるのかなぁ。私たち夫婦同様、、、?。

K社長はモノ作りは面白いとよく言う。モノ作りを面白いと感じている職人同士でしか分からない共通の言語があるように思う。そのことが商売にはならないのに、多くの職人が真剣にこの錠前を作ることに取り組んでいただいた理由があるように思うのです。

Y氏の運転するアルファ147GTAで、ほどほどスポーツしながら六甲山の山道を走り帰路につきました。
Y氏には、モノ作りを楽しむK社長とそのお仲間との出会いをセッティングしていただいて、本当に感謝しています。この後、Y氏、K社長、大和出版印刷、それと私や多くのKOBE MADE(車の神戸ナンバー全域とします)のモノ作りをする人たちがコラボして、新しい企てをしようと思っています。
真剣に遊んで、豊かで楽しいモノ作りの輪を少しづつ広げていければ、なんて素晴らしいことでしょうか。

2007年3月10日

素晴らしき削り出し錠前プロジェクト(前)

昨日、削り出しの錠前の最終打ち合わせのため、プロデュースしていただいたY氏のアルファ147GTAに載せていただいて、精密金属加工会社の工場のある日本のヘソに行って来ました。
業種違いだけれど、フェイクが嫌いな、もの作りが大好きなオヤジたちが集まって、いよいよ完成目の前。

アルファ147GTAは六甲山を越えて高速道路を走り奥へ奥へ。
ハンドリングが非常に神経質で敏感であるこの車。ファミリーカーのような面構えだけれどハートはレーシングカー。私はこの半分のエンジンで充分満足。
今日のY氏は、モトコーで買ったミラノの革ジャン着てこなかった。

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中国山脈の山懐に広がる田園地帯に、錠前プロジェクトの秘密基地はありました。
古びた建物の前で、K社長が待っていてくれました。中に入ると、古い平屋の建物からは想像できないハイテク工作機械が所狭しと並んでいます。三次元計測機まであります。
隣の部屋に行くと、ローテクの旋盤の機械などが一杯。綺麗に整備され現役で元気に働いています。
此処にはモノ作りの天使が住み着いています。人と機械が有機的に結び合ってモノ作りの豊かさを伝えてくれる。このモノ作りの天使が住む場所で、ル・ボナーの削り出しの錠前が作られています。

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このハイテク工作機械で錠前の本体は削り出しています。複雑な形状を30分ほどの時間をかけて本体の半分を削りだします。真鍮のこのかたまりから、本体の半分を削りだすのです。三分の二以上は真鍮の削りカスになってしまう贅沢な削り出しという技法。
プログラムは秘密基地の若きホープ君が組んでくれました。同業の人たちも感心する複雑なプログラミングを夜な夜な悩みながらも組んでもらいました。あなたはえらーい。

私たちのプロジェクトは世界一を目指します。カバンの金具世界一は決まりで~す。
今後も、用途の違うカバンの金具をこのプロジェクトで作ってゆきます。多くのカバンの金具屋さんやカバン製作の現場が見てみぬふりをしてきた、精度と仕上げにこだわり妥協なしに作る金具たち。

カバン業界とは全然関係ない、完全に異業種の精密金属加工会社のK社長が、訳が分からないうちにY氏と私にそそのかされて作るはめになり、今やお金にはならないけれど、モノ作りの面白さだけは抜群のこの企ての泥沼にはまってしまいました。
K社長の大好きなZゲージ以上にこの企てを楽しんでいただけていると勝手に信じて、この真剣な遊びをこれからも続けていかしていただこうと思っております。K社長と精密金属加工会社のスタッフのみなさんにはこれからも迷惑をおかけしま~す。
そんなK社長がとんでもない提案をしました。それは明日の後編に記しま~す。

2007年3月 8日

久々ハミとお買い物

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今日は完全休養日。久々にハミと二人でお買い物。
我が家では、この過保護でどうしょうもない甘えん坊犬にしてしまった迷犬チャーが居るために色々な制約を受けます。チャーを一匹だけ家に残して外出するというのは、何度か挑戦しようとしましたが、あまりに切なく遠くまで響き渡る鳴き声に負けて、この8年出来ないまま時が過ぎて行きました。
今回は娘が居たので、先に散歩に連れ出してもらっている間に出てゆくという小細工を弄して、近所のショッピングセンターへほんとに久々の夫婦二人でのお買い物です。やれやれ。

ハミの後ろ姿.jpg

私たち夫婦ほど一緒に居る時間の長い夫婦も少ないと思うけれど、それでも私は本当はイタリア旅行にしても、出張にしても一緒に行けるものなら行きたいのだけれど、チャーを筆頭に諸事情が許してくれない。ハミはそんな風には考えていないようだけれど。
だから、ちょっとしたこんな二人でのお買い物も私はワクワクニコニコ。

今回は外反母趾のハミの足でも痛くないスニーカー購入が一番の目的。ドイツ製の足に優しい靴を購入するまでのあいだ、我慢しなくても気持良く履けるスニーカーを求めて出発。
私はスニーカーが好きです。靴以外はイギリス紳士風が好きだのに、靴だけはいつもスニーカー。どう考えてもアンバランスなのだけれど、フランス製のアディダスカントリーを履いて以来、これだけは変えれない。冠婚葬祭の時も、出来れば黒のスニーカーが履きたい。

タイタンとカントリーとピュアモルト.jpg

そんな私が選んだ、足に優しいスニーカーはアディダスカントリー。このスニーカーは女性が履くと特に可愛いのです。それに指先に余裕があって楽なスニーカーです。
私が長きに渡って履き続けていたのに、ハミは今まで一度も履いたことがなかったのです。
外反母趾でも、ほどほどグリップしている方が楽なはずです。

あれ、タイタンがあるじゃないですか。それも私の足にぴったし。
ヌバック革で出来ているこのタイタンというスニーカーが前々から欲しかったのです。それも7000円です。ハミのスニーカーを買いにきたのに、ハミの買ったモノより高い買い物になってしまいました。

途中寄った堀萬昭堂(文房具屋さん)で、ウィスキーを熟成させた後の樽の木で作ったシャープペンシルが目に止まりました。良い風合いだったので買うことにしました。
その後、スーパーで食材をのんびり色々購入。

なんでもない買い物だけれど、楽しい時間でした。いつもは私かハミのどちらかが車でチャーと居て、あわただしい買い物となってしまうのですが、今日はのんびり買い物を楽しめました。

帰ってチャーの様子を娘に聴くと、始めは玄関でキュンキュン切ない鳴き声を出していたけれど、途中から諦めてふて寝していたとのこと。娘が居てくれたら短い時間の夫婦二人での外出は大丈夫そうです。今日のチャーは、昨夜お風呂での大格闘の末思い切り洗ったので、毛がサラサラで臭くなーい。

2007年3月 7日

クロスポイントの万年筆を持った紳士?

クロスポイント.jpg

エリート官僚のN氏のお友達のT氏が来られました。
T氏は、大変体格の良いお洒落な中年紳士風ではあるのだけれど、どこか崩れている。
N氏同様モノ好きではあるのだけれど、地味に派手?なのです。ダブルのスーツに金縁メガネ。時計はオメガのコンステレーションの金無垢。ロレックスの派手な金無垢でなくて、人気のないオメガの金無垢を選択するところが、可笑しくて良い感じ。しかし目立つし、普通のお仕事をしていない風で不良中年ぽくて良い味出してる(ちゃんとしたお堅い仕事をされているのだけれど)。

そんなT氏がル・ボナーのダレスバッグから自慢気に出してきた品が、万年筆の神様、長原氏が考案したペン先、クロスポイントをフルハルターの森山氏に研いでもらった一品。
丁度その時に遭遇した顧客のS夫人にもその滑らかな書き味の試し書きを勧めつつ、自慢の万年筆を数本、説明付きで見せていただいた。なんてマニアックな世界。こだっわた万年筆の数々。相当な数の万年筆をお持ちなのではと聞くと、今持ち歩いているものと残り数本だとおっしゃる。そんな風には見えない品揃え。

T氏の信条は、モノ好きではあるけれど深入りせず、なめる程度にモノを巾広く楽しむのだそうです。
オーデオにしてもスピーカーはLINNではあるのだけれど一番安いタイプ。車に至ってはユーノスロードスターを14年間乗り続けている。
この選択はいいところをついている。ほどほどこだわって楽しむ素晴らしいバランス。

車はそろそろ新しいのを手に入れたいそうで、夢はアストンマーチンで、その理由は唯一純正でLINNのオーディオシステムを組み込んでいるというのが理由なのだそうだけれど、それは少々夢物語。N氏にはプジョーを勧められているそうですが、それは危険な誘惑。
是非アルファロメオです。N氏にはアルファが似合う。年に3000キロほどしか乗らないのであれば、アルファ以外にない。タイミングベルトも10年は交換しなくていいし、オイル交換も1年に1回で済む。色気は抜群で~す。是非。泥沼同好会推奨。

人は働き、生活をする中で多くの思い出を作ります。厳しかったり、苦しかったりするけれど、それを楽しく可笑しく過ごしてゆきたい。心豊かに過ごすことが何より。そんな豊かな心ねの人たちと関わってゆきたい。
そんな個々の人生の中で、モノはひと時の安らぎを感じさせていただける花のような存在。
私達の作ったカバンもそんな存在でありたいと思っています。

今回T氏に頼まれたカバンは毎年の年末恒例の太ダレスなのですが、特別な革を使ってみます。
経年変化が特別楽しめる革を希望されたので、バタラッシー社のバケッタ製法の革なのですが変な革を使ってみます。ミネルバリスシオの表面をラフに起毛させて(削って)ヌバック状態に仕上げた革。使い込むとバケッタ革共通の魅力的な経年変化を楽しめるという革なのですが、見た感じはまるで床革。
T氏が実験台になってくれることに同意していただいたので、試してみることにしました。

人生一生懸命に楽しみましょう!。

2007年3月 5日

それでも作り続けているネコリュック

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ネコをイメージして作ったこのリュック。作り始めて25年以上になります。
10年ほど前に、デパートや街角のお店で、同じようなフォルムのリュックをあちらこちらで見かけたのをきっかけに、本家はこのデザインを放棄することにしました。
それから年月が経ち、昔ネコリュックを買われたお客さまが来られ、ペットのように可愛い存在になっていて、是非二代目が欲しいとおっしゃっるので、久々に復活したリュックです。

ネコそのまんまのデザインではなくて、少しデフォルメしてよーく見るとネコなんだぁ~とわかる程度なのが多くの人に支持されているゆえんではと思っております。
今まで多くの動物をイメージして鞄を作りました。ワンちゃん、てんとう虫、マンボウetc、、、、。ぬいぐるみ然としたものになったり、手間がかかりすぎてすごくお値段が高いものになったり。これだけ長続きしているアニマル似バッグは、ル・ボナーではこのネコリュックだけです。

復活してからは、本体をペリンガーのシュランケンカーフを使い、付属の革はブッテーロを使っています。
贅沢な革を使っていますが、内貼りをしていないので価格は抑え目にしています。
前までは、国内のグローブ革と渋なめし革のコンビで作っていました。

今回新しくシュランケンカーフのライトグレーを使ったタイプを作ってみましたが、これからの季節には良い色合いのリュックに仕上がったと思います。

2007年3月 2日

大和出版印刷が一等賞!!

いつも私の企てを面白がって一緒に真剣に遊んでいただける大和出版印刷の若社長と若きスタッフの皆さん。今年も一緒に進める面白い企てがいっぱい。
そんな大和出版印刷が一等賞を取りました。

去年、ル・ボナーのポスターで、審査員特別賞を得た印刷技術を競うコンクールで、今年は時計のポスターで金賞です。
今年の大和出版印刷のスタッフのこのコンクールへの取り組みは相当なものでした。
去年の受賞に気を良くして、今年はそれより上の賞を狙って徹夜もいとわず作り上げた汗と涙?の集大成です。
大手印刷会社が、コンピューターを駆使して作るポスターの中、大和出版印刷は素朴に撮影技術と高度な印刷技術で勝負しました。小手先に走らず、本道で勝負して金賞という一等賞の栄冠を得た訳です。

ユーロ(ランゲ).jpg

金賞.jpg

私は今回のコンクールで金賞に輝いた大和出版印刷の皆さんに心からのおめでとうを言います。
ビジネスは技術力を提供する仕事でも、その技術力の良し悪しとは関係ないところで成否が決まることが多々あります。儲かる儲からないという部分はそうでも、技術に対する純粋な向上心は本当の豊かさを得ることができます。お金では手に入れられない職人(技術者)のアイデンティティー。高みに導いてくれる道しるべ。

大和出版印刷は技術力というアイデンティティーを大事に内に秘め、若い才能を伸ばしながら、印刷業界の中、独立独歩輝いています。

ル・ボナー(黒).jpg

それにしてもポスターの題材は、若社長の趣味そのもの。来年は靴のポスターで防衛戦か?。
今回ル・ボナーのポスターも、黒の中の黒というイメージで社長一押しで出品したのですが、残念ながら選外でした。
今年中に黒色の革で、凄いカバンを作るので、そのカバンで来年のコンクールも黒の中の黒で再挑戦していただきたいと思っています。若社長と私のリベンジです。

今年は、これから大和出版印刷の皆とやらなければいけないプロジェクトが続きます。
一緒に力合わせて、良い結果を出してゆきたい。楽しく真剣に。

2007年3月 1日

エレファントとバッファローの革

今回の東京出張で、エレファントとバッファローの革その他色々買ってきました。目的があって買った革、ないのに革マニアの虫が疼いて買ってしまった革。
なめしがしっかりしていて表情のある革は魅力的です。顔料の厚塗りの色付きビニールのような革だけは、勘弁していただきたい。

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エレファントの革は、オーダー品の製作のため購入したのですが、私は貴重品革の中では一番好みの革です。なにせ丈夫な革です。引っ張り強度は革の中では最強で、薄く漉いて細い紐にして力まかせに引っ張ってみてもまず切れない。表皮も大変丈夫でまったく恐れ入る革です。表面の表情も独特の文様と質感を持っていて豊かです。

エレファントの革は、ワシントン条約で一時輸入禁止革に指定されていましたが、そのためアフリカで象が増えすぎてサバンナの砂漠化(なにせ象は大食漢なので)を引き起こし、国が象の間引きをした結果、輸出できない象の革と象牙が倉庫に貯まっていく。それを現金化するために輸出を一部再開することになりました。それでも貴重品革であることは変わらず、高価です。オーストリッチより高いです。
そのため、出来るだけ肌が綺麗で、文様のバランスの良いものを選びたいので、実際に見て触って購入したいわけです。ひじょうに良いエレファントの革が選べて満足、満足です。

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革屋さんのサライがサンプルで仕入れたバッファローの革です。
今までバッファローの革の場合、クロームなめしか合タン(合成タンニン)しか見たことがなかったのですが、このバッファローは正真正銘タンニンなめしです。
素晴らしい粘り腰と魅力的な表皮の模様は素晴らしい。ハミは大気に入りで、このバッファローの質感を生かしたバッグのデザインを想像してドキドキ、ワクワク。

サバンナを群れで移動する本物のバッファローは絶滅危惧種で、半世紀ほど前からは表皮がよく似ている水牛の革をそう呼んでいます。このバッファローは原皮はタイのもので、イタリアのタンナーがなめした革です。
上等なカジュアルバッグを考えた時、想像が広がる革素材です。

他にイタリア製のタンニンなめしのベビーカーフも入手。きめ細やか肌が素晴らしい。
タンニンなめしの革は、まだまだ素晴らしい革があります。

今日はル・ボナーはお休みの日でしたが、風邪で休んだ分を取り返すため、仕事をしていました。やはり、仕事場が一番好きです。

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