2007年4月アーカイブ

2007年4月30日

プロジェクトX、、、?

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山奥の精密金属加工会社のK社長さんが、出来上がったグラス用の削り出し錠前の一部を持ってきていただきました。素晴らしい出来で大感激。各部分の精度が高くカチッカチッと気持ち良い固さ。仕上がりレベル世界一のカバンの錠前です。残りの錠前の出来上がりは連休明けだと言うK社長様のお言葉信じて心待ちにしております。ロジウムやスーパークロームのメッキで仕上げた限定錠前を早く見たぁ~い。

精密金属加工会社のK社長さんの技術力と発想は、業界の多く人が天才と認める金属加工のスペシャリストなのでありますが、子供のように自由で、興味の趣く仕事を最優先するお方なのであります。したがってこの錠前も困難な部分を試行錯誤してクリアーしてサンプルを組み上げた段階で、次の興味ある仕事に心は移っておられるようであります。
社長にとって仕事も遊びの延長線上に存在するのです。どこかのかばん屋のオヤジと似ています、、、、?。そんな変なオヤジ達を取りまとめてビジネスプランを組み上げないといけないY氏は悲惨な役回りです。

その精密金属会社の社長さんが先日金属関係のお仲間を引き連れてル・ボナーに来られました。これが蒼々たるメンバー。元大学の教授で今は金属会社の社長さん、大手金属会社のエリートビジネスマン、高校の頃全国摸試で一番になったことのある秀才鋳物屋さん。
そんな仲間の皆は田舎の精密金属加工会社の社長K氏は天才だと真顔でいう。何が天才なのですか?と尋ねると発想が自由で柔らかいことだという。確かにそんなメンバーの中心に、取りまとめはしないけれどK社長はいるように見える。イタリアちょい悪オヤジを標榜するK社長は、実は凄いお人なのであります。

K社長のなかば強制的なセールスが功をそうし?お仲間の人たちはいっぱいル・ボナーでお買い物をしていただきました。その後三宮のとあるお好み焼き屋でよからぬ密談?。オヤジ4人、お酒も飲まずにK社長の言いだしっぺで、俺たちで”プロジェクトX”やろうとみんなを集めたのです。”プロジェクトX”?意味が分からなぁ~いと皆。K社長自身も具体的には何も考えていない。しかしK社長には熱く夢中になれる仕事を仲間としたいという思いを強く持っているのです。

今度そのお歴々と、イタリアちょい悪Y氏。それになぜか私も末席に鎮座して、ル・ボナーのお店の隣にあるシェラトンホテルで”まだ何をするかも決まっていないプロジェクトX首脳会談”をしまぁ~す。
遊びと仕事は同意語です。人生楽しく真剣勝負。

2007年4月28日

初めて作るコンビのタンクトート

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シュランケンカーフで作るタンクトートは人気のある定番バッグです。
今回は特別にコンビで作ってみました。白ぽいライトグレーでこのタンクトートを作ると、取っ手の部分が特に人の汗などで負担が多く汚れやすいと思い、少し濃いグレー色のトープをあわせてみました。
出来上がるまで不安でしたが、この色のコンビなかなか上品で良いのではと思っている私達です。

このトートバッグはA4ファイルまで入る少し大きめの女性用のトートバッグですが、今回は少し芯材を工夫して、今までより柔らかくて軽く仕上げました。今回は春夏を考えて作る色をチョイスしたのですが、シュランケンカーフのシボの状態もバランスがとれていて良い感じの表情です。

このタンクトートを作り始めた頃は、夏場には生地とのコンビでも作っていてよく売れたのですが、生成りのコットン生地はひと夏で汚れを吸ってしまい悲しい状態になることが判明したので、今は生地とのコンビのバッグは他のカバンも含めて作らないようになりました。汚れ以上に生地合わせのカバンを数年毎日のように使うと生地表面が摩擦で擦り切れる事が多く、その場合修理は難しいのも、生地あわせのバッグを作らなくなった大きな理由です。

生地あわせのカバンを置かないかばん屋は夏場暑苦しい店内になりがちなのですが、ル・ボナーはおかげさまでカラフルなシュランケンカーフを使ったカバンたちが多くあるため、店内は生地あわせのバッグがなくても涼しげに見えると思います。特に夏場は水色とオレンジがよく動きます。非常に爽やかで素晴らしい発色です。

この後女性用のバッグは夏に向けて、久々に作るミセスそしてクレールと続きます。
ミセスは黒、水色、オレンジそれと紫で作ります。紫のシュランケンカーフで作るミセスは初めてなのでどんな風になるのか楽しみです。クレールは水色、コニャック、ライトグレー、黒で作ります。
ペリンガー社のシュランケンカーフは私達二人の大好きな革です。

2007年4月26日

小さな木造のヨット

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今日も午後からは、休日だけれど工房で仕事をしていました。これからゴールデンウィークです。ル・ボナーは休日の木曜日も休まず頑張りま~す。
その前に、今日は天気も良く気持ち良い風が吹いていたので午前中はビーちゃんに乗って新西宮ヨットハーバーにドライブ。海の風を感じながらリフレッシュです。
ショーウインドウに映るビーちゃんはやはり可愛い。思わずシャッターをパシャッ。こいつは手放せない。朽ち果てるまで一緒に居ようと思う。
アクセルのレスポンスが直接エンジンに伝わるキャブレターのビーちゃんの加速感は、決して早くはないけれど現在の車では味わえない気持良さ。三角窓から入る春の風はまるでオープンクルージング。

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このヨットハーバーには私の大好きなヨットが係留しています。そのヨットは佐野造船が作った総チーク材で作った25フィートほどの手作りの小さなヨット。老オーナーの奥様の名前を冠したこのヨットは小さいけれど、私には特別の存在に見える。大きなクルーザーや最新のヨットはお金に余裕があればオーナーになれるし、快適な居住空間を提供してくれる。しかしこのヨットのように、木造でペンキも塗っていない場合色々な部分で負担をオーナーにかけてしまう。作り手の思いを理解して、負担も楽しく受け止めないと維持してゆくのは大変だと思います。

この小さいけれど特別なヨットを見ると、私はカバン作りを頑張ってやろうという勇気がわいてきます。
作り手の思いを込めて作ったモノを、その思いを大事にしながら手をかけて維持する。その時モノは特別な宝物になる。このヨット美しいと思う。

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それにしても、私達夫婦はいつも一緒です。子供たちが大きくなって今は一緒に行動することはなくなったけれど、子供たちが小さかった頃はいつも家族一緒だった。
東京で製造卸をしていた極貧時代、取引先のかばん屋さんに営業で行く時も、材料屋さんに仕入れに行く時も家族一緒に行っていた。ハミは家に居てカバン作りして、私だけが営業や仕入れに行く方がどう考えても効率良いのは分かっていたけれど、家族一緒に行動していた。

今は夫婦二人とチャーとで行動することが多くなりましたが、結婚する前の私の気持に戻って二人で老年を迎えたいと思っている私です。

2007年4月24日

クワドリフォリオ

私はビーちゃんを手放すことは出来ないと悟りました。しかしアルファの入手をあきらめた訳ではありません。今私は2台所有する道を画策しております。こんな無駄なことはありません。購入資金の問題以上に年間5000キロほどしか乗らない私が、2台維持することが問題なのであります。しかしその部分は得意の屁理屈3段論法でハミを説き伏せたのではありますが、今年1年大きな課題を課せられ、それをクリアーしたあかつきには2台所有することを許してもらえることになりました。

そんな状況下、私はもうアルファに乗っている自分自身を想像しています。
本命のアルファ147の現行の前の1600ccMTのエクステリア、インテリアともに私好み。日本の部品をいっぱい使っていてこれなら安心して移動の道具として使うことができます。
が、色々アルファロメオについて調べると、10年前の145クワドリフォリオというアルファが気になり始めたのであります。145のエクステリアもインテリアも全然好きではありません。しかしなぜか気になる。これは危険な兆候。

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屈折したアルファマニアのY氏にアルファ145クワドリフォリオについて尋ねたのが悪かった。
Y氏は以前ポルシェ911に乗っていて、次に乗ったのがこの145クワドリフォリオ前期型。この車のドライブの楽しさに魅了されて、それ以来アルファ道を進んだお人で、145前期型までが本当のアルファだと断言する。多くの問題は抱えている車ではあるけれど、この車こそ羊の皮を被った狼と呼ぶにふさわしい車だと。そしてレーシング・アルファに冠したクワドリフォリオ(四葉のクローバー)の逸話は大変魅力あるお話でありました。

ファミリーカー然とした車なのに、そのクワドリフォリオの名が付いた145。アルファのエンブレムと四葉のクローバーのマークの付いたこの車を再び見てみると違って見えてきてしまう。
私は決してドライブをエンジョイするタイプでもなければ、車に詳しいわけでもない。
しかし、屈折した私自身のアイデンティティーに沿った車に乗りたいと思いつつ、今回の車選びは快適に移動の道具という考えの中での選択だったはずなのに泥沼に落ちそうで怖い。

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ハミはこの車を見てバンパーがかっこ悪いの一言。私もいただけないと思うのだけれど、なぜかその中途半端さに魅了される。
昨日、親しい時計屋さんがお客様を連れて来てくださいました。そのお客様は50年ほど前のアルファロメオのジュリエッタのオープン2シーター(アルファの中で一番美しい車だと私は思う)をお持ちで、普段の足は最新のアルファです。完璧なアルフェスタであります。私の周りには困ったアルフェスタが増えてまいりました。アルフェスタの車生活は一般的な価値基準では計れない魅力を私は感じております。そのこだわりは少し変ではありますが。

アルファ145クワドリフォリオ前期型。見れば見るほど欲しくなくなる?けれど、目をつぶってこの車をドライブする自分を思い描いた時、フロントガラスに写る風景はイタリアです。ほどほど感と強い趣向性が混在するアンバランスはアルファロメオの真骨頂。六甲山のワイディングロードでJAFを待っている私の心細そうな姿も見えてきます。

2007年4月22日

バタラッシー社のプエブロ

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初めて入手したバタラッシー社のプエブロという革は独特な革です。
ショルダー部分をイタリア古来のなめし技法、バケッタ製法で仕上げたタンニンなめしの革であることはバタラッシーの作る革はすべて共通なのですが、このプエブロは表が革の裏と同じような感じに表面を起毛させています。バックスキンやヌバックとは違う、まさに革の裏状態なのです。

私があまり好みでないプールアップ革の磨き上げる前の状態がこんな感じなのかもしれません。
しかしプエブロは、なめしがしっかりしているのと、良質のオイルを染み込ませていること、それになによりバケッタ製法が功を奏して、生地で磨くと艶が出て、不思議な経年変化が楽しめる感じがあります。

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革だけは保守的な選択をする私ですので、プエブロのような特殊な革は定番の製品に使うことはありません。今回はお客様の注文されたカバンの要望に沿ってこの革を選んだ訳ですが、面白い風合いになりそうで作るのが楽しみです。

2007年4月20日

ライジング・ドラゴン

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先日突然革小物職人のTAKUYA君がル・ボナーにやって来ました。連絡なしの突然の訪問に、私とハミは一瞬誰だったけ?と顔を見合わせてしまいました。まじまじと顔をみると、笑顔の仮面を被ったミステリアスTAKUYA君です。

3月23日に発売になる「趣味の文具箱」という雑誌にも大々的に載るTAKUYAコラボ ル・ボナーのペンケースのオーダー方法その他の打ち合わせでの来店なのですが、自慢げに新しく作ったペンケースを見せるのが最大の目的だったようです。

大ぶりな超高級蒔絵の万年筆を入れるためのペンケースなのだそうですが、手縫いでしか出来ないオリジナルなフォルムと発想は素晴らしい。
ケースの内側に溝をきってネジを締めるようにして止めるようになっていて、説明されないと開けられません。口元もボルトのように6角になっていて握りやすい。ネジを締めるように回してゆくと最後にスポッと収まってひっぱても抜けません。購入したオーナーだけが開け方が分かるカラクリ。

高価な品なのでオーダー以外では売れないでしょうが、この独創的なフォルムを作り出TAKUYA君の感性には敬服します。私のように鞄作り続けて30年の融通の効かない脳細胞からは発想できないフォルム。TAKUYA君は革小物職人というより造形作家という感じがいたします。久しぶりに刺激を受ける同業者であります。

ハミはこのペンケースが相当心に残ったようでその日の夜、このペンケースをねじって開けると竜が大空に昇ってゆく夢を見ました。それをTAKUYA君に伝えたら、このペンケースの名前を「ライジング・ドラゴン」に決めたとのこと。いい名前です。

独立系の職人同士が交流を持ち刺激し合い切磋琢磨し、個性のあるモノ作りの花が開くことを望んでいます。TAKUYA君と知り合えたことは、私に大きな刺激を与えました。

2007年4月18日

神戸限定・万年筆道楽

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昨日、私の万年筆道楽を助長させた張本人?吉宗さんがル・ボナーのお店に来てくださいました。

私は万年筆にはまるとは思っておりませんでしたが、古山万年筆画伯の「今買っておかないと後悔しますぞ」の言葉に動かされ(いつも私はその言葉に迷わされ続けている)、万年筆好きの人たちとの付き合いのつもりで加藤セイサクジョ・カンパニーの品を一本買って、ペン先を調整してくれる人も近くにいないので、それで終わりと思っておりました。

加藤さんの万年筆を買いに行った場所が悪かった。そこに吉宗さんがおられました。
吉宗さんは買うことを強制するよな接客ではなく、柔らかで万年筆が大好きなことが伝わる接客。静かな時間が流れる万年筆売り場の空気とあいまって、私はこれからこの人から筆記具は買いたいと思いました。その上吉宗さんはペン先の調整も出来てしまうのです。
これはまずい。神戸にペン先調整が出来る人がいるということは、私の防波堤は決壊。

その後、ル・ボナーに集うお客様たちの中で、万年筆を買うのなら吉宗さんから購入すると心地よい時間のおまけ付きで、買った万年筆は特別大事にしたくなると話しました。
そして何人かのお客様が吉宗さんのいる万年筆売り場を訪れ、吉宗さんのファンになりました。

ル・ボナーを訪問してくださった吉宗さんも、お店での吉宗さんと同じ、控えめで謙虚な人でした。心地良い接客の極意は、そんな人柄がなせる業なのか。私も見習いたいと思うけれど、お客様に「高飛車だねぇ~」と言われてしまう私の性格がそれは無理と言っています。

色々なとりとめのないお話をして、あっという間に時間が過ぎてゆきました。
神戸で、万年筆を介して豊かで柔らかな時間が流れる場所を作ってください。私は応援します。万年筆好きのル・ボナーのお客様たちと。

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私は万年筆マニアの人がよくしている、一本入れ用のペンケースに大事な万年筆を入れて首からぶら下げているオヤジにだけはならないぞと思っておりました。でもいつの間にか下げている私です。いけない、いけない、完全に万年筆菌に侵されている。
でもこれはなかなか理にかなっていると思う私がいます。

2007年4月16日

仕事場のパソコンも危ない

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仕事場に置いてあるパソコンの液晶画面に線が入っています。最初1本だったのが今2本。この後雨のように線が増えていったら参ってしまう。それより太い線になったら字が見えなくなるのでお手上げ、液晶交換か新しいパソコンを買うしかありません。

このパソコンを購入してまだ2年です。1年前にDVDマルチドライブなるものが壊れたまま放置しているし、今回の液晶の線。運が悪かったのか、パソコンは高い消耗品なのか、納得できません。こういう経験をすると、大画面の液晶テレビを購入する気が失せる。しばらくは今のままブラウン管テレビでいった方が安心。

私のパソコンライフは、多くのパソコンに詳しい人達に支えられながらのものです。
ブログとメールを書くことが主な日々のお仕事でしたが、ネット販売を始めてからその管理も日々の仕事に加わりました。仕事場でその作業をすると、作ることに支障を感じ始めたので、メールも自宅のパソコンでも見れるようにすることにしました。これがパソコン音痴の私には大変な作業。問い合わせしながらの作業は3日を要しました。

この頃私は加齢のためか、夜11時頃眠くなって朝は5時頃起きてしまうサイクルになっております。そのため早朝パソコンでの作業。自宅のパソコンでもメールの送受信が出来るようになって楽になりました。工房でのカバン作りにも集中できます。
ただ自宅のパソコンも5年目で、フリーズを繰り返す瀕死状態の機械で、いつお陀仏となるやら。今年はあえて買い換えたいとは思わない品の出費がかさみそうで怖いです。

コンピューター社会に組み込まれた私達の生活は、モノの消費のサイクルの早さを自然に受け止めている。修理するより新しいモノを買った方が安くて済んだり、修理は出来ませんと断られたりすることが多々あります。何か変だなぁと思ってしまうわたしです。

2007年4月14日

ヨーロッパ皮革大幅値上げ。

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お待たせしていたオーダーのボストンバッグがもう少しで完成です。あと在庫がなかったショルダーに使う金具が届けば出来上がりです。この鞄に使っているフランス、デュ・プイ社のロダニールという革は本当に素晴らしい革です。ここのところデュ・プイの作る革には失望することが多かったのですが、この革は良い。その質感をうまく引き出せたボストンバッグに仕上がったと思います。

ヨーロッパの革は昔に比べて全体の質は落ちたとは言え、探せばまだまだ良い革はあります。
皮革のレベルは現在でも最高の地域です。私達はこれからもヨーロッパ皮革の中から、良いモノを探し出して使い続けます。

そのヨーロッパ皮革が大幅値上げです。
私達がヨーロッパ皮革の多くを頼んでいるサライ商事の常務から連絡です。ユーロ高の影響でヨーロッパ皮革が高くなっていて、いつか下がると信じて値上げを最小限に今まで抑えてきたのだけれど、もう限界。大幅アップを宣言する電話でありました。

これは大変なことです。多くの大手問屋はここまで値上がると、今まで一部使っていたヨーロッパ皮革を使った製品も、国内皮革に変更せざるおえないのではないでしょうか。
ル・ボナーでも、今までの小幅な値上げは我慢して利益を削って含み込んでおりましたが、今回の大幅値上げにはギブアップ。製品の値上げに踏み切らないとやっていけない。
現在ある在庫は現状の値段でお売りしますが、この後新しく作る製品は値上がりしま~す。
ル・ボナーの製品を買ってくださるお客様の皆さん、ご理解くださいませ。

私は革好きです。だからヨーロッパ皮革から国内皮革ないしは他の地域の革に変更して作るなんてことは絶対できません(良い革があれば別ですが)。この値上がりを機に、ヨーロッパ皮革のブランド力だけでで売るような鞄は淘汰されていくような気もします。私も気を引き締めてヨーロッパ皮革で作るカバンたちを生み出していかなければ。

輸出に頼る日本経済は、現在の円安状態は多くの人に幸せを運んでくるでしょう。私たちのような輸入皮革を使って作って、国内で売っている者たちには試練の時です。
でも、なんとかなるだろうと思っている私であります。

2007年4月12日

チャー受難の日

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休日恒例の六甲アイランド一周散歩にチャーを連れ出すと、いつもの元気がありません。
汚いお話ですが、何度も下痢のウンチ。最後は血が混ざっておりました。
これは大変です。
散歩の後、家族全員で行くはずだった西宮ヨットハーバーでの散歩とお昼ご飯は急遽取りやめてチャーの主治医オタニ動物病院へ行くことになりました。

私は西宮ヨットハーバーに係留してある、佐野造船が作った総チーク材で作られた佳代という25フィートほどの小さなヨットを見るのが大好きで、そのヨットを見るとモノ作りの情熱を呼び戻していただけるのです。クルーザーやファイバーで出来た船には全然興味がないのですが、この手作りのヨットは素晴らしい。そのことは次回西宮ヨットハーバーに行った時書くことにします。

オタニ動物病院には先週もワクチンの注射で行ったばかりで、2週連続です。
それだけにチャーの恐怖心は計り知れないものがあるようで、10キロほど手前から(普段は5キロほど手前から)気持そこにあらず、体の震えが始まりました。気の毒ですが行くしかありません。

仕事場や車の中では吠えまくっている内弁慶のチャーは、オタニ先生の前ではシッポをさげて恐怖心だけで、反抗したり吠えることも忘れてしまいます。ただその場を早く立ち去りたいと願う哀れなチャーです。

今回は検査のため、肛門には何本かの棒を突っ込まれるし、血液は皮下脂肪が付いていない後ろ足の敏感そうな場所から採取されるし、注射も痛そうなのを数本されて散々。
いつもの空威張りの余裕も全然なくて、ヒィーヒィー言っておりました。
検査の結果はただの腹こわしだったようです。いつもの食いしん坊チャーにばちがあたったわけです。

2007年4月11日

居心地の良かった万年筆売り場

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私は万年筆が好きです。万年筆菌に侵されてからまだ日は浅いのですが、不思議な魅力を持った世界です。万年筆で書くという行為自体も、筆で書くほど面倒ではなく、他の筆記具ほどには安易でなく、ほどほどのバランスで書くという行為を楽しくさせてくれます。

それ以上に、この特別な筆記具を作る職人たちの思いが伝わるところがいい。
筆記具メーカーはまず万年筆に全力投球し、その延長線上に他の筆記具を作っているように私は思うのです。そしてその万年筆を売る売り場も文房具屋さんの中では特別な場所であって欲しいと願っています。

私たち夫婦にとって特別な万年筆と接し楽しむ場所がありました。
万年筆菌を私たちにうつしたのは間違いなく古山画伯ですが、それをより豊かな世界に導いたのは、神戸にある老舗の文房具屋さんの5階にあった万年筆売り場との出会いでした。ペンシルビルの5階の万年筆売り場は広くはないけれど、筆記具担当の店員さんは筆記具が大好きで、そのことは伝わりながらもマニアックになり過ぎない柔らかな接客が気持良い、優しい空間でした。万年筆を介して居心地の良い特別な場所でした。その万年筆売り場を私達は知って、神戸に住む私達はその場所で万年筆を購入したいと思いました。

が突然その文房具屋さんは、ペンシルビルからショッピングビルのワンフロアーの平場に移転することになりました。当然移転後も万年筆を売るスペースは特別にあると思っていたのですが、万年筆好きのル・ボナーの顧客の人たちが行ってみると、そういった特別な場所は作られておらず、落ち着いて高級筆記具を愛でる空気はないという。残念です。私は筆記具担当の店員さんとはお会いしたのだけれど、ペンシルビルの5階のような豊かな時間が過ごせなくなった場所で万年筆を買う気にはなれない。

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商売は利益を出さなければ続けていけません。しかしモノを売る商売はそれぞれのお店のアイデンティティーを大事にして欲しいと思う私です。それに共感して特別なモノはその場所で買いたいと思うのではないでしょうか?。
ル・ボナーオリジナルのペンケース作りもこの文房具屋さんの5階に置きたいというのが動機の一つでした。神戸という地方都市でKOBEをキーワードに独自のモノ文化が豊かになってゆくのを望む私です。

万年筆は文化です。そのことを豊かに育て伝える筆記具専門店が神戸に誕生するといいのだけれど。
モノはそのモノ自体だけでなく、その他多くの要因が豊かさを提供してくれるのではないかと思っています。

2007年4月 9日

ロダニールという革で作るボストンバッグ

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ずーっと待っていただいていたボストンバッグを作っています。
このタイプのボストンバッグは5年ほど前までよく作っていた形のボストンバッグで、その頃はバタラッシー社のミネルバリスシオを使って作っていたカジュアルなボストンバッグです。
今回も最初は久しぶりにお店にも並べようと、まとめ作りをする予定だったのですが、オーダー品の製作が遅れに遅れたため、注文の品一点だけの製作です。

今回はお客様の希望もあり、デュ・プイ社のロダニールで作ります。デュ・プイの革では久しぶりに大変気に入って少量分けてもらった革で、このボストンバッグを作るとあとは修理のための半端の革が残るのみとなります。私のヨーロッパ皮革のコレクション棚に眠ることなく、使い切ることになりました。指先にロダニールのしっとりとした感触は残りつづけます。

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お気に入りのロダニールで作る最後のカバンです。よいカバンに仕上げないと可哀相です。お父さんが裁断するとケチるからと、裁断はハミが中央からの超贅沢裁断。
丁寧な染料磨きに強度のかかる部分は手縫いで仕上げる特別仕様。カジュアルなボストンバッグが、シックな革と縫製で大人のカバンに変身です。
内張りも定番はナイロン生地を使っていたのですが、今回は緑色のピッグスキンを使いました。優しいカバンに仕上がればと思いながら作っています。

昨日1年半待っていただいて、オーダーで作ったシャークスキンのブリーフケースを取にこられました。このお客様とは10年以上のお付き合いで、オーダーの品が出来上がると次の品を毎回オーダーされてゆくお客様です。今は型紙から新規に起こすフルオーダーはお休みさせていただいているのですが、昔からのお客様のオーダーは受けてしまいます。
今回はエレファントの革で作るブリーフケースです。オーダー用紙に完成予定日を記入しようとすると、書かなくていいとおっしゃる。完成日を決めるとその日を楽しみに待ってしまうからと。いつも遅れてしまうこと、ゴメンナサイ。私たち夫婦は深々と頭を下げて見送りました。

2007年4月 6日

TAKUYAの万年筆ケース

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ル・ボナーにTAKUYA君の作るペンケースのサンプルが並びました。
関西で初めてTAKUYA君が作った万年筆ケースの実物を見てオーダーすることができます。
お気に入りの筆記具をぴったしサイズで色々選択(デザイン、革質、色、ステッチ色、その他etc)して、世界に一つのマイペンケースを作ることが出来ます。

万年筆好きが高じて革小物職人になったTAKUYA君の作るペンケースは素晴らしく丁寧で、細部まで使う人の要望を満たした一品です。一つずつ作られた絞り技法のペンケースは手縫いでないと出せない美しいフォルムで、大事な筆記具にぴったしのサイズで包み込みます。手縫いをする時、多くの職人は麻糸を使いますが、TAKUYA君はシルクの糸を使います。シルクの糸は麻糸より丈夫で発色が美しいのが特徴で、細い糸を使う革小物の手縫いにはベストチョイスかもしれない。

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ル・ボナーに並べるTAKUYA君が作ったグリマルディー バイKOBEはブッテーロ革を中心にル・ボナーオリジナルとして作ってもらいました。つい最近入手したイタリアのタンニンなめしのバッファロー革でも作ってもらいました。ル・ボナーのLと Bをパンチングしているのが特徴で、オレンジは特別良い感じです。

私もル・ボナーオリジナルの絞り技法のペンケースに挑戦しています。手頃な値段で絞り技法のペンケースを作る場合、多くの筆記具に対応するため最大公約数のフォルムになります。その場合TAKUYA君が作るペンケースのようなシャープなフォルムは非常に難しい。ル・ボナーのペンケース作りも、TAKUYA君のペンケースに刺激を受けながら、より良い量産品にするため、思考錯誤を繰り返しております。

ル・ボナーのお店には私たちのオリジナル以外に、フラソリティーのオリジナルバッグとTAKUYA君のオーダーペンケースのサンプルを並べています。若い才能に接することで刺激を受け、ル・ボナーの革製品もより豊かなモノになってゆきたいと考えています。

多くのモノ作りする人たちと出会い交流を持つことで、私たちは今日まで来ました。
TAKUYA君と知り合ったことも、私たちは多くのことを教わったように思います。

2007年4月 4日

ネコポーチ

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久しぶりにネコポーチが店頭に並びました。
前回作った時はあまり出足が良くなかったので久しく作らずにいたのですが、お客様の要望もあり作りました。裁断は前々からしていたので、今回はジーンブルー、オレンジそれと紫で作りました。

驚きました。昨日並べたばかりなのに良く売れています。人影まばらな平日のル・ボナーで、お客様にも連絡していないのになぜか今回は出足がすこぶる好調です。なぜなのかよくわからないけれど、嬉しいけれどすぐに在庫が底をつきそうで不安。

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ネコポーチはドイツ・ペリンガー社のシュランケンカーフを使って作った、肩にも収まる長さの取っ手が付いた、女性用の小さなポーチです。
ハミがデザインするバッグは基本的に、ハミ自身の持ち物が入るサイズで考えます。このネコポーチもハミの持っている長財布その他身の回り品一式が入るサイズで作っていて、思った以上に入ります。
小さいけれど前にも、後ろにも、内側にもポケットがあります。前面の小さなポケットにはネコの親子が寄り添っている姿をステッチで描いています。

シュランケンカーフという革は私たちの大好きな革なのですが、入荷が不定期でどんな色が入ってくるかも直前までわかりません。出来るだけ買い込むようにしているのですが、色によっては少量しか在庫できない事も多々ある革なのです。ライムグリーンのシュランケンカーフに至っては、3年ぶりにほんの少しだけ前回購入することが出来ましたが、残りわずかで定番のバッグを作る量は残っていません。

その上ヨーロッパ皮革の値段が、値上がりとユーロ高のダブルパンチで、ル・ボナーの製品の値段は今まで含み込んで値上げはずーと我慢してきたのですが、無理になってきました。そのためこのネコポーチも今回から値上がりです。他のカバンも次回作る時から値上がりせざるおえなくなりました。
ル・ボナーを御愛顧いただいているお客様たちの御理解をいただきたく思います。

ネコポーチは今回少量作りましたが、この在庫が売り切れたら次回はいつ作れるかは未定です。新作をこの革で作りたいし。

2007年4月 2日

かけがいのないビーちゃん

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フォルクスワーゲン・タイプ1、通称ビートルという車は私にとって特別な車です。
特にこの1968年式ビートル、私がビーちゃんと呼んでいるこのポンコツは、酷い状態で購入して、少しずつ普通に走るビートルに変えていった日々があったこともあり、私にとってはただの移動するための道具以上の存在に変わってしまいました。

ビートルと同じように思い入れを持って乗る人の多い車に旧ミニがありますが、旧ミニに乗って思ったことは、ビートルより全然普通に走る車で、狭いけれど快適な室内と走行安定性も優れている。

ビーちゃんが特別な旧ビートルなのかもしれないけれど、エンジンの調子は春夏秋冬、天気、日々の気分で違うし、100キロオーバーで走ろうものなら、悲鳴のようなきしみ音がボディーのあちこちから振動と共に響き渡り、壊れるのではないかという恐怖感を感じる。
雨の日は乗ってはいけない車で、雨漏りは当然、水溜りに突っ込んだりしたら床上浸水で、その後しばらくの間ビーちゃんのドラムブレーキはまるで効かない状態に陥る。
そんな欠点も含めて、私にとって特別な存在なのです。

フロント・ビー.jpg

リア・ビー.jpg

私はアルファ病にかかっておりました。ハミは最終的にアルファロメオを購入することを了承してくれました。しかしその時のハミの一言 「ビーちゃんは手放さないと駄目、2台所有するのは無理」 。確かに冷静になって考えると維持費のかかる車を2台持つことは、我が家の経済状態を考えると無理なのである。

私にとって、アルファロメオは楽しく移動するための道具で、ビーちゃんはガレージに鎮座している姿を見ているだけで心和む我が家の相棒。2台の車は私にとってまるで違う存在。
でも2台の維持費がかかる事に変わりはないのです。そのことに目をつぶって、なんとかなるとアルファまっしぐら。しかし現実に直面すると決断しないといけない。

サイド・ビー.jpg

私はやはりビーちゃんを手放すことが出来ない。
アルファへの思いは変わらず持ち続けるだろうけれど、2台所有できる状態になるまでしばらく封印しまぁ~す。やはりビーちゃんは特別な存在になってしまっている。

チャーの指定席.jpg

迷犬チャーの指定席はしばらくビーちゃんのリアシート。似合っている。
アルファは遠くになりにけり、されどアルファのカタログ見続ける日々、、、、、
それ以上に愛しい存在、1968年式ビートルのビーちゃん。

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