2007年7月アーカイブ

2007年7月31日

時計の日

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昨日は時計三昧の一日でありました。
私の時計学の先生、ライターのN氏が神戸の老舗時計屋さんのイベントの取材がてらル・ボナーに立ち寄っていただきました。今回はいつも海外取材をご一緒にされておられるカメラマンT氏とご一緒に。お二人ともパナマ帽であります。マイブームのパナマ帽、一部のオジサンたちの間で流行っているのかな。

お二人とT編集長が作った時計雑誌タイムシーンのVOL9のバーゼル特集号も遅れたけれどやっと発売になったようでひと段落しているところだそうです。。年末に出るタイムシーンはオメガを特集するのだそうですが、N氏は実はオメガマニアなのであります。今回も腕につけておられた時計はスピードマスター・プロフェッショナルでありました。
年末のオメガ特集号はそんなN氏の知識とコレクション満載の本になるでしょう。そのためこれから秋にかけて毎月スイスを往復する日々が始まるお二人です。

初めてお会いするカメラマンT氏は趣味と実益を兼ねて十二分に人生を楽しんでおられるお人。T氏の書いておられるブログは一日4000アクセス以上ある人気ブログです。この方、本職はカメラマンなのですが、卓球専門誌「卓球王国」の発行人という顔もお持ち方で、愛ちゃんの試合のテレビ中継見ていたらデカイレンズのカメラを持った半ズボンのおじさんが観客席の最前列に陣取って撮影そっちのけで応援している画像がよく映し出されるそうですが、それはカメラマンT氏です。

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あれ、Oさんが来た。顧客のOさんは仕事休んで来店。Oさんの腕には最近購入したSTOWAのアンテアの世界80本限定(日本での販売は20本)の時計。この時計タイムシーンのT編集長も購入された品でよい時計であります。これでOさんの時計道楽も落ち着くかと思いきや、次はグラスフュッテオリジナルを狙っているそうです。だめだぁ~。

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夕方、百貨店の外商部の人が高級時計を持って来られました。私はデパートの外商部扱いの上顧客などで決してありません。逆に外商部に勤めている人がル・ボナーで鞄を購入してもらったという立場なのです。高級時計、買えないけれど見るのは大好き。パテック、バセロン、他色々。やはりパテックは買えないけれど良い。お金は最小限で楽しさ最大限で購入した私の時計コレクションを、パテックなどの高級時計を前に自慢する私でした。

気になっていたグランドセイコーのスプリングドライブのクロノグラフも持ってきていただいたのでじっくり見させていただきました。まずその厚みにびっくり。これは完全に私の許容範囲を越えている。GSでは珍しくスケルトンモデルなので中のムーブを見ることができるのですが、セイコーブライツのムーブに感じた感想と同じ質感。う~ん。私の持っている50年前のロードマーベルの裏蓋をあけた時見たムーブの方が私は感動出来た。やはりアンティークな時計が良いと思える私でありました。

2007年7月29日

アルフィスタへの道

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アルファロメオをこよなく愛する連中のことをアルフィスタと呼びます。私もそのお仲間の末席に参加させていただきたいと思っております。エンスーでない私は普段の足としてほどほどいい按配の選択としてアルファ145クワドリフォリオ前期型購入を決意しました。

アルファ145を運転したことのある人にこの車の印象を聞くと、中速域でのドライブがこんなに楽しい車は他にないとおっしゃる(私の思った通りだぁ~)。しかしその後にだがとくる。だがお勧めはできないとみんないう。屈折したアルファ好きのY氏以外は。中には20世紀最後を飾る問題車とおっしゃるお方までおられます。アクシデントが起きない確率は宝くじに当たる程度の確率という人もいます。

確かに面白い車とみんな言うのに、中古車価格はドイツ車の同じ年式の頃のモノに比べて安い。その理由は車格の割に部品交換しながら維持していくのが大変という風評が強く印象づけられているからでしょう。これは風評でなく事実でしょう。Y氏はそんなにかかりませんよとおっしゃるが、それは今までY氏が乗った車(ポルシェ、マセラティー、ジャガー、レンジローバー)に比べてであって、間違いなく部品は国産車に比べて弱くて高価です。庶民である私は当然躊躇しました。2年に一度の車検時には国産車の倍以上のお金がかかるであろうことは覚悟しなといけない。このファミリーなハッチバックに。

しかし偏執狂的なアルフェスタのお仲間に一度でいいから参加したかったのです。40年前に作られたビートルの方が現代の交通事情をドライブするには問題多々ありますが、程度の良いものが見つかれば丈夫で維持にお金はかかりません。10年前の現在の車でありながらアルファは問題多々あります。それでも魅了される魅力がアルファにはあるのです。いやまだ経験していないのであると思っております。でないと見た目普通の車にそんなに夢中になれるはずがない。何かあるはずです。それを怖いもの見たさで実体験してみます。

久しぶりに陶芸家の卓ちゃんに電話をしました。彼は京都在住時代ボロボロのランチャ・ベータなる117クーペ似の車に乗っていて、交差点でミッションが落下するという経験をした人物なのですが、アルファ145を購入すると伝えたら、147の方が無難で結果維持費もそんなにかからなくて済んだのにといわれました。怖いもの知らずでへそ曲がりな私はアルファの真髄を見極めたかったなどと訳のわからない弁解。ただドライブが面白いのは保障付きと言ってくれました。
そしてもし2台の車の世話が大変だと思ったときは1968年式ビーちゃんの面倒を見てもいいよと口約束してくれました。卓ちゃんのところに嫁いでいくならハミも納得でしょう。その時はよろしくお願いしまぁ~す。それよりアルファの世話が大変で、国産車に乗り換えたなんていうのだけは勘弁してよと言われました。

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お休みの日はアルファ145探し。ある中古車屋さんにマセラティー・クーペがありました。この車のインテリアが車の中で一番私好みの内装です。ここまで革に埋め尽くされた内装は知らない。革に包まれたコックピットに納まってみたいと思う気持ちはあるけれどそれで十分。ゆめゆめ所有したいとか運転したいとか思わない。私はアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型でアルフィスタまっしぐら。それにしてもすごい内装です。アタッシュケースの内装をこんなイメージで作ってみたいなぁ~。

梅雨が明けて熱い夏が始まりました。アルファ145はエアコンの効きがイマイチだそうなので夏は窓全開でエキゾストノートを楽しみながらドライブする車です。購入したらハミとチャーを乗っけてどこに行こうかな。関西の過酷な夏には向いていないデリケートな車なので、渋滞しそうな方向は避けて田舎がいいなぁ~。途中動かなくなっても大丈夫、ビーちゃんと違ってアルファにはハザードランプが付いている現代の車なので安心。まだ手に入れていないのに想像だけが広がる今日この頃の私です。

2007年7月27日

老兵の帰還

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15年前に神戸に店舗をかまえた最初期にオーダーで作った総手縫いのアタッシェケースが初めての里帰りです。まだヨーロッパ皮革を使っていなかった頃の品で、アメリカ原皮の国内でなめしたタンニン革を使用しています。そのため表皮の老化が相当進んでいますが、革の柔軟性を必要としない木箱に革を貼り込んで作るアタッシュケースなので、お手入れしてオイルを入れればまだまだ現役で頑張ってくれます。

愛情を持って使っていただき、お手入れや修理で里帰りするル・ボナーの鞄たちに再会するのが大好きです。愛情を持って使っていただいている鞄は使用状態を見ると伝わってきます。このアタッシェケースはお手入れはあまりされていないですが、なくてはならない相棒となっていることが伝わってきます。

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今回の里帰りの主な目的はハンドルの交換です。この頃はまだハンドルの芯に硬質ゴムを削って使っていました。硬質ゴムは革の油分を吸い取ってひび割れて早期の老化を促してしまうことが判明し、その後革を削って芯に使うようになったのですが、このアタッシェの取っ手は硬質ゴムを使っていた頃のハンドルでひび割れて革が死んでいます。同じ革の在庫は修理用にありますので、芯を革を削ったものを使って交換です。

市販の多くのアタッシェケースは飾りステッチで木箱に革を張り込んだだけのものです。そういったアタッシェは木箱の強度を貼る革が補うことはありません。ル・ボナーの作るアタッシェは木箱に貼った革を手縫いで縫い込んでいるので強度が増し15年経っても全然木箱がグラグラにはなっていません。

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ピッグスキンの内貼りは15年使われ続けているけれど素晴らしいコンディションを保っています。

10年以上前に作った鞄が里帰りする時、私たち夫婦は嫁いだ娘が久しぶりに帰ってくる時の親の心境に近い思いで迎えます。愛されて日々の相棒として使われていなければ10年経ってお手入れや修理で里帰りすることはありません。10年経ってル・ボナーに里帰りする鞄たちは幸せ者です。念入りにお手入れして今まで生きた年月かそれ以上の年月をご主人さまに寄り添って過ごしていって欲しいと願っています。

2007年7月25日

万年筆の世界へようこそ

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このペン先は万年筆の神様、セーラーの長原御大が発想した「団子3兄弟」というペン先。ペン先3枚重ねてイリジュウムも3倍です。太くも細くも書ける魔法のペン先です。こんな発想よく出るものだと敬服いたします。万年筆で書く楽しさを自由な発想で広げていく長原御大の考え出すペン先は摩訶不思議な遊び心満載です。
下のペン先は外付けのクロスポイントをエンペラーでおさえたタイプ。実に楽しそうです。楽しみを仕事に昇華した稀有な人物です。私も長原御大のように楽しそうな仕事人でいたい。

この写真の万年筆の持ち主はKENSAKI万年筆プロジェクトのリーダーの樫本さんのものです。樫本さんは長原御大の作り出す万年筆のコレクターとしては間違いなく世界一です。樫本さんは万年筆のペン先で遊ぶ御大の仕事が大好きなのです。

私は古山画伯と出会ってから万年筆菌に感染して、古山画伯を通じて多くの万年筆を介して愉快に遊ぶおじさんたちと知り合いました。知的に見えて全然知的でない万年筆で遊ぶそのおじさんたちは大変魅力的です。

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万年筆は面白い。ペン先のなめらかなすべりが心地良い。多くのハンディを持ちながらそれでも筆記具の王様でありつづけるのは、そのハンディを補ってあまりある柔らかな書き味と作る職人の熱き思いを感じ取れる筆記具だからです。安易には扱えないことはハンディではなく豊かさなのです。

そして万年筆はペン先を調整することで持ち主の好みの書き味に仕上げれるというのがいい。
自分好みの車にチューニングできるとしたら車はますます愛情降り注げる相棒になると思うけれど、それにはべらぼうな資金がいります。それに比べ万年筆の書き味のチューニングは手軽に出来て、自分好みの書き味という快感を得ることが出来るのです。

神戸の老舗文具店を退社されて、万年筆のペン先調整の技術を生かした理想の文具店を始められようとしておられる吉宗さんも万年筆に魅力を感じ、その魅力を多くの人に伝えたいと思っておられるお人です。その吉宗さんの文具店がもう少しで産声をあげます。私は楽しみにオープンの日を心待ちにしています。

吉宗さんの柔らかな接客、確かなペン先調整は心地良い時間を提供していただけます。万年筆が誘う豊かな世界を吉宗さんを通じて知った私です。神戸に確かなこだわりを持った新しいお店が増えることを望んでいる私です。そんなお店が神戸の新しいメリケン文化を醸成してゆくように思います。

万年筆にあまり関心を持っていなかった某出版印刷会社の若社長が吉宗さんに調整してもらった万年筆を購入したらしい。それも万年筆の良心、ペリカンのスベレーン800です。初心者がそれはいけません。若社長よりは万年筆菌に深く侵されている私ですらまだ遠慮している名品を買ってしまった。その上もう2本目を吉宗さんにお願いしているようで、もう引き返せません。若社長も泥沼万年筆病患者まっしぐらです。
数か月したらTAKUYA君に特注したペンケースに800番を入れた若社長が見えまぁ~す。

作り手の情熱と売り手の誠意を感じながら入手できるモノはその人にとって宝物になります。万年筆はそれをストレートに感じることのできる品です。満足度が価格にイコールでない品でもあります。だから面白い。

2007年7月24日

錠前プロジェクト第2弾始動

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錠前プロジェクトの第2弾のたたき台としてアルミを削りだしたプロトタイプが届きました。
神戸の奥の奥にある秘密基地のような精密金属加工会社の工場で、この会社の希望の星君が任された仕事をこなした後、夜な夜な図面を書いてプログラミングしてくれて形になりました。彼がいなければこのプロジェクトは前に進みません。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いしまぁ~す。

今回の第2弾の錠前は第1弾のグラスの錠前ほど複雑なプログラミングは必要ないですが、メインで使う錠前だけにいかにスムーズなシステムを構築して小生産で適正価格に持ち込むかが大事です。勿論削り出しのシャープな質感と高精度、高強度を求めます。

ハード系のブリーフケースやダレスバッグの顔を決める一番重要な部品が錠前です。錠前が質感のあるオリジナルなデザインのモノを使うことができればオーソドックスなブリーフケースも個性的な一品に変身します。バレクストラのブリーフケースが特別であるのも、シャーロックホームズ・ロックあればこそです。錠前プロジェクト第2弾が軌道に乗れば、ル・ボナーのメンズのアイテムは飛躍的に増えます。

このプロジェクトが成功すれば、錠前で困っている他の独立系鞄職人の人たちにも利用してもらえればと思っています。共通ムーブメントの動作の範囲内であれば表のデザインは自由にそれぞれのセンスで考えてもらって個々のオリジナル錠前を作って使えるようになれば、独立系の鞄職人の作るカバンがより個性を主張し面白く競い合うことができるのではと思うのです。その意味でもこの小ロット適正価格の上質錠前が作れるシステムを成功させないといけないと思っています。

ムーブメント部分は決定です。あとは表のデザインの煮詰め込みと使う金属です。金色は真鍮で決定ですが、銀色はまだ決めかねております。まずは真鍮で完成品を作ってからでも遅くはないので、ゆっくり考えることにします。

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毎月末恒例のベルト作りをしております。注文本数が徐々に増えてきており少しきつく感じておりまぁ~す。バックル取り付け部分の手縫いをして完成です。

錠前プロジェクト第2弾が軌道に乗った後は、ベルトのバックルを考えております。市販のバックルは大部分鋳物です。それはそれで優しく感じるゆるさがあっていいのですが、ル・ボナーはシャープなラインが出る削りだしでいきます。人がしないことするのが楽しいのであります。現在使っているバックルも東京の金具屋さんにオリジナルで作ってもらった削りだしのバックルですが、他が真似できないバックルを作りたいのです。

私はよりオリジナルなモノを追い求めていきます。より楽しくモノ作りできる状態がなにより幸せです。
多くのもの作りする人たちに助けていただきながら。

2007年7月22日

今日はハミの日

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ル・ボナーがあるショッピングモールの搬入用の駐車場の天井にツバメが巣を作り4羽の子ツバメが巣立つ寸前です。ハミは興味津々、何度もその子ツバメたちを見に行っています。
親ツバメは子ツバメたちに危害を加えると思ったのか、ハミの頭の上を旋回して奇声をあげています。
ヒッチコックの「鳥」を思いました。こわぁ~い。でもハミは母親の愛の強さに感動したぁ~と言っておりました。

ハミが見つめると動物たちは危険を感じるようです。特にサルはいけません。動物園の猿たちをハミが見ていたら突然金網まで走り寄ってハミを威嚇したことが何度かあり驚きました。ハミの視線は危険なテレパシーを猿に伝えるのか。彼女とは30年以上の付き合いになりますが、いまだに理解できない部分がたくさんある摩訶不思議な女性です。ちなみに私はサル年です。

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昨夜も家にたどり着く手前の駐輪場の塀の上に食パンが置いてあります。トンチンカンなおばさんが忘れているのだろうと思いつつ家のドアを開けてまさかとは思ったのだけれどハミに聞いてみると、まさかではなくハミの仕業。
彼女はよく忘れる。老人性痴ほう症ではなくて若い頃からです。財布を忘れてくるのは日常茶飯事。数年前の正月には20万円入ったカバンを自転車のかごに入れたまま数日してから気づいたこともあります。私も決して几帳面な方では決してないけれど、ハミに比べればまっしです(比べる相手が悪かった)。しかし不思議なほど大事になったことはありがたいことにありません。

そんなハミも今日が55歳の誕生日です。今でもとぼけていて摩訶不思議な女性です。ランドセルを背負ったオヤジにはなくてはならないかけがいのない女性です。これからもよろしくお願いします。
ハミはそれだけは勘弁とよく言いますが、私は生まれ変わってもハミと一緒になりたいと思っています。

実はハミが今日誕生日だという事すっかり忘れてた。家に戻って娘がハミに誕生日プレゼントを渡すのを見て知った。いつもそうなのです。私たち夫婦は結婚記念日もお互いの誕生日も過ぎ去ってから気が付くことの方が大部分なのです。若い頃は日々の忙しさに追われ、今は物忘れ夫婦の痴呆な脳細胞。もの忘れ名人の私たち夫婦、これからは記念日はダイアリーにしっかり書いておいて大事にしていきます。私たちが夫婦でいられる年月は折り返し地点を通過しています。大事にしていかないと。

でも今夜はごちそう。単身赴任で横浜から来られているエリートビジネスマンのS氏に、北海道から届いた新鮮な生ウニをいただいちゃいました。これが絶品。アルコール臭のあるウニしか食べた事のなかったわたしたちにとっては感涙もの。ウニ丼でいただきました。うれしいお客様からのプレゼント。

2007年7月20日

ハゲ頭と帽子

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仕事机のサイドに並べている帽子を見て、帽子も売ってられるのですか?と尋ねられたお客様が何人かおられました。これは私の私物です。私はクラシカルな帽子が大好きです。
夏はパナマ帽かメッシュのベレー。冬はボーラーハットかウールのベレーなど。ボーラーハットは大変気に入っております。現代の日本ではあまり被っている人がいないので被るのに勇気のいる帽子ですが、被ってしまえばへっちゃら。ボーラーハットはクロしかもっていないので、グレーか茶色のボーラーも欲しいなぁ~と思っております。

私ははげております。はげてる者にとって帽子は必需品であります。決してハゲ隠しのためではありません。髪の毛がいっぱいある人にはわからないと思いますが、帽子は髪の毛の効能の代役をしてくれるのです。1年を通じて帽子は頭への衝撃に対して髪の毛の代わりにクッションの役目をしてくれます。髪の毛のない頭は衝撃に対するダメージが大きいのです。夏は直射日光から頭を守り、汗を緩和してくれる髪の毛の変わりに汗止めの役目もします。冬は当然防寒に絶大な効果。

長きに渡ってはげていることは肩身の狭いことでありました。私は10代後半から徐々に額が後退していきましたが思春期の若者には重大事。加美の元Aを振りかけて防ごうとしましたが効果はあまりなかったようです。最初のお店をつぶした心労?が原因でか、30過ぎに今の状態になってしまいました。というより完全に松本家の遺伝子であります。おじいさんも親父も、そしてまだ20代の息子もおなじようにはげています。これは完全無欠の遺伝子であります。

それがここのところ欧米の著名人やモデルでそり上げた頭部の人たち増え、はげた人も残った髪を短く切り揃えるヘアースタイルに対して抵抗感がなくなってきました。バーコードなんかより正々堂々としていていい。それに電動バリカンがあればいつでも自分できれいさっぱり。私も買った、ヤマダ電気で6,500円。しかしそれでも月に一度は散髪屋さんへは行きます。気分転換リフレッシュにサン・バーバー。

趣味と実益ゆえの帽子コレクションでありますが、こんなにいらないと言えばそのとうり。家にもまだまだあります。帽子は絞り技術の最たる品。革で作ってみようかと思ったこともありましたが、私は革の帽子があまり好きではないのでやめました。帽子はやはりフェルトがいい。
冬はボーラーハット。冬の神戸の街でボーラーハットを被った変なオヤジを見かけたら、それは私である確率が高いです。

2007年7月18日

偏った車選び30年

私は今まで30年あまりの免許歴の間に10台ほどの車を乗り継ぎました。全て中古車です。
中古車しか買わなかった最大の理由は貧乏だったからなのですが、それ以外にもあります。私が乗りたいと思う車がいつも現行の新車としては売ってなくて製造中止になっていたという理由もあるのです。

私はエクステリア偏重型の車選びをしてきました。見て私なりに幸せになれるエクステリア。機能は我慢でありました。その最たる車が私達夫婦にとって今でも一番心に残る車のジープJ37。
私が子供の頃親父が林業試験場で乗っていた車で、レトロな風情のこのエクステリアは私たち夫婦のライフスタイルにばっちりでありました。しかし大変な車でした。重いステアリング、渋滞では屈伸運動をしているような重いクラッチ。100キロ以上で走るとエンジンの悲鳴とボディーから生じる高周波音が会話なんてとんでもない状態。それでも私たちの若さとチャーミングなエクステリアがその苦痛以上の喜びを与えてくれた車でした。極貧時代に突入したことで手放さないといけなくなったけれど、やはり一番の思い出の車です。

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J37の前に4台乗継ぎました。楽な車に乗りたいと勘違いしてカローラを所有したことがありました。確かに楽ちんで走行中眠くなるほど楽な素晴らしい車でしたが、3か月で乗り換えました。その時悟りました。私にとって退屈な車は耐えられなかったのです。苦痛を伴ったとしても刺激ある車でないと愛せない。

そのあと2サイクルのジムニーSJ10。買ってしばらくして足元の床の鉄板が錆びて滑落してしまいましたが乗っておりました。面白い車でしたがあちらこちら錆びてこのまま乗っていたらボディーを形成しているブリキのような鉄板が徐々に朽ち果てる恐怖を感じながら乗っておりました。それでもカローラより全然愛着を感じた車でした。
幌のジムニーだったので開放感が自慢。取り外し取り付けに手間取るので雨の日でも傘を差して乗ったこともありました。正面からの雨には効果がありましたが、対向するトラックが巻き上げる水しぶきはモロに降りかかり、底に大きな穴が開いていたので雨の日はいつも床上浸水でした。

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J37を泣く泣く手放した後、諸費用込10万円でこのスバルサンバー4WDを購入。
これはサンルーフまで付いた素晴らしい車。4WDで高速走行すると横風にもあおられることなく走ることが出来る。荷物もいっぱい積めます。仕事にキャンプに大活躍。しかし4WDでの高速走行がいけなかったのか、首都高速で急にエンジンが焼きついて急ブレーキ状態でクルクルスピン。スバルサンバーはそれでお釈迦になりました。私は悪運強く生きていました。

その後何台か乗ってランクル40系。トヨタの世界戦略車ランクル40系は素晴らしい車。マフラーは錆びて滑落したし、ドアは雨水がたまって錆錆びぼろぼろで交換したけれど、元気そのもので走り続けた。
排ガス規制を期に知人に譲ったけれど、今も元気に岡山の山奥で現役らしい。もう30万キロはがんばっているのではないだろうか。凄い。

ずーと所有し続けたかった何台かの車がありました。しかし私の人生の紆余曲折、七転八倒がそれを許してくれなかった。老夫婦が若い頃購入したコンパクトセダンを長い年月大事に乗り続けているなんていうのが一番かっこいいと思う私なのですが、私はなかなかむずかしい。

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その後、現在所有している68年式整形美人のビートル。この車のエクステリアは大好きです。車というよりペットのような愛情を感じております。運転もJ37より楽ですが私も50歳。最後に視覚ではなくて聴覚を刺激する車に乗ってみたい。

それがアルファ145クワドリフォリオ前期型であります。今まで乗り継いだ車よりは楽にドライブを楽しむことができるはずです。そしてカローラより刺激を感じれるはずです。私が愛せるぎりぎり刺激を感じれる乗用車でないかと思っております。
それと、名門自動車メーカーでありながら紆余曲折、七転八倒しながらスポーツカーを標榜し続けるアルファロメオという車会社の姿が愛おしく共感してしまうのです。その会社の分身に乗れると思うだけでわくわくしてしまう。なんてミーハーなおやじなんだぁ~。

50歳にしてこの頃やっと高級なエクステリアはやはり手間暇かけて高級を表現していることが分かった私ですが、私は死ぬまでその高級に魅力を感じないまま車経歴を終わらせるであろうと思います。
私の趣味に沿ったエクステリアの車に乗り続け、ランドセルを背負ったオヤジは初めてドライブ感覚に着目して車をチョイスいたします。私なりの快楽ドライブを思い描きながら。

2007年7月16日

お待たせして御免なさい。

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お待たせしていたシュランケンカーフで作ったグラスがようやく数本を残してできあがりました。ご注文いただいた皆様本当に遅くなってご免なさい。

金具の完成の遅れその他色々原因はありますが、私一人で作り上げる宣言した頑固者ハミが最後まで頑固者であったのが一番の原因。
しかし怪力?ハミさんの力作。男ぽい頑強なグラスに仕上がりました。

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錠前は「錠前プロジェクト」のファースト作品。紆余曲折いたしましたが素晴らしい錠前です。真鍮(金色)はコーティングをしないで作って欲しいとお願いしたので、カバンが出来上がった時点で鈍い色になりだしています。でも大丈夫錠前の蝶番はネジで止めてあるので、納品前にネジをはずして磨けばピカピカ。経年変化した錠前を楽しむも良し、小まめにネジをはずしてピカピカに磨きながら使うのも良し。

シュランケンカーフの裁断はハミ得意の贅沢な裁断。バランスの良いシボが贅沢。
大部分の内貼りの革はヨーロッパのトップブランドが表に使っているカーフ。ワインの内貼りはデュ・プイのオリオンV。ワイン色の革製品で有名な宝飾ブランドが使っている革。ベージュの内貼りはフラスキーニのブレンダ・ボックス。裏がブツブツゴムのドライビングシューズで有名なブランドが使ってます。

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今回のグラスのコバは黒と茶系は染料の蜜蠟仕上げです。カラフルな色のモノは染料ではカラフルな色のコバに仕上げることが出来ないので、顔料仕上げです。顔料といっても市販の塗料ではなくてハミが調合した特製顔料。どちらにしても下処理を丁寧にすればするほど奇麗に仕上がります。
タンニンなめしの革のコバ処理は比較的楽に出来るのですが、シュランケンカーフはクローム革であるだけでなく繊維もソフトなので大変です。コバ処理に手間がかかります。

お店にもシュランケンカーフのコニャック色で作ったグラスが並びました。今回からシュランケンカーフのグラスは157,500円での販売です。作るのが大変だったのであります。それと材料費の高騰。

それと今日来店されたお客様のお目当てのカバンが品切れで希望に沿うことが出来ませんでした。
購入したいかばんがあってもないことの方が多いル・ボナーです。前もってお電話かメールで確認していただくとありがたいです。お願いいたします。

2007年7月14日

アルファ・ロメオ礼賛

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25年ほど前知人が中古のアルファロメオの4ドアセダンを購入した時試乗させてもらった。その時が初めてのアルファとの出会いでした。この車の吹け上がりの良い加速感とカラヤンが木管楽器の音色のようだといったエキドーストノートは今でも私の脳裏に残っている。当時DOHCエンジンの車はまだ少なくアルファのツインカムは特別な魅力を持っていました。
その後そのアルファは多くの問題を抱え、資金を多く投入することが適わなかった知人はすぐに手放すことになってしまいました。その頃のアルファの部品は異常に高かった。

それ以来私はアルファ・ロメオという自動車メーカーの作る車に対して憧れと不安の両方を感じておりました。そして時は経ち50歳を過ぎた私が、私らしく移動手段として楽しく乗れる車を思案している時に、多くの癖の強い車を乗り継ぎ、今や自他共に認めるアルファ好きのイタリアちょい悪風おやじのY氏と出会ってしまいました。Y氏の偏った車に対する考えは、自身のアイデンティーティーに沿った車選びを標榜する私には共感する部分が多くて、アルファしか見えなくなってきてしまいました。
面白けれど問題を多く抱えた車、それが多く人たちのアルファ・ロメオに対する一般的な意見です。そうだとしても、それには目をつぶる事のできる強い魅力をアルファは持っていると確信している私です。

私は10年間1968年式フォルクスワーゲン・タイプ1(通称ビートル)を日々の足として乗り続けました。
しかし遠出の時はレンタカーを借りておりました。高速道路を長い時間巡航する時68年式ビートルはドライバーと同乗者に多くの苦痛(騒音、異臭、振動etc)を絶えず与え続けます。一時乗り換えようかと真剣に考えたこともありましたが、この愛くるしいエクステリアと別れる事は出来ないと悟りました。
私は2台の車を所有する蛮行を模索する道を選ぶことにしました。

アンティークなアルファは大好きですが、それでは本来の目的からは逸脱してしまいます。あくまで普段ストレスなく楽しく乗れる移動手段としてのアルファ・ロメオ。国産車やドイツ車の方が無難で安心なのは私も分かっております。しかし私のへそ曲がりなアイデンティーティーを満たす車がアルファ・ロメオでした。私にとってフェラーリやポルシェより魅力を感じるブランドです。あのエンブレム、車ブランドの中で唯一カッコイイと思っているミーハーな私であります。

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そしてY氏の助言を参考に最終決定したのが10年ほど前新車であったアルファ・ロメオ145クワドリフォリオ前期型。現行のアルファはドイツ車的になり本来のアルファ的車趣味を満喫できないとY氏はおっしゃる。スポーツする心を忘れないアルファの車作りの思想を堪能できる最後のアルファであるとY氏は断言され、私はその気になってしまいました。

初めて見た時、アンティーク趣味の私には全然魅力を感じなかったエクステリアとインテリアでしたが、この車のことを知れば知るほど、見れば見るほどこの車しかないという思いに変わってきました。
10年前のこの車のエクステリアデザインの一部を真似た現行の国産車がいっぱい走っています。
ファミリーカー然とした3ドアハッチバックのこの10年前の車が特別な魅力満載のスペシャルな車に思えてきました。

評判の悪いナポリ近郊の工場で作られた10年前のこの車。程度の良い車は少ないと思う。
しかし走行20000キロ以下、屋根つき車庫保管でディーラーで整備した素性がしっかり把握できるデッドストック品のようなアルファロメオ145前期型をY氏のアルファネットワークを頼りに探してもらっております。60歳に私がなった時にビートルとこのアルファで迎える姿を思い描きながら。

アルファはスポーツする心を大事に思う車作りをしているため、ヨーロッパの排ガス規制がきびしくなる10年ほど前までのエンジンは能力いっぱいに研ぎ澄まされております。そのためウォーターポンプとタイミングベルトは30000キロに1回交換しなければならない面倒のかかる車です。長く乗らなくてもその他多くの問題が発生するでしょう。しかしそれも楽しめる車のように思える私です。

車が本来持っている五感を刺激する魅力とドライブする楽しさ、それと安楽に移動する道具としての私にとってのバランスを考えた時、このアルファ145が良い按配だと思ったわけであります。
希望を満たすアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型。見つかる事を心待ちにしています。でもそんな程度の良い10年前のアルファなんて現存してないよなぁ~。私がアルフィスタのお仲間に入ることの出来る日はいつ来るのだろうか。

2007年7月12日

ペーパームーンが久々登場

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久々にお店にペーパームーンが登場です。
このソフトなショルダーバッグは、ソニー・ファミリークラブ(今は会社名が変わりました)の通販で大変好評だった品です。

このショルダーバッグの特徴は、すごくソフトで軽い革のバッグということです。
使っている革は、フランス、デュ・プイ社に特別に作ってもらったソフトカーフです。ドレッシーな革の衣服や手袋を作るのに向いた革だと思います。それゆえに衣服のようなバッグを意識しました。
革が柔らかくて軽く、それを縫製方法の工夫で500g以下の軽さで仕上がっています。

このバッグは大変に難解なパターンをしています。一度作ってみると次から楽に作れるバッグなのですが、縫製手順を理解するのに苦労するバッグです。私もこのパターンを起こすのには苦労しました。
それだけに思い入れも強いバッグです。

ソニー・ファミリクラブではこのショルダーバッグしか通販でやっていなかったのですが、同じコンセプトでリュックやポシェット、ブリーフケースもサンプルでは作っていたので、順次店頭に並べてゆきたいと思っています。

私たち二人は革と出会ってデザインを発想するタイプです。素材の質感が生きるカバンを作ってゆきたいと思っています。

2007年7月 9日

黙々と仕事をする日々

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私は多くの人たちに勘違いされているようであります。万年筆と時計にうつつを抜かして仕事もせずにブログを書いていると思われております。それは大きな勘違いであります。
万年筆と時計が好きであることは認めます。しかしそれは可愛い趣味の領域で、許容範囲であると思っております?。ブログにしても睡眠時間を削って家族のみんなが寝静まった夜や、早朝に自宅で書いている訳で、仕事をおろそかにしている訳ではないのであります。私は日々忙しく鞄つくりに精を出しているのであります。

今日もオーダーのセカンドバッグを作っておりました。あと取り外しができる持ち手を作れば完成です。
シュランケンカーフのジーンブルーで作ったこのセカンドバッグは、注文されたお客様の希望どうりに出来上がったのではと思っております。

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次に控えるオーダー品はこのナイル産のラージ・クロコでの注文であります。
普通の革は10㎝四方を1デシという単位で売買されるのですが、クロコはお腹の一番広い幅を測って1㎝の値段で決めます。今回買ったクロコは50センチのビッグサイズで、相当に高価であります。1cmあたり数千円しまぁ~す、×50がこのクロコ1枚の値段です。革の中では昔から一番高価な革ですが、ここのところ前にもまして値段が高騰しています。
この大きさになるまでに5~6年はかかります。暴れん坊のワニは長い年月生きていれば傷のない革も比例して少なくなります。クロコは実際に見て買ってこないといけません。それが主な目的の東京出張でした。

貴重品革での製作はオーダー以外ではあまり作りません。哺乳類のなめし具合はよく理解している方なので、貴重品革でも象革は好んで使う方ですが、クロコはよくわからない。ただ表皮は驚くほど頑強な革です。割漉きをする時特に緊張する革です。今回はこの革を手縫いで仕上げるカバンです。
何を作るかは出来てからのお楽しみ。製作過程は出来上がってから詳細を報告しまぁ~す。
と言いながらおしゃべりな私は「KENSAKI専用グリマルディー」の中で何を作るか書いていたぁ~。

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クロコのオーダー鞄を作るとき同じ形をあと一つ作ります。イタリア・フラスキーニ社のデッドストック革のムスタングのボルドー色で作ります。この革は素晴らしいクローム革です。現在ではまずお目にかかることができないイタリアンねっとりクローム革であります。この革で作った鞄は出来上がったらお店に展示しておきます。浅草のバッグ博物館にあるイタリア名人鞄職人が作った鞄のような仕上がりをめざして頑張りまぁ~す。

それにしてもこの革は良い。先祖代々ピット槽のクローム液を交換することなく、継ぎ足し継ぎ足しうなぎの秘伝のタレのような製法でなめしたフラスキーニ独特のねっとりなめしのクローム革は今はデッドストックのみ。良い鞄に仕上げないともったいない。

私は黙々と仕事をこなしております。本当です、皆さん信じてくださぁ~い。

2007年7月 7日

60年前の手巻きのセイコー

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ここのところ休みの日の午前中は連続して水谷時計修理工房にお邪魔している私であります。
古時計に囲まれた修理工房はレトロな風情で、私はリラックスさせていただけます。
水谷さんと知り合えて壊れても安心という武器を得た私はアンティーク時計まっしぐら。

その結果がこの昭和23年(1948年)の手巻きのセイコー。その当時は手巻きしかなかった。
水谷さんが金庫に大事そうにしまっていた古~い腕時計は、水谷さんが手入れしていた素晴らしいコンディションの一品。私にはオールドパテックに似た雰囲気を感じてしまいました(ちょっとオーバー)。

私はル・ボナーに集う若い時計好きのお客様たちに所有する時計は多くても3本あれば十分。それ以上所有するのはマニアです。マニアになってはいけません、マニアになるなら革カバン?と説いております。そんな私ではありますがこの時計がすご~く欲しくなりました。
値段を恐る恐る聞くと呆れるほどお安い値段ではありませんか。アンティーク時計まっしぐらの私は今買うしか選択の余地は残っておりません。で、、、買ってしまいました。

持ち帰りハミには、ルクルトのフィーチャーマチックは夏には厳しい機械だから、ハミの夏用に買ってきたと訳のわからない言い訳。と言いながら現状は水谷さんから頂いた時計のコレクションケースに収まって仕事中の私を見つめています。

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水谷時計修理工房からの帰り、日本を代表する帆船の日本丸と海王丸が港に停泊しています。
寄り道して写真を撮らない訳にはいきません。二隻が同時に停泊しているなんてなかなか見れない。
素晴らしいの一言。私は神戸を楽しんでおります。

それにしても、現在ブログを書いている家で使っているこのパソコン、フリーズを繰り返しギブアップ寸前。
今日はお客様に教えていただいた処方箋を試して書いております。アイスノン二つの上にタオルを敷いてその上に乗っけて書いております。今のところ珍しくフリーズしません。これはなかなか良い方法のようです。それにしてもアナログな方法であります。気に入っております。

2007年7月 6日

見た目より一杯入るキャッツ

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あまり入手できないシュランケンカーフのライムグリーンとパープルでも作っちゃいました。
大人気のキャッツは見た感じからは想像出来ないほどの品々を収納できます。ハミが普段持ち歩いている小物はご覧の量収納できます。少しサイズを工夫することで予期せぬ驚きを提供できるのです。

私達はカバン作りにおいて大きなモノは実際より小さく見え、硬いカバンは柔らかく見えるように意識して工夫しています。そのことがル・ボナーのカバンを特徴づけていると思います。キャッツはそのことが特に現れているポーチです。

前ポケットのステッチ、ハミがネコの親子が寄り添っている後姿をイメージしてのワンポイントですが、見る人によってはチューリップだと言うお客様もおられます。人それぞれどう見ようが自由。
カバン作りも自由でありたい。技術の裏付けを大事にした上で自由に遊べればいいなぁ~。

夏です。革鞄が巷からも、お店からも少なくなる季節です。
でもル・ボナーは革オンリーです。カラフルなシュランケンカーフを使ったバッグが季節を問わず使うことができます。だから店内は革オンリーの品揃えでも暑苦しくは見えないと思います。ただ夏はジーンブルーがよく出ます。オレンジも意外と夏に合うのだけれど。
色がいっぱいの手作りかばん屋、ル・ボナーは神戸のお店でよかったと思います。
神戸で15回目の夏を迎えるル・ボナーです。

2007年7月 5日

KENSAKI専用グリマルディー

火曜日、私は10時前には東京のアトリエTAKUYAのドアをノックしていました。
KENSAKI万年筆のグリマルディーを仕上げてもらうためです。TAKUYAブランドのコラボ・グリマルディーを置いているお店の特権を利用してのオーダーなのですが、そうでないと完成は半年以上先になってしまう忙しくしているTAKUYA君であります。
KENSAKIはクリップが硬いので差すのは抵抗があり、だけれど見せたいという私の要望をかなえるには正確な採寸と微調整が必要なための訪問です。早速採寸して木型を削りだしました。

独立系革小物職人のTAKUYA君は仕事を始めると素晴らしい集中力。いつものTAKUYA君と違う修行僧のような一面を見ました。私はKENSAKIを残して東京での仕事をこなすためアトリエTAKUYAを後にしました。


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木型製作中

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絞り中

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手縫い中

彼の革小物は素晴らしいと思う。手縫いでないと出来ないフォルムを想像し、使う人の要望に沿った革小物作りをしている。そんな彼のモノ作りの姿勢は、方向性は違うけれど私は大いなる刺激をいただきます。

仕事を終えた後、フルハルターの森山さんのお店に、KENSAKIのペン先調整で初めて来店する予定にしていたのですが、フルハルターは火・水とお店がお休みであることが判明。調整は次回の東京出張の時にしていただくことにします。調べてから東京出張の日を決めればよかった(トホホ、、、)。

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で、TAKUYA君にお供してもらって、赤坂8丁目にある「みんみん」(王に民なのですが書けませ~ん)。
私にとって思い出いっぱいの中華料理屋さんです。30年前、私が東京に来て初めて住んだ場所が赤坂でした。極貧の若者には、東京でも特に物価が高い地域の赤坂は生活するのに厳しい地域でありました。そんな私にとって美味しい本格中華を安く提供していただける赤坂の「みんみん」は特別な飲食店でした。ハミにも携帯で今夜は「みんみん」で夕食たべるんだぁ~と連絡すると、私も行きたいと懐かしく感慨深そうです。「みんみん」という名の中華料理店は全国に沢山あるけれど、赤坂の「みんみん」は特別です。

赤坂8丁目の路地裏にある「みんみん」は30年前からプチ改装は何度かしているけれど、私の思い出を壊すような改装はしていない。厨房は当時のままです。
極貧の若者であった私がラーメンだけやチャーハンだけ頼むと、時々サービスと言って注文の品より何倍も高価な一品料理を作ってくださったご主人は今はいない。若い人たちが厨房に立っている。その人たちにおかあさんと呼ばれている、お店をきりもりする奥さんは30年前は娘さんであった(当たり前だけど)。
私はその後30年間中華料理を食べ続けたけれど、あの頃食べた「赤坂・みんみん」のレバニラ炒めとチャーハンより美味しいレバニラ炒めとチャーハンに出会ったことがない。30年経って代替わりしたけれど「赤坂・みんみん」の味は変わっていなかった。
今回二人前ほどの大盛りの炒め物3皿と3人前ほどの大量のチャーハン、それとラーメンを各1杯頼みました。ザーサイは山盛りサービス。細いのに大食漢のTAKUYA君が3分の2は食べてくれたので、満腹で動けなくなりそうになりながら完食。これだけ食べて二人で3,200円。頭を深くさげたくなりました。
今度ハミと「赤坂・みんみん」に一緒に行きたい。味も雰囲気を30年前と変わらない。

その日午前3時半に起きてしまった私はTAKUYA邸に戻ると睡魔が襲ってきた。
TAKUYA君はKENSAKI用の特別仕様のグリマルディー仕上げに没頭。私はTAKUYA邸で夢の世界へ。

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翌日の朝5時に目を覚ますとKENSAKI専用グリマルディーが完成しているではないですか!。
ピッタシサイズの木型が功を奏し、クリップささなくてもKENSAKIをグリップしているではありませんか。
これは大満足であります。
早朝の新幹線で神戸に帰神。午前11時にはル・ボナーのマイ仕事机で、TAKUYA君の仕事中の集中力に刺激を受けて、東京で買ってきたラージサイズのナイルクロコとにらめっこ。この貴重品革のクロコでアタッシュケースを作ります。緊張感のあるお仕事に突入です。

2007年7月 3日

50オヤジのあるべき姿

現在午前3時56分。起きてしまった。
今日は朝一番の新幹線で東京出張です。現在雨が降っております。東京出張は日帰りで済ませせるかなぁ~。

パソコンの調子が悪いと先日言っておりましたが、仕事場のパソコンの液晶画面に増え続ける縦線の問題は解決しそうです。DELLがリコールを宣言したのであります。
これで仕事場のパソコンは無償で液晶交換してもらって使い続けることができます。ただその修理のため仕事場にはパソコンがない状態が10日ほど発生し、メールの送受信やブログを自宅のフリーズ多発パソコンでまかなわないといけないので、少々不安。でも良かった。

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梅雨の季節傘は必需品であります。風の強い神戸では傘は消耗品です。今まで何本の傘をダメにしてきたことか。
そんな私が現在使っている傘がこの傘。雨の日は薩摩ビーグルのチャーを連れてこの傘さして自宅と仕事場を往復しております。
これではまるでミーハーなペット溺愛者ではありませんか。もしそれが事実だとしてもいけません。
イギリス、ビクトリア風スタイルを標榜する私?においてはあってはならない恥ずかしい絵柄の傘なのであります。ちなみに自宅の玄関マットもビーグルの絵柄です。いけないぃ~。

絶対に傘はジェントルな風情の丈夫なモノに変えます。
吉宗さんがお店を出されるこだわりの強いお店が軒を並べる元町本通商店街のデープな5丁目に、傘の話を始めたら2時間はお話を聞かねば承知してくれない傘専門店があるとお客様から聞き及んでいますが、まだ訪ねたことがない。今度そこでオヤジさんが推奨するジェントルで丈夫な傘を入手することにしまぁ~す。

しかしこの傘、50オヤジが使ってはいけません。
今日は雨が降っています。東京出張です。このビーグルの絵柄の傘をさして大都会を彷徨うなんて。
雨さんやんでくださぁ~い。

2007年7月 2日

合歓の木

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六甲アイランドは人工島なので樹木は全部植樹されたものです。大部分の木々は数年に一度は植木屋さんが剪定しているのですが、私たちの住むマンションの前に枝をめいっぱい広げているこの合歓の木は剪定されずに枝を伸ばし放題に広げています。

私はこの合歓の木が大好きです。特に初夏に綿毛をつけた花を咲かせる時期のこの合歓の木は圧倒的な存在感があります。夜になると葉が眠るように閉じる不思議な木です。昼間でも開いている葉に指で触れるとなぜか閉じるチャーミングな木です。この合歓の木はこの人工島にしっかり腰を据えています。

夜チャーの散歩にハミと出かけるときは、いつもこの合歓の木の下の階段に腰掛けて、その日の出来事その他色々ゆったりした気持で話すのが大好きです。

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金曜日から日曜日の午前中にかけて普段のル・ボナーの時間の流れとは異質な、早いペースで色々な人と出会い多種多様なシチュエーションでのお話をしたなぁ~と実感する2日半でありました。タイムスケジュールをこなすビジネスマンになったような心境で、それはそれで面白かったのであります。

一生懸命自分らしい生き方を模索している人たちがいます。多くの人の場合夢が先行します。
その夢を着実に進めてゆくには数字に裏づけされたビジネスプランをしっかり構築しないと私たち夫婦のように遠回りして四苦八苦することになってしまう。気合と根性で夢を実現しようとした私たちのカバン職人人生の大部分の歳月は右往左往するばかりで、夢の実現とは平行線のままあせるばかり。
数字に裏づけされたビジネスプランを考えられるようになって、夢は現実と折り合いを持つようになり、次の夢に進めることが出来るようになった私たちです。
モノ作りはお金では買えない楽しみを得ることができますが、それを支える収入は必要です。夢を食べては生きていけないし、夢を実現してゆくにはそれに見合った収入を得る手段を模索しないと前には進めない。


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日曜日は朝9時からテレビの取材。前日夜までル・ボナーには人が集っておりましたので、取材の前にお片づけしないと普段のゴチャゴチャの工房をテレビ画面に公開してしまうことになります。それは恥ずかしい。早起きしてお片づけした甲斐あって?取材陣は雰囲気のあるお店ですねぇ~と外交辞令。
5分程度ケーブルテレビで流れる取材なのだけれど、3時間ほどかかっての収録。
午後からは静かな時間が流れるいつものル・ボナーに戻りました。日曜日だというのに。

家のパソコンが大変調子が悪い。家に帰ってからブログを書いている私には大変なことです。今も自宅のパソコン君の機嫌の良いのを見計らってこんな早朝に書いております。仕事場のパソコンもいよいよ液晶の画面の線が太くなってきており、ダブルパンチで買い替えなければいけないかと思うと頭の痛い話であります。お願いだから復活してくださぁ~い。

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