2007年8月アーカイブ

2007年8月30日

芦屋霊園に墓参り

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芦屋霊園の緑に包まれた駐車場に佇むマイ・アルファ

今日は芦屋霊園にチャーの前に飼っていたクークーの墓参りに行ってきました。
午前中雷を伴って強烈な雨。阪神間ではその雷の影響で2000軒あまりが停電になったそうであります。雷が響き渡るたびにチャーの悲鳴に近い鳴き声も響き渡ります。その方がうるさかった。
雨があがった後、曇り空の中 芦屋霊園に。温度は一週間ほど前までに比べて峠を越した感じではありますが、湿度がまだまだあり蒸し暑い。でも今年の神戸の夏も終わりを告げているようです。芦屋霊園では夏の終わりを告げるひぐらしがカナカナ鳴いていました。

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東京から引っ越して六甲アイランドにお店を持ったのですが、最初の1年は芦屋に住んでいました。
東京時代から飼っていた雑種の雌犬クークーと一緒に暮らせる借家が六甲アイランドにはその頃見つからなくて、芦屋で見つかって住んでいたのです。現在飼っている薩摩ビーグルのチャーとは正反対の優しい聞き分けの良い犬でした。東京時代は一緒に飼っていた猫たちの面倒もクークーが見てくれていました。

そんなクークーも関西に来る前ぐらいから足腰が弱くなり、大好きな散歩もままならない状態になり、芦屋に住んで1年あまりで亡くなってしまいました。芦屋市役所に連絡すると火葬して遺骨を芦屋霊園にある動物塚に埋葬してくれることを知った。それも無料で。芦屋市民のペットに対しての優しさがありがたかった。それで私たちは時々その動物塚にお参りするのです。

関東に住んでいる人は芦屋は神戸市芦屋区だと思っている人もいるけれど、芦屋市なのです。
その芦屋の山の手は、工場も高層の建物もなく落ち着いた高級な住宅地です。その中でもクークーが眠る芦屋霊園の隣に位置する六麓荘町はびっくりするほど立派な高級住宅地です。東京の田園調布より立派で迫力満点。神戸に遊びに来た友人は必ず連れていきます。観光名所より全然面白い、別世界を覗き見ることができます。


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そんなハイソな芦屋山の手に芦屋霊園はあり、芦屋の街を一望できます。緑を伝って流れる風が気持ち良く、しばしベンチに腰をおろしてハミとチャーと静かな心持を感じておりました。

芦屋の街並みを走るマイアルファは気持ちよさそう。和風と洋風のシックな建物が並ぶ住宅街は目にやさしい。15年前住んでいた芦屋のダウンタウン・津知町に立ち寄った。阪神大震災で私たちが住んでいた家は壊れて今はない。クークーが亡くなってすぐに六甲アイランドのマンションに引っ越しました。その後すぐに震災を体験した。芦屋市津知町は町単位で一番亡くなった人が多かった地域で、今はまるで違う町になっていて、昔住んでいた家の場所を正確に確認はできません。クークーは命をもって私たちの引っ越しを促したのではないかと思っています。そんなクークーの墓参りに行ってきました。

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優しいクークー

2007年8月29日

香りを求めてイタリアへ?

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私は数年前まで香りに対して無頓着でした。友人にいただいたシャネルの5番を枕に少し付けるとその香りで安眠が得られるよと言われ楽しむことはあったけれど、普段はあまり使うことがなかった。
そんな私に転機が訪れたのは、娘が「お父さん加齢臭がする」というショッキングな発言。確かに50オヤジは臭いだろう。そのことに気が付かなかった。

私は加齢臭を隠す香りを探し始めました。これぞ私好みの香りと最初に確信したのがアルファロメオのフレグランス。つい最近のアルファまでシートの下に独特の香りのフレグランスを忍ばせていた。この香りは私が最近購入した9年落ちのアルファでもほのかに匂う。私は車自体より先にこのアルファの香りに参ったようです。がこの香り多くの顧客に嗅いでいただいたのですが、特に女性の方にはイタリアの脂臭いオジサンの臭いと不評。私は断念いたしました。

去年フィレンツェに行った時、中世から営業しているサンタ・マリア・ノッベーラ薬局で革とシガー(煙草)の香りの”キューバ”というオーデコロンを見つけました。まさに私のためにあるようなオーデコロンではないですか。どこが革とシガーの香りなのか未だに納得できませんが気に入っております。
購入して10か月、もう少しでなくなります。これはまずい、フィレンツェに行って”キューバ”を買って来ないといけません?。

そんな時、関東に住むカバン好きから、ヨーロッパ有数の鞄のコレクターのコレクションと鞄職人の工房をイタリアに見に行くけれど、行きますか?と魅力的なお誘い。ハミさんとご一緒にとお誘いを受けたのですが、ハミはチャーを置いてはいけないという。私はチャーよりイタリアなので一人で、二年連続イタリアです。イタリアは刺激的であります。”キューバ”を買いに行ってきまぁ~す。

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今回のイタリア旅行をブログで実況中継したいと、新兵器を手に入れました。このキーボード式の携帯電話。私はどうしても普通の携帯電話で文字を記することがままならないのです。このパソコンのような携帯電話であれば、どこでもブログを記すことができると思った訳であります。

しかしこの高性能機種、購入後色々設定しないといけないことが沢山あって、現在説明書を見ながらてこずっております。それとパソコンに比べて画面が小さいため、老眼鏡の必要な私には非常につらい。ブログを書いてみようとしたのですが、途中でギブアップしてしまいました。
多くの人は最初からそのことを考えた上で決断するのでしょうが、私は考えていなかった。
本当にこの新兵器を使ってイタリアでブログが書けるだろうか、少々不安。私は電脳音痴であることをすっかり忘れていた。

五感を刺激したいと願っている私でありますが、脳内細胞は老化という皮膜に覆われその上視覚が五感の中で一番弱っています。まあ使えないならそれはそれでいいでしょう。イタリアを満喫することが一番ですから。でも使えるようになりたぁ~い。

2007年8月27日

色香漂うイタリアンレザー

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ブッテーロでベルト制作中。いい革だぁ~!

私はタンニンなめしの革の中でイタリア・ワルピエ社が作るブッテーロという革が大好きです。
傷つきやすく、ミネルバほどのエージングは期待できないタンニンなめしのオイルレザーですが、タンニンなめしでありながら素晴らしく発色がよく、植物性のオイルが功を奏してか大変清潔感のあるオイルレザーです。傷つきやすいけれど、使い込むうちに傷をも含み込んで味わいを生み出す革です。

ブッテーロはタンニンなめしなのでクロームなめしの革に比べて腰が強い(固い)のですが、革のしっとりした感触が程よくて、まさに今は作られなくなった(私はデッドストック品として持っている)クロームなめしのねっとりシットリイタリアンカーフの感触に近いのです。
革にねっとりシットリした触感を強くもとめるのは本来のイタリアンレザーの特徴です。ただその特徴を強く主張する革はデメリットとして傷つきやすくお手入れが大変です。そのためねっとりシットリのイタリアンレザーは少なくなり、クロームなめしにおいては皆無に近い状態です。

現在ヨーロッパの革も、個々の国の特徴を強く主張する革が少なくなりました(特にクロームなめしの革)。誰が決めたか知らないけれど、顔料を厚塗りしたり表面をコーティングして最初は傷つき難いけれど、革が呼吸できなくて早くに老化してしまうタイプの革ばかりが目に付きます。その方が丈夫そうに見えて、それでいて早いサイクルで革が老化して買い換えてもらえるからです。私はそんなブランドの都合で作られた革に対して否定的です。

そういった革が大部分なので、新規に私が使いたい革を手に入れるのは大変な時代になってしまっています。
ねっとりシットリのクロームなめしのイタリアンカーフを新しく手に入れるのは絶望的です。現在所有しているフラスキーニ社のデッドストック革を小出しに使っていくしかありません。

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フラスキーニのデッドストック革で作ったアタッシェの表面。独特のバーガンディー色

それにしてもイタリア人は触感を大事にする国民で、同じラテンでもフランス人は清潔感とパステルのようなカラフルな色を重要視し、スペイン人は視覚的な泥臭いほどのねっとりを求める国民だったけれど、今はその特徴もなくなった。革も大きな経済システムがグローバルスタンダードと言う名の均一化の方向になっています。

つい最近私はイタリアンレザーで感動したことがありました。
実はまたまたアルファロメオなのですが、この9年前のイタリア車はレザーシートではありませんが、いつもドライバーが触る部分のハンドルとシフトノブは革巻きです。その革がまさに私の大好きなねっとりしっとりのイタリアンレザーなのです。現行の車はこのねっとりシットリ革ではありません。私はこの色香を感じる感触を知った時、この車を選択したことを神に感謝した(少しオーバー)。しかしこのハンドルとシフトノブの感触は本当に素晴らしい、丈夫ではない革ではあるけれどドライブするその刹那の時間を魅力的な時間に昇華してくれる。感触を重要視するイタリア人の心に触れた思いでした。

私は革が大好きです。よい革かどうかの判断は指先で革を曲げる時の感触を一番の判断基準にしています。それから革を広げて表面の具合を見ます。ねっとりシットリで粘り腰の革と出会えた時はドキドキしてしまいます。万年筆好きに革鞄好きが多いのも、触感の部分を刺激する共通点があるような気がする。近いうちに私の自転車のハンドルにもねっとりシットリのイタリアンレザーを巻き直すことにしまぁ~す。そうしたら自転車を漕ぎたくなり、メタボリ体型が改善されるはず。革の感触はそれほど非常に刺激的なのであります。過去のねっとりシットリイタリアンクロームレザー最高。現在のイタリアン、タンニンなめし革ばんざぁ~い。

2007年8月25日

フォルムを愛でるティア

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ティアが出来上がりました。
大好きなシュランケンカーフという革の特性を遺憾なく表現したバッグです。
シンプルだけど豊かさを伝えることが出来ているのではと思っています。

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サイドから見たときのこのボリューム感が大好きです。
革は割らずに元厚のまま作り上げています。力仕事ですが、出来上がった時それをユーザーに感じさせないように工夫しています。頑強だけれどソフトなフォルム。

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取っ手へとつながる部分のボリューム。元厚の厚みの重なった部分を手縫いすることで生まれるボリュームです。使い込んで一番負担がかかり、将来一番革がやせる部分です。でもティアはいつまでもこのボリューム感を保ち続けます。

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美しいフォルムのバッグだと思います。いつまでも見ていたい。

2007年8月23日

夏の終わり

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22日の夜は気圧が不安定で全国的に荒れた天気となり、神戸も雷と風をともなった雨が吹きつけました。
窓越しに雷の稲妻を、部屋の電灯を消して見ていました。今年の熱い夏もこれを機に終わりを告げるのでしょうか。

私は夏の終わりの季節、一番ノスタルジックな心持ちになる。夏と秋の間の落差が春夏秋冬の中で違いが一番大きいと思う私です。子供の頃、夕立ちがその区切りをつかさどっていた。
子供たちが小さかった頃の我が家は貧乏で、エアコンのない夏を過ごした。それゆえ夏は厳しく、秋が来るのを恋い焦がれた。それと引き換えに夏を十分満喫できた。高原でのキャンプで涼を求め、夏の終わりの人影まばらな伊豆の海水浴場へ行ってセンチメンタルな夕暮れも感じた。
夏の終わりは爽やかな秋を望めば望むほど、哀愁の季節です。

今年の私の夏はアルファに始まって、アルファで終わる夏でありました。休みの今日も湾岸ハイウエイを走らせて、アルファ・ロメオ堺に。オイル漏れとエンジンルームからの異音の不安を払拭したくて、メカニック山田さんに診てもらうためです。アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型は快調なエキゾストノートを響かせながら、快感ドライブを提供してくれます。運転がこれほど面白いと思ったことは今まで経験したことがなかった。

途中携帯電話が鳴った。昨年イタリア旅行に一緒に行った幼友達の弁護士O君からの電話。神戸地裁に仕事で来たので昼飯でもどう?という電話。O君はイタリア旅行の時はOFFのスイッチを入れてとんでもなく我儘なアル中トラベラーであったけれど、実は敏腕弁護士らしい。幼友達で今でも親しくしている友は少ないけれど、O君とは40年前と同じように付き合える。久しく会っていなかったので、会いたいのは山々なれど今日は残念。O君は絶対ラテンの車はチョイスしないだろうなぁ~。

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アルファロメオ堺ではメカニック山田さんが待っていてくれた。リフトアップしていただいて愛車の底を見せていただいた。左がエンジン、右がミッション。全然オイル漏れの気配なし。私の取り越し苦労でありました。多くの車好きのお客様がアルファは大変ですよと言う意見を聞かされつつも買った中古のアルファであったこともあり、少し神経質になっていた私でありました。これで安心、10月の黒姫までのロングドライブも大丈夫そうであります。

エンジンルームからの異音はベルトが鳴っている音だそうですが、それは気にしないで下さいとメカニック山田さん。これからもあちこちから音はすると思いますが、気にしなくていい音と気にしないといけない音があるそうです。新しい音がし始めたら電話してくださいとのことです。
底の左奥のコードのようなモノは何ですかと尋ねると、それは燃料ホースだそうです。露出していて大丈夫なものなのですか?と聞くと、冷却効果があって理にかなっているそうですが少し怖い気がする。

ラテンの車は五感を研ぎ澄ましてドライブすることで、アクシデントを事前に察知する感受性が必要だということなのです。安楽な移動手段として選択するには適していないけれど、面白い。

堺から俊敏に戻り、水谷時計修理工房、杉本酒販、神戸堂、トミーズと神戸のいつものお店でお目当ての品を購入し、私の51歳の誕生日の一日が過ぎてゆきました。ふるさとの朝来市の和田山では、今日は地蔵盆のお祭りの日です。子供の頃はいつも行っていた祭りでした。ハミと二人で田舎の祭りに来年は行ってみたいなぁ~。

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2007年8月22日

こだわりノートプロジェクト

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私自身が欲しくて作りたくて、親しくしている大和出版印刷の若社長をそそのかして始まったプロジェクトですが、いつの間にか”神戸セレクション”という神戸市がバックアップして行われる企画の商品の一つとして選ばれてしまったため、真剣勝負となってしまいました。

現在、万年筆に適したこだわりノートに使用する紙の選定作業中。紙の専門家に頼んで揃えていただいたサンプルの紙に万年筆好きの人たちに書き比べていただき、ご意見をお聞かせいただいて今月末には紙を決定して形にしてゆきます。紙もまた難しい。一長一短あって、3種類の紙に絞り込まれてきたのですが、その中の1枚となると悩んでしまいます。

その上今まで全然万年筆には興味を持っていなかった印刷屋の若社長も万年筆菌に侵されて、ここ数ヶ月の間に高価な万年筆が4本。いけません、また一人感染させてしまった。そのため若い社員に任せていたこのこだわりノート作りにも本格的に参入してきて、こだわり満載のノートになる気配。

昨日もル・ボナーに若社長が来て、ノートの罫線は油性印刷のため罫線をまたいで万年筆で字を書くと罫線上はインキが載らなくて不快だからなんとかしたいと。これは万年筆菌に侵された者の意見です。
今回のノートの罫線はオフセット印刷ではなくて、大和出版印刷にある過去の遺物のような活版印刷機で刷ることがその問題の解決の糸口のように思えます。

シンプルではあるけれど、一つ一つ精査してこだわって作り上げたノートは特別な無二のモノになるでしょう。そんなノートが私は欲しい。川崎ちゃん頑張ってくださぁ~い。やはり紙はコンケラーCX22かなぁ~。でもバカスP70も砂糖キビのエキスを取った後の繊維を使った紙で捨てがたい。ここが思案のしどころです。

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”神戸セレクション”にはそのこだわりノートと絞り技法を使ったペンケースがセットで通ったので、私の方はそちらが大変であります。秋の締め切りめざして量産のシステムを組上げなければいけません。

現在1本用ペンケースは量産の形が決定しました。3本用ペンケースが難航しております。最終絞り型が出来上がり浅草の名人絞り職人さんに絞ってもらおうと思った矢先、入院しちゃったのです。それでその後他に絞りが出来る職人さんを探しお願いしてみたりしたのですが、これが全然ダメ。右往左往したけれど、結局80歳近いその浅草絞り名人の退院を待つことになりました。一ヶ月半計画が遅れてしまい、現在浅草絞り名人頼りではあるけれど、遅れを取り戻そうと頑張ってもらっております。
3本用ペンケースも絞り型を微調整して次は最終決定したいものです。尺始終儀な絞り型で絞っても革に無理をさせると、無理させたところが裂けてしまいます。革と会話しながら無理のない絞り型に徐々に微調整してゆく必要があるのです。ここであせってもどうしょうもありません。でも気持は焦る私であります。

そんな時、万年筆菌に侵された大和出版印刷の若社長が新提案。絞り技法を使った革のペントレーも作ろうよと。3本用ペンケースの煮詰め込みで忙しいのにと思いながら、絞りの技法を使えばシンプルだけれどペンを個別に分離出来るペントレーも可能ではないですか。これは私も欲しい。3本用ペンケースの形が最終決定したら、次は革のペントレー頑張っちゃいます。
絞りのペントレーが出来上がった頃には若社長のデスクにはそのペントレーが何個も並び、そこに何十本もの万年筆で埋め尽くされているのでしょうか。万年筆コレクターのデスクのように。

趣味と実益を兼ねた今回のプロジェクトは”神戸セレクション”を足掛かりに、その後もアイテムを増やしていってワクワクドキドキしながら楽しみたいと思っております。

2007年8月20日

お手入れ名人

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横浜のI氏から盆の休みを利用してお手入れで1年以上日々ビジネスの相棒として使われ続けているチョコレート色のキューブ・ブリーフが送られてきました。見てびっくり、I氏がお手入れ名人であることは知っていましたが、これほどまでにいい状態で使っていただいているとは思いませんでした。

タンニンなめしの革の場合、エージング(経年変化)という現象がキズや色変化を味と理解してもらえるのですが、クロームなめしの革の場合どんなになめしの良い革でも新品の時がベストで、その後傷や色変化を味と感じていただきにくい。大好きななめしがしっかりしたクロームなめしのシュランケンカーフにしても、味わいを深める部分は限定的で、発色の鮮やかさを長くキープできればベストだと思っていました。

それがI氏によってお手入れされたこのブリーフケースは、革自体少し痩せたとは思うけれど新品の時より豊かな表情を見せているではないですか。革の表面もクローム革でありながら控えめな艶が出ており、生き生きとしています。程よいお手入れがこの素晴らしい状態に仕上げているのだと感じます。

お手入れのし過ぎの場合、表面の色が薄くなったり革の新陳代謝を妨害したりする場合がありますが、このブリーフケースはそういった弊害も全然生じていない。革と会話しながら、日々付き合っているという感じを受けます。

ソフトな内縫いのカバンの場合、負担のかかる部分を芯材で補強して型崩れを防ぐカバンが多いのですが、その場合私たちは内縫い独特の豊かなフォルムが損なわれると思っているので、ル・ボナーの内縫いのカバンは芯材を極力使わず革の繊維の方向性を利用して負担のかかる部分は伸びない方向に裁断して型崩れを防ぐ工夫をしています。写真で分かるように取っ手の付け根から底の両サイドにかけてたわみが生じています。これは中に入る荷物の重みを伸びない方向の革繊維が頑張っている表れです。伸びる方向にとってしまうと、たわみは生まれませんが伸びてカバンが型崩れしてしまいます。美しい三角形のたわみです。

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取っ手の付け根(根革)のコバの染料が薄くなっているのを磨き直すお手入れでの里帰りなのですが、まだまだ手を加えなくてもいいぐらいの状態です。コバを少し磨き直してご主人様にお返しすることにします。お手入れは私たちがするよりお手入れ名人のご主人さまに任せた方が良いようです。このカバンはI氏が現役で働いている間十分元気で寄り添い続けられるでしょう。ファスナーの交換や部品の交換という修理は生じますがそれは私たちにまかせてください。

こういった素晴らしい状態で日々使われているル・ボナーのカバンの里帰りは、私たちを幸せにしていただけます。そういったご主人さまのところに嫁いだル・ボナーのカバンは幸せ者です。

2007年8月18日

アイデンティティー

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古い時計は非防水で衝撃にも無防備です。コンピューターもなかったので、職人の技術と経験が頼りです。しかし使う人の思い入れに比例した古時計は100年の時を越えて現在も存在しています。
私はそういったモノが好きです。一生を共に過ごしてゆきたい。仕事中はいつもこのウォルサムの懐中時計。100年時を刻み続けています。

結局人は限られた人生の時間を、いかに充実した時として過ごすかに尽きると思うのです。
人がなんと思おうが自身納得し楽しければそれが最高。モノを購入する時だって、面白くて楽しくなければその時間がもったいない。思い入れいっぱいで購入するモノは、値段とは関係なくその後大事にするしその後の思い出の1シーンに参加することになる。

ここのところ年齢と共に時間のスピードが日増しに速くなっていると感じる。
これからの人生、時間を無駄遣いするともったいない。あと30年我儘に充実した時を送ってゆきたいと思う。途中で終わっても後悔しないよう。
人の人生、50歳までは予行演習50歳から本番と言っていた友達がいました。
50歳からの本番は個々のアイデンティティーを表現するモノをチョイスして武装することとで、より豊かな時間を過ごせるのではないかと思う私であります(屁理屈)。なくても困らないけれど、あれば楽しい。
私は名声やお金より楽しい時間を選びます。楽しいモノを選びます。自身のアイデンティティーに沿って。

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私は今日も鞄を作り続けています。私にとってこれからも鞄作りに一番多くの時間を使うでしょう。
その時間が一番大事。楽しく充実したものでなければもったいない。これからもっと我儘に鞄作りしていきます。
私のアイデンティティーの最大の表現方法がル・ボナーのカバンたちです。
お気に入りのモノたち(ウォルサムの懐中時計、TAKUYAのペンケースに入ったKENSAKI万年筆、ダンヒルのオイルライター、カザールのメガネ)で武装?して鞄を作っています。

実際よく使う万年筆はシェーファーのタルガで、フルハルターの森山さんのところに調整にまだ持ち込めていないKENSAKIはまだお飾り状態。
時計も外出時にはSTOWAのアンテアかセイコーのロードマーベルを付けて出かけるので、ウォルサムの懐中時計はあまり時間を確認することのない仕事中の安心グッズ?。それでもなくてはならない私の仕事中のアイテムとなっています。
あれ、アルファの赤いキーが目立っています。これもビーちゃんの鍵と一緒に、仕事中もベルトキーホルダーで腰からいつもぶら下げております。ないと落ち着かなく思うようになってしまいました。

50歳を過ぎたランドセルを背負ったオヤジは、日本の慎ましやかなアイデンティティーの表現に憧れを持ちつつ、恥ずかしくなるほど自己主張している。かっこ悪いけれど、それが私。まあいいかぁ~。
アイデンティティー(主体性)と言う言葉はこれからの私の人生にとって需要なキーワードであります。

2007年8月16日

アルフィスタの証?

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アルファのエンブレムは大蛇が人を食べてるのであります。怖い、怖い、、、、

先日、元ラガーマンの大八木さんが来られました。ル・ボナーの10年来のお客様です。修理のバッグを引き取りに来られたのです。初めて大八木さんと出会ったのは、まだ大八木さんが同志社の学生の頃、秩父宮ラクビー場に試合を観戦に行った時トイレで隣合わせになったのが最初です。その時は、ただでかぁ~いと思っただけ。その記憶は当然私のみ、その当時大八木さんはプロレスラー並の破壊力を持ったラガーマンとして有名な存在でした。その後時は流れ、親しいル・ボナーの顧客として10年近く接するようになるとは思ってもいませんでした。

私はアルファロメオのカギを見せて、手に入れちゃった、とニヤリ。
大八木さんもポルシェをやめて、現在アルファに夢中であることを知っていた。最初のアルファは現行のGTAでしたがそれでは満足できなくて、私の145前期型と同時代の155に乗り換えました。完全にアルフィスタであります。
すごくコアな世界ですがロメオの話で会話がはずみます。アルファ・チャレンジというカーレースにも参加されているそうで、このレースは軽くてレスポンスの良いエンジンの145前期型(私が選んだアルファ!)が連戦連勝なのですが、そのレースを重たい155で勝利することに意義があると、アルフェスタ特有の屈折した理屈を貫徹。アルファは大人を子供の心に戻す不思議な玩具です。

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帰り際、バッグから取り出したものは私と同じ形の真っ赤なアルファのキー。現行のアルファのキーはよくある四角い箱型だけれど、私たちが所有する時代のアルファのキーはこの形。アルフィスタの証。

帰ってからハミにその話をしたら、そのレース見にいきたぁ~いと。どうやらハミも徐々にアルファロメオの誘惑にはまりつつあるようです。良い傾向?です。私のロメオの師、屈折したアルファ好きのY氏はアルファチャレンジレースを見に行くようになったら重症のアルフィスタで普通の人に戻れなくなりますよ、と常々言っておられます。だからY氏は行かない(昔レースやっていた)そうです。
私は上辺をなめるだけのアルフィスタでいようと思っておりますが、回りの状況が不穏な気配に満ち満ちております。危ない、危ない。

それでもって今日はお休み。納車翌日から気になっていたオイル漏れとエンジンルームからの異音を診てもらうためディーラーに持ち込む予定にしていたのですが、電話してみると盆休み。残念。
午後自宅でボーっとしていたらハミが涼しいところに行きぁ~たい、と言うので、待ってましたとばかりに標高差1000メートルある六甲山の上は涼しいよぉ~と不安材料は目をつぶってアルファで六甲山にドライブです。リアの座席は平らにしてチャーの特等席。

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芦屋から芦有道路を上り、六甲山の尾根沿いを。途中、別荘地のような奥池の高級住宅地を散策したけれどやはり標高500メートルではまだ暑い、やはり標高1000メートルめざして。アルファは快調そのもの。お盆の休みでファミリーカーがアルファの快適速度域よりゆっくり走行のため少しストレス。しかしこの車運転が面白い。ハミもチャーも快適そうです。頂上もやはり暑かった。日陰に避難すると涼しい風が気持ちよいけれどやはり暑~い。下界に下りてきて分かった。今日はとんでもなく暑い日であったのだ(テレビから関東で観測史上最高気温であったことを伝えていまぁ~す)。午後1時に出て近場で涼をもとめようなんて思ったこと自体無理があったのです。

酷暑のドライブでの新発見。国産車の場合水温計が鈍く調整してあるので気にならない事なのだけれど、このアルファの水温計は非常に敏感で運転状況の変化によってダイレクトに伝えてくれる。エンジンが今苦しんでいるとか爽快に働いていてくれているとかストレートに運転者に伝えてくれるのです。まるで意志を持っているようです。熱い日にエンジンをかけたままエアコンつけて停車してその中で昼寝なんていうことは車が可哀そうでできなくなります。

運転中開けていた窓を慣れないパワーウインドーのスイッチで閉めようとしたら、キャンキャンとチャーの悲鳴。耳がはさまってもがき痛がっているのです。今まで手動操作の車しか所有したことのない私とハミはおろおろパニック。しかし大事に至らなくて一安心(耳がミミズバレ程度)。これからチャーもこの痛い記憶で学習してくれるかな。私たちも電動スイッチの操作を学習しなければ。なぜ世の中から手動の車はなくなったんだぁ~!。その方がいいと思ってしまう不便に慣れ親しんだ私たちであります。

2007年8月14日

アタッシェとトランク

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久々にアタッシェを作りました。今回はそれもナイルクロコのラージサイズを使ってのオーダー品だったので大変でありました。失敗は許されない高級皮革を使っての手縫いのアタッシェ、予行演習を兼ねてイタリア、フラスキーニ社のデッドストック革のムスタングのバーガンディー色を使ったアタッシェを並行して作りながら、オーダー品のクロコのアタッシェを作りました。

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小さいけれど一寸11目で菱を切り、芯の板とあわせて12ミリほどの厚みの手縫いです。縫ってみると分かります。これは大変な作業です。多くの市販のアタッシェは貼りあわせるだけでステッチは飾りステッチです。ル・ボナーでは芯の板と一緒に手縫いするタイプのアタッシェしか作りません。そうすれば丁寧に使ってもらえれば、次世代まで残すことが可能なアタッシェになります。特に角の手縫いはカスガイの役目を担っています。LVのように金属の角カバーを釘で打ち付けると楽なのだけれど、それではカスガイそのもので無粋です。

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トランク(左)とアタッシェ(右)の口元の違い。

私はトランクとアタッシェを分けて考えています。この分類は一般的ではないかもしれないけれど、芯に厚ボールを使って口元に金属の枠を入れて作った箱型の鞄をトランク、芯に木の板を使い木箱に貼り込んで作った鞄をアタッシェと便宜上私は考えています。見た目の違いはトランクは口元が本体にかぶさるようにとじます。アタッシェは口元がフタと本体が面一になります。大正、昭和の初期に多く作られ古道具屋さんなどに今も残っているのがトランク。ルイビトンなどが作っているのがアタッシェだと考えています。

厚ボールを芯に使ったトランクは弱そうに思うでしょうが、手縫いで補強し弾力性があるので、板に革を貼り込んだだけのアタッシェより全然丈夫です。だから100年経ってもトランクは今でも蔵の奥や古道具屋さんに存在しますが、100年経ったアタッシェはそんなに見ることがない。
そんなトランクが私は大好きで、鞄職人30年の間によく作りました。しかしそのレトロな風情は、現代普段使いするには違和感があり、それに比べアタッシェのシャープなフォルムは現代のスタイルでも違和感なく使えます。しかし弾力性のない板の箱に革を貼り込んだだけのアタッシェだと板のつなぎ目がゆるみガタがきてトランクに比べて耐久性が劣ります、が角を手縫いした場合は違います。カスガイの役目をして大きなアタッシェでなければ、トランクより強度ある鞄になります。

ただその手縫いが大変。厚ボールと革のトランクの手縫いの場合菱を切るのはそんなに大変ではないのですが、板と革、それもトランクの厚みより格段に厚い部分を縫うアタッシェの手縫いは一目一目厳し~い。斜めに菱を切る部分だと2cm以上の厚みです。固くて厚い。もう手縫いのアタッシェなんて二度と作らないぞぉ~!と思いながら、体力の衰えを痛感する私ですが、完成するとやっぱり手縫いのアタッシェは作った満足感があり、また作ってもいいかなぁ~と思ってしまいます。

今回で400話到達です。一年と十ヶ月で長文ブログ400話は我ながら驚いてしまいます。多くの人からコメントやメールを頂き、それを励みに400話。これからも本業の鞄作り以外の内容が多いブログになると思いますが、呆れずにご愛顧お願いいたしまぁ~す。今日は初心に帰って鞄のお話でありました。

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2007年8月12日

疾走するハミ

朝チャーがキュンキュン鳴いている声に起こされた。まだ午前6時です。
あれハミがいない。ハミ~と呼んでも返事はない。急に不安が走る。ここのところ夫婦喧嘩もあまりしなくなって平和な状態だから私に耐えられなくなって家出したなんてことはないと思うけれど、もしや老人性痴呆で徘徊が始まったのかと心配になります。どこに行ったのだろう?

午前7時頃ハミが戻ってきました。買ったばかりのローバーのマウンテンバイクで六甲アイランドの街を取り囲むように作られた一周5キロの遊歩道を2周回ってきたんだそうです。
足腰が弱っていると感じたハミは自転車を漕ぐことで楽しく有酸素運動をしたいと思いママチャリでない自転車を今回購入し、今日がその試運転。私たち夫婦も健康を意識して日々暮さないと衰えを感じる年になっています。

ハミはフルスピードでマウンテンバイク。私は五感を刺激しながらアルファロメオのスポーツ?ドライブ。ハミの方が健康的な選択のようです。早寝早起きの今日この頃の私たち夫婦。ハミの早朝の自転車健康法はいつまで続くかな。

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初めて土埃をかぶったハミのマウンテンバイク


昨日イタリア車との喜怒哀楽の蜜月の日々を、奥様の現実路線で国産車に乗り換えたというお客様が来られました。その後そのお客様は車には興味をなくし、自転車に夢中になったのであります。お持ちの自転車の話になると止まりません。自転車もこだわるときりがありません。そのお客様のお持ちの自転車は私が今回買ったアルファの車両本体価格ほどします。維持費は車と違ってかかりませんが、男は本当に困った生き物であります。ハイスピードでコーナーを自転車で突っ込み転びそうになったら、生身の自分の体はずりムケても復元するからと、体でマイサイクルのフレームを防御するそうです。フレームの塗装がはがれたり、曲がったりするということは、体の傷とは比べようにならない心の痛みを感じるそうです。当然奥様を含めて家族全員理解してくれません。

私は十分共感できます。しかしこれからのアルファとの日々を考えると、高級自転車なんてとんでもありません。男はモノから入る。自転車の楽しみを29000円の自転車で求めるハミはえらい!。私が自転車健康法に興味を持ったとしたら、まず自転車について下調べして、ハンドメイドでフレームを作っているお気に入りの日本の職人を探し出し、高価で耐久性は劣ったとしてもイタリアのカンパの部品で武装したマイ自転車なんて考えてしまう。でも待てよ、今持っているナチュラルサイクルなる自転車の錆びた部品をお気に入りの部品を買い集めて組み直すというのも面白いなぁ~。
あぁ~いけません。自転車に載るという本来の目的から逸脱した、モノ趣味から自転車を見てしまっている。これでは健康によくありません。

お盆のお休みが9日間ある会社が結構あるようです。私達はお盆は休みません(16日の定休日は休みますが)。来店されるお客様はそんなに多くはありませんが、そんな時こそ鞄作りに集中しないと遅れているオーダーの品がいつまで経っても終わりません。頑張りまぁ~す。お店のガラス越しに見える人工の川では家族で水遊びする人たちで賑わっています。恨めしそうにその風景をみながら、私達は鞄を作り続けております。

2007年8月 9日

アルファとの一週間とハミのローバー

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アルファ145の後姿とメタボリおじさん(ハミ撮影)

アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型が我が家の一員になってから一週間、私は毎日用がなくても日課のように運転しています。数日前は早朝5時頃起き出して走っておりました。
今日は週に一度の休日。ハミとチャーを乗っけて半日神戸を走り回りました。

今日は極めて熱い夏の日でありました。エアコンの効きは悪いよとY氏が言っていた通り炎天下はちょっと我慢が必要。それでもエアコンの付いていないビーちゃんに比べれば快適。
私は今まで車を運転することが楽しいと思ったことがなかった。必要から運転はしてきたけれど、出来れば助手席の方がいいなと思っていた人間でした。好きなエクステリアデザインの車を所有したいという気持ちは持っていたけれど。

50歳にして運転することの楽しさをこのアルファで知った。エンジンというものがこんなに雄弁に語りかけてくるとは思ってもいなかった。今までエンジンにたいして頑張ってくれてありがとうとは思ったことがあるけれど、スポーツしたいよと叫ぶエンジンとの出会いは初めての経験です。マニュアル5速なのが良い。五感を刺激する。

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インテリアは時代遅れのプラスチッキーな感じではあるけれど、ハンドルとシフトノブの革の質感と軽すぎないパワーステアリングが気持ち良い。アルファロメオの文字がなくてもいいような場所にも沢山あってもうお腹いっぱいてな感じではあるけれど、それもご愛敬。この車私は大変気に入っております。ハミとチャーも気に入っていただけているようです。

ただ問題がない訳ではない。納車の次の日アルファを止めている駐車場の床にオイル漏れの痕跡が。心配になってラテン車にお乗りの方に訪ねてみると、みな平然と様子を見てみたらと言うだけ。当然屈折したアルファ好きのY氏もよくあることですというだけ。そのぐらいでディーラーに持ち込んでいたらアルファには乗っちゃぁいけないという感じです。なるほど、ラテンの車を所有する秘訣は寛容な心と五感で車の調子を感じ取ることが必要のようです。いい加減さと快感を埋めるのは車に対する愛が必要なようです。

私は家族のみんなの事を考えてこの車にしたと思っている?のですが、ハミはそうは思っていないようであります。とうさんは勝手に好きな車を選んだのだから私もブリティッシュグリーンのローバーが欲しい!。最初はジャガーがいいと言っていたのですが、友人も乗っていて少しイカツイので、おとなしめのローバーということになりました。我が家の3台目を買うことになりました。

これで私は自動車が2台、ハミは自転車を2台、五分五分です?。

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2007年8月 7日

万年筆クロニクル

古山画伯から荷物が届きました。いつもは茨城の近所の農家の美味しい野菜を送っていただくのだけれど今回は違うようです。開けてみると世界有数の万年筆コレクターのすなみまさみちさんと一緒に作っていた「万年筆クロニクル」という立派な本が入っておりました。

前回出版した「万年筆の達人」が日本の万年筆を中心に取り上げ、今回の「万年筆クロニクル」では海外の万年筆を中心にした本になっており、聖書は旧約と新約が一対で完璧なように、古山画伯の万年筆に対する思いはこれで結実したという感じです。

しかし今回のこの本、古山画伯の絵の数が半端な量ではなく大変な作業であったことを感じ取れます。万年筆への思いがこの労作を生み出したのだと敬服いたします。非常に面白く見て読ませていただきました。万年筆は面白い!。

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万年筆界のカスガイ、古山画伯と知り合ってまだ1年半ほどですが画伯と知り合ったことで多くの新しい経験と色々な人たちとお知り合いになることが出来ました。
ただ画伯の「今買わないと後悔しますぞ」の言葉に惑わされ、なくても全然困らないのに私の万年筆は増えてゆきました。画伯は万年筆菌の元凶でもあるのです。

万年筆好きには鞄好きが多い。画伯はその最たる人物で、万年筆なみに鞄への造詣も深い。一度画伯の学生運動のアジトのような煙突工房なるアトリエにお伺いしたことがあるのですが、山のように積み上げられた鞄の量に驚かされました。画伯にとって絵を書くことへの原動力の両輪が万年筆と鞄なのかもしれません。

画伯はお金はないけれど、万年筆と鞄が欲しいと自由な世界を浮遊しています。初めて会った時、画伯は画家として2年後に大ブレークするという占い師の御宣託を信じていると言っていた。もうその期限が近づいてきているけれど、その気配はまだ見えてきません。本人は切実に願っているのかもしれないけれど、私たち夫婦は画伯と画伯の描く絵が大好きで、今のままの画伯でいて欲しいと思ったりします。雲の上の人になってしまうと、敷居が高くて一緒に遊べなくなってしまいます。

愉快に一生懸命人生を楽しんでおられる人に接することは、何よりの喜びであります。
子供の頃毎日が充実していて多くの思い出を作った。生活のことを考えずに遊んでいられるっていうことはなんて時間の流れがゆっくりだったんだろ。働き盛りの時は社会のシステムが全然分かっていないまま鞄を作っていたから、無駄な動きばかりでハーハー呼吸困難になりながらそれでも自分なりに一生懸命生きていた。ここのところ夫婦二人のル・ボナーになってから落ち着きました。そうしたら面白い人たちが遊ぼうよと来てくれるようになりました。もう一度子供の頃のような楽しく遊んだ日々が戻ってきたようであります。古山画伯から色々楽しいお遊びのお招きがあります。でも私は大人です?。選択して少しだけ参加させていただきます。私は職人なので芸術家のように仕事と遊びがごちゃ混ぜのように時間を使うことはできません(似たようなものという声が近くでしますが)。時間をコントロールしながら子供の頃の遊びに似たおじさんの他愛無い遊びのお仲間に少しだけ参加させていただこうと思っております。深入りは万年筆といっしょで危険です。

”ハミが私の文章に参加ぁ~!”
しっかり者の私が手綱をしめておりますが、画伯からのお誘いには緩んでしまいます。
日々楽しませていただいたり、呆れたりしていますが、愛しき男性軍の失わない子供心に乾杯!

2007年8月 6日

ティア製作途中

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ハミは現在ティアの製作中。このバッグのフォルムは美しい。内縫いの極端にいせ込んだ技法によって生まれるふくよかなラインはシンプルだけれど豊かなオーラを発散させています。手間をかけた縫製と贅沢な裁断によって生まれるティアはハミの大好きなバッグです。使ってみないと本当の良さと耐久性が説明できないと、今回作る内の1本はハミが使うそうです。まあいいかぁ~。

長いお時間お待ちいただいた皆様には大変ご迷惑をおかけしていますが、今しばらくお待ちください。取っ手は出来ているので、裏地を縫製してファスナーを取り付けて(この工程が鍵であります)、取っ手を本体に手縫いで縫って完成です。シンプルな鞄であればあるほどそれぞれの作業は慎重に丁寧な仕事でないと鞄が台無しになってしまいます。もう少しで出来上がりです。

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このバッグはエルメスのガオというバッグの写真を頼りに、ハミがパターンを起こしたバッグです。ガオはファスナーの部分が外に開いていてそれには抵抗がありました。ナチュラルに作るとどうしてもファスナーの口元は開いてしまうので何度かの試作を繰り返し、口元が開かない方法を考え出しました。そのことによって、いせ込み技法の工夫と相まってエルメスのガオのまねっこでない豊かなオリジナルなフォルムになったと思っています。購入されたお客様は一度見比べてみてください。違うバッグに昇華できていることがわかっていただけると思います。

ハミはこのバッグを作る時、仕入れたシュランケンカーフの中から特別肌が均一でキズのないものをチョイスし、その一枚の革を贅沢に裁断します。このサイズのバッグを1枚で1個です(私は出来ません)。
それゆえに破綻のないこのフォルムが生まれるのでしょうが。そんな贅沢なバッグです。

今日、幼稚園の園長をされているル・ボナーのお客さまから、私が似ているからと「くつやの まるちん」という絵本を届けていただきました(最初の写真に載ってる絵本です)。優しい絵で優しいお話です。実際は私は俗物で優しくないから、聖人のようなまるちんとは全然似ていないけれど、夫婦二人三脚でバッグを作り続けて、そのことで幸せのおすそ分けが出来ればと思っています。バッグを作り続けられている私達はそれだけで幸せです。とうさんはそのこと忘れないようにねと横でハミが言っております。

2007年8月 4日

アルファの日

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昨夜、台風一過家族みんなで西宮ヨットハーバーに夜のドライブ。夜のヨットハーバーは風と波が船や桟橋を揺らし、キュルキュル、クアァ~ン、ブオ~ンと不思議なハーモニーを奏でています。しばし私たち家族はその音色を愉しんでおりました。

実は昨日アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型の納車の日だったのです。
屈折したアルファ好き(本人はドライビングの快感の探究者だと言っている)のY氏のご尽力で見つかったのです。1998年式(9年前)でありながら走行距離がたったの16800キロで、その上屋根付きの車庫で保管されていたようで、去年新車で買ったY氏の147GTAのアルファレッドより鮮やかな赤の新古車然とした9年落ちのアルファロメオなのです。車両価格59万円。こんなに程度の良い車めったにみつからないと購入を決意いたしました。試乗もせずに。

その車を関西屈指のアルファのディーラーである八光自動車で完全無欠の整備をお願いして納車の運びとなった訳であります。なにせ走行距離は少ないと言っても9年経った良からぬ風評多いアルファロメオです。車両価格ほどプラスかかりました。それでも新車の軽自動車ほどで、ドライビングの快感とアルフィスタのお仲間の末席に加わることができるのです。実際にこれから安楽なアルフィスタの道を進めるかどうかはわかりませんが。

台風の影響で風と雨がすごい状態の中、Y氏の147GTAに乗っけてもらって阪神高速湾岸線で大阪の堺にある八光自動車に整備が終わったアルファ145クワドリフォリオをいただきに。私は強烈な雨男なのです。子供の頃の運動会も何度かのキャンプも、いつも雨。今日も雨です、それも台風。普通でも風の強い阪神高速湾岸線。ビーちゃんでこの天候の湾岸線を走行するのは自殺行為です。帰りの運転に一抹の不安、、、、、、。

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八光自動車のアルファロメオ堺に到着するとこれからマイアルファとなる98年式アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型のアル君が待っていてくれました。逸る気持ちを抑えて一応の説明を聞いてから、私は六甲アイランドまでの帰路、初ドライブです。風は強く吹き続けております。

初めて運転して思ったこと。これは面白い。見た目ただのコンパクトハッチバックのこの車、3000回転を越えたあたりからエンジンは躍動し始め、今まで味わったことのない快感を教えてくれます。150馬力のごく普通のスペックですが走りの質感が豊かな表情を伝えてくれる。そしてその運転の伴奏をしてくれるエキゾストノートはまさにレーシングカーです。私は憧れていたアルファ・サウンドを手に入れました。

前オーナーは国産車に乗り換えたそうです。じゃじゃ馬であることは一度乗ってみればわかります。運転が下手な私はスムーズなギアチェンジがまだ出来ていなくて、この車の面白さの一部しか味わっておりません。これから徐々にアルフィスタの快感を探究してゆきたいと思っております。

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30年前憧れだったアルファロメオ。Y氏がアルファロメオ初心者の私のためにいい塩梅のアルファをチョイスしていただきました。傑作ツインスパークエンジンは自動車に対する私の楽しみの新しい扉を開きました。八光自動車のメカニックの山田さん(この方も145に乗ってる)はエンジンを楽しんで下さいと送り出してくれました。料理自慢のイタリアの奥様が冷蔵庫の残り物で大変美味しい料理を作って食べさせていただけた時の感動に似た車、アルファ。

強風の高速湾岸線もいたってスムーズな走行安定性。今まで走行性能無視の車選びをしてきた故に、私にとってこのアルファはスーパーカーのようです。アルファ探究の日々が始まります。
夕方車好きの顧客のオバQ似のYさんとスタイリストMさん、それに東京から万年筆好きのバーガンディーSさんが来店されたので4人のおじさんでアルファの試乗会。外交辞令だとしても皆さん面白い車だと言って下さり、私は鼻高々。

8月3日はアルファの納車で有頂天になってしまっていた私は、娘の誕生日なのを完全に忘れていた。本当にどうしょうもない親父であります、、、、、、。

2007年8月 2日

クロコのアタッシェと嬉しい贈り物

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現在クロコダイル革で小さなアタッシェを作っております。小さくても手間は同じです。板と一緒に手縫いしています。板と革を一緒に縫い上げることで強度が数段増します。ただ相当に体力仕事です。
角の革当ての部分を手縫いするのは特に大変で、一か所縫い終わるたびに指先にしびれに似た疲れを感じます。それが8か所あります。特に小さなアタッシェなのでステッチの目も一寸11目で縫っているので、菱を切る時も神経を使います。一寸8目や6目で手縫いだったらどんなに楽であったか。大きなアタッシェであれば一寸8目でも全然おかしくないんだけれど。

アタッシェは手間のかかるカバンなので高価になってしまいます。クロコのような高級皮革を使うとなおさら高価になります。ただ箱に革を張り込んで縫い上げるアタッシェは革の弾力性を必要とする部分が取っ手ぐらいなので、次世代まで残すことのできるカバンです。そんなことを思うと仕事にも気合いが入ります。一針一針縫い上げてゆきます。アタッシェは私の好きな鞄の一つです。しんどいけれど。

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仕事が一段落したら一服。私の吸う煙草は普通のと少し違う。葉巻を煙草サイズにしたシガリロ。シガリロは煙草より相当高価。ほんとはダビドフが美味しいと思っている私ですが、20本入り2500円は高過ぎる。そのため探し出したシガリロがダビドフのB品のジノ。ダビドフに比べたら安いといっても1箱1000円、紙巻き煙草に比べると高価であります。少し荒さの目立つ味だけれど、1000円クラスのシガリロの中ではピカ一です。私はアルコールを嗜まないから、その分煙草ぐらいはと勝手な理屈をつけて高い煙草(シガリロ)を楽しんでおります。

喫煙者は肩身の狭い世の中だけれど、皆様に出来るだけご迷惑をかけないようにしながら吸い続けさせていただきます。しかしこの日本語の注意書きはいけません。せっかくのケースデザインが台無しです。外国の注意書きのように「死ぬぞぉ~!」の方が全然いい。

ライターはダンヒルのオイルライター。ガスライターではなくて1940年代にダンヒルも作っていたアンティークなオイルライターです。いい味出しています。火をつける時の感触が良い感じ。

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昨日時計ライターのN氏とご一緒に来ていただいたカメラマンのT氏から荷物が届きました。開けてみると中からT氏撮影の冊子がいっぱい。その中に私の大好きな独立系時計師のフィリップ・デュフォー氏とダイニエル・ロート氏の制作の日々を撮り続けて写真集にしたT氏の力作も入っているではないですか。この写真集手に入れたいと思っていたのです。もらったから言うわけではないけれど、ポエムを感じる写真ばかりつづきます。美しい写真集です。

時計と卓球の写真を撮らせたら日本屈指のカメラマンのT氏はもうすぐ60歳近い年齢を感じさせない、子供の心のまま仕事を楽しんでおられる素敵な人物です。T氏のブログはそんなT氏の日々を隠さず綴っていて面白くて読みいってしまいました。
何事も夢中でやっている人たちは素敵に輝いています。そしてそれが形になって残る仕事をしている者たちは幸せ者だと思う。

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