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久々、独立系鞄職人の独り言

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多くのカバンを作る職人は、段取り全般をするメーカーから裁断されたバッグの部位と付属品を受け取り組をみ上げることに集中することを仕事としている。鞄1個の縫製工賃×数で収入は決まる。そのため効率の良い生産システムを組める一部の人しか高収入は得られません。そんな中、一人で量産職人として丁寧な仕事を心がける職人さんを私は尊敬しています。そういった職人さんたちは高齢化が進み、若い人は育っていません。日本のカバン業界はこれからメーカー自身が工場ラインを構築して作っていかないと、鞄売り場にはメードイン ジャパンのカバンはなくなってしまうよな危惧を持つ私です。

私も20年ほど前に一時メーカーから請け負った量産のカバン作りをしていた時期がありました。レノマというブランドのカバンでした。月に200個作り上げないとまともな収入にはなりません。月200個作り上げるため朝の8時から夜中の2時まで同じ形のバッグを作り続けましたが、200個は厳しい。
その時分かりました。私には多くの量産職人の方たちのようには満足な量を、均一なレベルで作ることで鞄職人としての道を進んでいくことは無理だということを。

最近、若い人で鞄職人になりたいと思っている人が多くなっているように思う。しかし量産をする職人ではなくて、私たちのような独立系のオリジナルのバッグを作ったり、オーダーの一点モノのバッグを作る職人になりたいと。収入はそんなにいらないから1点1点満足のいく鞄を作り上げるような鞄職人になりたいと願っている。その思いを貫けるならそれはそれで素晴らしいことです。

ただ鞄は芸術品ではありません。夢を食べて生活はできません。
私は独立系鞄職人の道を選びました。それは苦肉の策です。量産職人の道は、自身の個性を表現できないもどかしさと量がこなせなくて収入がすくなかったこととで無理だと思い、オリジナルのバッグを生産し自身のブランドを立ち上げ卸しをしようとしたこともありましたが、それも事業としてのビジネスプランが甘く、立ち行かなくなってしまいました。

ショップ兼工房を持って自分の目の届く範囲内での鞄作りが最善だと思いました。
ありがたいことに、いろいろな経験をし多くの人たちと知り合えたことで、鞄作りの技術の幅は持っている鞄職人ではあると思っています。それに量産職人の方たちほどは早く鞄を組み上げることはできないとしても、気合と根性で数をこなすことができるというバックボーンは、私にとって大きな支えです。職人にとって長く続けられる秘訣は、単調な仕事の繰り返しに耐えることのできるというのは大事な要素だと思っています。

こんな風に書くと、夢も希望もない鞄職人の世界と感じている人も多いと思います。それが現実なのです。しかしそれでもなおそこに夢と希望を描ける人が、鞄職人として育ってゆくことを望む私です。
鞄を作るというのは楽しい作業です。本当の鞄作りの醍醐味は、苦しみを土台にしたとき、より実感できると思います。スポーツ選手が日々の苦しい練習の繰り返しの先に、栄光の歓喜を味わえるように。
そんなたくましい鞄職人が多く育つことを望んでいる私です。私も頑張って鞄作りしていかないといけません。まだまだ鞄作りの面白さを味わいつくした訳では全然ありません。まだまだ奥深くミステリアス。

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コメント (7)

おはようございます!

現実を的確に書かれた記事を読ませていただき、たくさんのことを考えさせられました。
バッグ作りは単調な仕事の積み重ね、でもでもその単調な仕事でも新しい発見が毎日のようにあります。 こんなやり方があった!こんなやり方があった! ほんの些細なことですが、それが楽しいです。。。
積み重ねをしていく楽しさがまた格別です。
実際地味な仕事ですが、それを仕事として出来る喜びを感じます。

数物の職人仕事に夢を持てない現実、自分の好きなものを作るだけでは食べていけない現実。
でも歯を食いしばって続けていれば喜びがきっとあるのも現実。

記事を読ませていただき、
飛び道具が通用しないこの仕事が
ますます好きになりました。

ル・ボナー松本:

まるさん
まるさんのブログに登場するバッグたちは凄く魅力的です。多くの独立系鞄職人がコバ磨きとか手縫いとかにこだわっている人が多い中、オリジナリティーのあるデザインで頑張っておられるように思いました。独自の世界をバッグで表現し続けてください。お互い頑張りましょう。

松本さんこんにちは。

お褒め頂きましてありがとうございます。
正直申しましてお恥ずかしい限りです。。。


お店をオープンするまでこだわっていた技術的な部分だったのですが、オープンしてみたらお客様が本当に望む物は違ってました。
もちろん技術は大事ですし、おろそかにしません。それは陰でこっそり研究しています。
全てにおいてこれでいいなんて範囲を決め付けないで、欲張らないで、コツコツ積み重ねていきます。


頑張ります!
ずっとこの仕事を続けます。

ル・ボナー松本:

まるさん
東京に行ったときにはお店に伺わせてください。作られた作品を是非見せてください。刺激を頂きたいと思っております。

松本様

おはようございます!
きょ、きょうしゅくです・・・
いらして頂けるなんて、夢のようです。朝このコメントを見させて頂き、背筋がピンッとしました。

神戸に行こう、毎日考えていま。20日まで忙しくて動けないのがもどかしいのですが、20日過ぎたら神戸へ行きます。

お仕事のお邪魔をしないように、ほんの少しだけル・ボナーさんのお店にいさせて頂きたいです。
ご都合をお聞かせ頂けましたら幸いです。

まずは私からお伺いさせてください。  
よろしくお願い致します。

圓山 省吾


追伸
読者のみなさまごめんなさい、私ばかりコメントしてしまって・・・。

ル・ボナー松本:

まるさん
23日までイタリアに行っていますが、ハミおばさんがいつでも来てください、歓迎いたしますと言っておりました。

こんばんわ。


歓迎していただきありがとうございます。
やはりご夫妻揃ってお会いしたいです。

24日に大阪入り親戚と久しぶり会うことにしました。

翌25日にお伺いさせていただこうと思っております。

どうぞよろしくお願い致します。

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2007年09月08日 22:32に投稿されたエントリーのページです。

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