2008年2月アーカイブ

2008年2月28日

プロダクトアウトとマーケットイン

%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%81%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89.JPG

ウォレットポーチを現在製作中。
長財布の役目と携帯電話と煙草が入ればいい小さなポーチがあるといいなぁ~と何人かのお客様から要望があったので作ってみました。これなかなか良い。携帯電話とコンパクトな手帳と名刺入れぐらいは入ってしまう。パスポートケースとしても使えます。ブリーフケースにも抵抗なく納まるサイズです。


%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%81%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%89.JPG

このポーチは3センチ強のマチ幅が絶対で、その上内部にコバが出っ張らない縫製方法でないといけないので、このような本体とマチの結合方法になったのですが、ル・ボナーにある旧式のアームミシンだと縫えません。ミシンで縫えないので手縫いで仕上げました。ぐるっと一周手縫いするのに6時間ほどかかってしまいます。そのため価格は安くありません。ポストミシンがあれば問題なくスムーズに縫えるので、この品も職人さんと相談しながら合理的な縫製方法を使って価格を下げてフラソリティー バイ ル・ボナーで販売しようと考えています。


%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%81%EF%BC%88%EF%BC%93%EF%BC%89.JPG

エレファントの黒2つ(157,500円)フラスキーニのデッドストック革のバーガンディー色1つ(84,000円)ブッテーロ革のオレンジとネイビー色各1つ(77,700円)の5個作りました。
製作途中なのですが、エレファントとフラスキの各1つは予約が入ってしまいました。残り3本です。前回の長財布みたいに展示前に売り切れるのは寂しいので、実際に来店していただける人限定での販売とさせていただきます。

プロダクトアウトとマーケットインという考え方があります。
プロダクトアウトとは作り手の考え方や技術を我儘に小ロットで生産販売する時や、作ってもらいたい人の希望をかなえるために一点モノを作る時などにこの考え方に沿った価格設定がなされる。合理的ではないけれど特別なモノを生み出す可能性。車でいうとフェラーリやアストンマーチン、限定販売の万年筆なども、カバンでいうとフルオーダーの一点モノなんかがそれ。価格は割高と感じる。
マーケットインは数を沢山売るためにデーターを元に適正価格を設定し、その価格にするための生産システムを構築し取捨選択して合理的にモノ作りする時の考え。車でいうとトヨタ、工業製品の多くはこの考えに沿ってモノ作りをしている。良質な品が出来あがるのであれば、どちらが良い悪いという事ではない。

独立系鞄職人の多くはプロダクトアウトという思考で鞄作りしている人が多い。ル・ボナーもその部分を大事にしたいと思っています。ただ色々な形を表現したいという思いが強い私たち。二人だけだとお店を色々なバッグでいっぱいに出来ません。両方の生産方法をバランス良く融合させて、信頼する職人さんや仲間と一緒に楽しく鞄作りしていこうと思っています。

2008年2月26日

パーカー51

隣のビルで「骨董祭」なる行事をやっていた。年に二度ほど恒例でやっているイベントなのだけれど、万年筆やアンティーク時計に少し興味を持っている私は覗いて見ることにしました。
時計は相場より高いし専門的な知識を持って売っていないので面白くなぁ~い。目ぼしい品はないなと会場を後にしようとした時、筆記具が置いてあるお店を発見。その中に前々から手に入れたかったパーカー51があったぁ~。

%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%EF%BC%95%EF%BC%91%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89.jpg


このレトロモダンな意匠がいい。それと色。
ペン先の美しさにこだわる私としてはここまでペン先を隠すのはもってのほかと言いたいところだけれど、パーカー51は許す。だって欧米に憧れた昭和の時代を思い起こさせる懐かしさがこの意匠と色から伝わる。

値札は2500円。壊れていたとしても許せる値段。それでも「2000円しか持っていないのでまけてぇ~」と。不服そうなご主人ではあったが商談成立。でもポケットの中には1万円札が1枚、でも8,000円のお釣りを貰って素早くその場を立ち去ったぁ~。如何でしょう?2000円は良い買い物だと思いませんか?。

仕事場に戻って早速インクを入れて書いてみると十分使える。若い頃から万年筆を愛用していた人は懐かしいと言いながらも「500円ぐらいで買ったんじゃない?」と失敬な査定。万年筆マニアな人は、復刻版は5万円だったしこのコンディションだったら2万円出しても惜しくないと嬉しい査定。

ただ固い書き味でローラーボールで書いているみたい。インクフローも少し渋いので、吉宗さんのところに持っていって調整してもらお~っと。

2008年2月24日

Pen and messageの5か月

%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%AA%E7%A5%9E%E6%88%B8%E3%81%AE%E5%B1%95%E7%A4%BA.JPG
現在、神戸駅のデュオ神戸のショーウインドウに神戸セレクション認定商品としてバガス紙で作った上製本ノートと、絞りのペンケースを展示しています。


大和出版印刷のスタッフが頑張っていただいた「神戸セレクション」のイベントが終わりました。楽天でのネット販売、神戸元町の大丸と新宿小田急での催事と、大和の皆さんは今まで経験した事のない体験の連続。本当に御苦労様でした。

でも絞りのペンケースはこれからが本番です。祭りは終わり、これからは地道に売ってゆきます。フラソリティー バイ ル・ボナーのネット販売ではまだまだ絞りのペンケースたちのアップはできていません。遠距離からの購入方法は現在は吉宗さんのPen and message.のネット販売では可能です。後はル・ボナーかPen and message.に電話かメールいただければ結構です。この2店では当然売ってますよ。バガス紙を使った上製本使用のノートもまだ少し残っていまぁ~す。

吉宗さんが万年筆を中心とした文具店「Pen and message.」を始められて5か月が過ぎました。

ペンシルビルの5階の万年筆売り場を、2年ほど前に加藤セイサクジョカンパニーの万年筆購入のため訪れた時初めて吉宗さんに会った。売り急がない柔らかな接客が気持ち良くてその後何度か通った。私の大事な場所になりました。その後その大事な場所はなくなり、吉宗さんは神戸の老舗文具店を辞められて元町の静かな場所に「Pen and message.」をオープンした。理想の万年筆屋さんを思い願って。

私は吉宗さんとオープン前から折にふれて合っていました。個人で小売店をする先輩としての経験を話したり、夢を語ったりした。万年筆を愛でながら幸せな気持ち頂いて購入できるお店が復活するというワクワクする思いと、文具店の社員として万年筆と接してきた人が理想を貫きながら個人で商売を軌道にのせるのは大変だろうなぁ~という心配を強く感じていました。それは私のとり越し苦労でした。

%E5%90%89%E5%AE%97%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC.jpg

先週の木曜日も「Pen and message」に行ってきました。
11時の開店早々に訪れたのですが、もうお客様が数人。常連客が大きなテーブルの隅に陣取ってなにやら書きものしてる。ご婦人が数人どの万年筆を買おうかと思案中。その後も何人かのお客様が扉を開ける。皆がその場所の主役、お客様同士が親しく会話し吉宗さんは聞く人。ペンシルビルの5階の万年筆売り場にもなかった、家庭のような気兼ねのない空間がそこにある。

万年筆を安く売るお店、洒落た空間演出でステータス心を満足させる万年筆ブティック、独立系の万年筆職人の作る万年筆屋さんはある。そのどれでもない万年筆屋さん。万年筆マニアも普通のご婦人も若い人たちも和める柔らかな場所「Pen and message」。神戸という街と吉宗さんたちが造り出した素敵な万年筆屋さん。コーヒーを頂きながら、初めて会った者同士だのに、気兼ねなくいつまでも万年筆談義をしていたいと思う場所。主役はお客様、お店の二人はコンダクター。萩原朔太郎の郵便局を舞台にした散文詩を思い出しました。

そんな希望と夢を語れる小さなお店お店が、神戸らしさを作っていると思う。万年筆の種類もどんどん増えてる。私も頑張らなければという気持ちいただいて、「Pen and message.」を後にしました。

2008年2月23日

ダンディーTさんと夜の神戸へ

ル・ボナーの無料太ダレス宣伝員を東京でしていただいている、Tさんが一ヶ月ぶりに来られた。
私より8歳年上の今年60歳、長身で迫力があり今も腕白小僧のままのお顔からは還暦なんて思えない。
社会のシステムを調査し研究するお仕事を精力的にこなしながら、人生を自分なりの価値観で謳歌する素敵な人です。私はTさんのように還暦を迎えたいと思いつつ(ランドセルオヤジであることは共通する)、目立ちたがり屋の性格はとぼけたオヤジとして還暦を迎えるような気がする。

このオヤジもいつも万年筆をいっぱい持ち歩く鞄好きです。
そのモノ好きが始まったのはここ10年ほど、50歳前後からのようです。私も同じ、危険な年齢のようであります。数はいらない、値段の高低には関係なく自分の満足が得れる品が少しあれば(その少しが一般の人から見れば沢山ということもある)という考えに、私は共感する?。

富士山と新宿副都心が窓越しに一望できる終の棲家は、数年かけたシンプルでスタイリッシュな内装工事もやっと完了し、愛する奥様とリンのオーディオ聴きながら静かに酒を酌み交わす柔らかで優しいオフタイムを糧に、日々精力的に仕事をこなすダンディーTさん、カッコイイ~

KOKUBU%EF%BC%92%EF%BC%8C%EF%BC%92%EF%BC%92.JPG

ということで、Tさんと夜の神戸に行ってきました。
一ヶ月ぶりの神戸の夜の繁華街。金曜日だったこともありいっぱいの人。
肉のケーキと食べた人に言わしめた「KOKUBU」も今まで遭遇したことのない超満員。マスターも、御年80うん歳になる名物おばあちゃんも、テンヤワンヤ。でもやはり美味しい。神戸一だと私は思っている。
私の顔も覚えてもらったようで、神戸の私の大事なお店はますます身近な存在になった。
今度行く時はKOKUBUのおばあちゃんの思い出話また聞きたいな。

%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%92%EF%BC%8C%EF%BC%92%EF%BC%92.JPG

その後バー「バランザック」へ。12月初めに訪れて以来久し振りです。
その間私は大変身。アルコールはダメだと思っていた。それが飲めるようになってしまった。この嗜好とは縁がないと思っていたのに、悪いオジサンたちがいたいけな私?を誘い込んだ。知るとこれが楽しい。今日はバーテンダーの太田さんに選んでもらったリンクウッドと山崎のカスクを楽しみました。リンクウッドの香りが良い。カスクはアルコール強くて口の中でプアッーと吸い込まれるような感覚で酔いもプアッーとまわる。おしゃべりな私のろれつが回らなくなる。そして浮遊する感覚。

なぜなんだろ。そんな場でも、隣の席の赤の他人のお客様やバーテンダーの太田さんにまで万年筆の魅力を熱く語る自分がいる。当然万年筆は持ち歩いていて、試し書きを勧める私。

「0時だよ」とT氏に促され、少し酔ってふらつきながら帰途につく。こんな夜も月に一度ほどはあってもいい。素敵な時間を提供していただけるお店を訪れると、明日からのエネルギーを蓄積することができます。

2008年2月20日

絞りのペントレー思案中

%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89.JPG

絞りのペンケースの木型が出来上がり試しで絞った品が届いた。
私が万年筆趣味の道に引きずり込んだ大和出版印刷の若社長が「革のペントレーが欲しいよ!」という要望に答えて企画進行中の品であります。
絞りのペンケースの成功に気を良くした私は、この技術を使った品を色々作りたいと考え、まずはこのペントレー。この先鞄にまでこの技術を広げてゆきたいと思っています。

前回のペンケースもそうでしたが、製品として登場させるまで何回も木型を作り直し修正を繰り返すことになります。絞り技術を使った革製品は、その最初の試行錯誤の辛抱が必要です。
今回も多くの問題点が露呈しました。


%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%EF%BC%88%EF%BC%93%EF%BC%89.JPG

革に無理をかける木型で絞ると、このように裂けてしまいます。まずはこのように裂ける原因を推測し木型を作り直します。ただその推測が不正解の場合は当然あり(その方が多い)、何度か繰り返し正解を導きだします。その繰り返しの中でフォルムも無理のない美しい曲線のラインになってゆきます。

万年筆好きになって知ったことは、大事な筆記具同士接触しないで欲しいという事。
その考えからペン同士の間に山を作りました。中央部分は納めた筆記具をつまみ出しやすいように山がありません。この形状が裂けた大きな原因です。でも山をなくしたらこのペントレーの最大の魅力が失われることになります。それは絶対ダメです。魅力を残して、なくてよい無理を消去し少しずつ完成へ一歩一歩。

二枚革を貼り合わせた状態で革を絞るのは難しい。ハンドメイドの絞りでも二枚貼り合わせで絞っているのはTAKUYA君しか私は知らない。機械絞りでも革を2枚貼り合わせて絞れるのは、現在お願いしている80歳を過ぎた老絞り職人しかできないんじゃないかと思う。それゆえ、職人さんが元気なうちにその技術を最大限表現した絞り技術を使った品を残していきたいと思っています。


%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%89.JPG

私は万年筆と時計に少し?興味を持っています。万年筆は革のペンケースに入れて使っていますし、時計は金属ブレスのものはなく全部革ベルトです。これは仕事の役得を最大限利用してるという部分は確かなのですが、それ以上に変化を望まない硬質な時計や万年筆と対極にある革という素材は、朽ち果てる美学(エージング)を持った素材です。そのことが良いバランスを持って硬質な品と折り合いをつけているように思うのです。
革の持つ質感が硬質な大事な品を、安心感を持って包み込み、優しくフィットします。革という素材の可能性の広がりを感じながら、しぼりのペントレーの試行錯誤は続きます。

2008年2月19日

感染者が増えている アンティーク時計編

時計は調べに調べて、頑張ってこずかい貯めて50万円前後の時計が一つあれば良いと考えていた。
そんなふうに思案しているうちに、現行の時計たちは価格高騰し、その上時計の大型化が進み、私の好きな35ミリ前後のサイズの時計がどんどん消えていった。
そんな時、古い時計たちの存在を知った。私好みの時計たちがいっぱいあるではないか!。それも汎用ムーブメント全盛の現在の時計たちとは違い、オリジナルムーブメントを職人の創意工夫で作り出していた時代の時計は、作り手の心も内包していると思った。

そんな風に魅力は感じながらも、古いから壊れたらとか、中古品のマイナスイメージが払拭できなかった。そんな時水谷時計修理工房を知り親しくなったことで、アンティーク時計趣味のハードルは逆に楽しみの一つに変わった。そうなると魅力的な時計たちが私の手の届く値段で入手することができる。それも新しい時計であれば、時計屋さんに並んでいなくても頼んでおけば手に入るけれど、アンティーク時計は出会った時に決断しないと2度と巡り合わないかもしれない一期一会の真剣勝負。思い出もおまけでついてくる。


%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%99%82%E8%A8%88%EF%BC%95%E7%82%B9.JPG

そんな私のアンティーク時計趣味に共感する人たちが増えたぁ~。
左から3つはオバQ似のYさんの時計。つい最近までロレックスのデイトナを神戸の高級時計店カミネでの購入を画策していたお人なのになぜ?。50分の1の値段で購入した品で十分満足が得れるアンティーク時計の魔力の虜になってしまった。お祖父さんやお父さんから譲っていただいた年代物の上質な時計をしてる紳士をお洒落と感じつつ、そんな家系に生まれてないわが身。そしたら自分で買うしかありません。時代と一緒に架空の上流社会にタイムスリップ。この他にも外観で選んだアンティーク時計を何個か手に入れたみたい。まだ2ヶ月ちょっと、早すぎます。いくらデイトナの50分の1以下の値段だとしても、もっと吟味して時間をかけて楽しまないともったいなぁ~い。

右2つは良い品を吟味し長く使い続けたいとの思いで、身の丈にあった身の回り品を選択するM氏が最近購入したアンティーク時計。あれ?パテックも含め時計は今持っている数で十分で、中古時計には興味がないと言っていたのになぜ?。
水谷時計修理工房を紹介したのがいけなかったようです。一期一会で見つけ出した時計を水谷さんのところにメンテナンスで持ち込むとき、「良い時計をさがしだしましたねぇ~」と言われながら裏蓋開けて中のムーブメントを愛でる時間が、今までどんな雲上の時計を購入しても得られなかった至福の時間とM氏は言う。これからもその至福の時間のために、アンティーク時計探しの旅は続く~。

10日ほど前、ボウラーハットかぶった怪しげな男二人組でいっしょに東京を彷徨した時計ライターのN氏からメール。またまたロードマーベルを手に入れたみたいです。N氏にとって何個目のロードマーベルなんだろう。それも私が切望しているステレスのロードマーベル36000!趣味と実益兼ねてのアンティーク時計行脚、良いなぁ。

以下ライターN氏からのメールの抜粋と添付されていたロードマーベル36000

LORD%20MARVEL02.jpg

待ち合わせ時間より少し早く到着したので、
ちょっと町を歩いてみました。

すると、買い物通りの脇で、
すすけたような古道具屋を発見。
どの商品もホコリをかぶったような店頭には
めぼしいものはありませんでしたが、
店内を覗くと、腕時計が数点、見えました。
そこで思い切って中に入り、
「ごめんください」と声を掛けると、
奥から店主が出てきました。

ガラスケースの中の時計を凝視している僕を見ると店主は
「時計ですか?」と聞いてきます。
「ええ。時計か万年筆、ありませんか?」
「時計だったら買い戻したのがありますよ。セイコーのマーベルです」
「ちょっと見せてもらえますか?」
「はい」
そこで出てきた時計は、なんとセイコー・ロードマーベル36000!

「いくらですか?」
「2万5000円です」
「う~ん・・・」

ま、とても綺麗だし、十分に安いのですが、
ここはちょっと値切りたいところです。

「これ、2万円じゃダメですか?」
こんどは店主が唸る番です。
「う~ん、ま、いいでしょう」
と、あっさり交渉成立。

聞けば、お客さんが以前、ここで購入し、
どこかでオーバーホールなどして綺麗に仕上げたものらしいのです。
ストラップはごく普通の黒いレザーのもの(といっても19mmは珍
しいです)でしたが、
スペアとして、昔のセイコー純正ワニ革ストラップ(セイコー・バック
ル付き)が付属していました。
これはなかなかラッキーですね。


この人が悪い。私はN氏と会うまで全然時計に興味がなかった。でも今の私の朝の日課は、持っている時計のリューズを巻くことから始まる。好みの時計をいかに安く、それでいてコンディションの良い品を手に入れるかがアンティーク時計趣味の極意。安く入手することが自慢なのです。それでいて職人が妥協せずに作る事の出来た時代の時計たち。
私がヤフオクでデッドストックのロードマーベル36000を6万円で落札した時N氏は「高ぁ~い、もっと安く買わないとダメ」と一笑に伏されたぁ~。100万円前後の値段で多くの時計が流通している昨今、アンティーク時計はその何十分の一の価格帯で素敵な夢を見させていただける。でも沢山持つ必要はないよなぁ。

(悪魔の囁き)
しめしめ、万年筆とアンティーク時計趣味に新しくはまった同行の志は増えつつある。旅は道連れ、趣味は混沌?。
でもアルファに新しく乗り換えたという話は聞かないなぁ~。大人の玩具としては抜群に面白い車だと思うのだけれど、やはり車の最大の存在価値は快適な移動手段なのか。そのことは考えていなかった。

2008年2月18日

感染者が増えている 万年筆編

私は有限会社ル・ボナーの職人兼代表取締役社長であります。私とハミの2人だけの小さな会社ですが。だから当然好きで書いてるブログでも、ル・ボナーの鞄を売り込むような内容を多く書かなければいけない立場の人間であるはずなのに、緊張して筆が進まない。無責任なことは書けないとか、コマーシャルだと思われては恥ずかしいとか、色々考えてしまう。
それに比べその他の事は無責任でいいから好きな事が書ける。
その結果、ル・ボナー界隈で万年筆菌とアンティーク時計菌が発症している。

重い万年筆菌感染者は私の知る中で二人いる。
一人は親しくしている大和出版印刷の社長。ここ半年で治療不能な重病患者になってしまった。それまで1年頑張って働いたご褒美にと奮発して時計を買う慎ましやかな?関西商人であった氏。スーツはニューヨークのデザイナーの既製品を、靴はクリケットジョーンズ、鞄はル・ボナー製をいっぱいのあるべき社長像。それがここ半年は万年筆一筋。万年筆を愛でる自分がインテリになったような錯覚を感じるらしい。万年筆を数多くコレクトすることはインテリとは対極に位置することを、氏はまだ悟っていなぁ~い。

もう一人横浜のI氏。革鞄のお手入れ名人で紹介したことのあるI氏は、いつの間にか万年筆菌の深ぁ~い迷宮に迷い込んだようであります。責任は私のブログにあるとのことですが、私は鞄は責任をもちますが万年筆は知りません。


IMG_7733a.jpg

そんなI氏が今回入手したモンブランの作家シリーズのデュマ。写真を見た瞬間私も欲しい!と思ったけれど、イヤイヤ万年筆は数本で十分?と自分に言い聞かせ、私はフルハルターの森山さんに研いでもらうパイロット823プランジャーの極細仕上げ待機中。

お二人は半年あまりの間に私が持っている万年筆の数を越えてしまった。それも個々の美意識を元に美しい万年筆、質感のある万年筆を手に入れたいと願うから大変です。それはイコールお値段が高ぁ~いということなのであります。

私がパイロット823プランジャーコースニブを勧めても興味を持たない。
私のように日々のこずかいから捻出して万年筆を買っている者にとってコストパフォーマンスというのは大事なファクターであります。823のプランジャー吸入方式は歴代のプランジャー吸入方式の中で一番インクを吸入できるのではないでしょうか。パイロットの技術力の高さを実感することができます。そのインク量が重力となり、インクフローの良い万年筆であるはずなのです。それを「フルハルター」の森山さんに好みの太さに研いでもらって31,500円。フルハルターに持ち込んで研ぎ調整してもらうと15,000円かかるし、イリジュウムを特別に付け替えるのをメーカーに頼むと1~2万円はかかる。つまり素晴らしいインクフローのパイロット823プランジャーコースニブをタダないしはおこずかい付きで手に入れたと同じという屁理屈が成り立つわけであります。

私は抜き出た個性を万年筆に求めます。作り手の思い感じる万年筆が良い。
などと言いながら万年筆に興味がない人たちから言えばなんだ変わらない。
万年筆を売っていない万年筆屋さんと言われていい気になって、万年筆について力説している変なおやじにしたのは誰だぁ~。


%E3%82%89%E3%81%BF%E3%83%BC%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%81%83%E3%83%BC.JPG

I氏のメールでのお尋ねに答えます。
ハミが現在一番気に入って使っている万年筆はラミーの「レディー」。七宝焼きが綺麗でペン先が独特の形状をした万年筆です。これに紫のインクを入れて使ってます。ハミは私より万年筆の使用頻度は高いですが、万年筆へのこだわりは強くなく、万年筆愛好家である私たちをニコニコしながら見ています。

万年筆はお気に入りが数本あれば十分。数は必要ないと頭の中では思っていますが、行動が伴わない。万年筆メーカーの策略にまんまとはまってしまっていると感じつつ、それでもいいかぁ~と思っている私であります。
先週「趣味の文具箱」という雑誌の取材がありました。カバンのことはあまり話さず、万年筆談義に終始した。いよいよ私も万年筆愛好家としてメジャー?デビューであります。

2008年2月17日

店長というニックネームのオヤジ

店長というニックネームの友人が横浜に戻って久しい。
店長は私と同じ年のオヤジで、ハードなサラリーマン人生を送りながら折に触れて私たち家族と関わり続けている心許せる友人です。1年ほどの関西勤務時は、六甲アイランドに住んで楽しい時間を共有した。もう知り合って25年、社会からはぐれて生きる私たちとは交わる可能性は低いはずだのに偶然にも知り合ってしまった悲劇。私たち家族の七転八倒の日々を見守り続けている友人です。

その店長は会議のために月に一度ほど来阪し、その時は我が家に泊まってゆく。
私は誰でも心許すけれど、そうでない内気なハミが心許せる友人です。

%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%EF%BC%91%EF%BC%98%E5%B9%B4.JPG

今月の私のお酒はマッカランの18年、上品なシングルモルト。
この酒を覚えたての能書き言いながら店長に勧める。大酒飲みの店長はそんなことおかまいなしにグイッ~と飲んでしまう。ダメダメなめるように香りを口の中で転がして楽しまなきゃあ~もったいない。
二杯目勧めるのはやめました。
ハミと店長、美味しい梅酒飲んで酔っ払いながら夜はふける。私は一杯のマッカランで充分酔いが回りお先に夢の世界へ~。

%E5%BA%97%E9%95%B7%E3%81%AE%E6%99%82%E8%A8%88.JPG

店長は普段はいつもこの時計。昔スキューバーダイビングをしていたころ買ったチタンのオメガ・シーマスター。強面?で心はいつも若くいたいと願う店長に似合いの時計です。
私は心はいつまでたってもお子ちゃまで、渋い紳士に憧れています。ゆえに選ぶ時計は三針の大人しい時計。それをいっぱい持つようでは、やはり渋い紳士にはなれないなぁ~。

%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%BC.JPG

二泊分の宿泊代?代わりに店長から奪取したシルバーケースのジッポーのライター。使い込んでやれた風情が良い感じのスターリングシルバーのケース。
ライターは今まで100円ライターで充分と思っていたけれど、味わいあるライターで火をつけたシガリロは格別。そう思う自分自身、少し大人になった?ように思うのは錯覚か。

店長はアクアスキュータムのステンカラーコートにル・ボナーの学手風ブリーフケースにいっぱい書類つめて朝早く出て行った。
今度新作のブッテーロの天ファスナーが出来上がったら「新しいバッグを新調すべきだよ」と売りつけて、良い感じに経年変化した店長のブッテーロの学手風ブリーフケースをル・ボナー鞄博物館の展示品として譲ってもらうことにしようっと。

昨日はいつものF夫妻と幼友達の弁護士のO君夫妻が来て私をそっちのけで、イタリア旅行のことで会話がはずんでいた。時々なぜかボンジョルノ松本の所業を辛らつに糾弾する皆。
仕事が、会話で相手を感心させたり、説得したり、へこましたりしている連中。口数少なく?日々地道に鞄を作っている内気な職人の私は、太刀打ちできません。同じ穴のムジナじゃないかという思いは強く思っている私ですが。
でもそんなふうに遠慮なく付き合える人たちが居てくれることは幸せなことです。そう思うようにしております。私も少し大人になったかなぁ~。

・・うん、そうだね。私たち二人の周りには、心大きく豊かな方々がいて幸せだと思ってる。
父さん、やっと分かってきたのね!私の心のしあわせも、もうすぐかしら・・・・・ハミ

2008年2月16日

ごめんなさい長財布売れてしまいました

%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89.JPG

昨日製作途中の長財布を写した写真を公開したのがいけなかった。
エレファントとクリスペルカーフで作った長財布は今日だけで売り切れ、フラスキーニ社のデッドストック革のビューカーフで作った品は残っているけれど、これはブッテーロ革の黒、チョコ、茶、ワインなどで作る定番の量産のためのサンプルとして残しておかないといけません。

エレファントとクリスペルカーフのコンビ  71,400円
クリスペルカーフ               47,250円
ビューカーフ                  36,750円 での販売でした。

数か月中にはブッテーロ革で同じ仕様の長財布を作りますので、それまでお待ちください。
価格は2万円台での販売となる予定です。

%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%89.JPG

マチを付けた側には新札で100万円は十分入ります。
その前部分におつりでもらった小銭を一時おさめるための部分を作りました。
長財布を使う人は小銭入れを別に持っている人が多いのですが、レジなどで小銭のおつりをもらった時小銭入れにその場で入れるのが面倒だというお客様の意見を参考にしました。
ホックを付けなくても小銭が飛び出したりはしません。
小銭入れとして使わない時はカードやレシートを入れるポケットとしても使えます。
ふた側にはカード入れが8枚分。
内側に出す方向のカード入れの方が安心感があり、カードを入れても薄く納まる。
今までメンズ長財布のセオリーに従って縦方向にカード入れを作っていましたが、
この方向の納まり方の方が理に適っている。

薄くても丈夫な長財布です。
薄くて丈夫に作るため既存の多くの革財布の倍の量の革を使って作っています。
ブッテーロ革で作る長財布を待っていて下さい。
それはフラソリティー バイ ル・ボナーのネット販売にも登場させますのでご期待ください。

2008年2月15日

2008年初めての独立系鞄職人の独り言

%EF%BC%92%EF%BC%8C%EF%BC%91%EF%BC%95%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E4%B8%AD.jpg

やっとめどが立った革小物を作っていただく職人さん。これから順次作ってもらいます。
私はその職人さんに作ってもらう長財布のサンプルを作っておりました。ついでに何個かお店に並べる品も一緒に作りました。あとコバを磨いて念を入れれば出来上がり。職人さんに作っていただく前にお店の品が売れたらいけません。エレファントやクリスペルカーフ(小物を作る大きさはまだあります)で作って展示します。値段が高いから簡単には売れないでしょう。

ル・ボナーの革小物へのこだわりはコバをヘリ返さずコバの切った部分を磨くこと。
それと限界まで薄く内側の革を割ってそれでいて丈夫に作る工夫をすること。
そのこだわりを理解してやっていただける職人さんは本当にいなくなった。そんな面倒くさい仕事しなくても、得意のヘリ返しで内側合皮や生地の革小物で十分いっぱい仕事がある。
従業員がいた頃は工房内で革小物も作っていたけれど、現在二人になったル・ボナーのお店に小物を充実させるには、そんな私たちのこだわりを面白いと思っていただける職人さんが不可欠なのであります。そんな職人さんがやっと見つかったぁ~!。どんどんサンプル作って我儘なこだわりの革小物を作ってもらわないと。

数年前まで作ってもらっていた職人さんは、その技術をかわれて中国の工場の技術指導者として行ってしまった。大量生産で低コストを求めるとアジアに工場を作るのが正解なのだろうけれど、優れた技術の流出は日本国内の業界の弱体化を招いている。

私は独立系鞄職人としては珍しく、色々な立場を経験している。
量産の仕事もやったし、サンプル職人、鞄ブランドの企画生産、大手商社と関わったことも。お店を持ったけれどつぶしたし、ブランド作って卸もした。鞄職人30数年、ここでお店やって15年になりますが、その前15年あまりは色々なことに関わった。
独立系鞄職人は鞄業界の中では隙間産業。大手カバンメーカーに刺激を与える力は残念ながらもっていない。でも鞄作りの一番楽しい部分を満喫できる。収入は別にして。

私は独立系鞄職人として鞄作りしながら、多くの人たちと関わりながらやっていきたいと願っている。
いいモノを作ろうとする職人さんやメーカーの人たちと一緒に鞄作りしてゆきたい。
そこから日本の中で豊かなモノ作りの出来る方法を生み出すことができれば、なんて素敵だろう。
自分自身が作ったモノだけというこだわりより、多くの”かたち”を創造出来た方が楽しい。
多くの”かたち”を多くの同志と一緒に作り、私たち2人は特別なモノ作りをする時間を作りだそうとする。
その両方を楽しくバランス良く。

今日平日だのに多くのお客様に来ていただいた。フルオーダーを休止してから久しい。私たちが創造した”かたち”を支持していただけることがうれしい。これからも多くの同志に助けてもらいながらル・ボナーの”かたち”を沢山登場させてゆきたいと思っています。

2008年2月12日

伴侶に理解されない車選択

祭日の月曜日、久しぶりにライターと古本をこよなく愛するSさんが来店された。
その場に丁度ポルシェからアルファに乗り換え、その後ず~とイタリア車一筋の、イタリアチョイ悪Y氏も居られ車の話になった。

Sさんはフィアット・ブントを長く載り続けてる愛すべきイタリア車好き。それもカナブン(神戸の一部の地域ではムイムイと言うらしい)と皆が呼んでいる黄金カラーのブント。この選択はイタリアン!。一番魅力的な走りを堪能できたブント。イタリアチョイ悪Y氏もその時代のブントは絶賛。
私が現在乗っているアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型と同じ頃に販売されていた車で、ディーラーでセールスマンが145を横目で見ながら小声で「あの車より壊れませんよ」と進められて買ったそうです。

%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88.jpg

「この車可愛いわね」という奥様の了承を得てSさんは購入の運びとなった。
それから月日は流れ、Sさんは多くの問題をエンジョイしながらイタ車道まっしぐら。それに比べ可愛いだけでは納得出来なくなった奥様。あちこちから異音がしたり、落ち着いてセカンドシートで居眠りできない。その上小さなファミリーカーなのに車検のたびに予想以上の出費etc,,,,,,

決定的な出来事があった。いつもは細心の注意を払って、ブントを修理に出していてどうしても車が必要になったときは、同じイタ車好きの弟さんの車(145前期型の5ドアー、珍しい)を借りるようにしていた。その時たまたまその車も修理に出ていて、レンタカーを借りてしまった。それがいけなかった。
そのレンタカーに乗った奥様は、そのスムーズな乗り心地と静かさに感動し、その上「この車壊れないんだよ」なんて言ってしまったのがいけなかった。次は絶対このメーカーの車にしてぇ~!と宣言されてしまった。その借りたレンタカーはTOYOTAのカローラ・フィルダー。

多くの奥様たちは車にはあまり興味がない。壊れずに楽に移動できて、見栄えのする車を良しと考える。メーカーの歴史とかポリシーとかアイデンティティーなんて知る必要を感じない。
男は車にロマンを求める。特にラテン車好きは多くの問題には目をつぶり、長所だけを見つめて良しとする。車をしつけの悪いペットのように思って接している。

S氏もそろそろ車を買い替えたいと思っているそうです。アルファロメオのカタログを見ながら「この車いいよなぁ~」と奥様に同意を求めようとすると、奥様は「どこの車?」と不審げに問う。S氏は「と、、と、、TOYOTAのアルファロメオ!」。購入してしまえばこっちの勝ちぃ~!。

%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2.jpg

私はそんな苦労はいらない。結婚して30年色々な車にのってきたがアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型が最も乗り心地が良く、スムーズで走行安定性がある。その上静かなアルファサウンドとボディーのきしみ音は今まで乗り継いだ車の中では類を見ない心地良さ。オーディオだって普通に聞ける。要は比較であります。ハミはこんなにリラックスできる車に今まで乗ったことがないと大満足。
私のアルフィスタとしての道に、何の障害もなぁ~いと今のところ思っております。

2008年2月11日

キューブ・ボストンの豊かな表情

%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AA.JPG
キューブ・ボストンのパープル色の中サイズと新色グリージオ色の小サイズ

%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A8%E9%BB%92.JPG
黒色の中サイズとトープ色の小サイズ

4つのキューブ・ボストンが出来上がりました。
中サイズの黒とパープルはお待ちいただていたお客様の所にやっと届けることができます。
小サイズのグリージオとトープ(ライトグレーより少し濃いグレー色)はお店に並びます。
シュランケンカーフのグリージオの革は初めて形にしました。
入手して1年あまり、棚で熟成されての登場です。
革の状態で見るより、立体になると良い感じの色です。

キューブ・ボストンの表情は緩やかな曲線のラインを多用したパターンが功を奏したことが大きい。
それをより豊かな表情にする隠し味が、革の厚みを出来るだけ残した内縫い部分。

%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC.JPG

%E5%BA%95%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%83%81%E3%83%8C%E3%82%A4.JPG

厚みを残した内縫いは難しい。
その上玉ブチはプラスチック芯なしの厚革二つ折り。
斜めに張られた綱の上を渡るような内縫いを強いられる。
丈夫な内縫い、豊かな表情の内縫いは楽じゃない選択から生まれます。
この内縫いの表情は、ル・ボナーの個性。

%E5%86%85%E8%B2%BC%E3%82%8A%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC.JPG

内貼りはベルベットのような感触のピッグシルキー。内貼りに使う革はこれからはこれがメイン。
お客様の多くがこのカラフルで優しい質感に好感を持つ。
このキューブ・ボストンにはドレープが豊かな劇場のカーテンのようなポケットとファスナポケットが一つずつ。
シンプルだけど豊かな表情の外観見ながらトップのファスナー開けると、思わずニッコリしてしまうカラフルなベルベットの肌ざわりと豊かなドレープの秘密の花園。

新価格になりました。
中サイズは税込 210,000円、小サイズは税込189,000円です。

2008年2月 9日

500話達成! そして東京

今回で500話になります。
2005年10月4日から今日まで延べ835日で500話。1,7日に1回は自分でも驚いています。

これだけ書き続けられる原動力は、私が文を綴るのが潜在的に好きであったことに火がついたということが一番ではありますが、伝えたい一つの主題があり、そのことは内容が違えどもいつも思っています。ただモノ好きボンジョルノ松本の部分が強く出てしまい、その崇高?な主題は見え難くはなっていますがまあいいかぁ~  

これからも駄文書き続け、1000話達成したらお祝いです。
これからも宜しくお願いします。

ということですが今週の休日の木曜日、私は東京にいました。
新宿の小田急デパートにて「神戸セレクション」の催事が行われていて、大和出版印刷のスタッフがフラボナのペンケースとバッグを頑張って売っていただいているので、感謝を込めて表敬訪問&皆様に私の大事な思い出の場所にお連れしての宴会のための上京であります。


%EF%BC%92%EF%BC%8E%EF%BC%97%E3%81%AE%E6%9C%8D%E8%A3%85.JPG

6時45分の六甲アイランドから新神戸への直行バスにて出発。
今回は50年前に親父が誂えたまだまだ現役のウールのコートとボーラーハットで武装しての上京。バッグはブリーフキューブのコニャック色。一泊二日ならこれで十分。初めて遠出にこのバッグを持ち出すけれど、作った本人が言うのもおこがましいけれど、持ちやすいバッグです。

夕食は夜の8時からで仕事は今回入れていない。だのに早朝出発するのはなぜ?。
木曜日は大事な週に一度の休みです。その日をエンジョイしなければ、もったいなぁ~い!。
お馴染みのライターのN氏と待ち合わせて、「東京周遊モノ好きツアー」を夕方まで決行することにいたしました。待ち合わせ場所は大井の「フルハルター」。

%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%BA%97%E5%86%85.JPG
古山画伯の絵がいっぱい飾ってあるフルハルターの工房とお店を仕切る壁。

「フルハルター」は狭いけれど頑固職人、森山さんのこだわりを感じる居心地の良い空間。
我儘に好きな仕事を続けたいと願う森山さんは、62歳の今を真剣に我儘に自分の楽しみ求めている。
そんな森山さんと話していると、力が湧いてくる。俺も頑張るぞぉ~!。


少し遅れてライターのN氏が来た。N氏は森山さんがモンブランの修理工房に居た頃からの知り合いだったのです。途中お客様が来られ、その人私の事を知っていた。私のブログをいつも拝見していますと名刺交換すると、そのお客様は大新聞社の政治記者。政治記者も私のブログ読んでいる。「こちらがブログによく登場するライターのN氏です」と紹介するとそれで分かってしまうブログがつなぐ不思議な親近感。
話は尽きないけれどお邪魔して2時間は経ちました。仕事の邪魔にならぬよう私たちは立ち去らなければ。


ライターのN氏と私はボーラーハットの2人組のおじさん。健全な社会の一員でない、社会から少しはみ出ているのは確実。見ればわかる。でもそんな立場が居心地良い。
東京の街の路地裏彷徨いながら、質屋でお宝時計を物色したり、自分勝手な価値の中で豊かなモノ探しツアー。欲しいモノが見つからなくても楽しい街歩き。見方を変えれば街はどこも面白い大人のワンダーランド。東京も面白い!。

夕方からN氏は独立系時計師のピーター・スピークマリンの取材。一緒に行ってピーターと肩組んでツーショットの写真撮ってブログに添付したら、時計好きの人たちは注目しますよと誘われましたが、ミーハー的に行きたいのは山々なランドセルオヤジではあるけれど、今回は辞退。

%E5%B0%8F%E7%94%B0%E6%80%A5%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89.JPG


私は小田急デパートの11階の「神戸セレクション」の会場を表敬訪問。大和出版印刷の川崎さんバレンタインの日まで頑張ってくださぁ~い。

夜は更けて、赤坂「みんみん」で宴会だぁ~。
私にとって赤坂「みんみん」は特別な場所。30数年前お世話になった中華料理店。その頃と変わらぬ味を守り続ける赤坂「みんみん」の味を大和出版印刷の皆に味わって欲しかった。
メンバーはいつの間にか増えて9人。あれぇ~取材終えたライターのN氏も参加であります。
若い連中が多く、食べきれるか不安になるほど注文。40品以上頼んだ。どれも美味しい、みんな満足。
不安を感じながら会計。これだけ美味しい中華料理食べて飲んで29,000円。頭が下がります。

なんか良い東京での休日でありました。

2008年2月 6日

仙台の上品なお菓子

年を重ね、その時間が醸成する美しさというものがあると思う。
尖った部分が削られ、まろやかで凛とした深みを持った美しさ。
私のようなランドセルオヤジは死ぬまでそんな人間にはなれそうもない。
それゆえ、そんな美しさを持った人に出会うとドキドキしてしまう。

先週の土曜日、雑誌「サライ」の取材の日、美しいご婦人に会った。
朝一番の取材ゆえ、いつもより少し念入りにお店の掃除をしていた私。
外からお店を見ている60歳前後の白髪のご婦人。
10時の開店と同時に店内に入って来られた。
バッグたちを愛でながら、柔らかに話かけてこられた。
私は少しドキドキしながら応対した。

その女性(ひと)が「太ダレス友の会」営業担当?N氏のお知り合いだと後で知った。
フットワーク軽く全国を飛び回るキャリアな仙台のご婦人。
取材の撮影のため電気を消したお店の中で、ニコニコしながらバッグたちと会話していただき、すまない気持ちとありがたい気持ちと。

ハミとチャー君に会いたかったと残念がりながら、次の出張先東京へ。
年月が醸成する凛とした美しさを残して。


%E4%BB%99%E5%8F%B0%E3%81%AE%E3%81%8A%E8%8F%93%E5%AD%90.jpg

そのご婦人から頂いた仙台のお土産。
和紙に包装されたそのお菓子、開ける前から上品な空気をかもし出す。
食べると控えめな甘さが、豊かさを伝えます。頂いたご婦人を伝えるお菓子です。

しおりを見ると、電話番号なしと記してある。当然ネットで検索してもホームページはない。
買いたい場合は仙台に行かないと買えない。その奥ゆかしさが豊かに感じる。
仙台って良い街なんだろうなぁ~と想像が広がる。

本当の美しさを感じた私でした。

2008年2月 5日

太ダレス友の会?

週末T氏とN氏がそれぞれ別の日にル・ボナーに来店された。
T氏とN氏はお互いを誹謗中傷?しながら、仲が良い。別々の仕事をしながら時々シンクロしながら日本を動かすであろう仕事している2人。関東の方でル・ボナーのカバンを無償で宣伝し広めていただいているありがたぁ~いお客様です。

T氏はモノ好き泥沼友の会東京支部長?でもあり、私は万年筆、帽子、カバンと色々と話が合います。今回もT氏にパイロット823プランジャーコースニブの魅力を伝えました。きっと東京に戻ったらフルハルターの森山さんの処へ行くかな?。

N氏は私にモルトウイスキーと葉巻の魅力を教えた悪~い人。アルコールが全然ダメだった私が50歳を過ぎてウイスキーだけは飲めるようになってしまった。その上帰神するたびに高価な葉巻をプレゼントしていただくうちに、この二つの趣向品は私にとってなくてはならないものになってしまった。

%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%AB%E8%91%89%E5%B7%BB.jpg

そして今回もT氏がダンヒルのチャーチル葉巻を2本。吸い終わるのに2時間は必要なロングサイズ葉巻。
次の日N氏がダビドフのシガリロ。
私を髑髏マークの魅惑の香りに誘い込む。
今夜もアイラのシングルモルトと葉巻の世界を浮遊しながら、ブログを書いている。

そんな2人が「太ダレス友の会」の会員を増やし、今回展示出来た太ダレスももうなくなったぁ~。

%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E5%A4%AA%E3%83%80%E3%83%AC%E3%82%B9.JPG

あっ~1本残っていた。イタリア・フラスキーニ社のデッドストック革のムスタングのベージュで作った太ダレス。でもこの太ダレスはお勧めしません。革が繊細で、その上薄い色。相当にお手入れに自信がある人でないと良い感じにならない革です。上手く手入れできたら特別なエージング楽しめるけれど。

次回の太ダレスの制作は年末かなぁ~。出来れば早いうちに作りたい。「太ダレス友の会」会員のオーダーはもう入っている。両氏の影響力恐るべし。

2008年2月 4日

オタニ動物病院に行って来ました

我が家の薩摩ビーグル・チャーがここ3~4日元気がない。
おしっこもあまり出ないし、便秘気味。出ても危険な柔らかさ。そしてなにより食欲がないのです。こんなに食いしん坊な犬は他にいないのではないかと思えるほど食べることに貪欲なチャーが食べないのです。いつもだったらよだれがとめどなくでてしまう大好物のプリンを目の前で食べても全然興味を示さない。
これは一大事です。私達が信頼するル・ボナーのホームページでもリンクしているオタニ動物病院に行かなければ。チャーにとっては一番怖ぁ~い所です。金玉取られた記憶が彼の脳裏にしっかり刻まれているからなのでしょう。

朝9時一番にオタニ動物病院に到着するように車を走らせます。急いでも自宅から40分ほどかかる場所にあるけれど、オタニさんで診てもらえば安心です。
チャーが若かった頃皮膚病になり、近所の獣医さんに診てもらったら、「皮膚病は難しいんだよなぁ~」と言いながら高いお薬いただき、注射をされたチャーは皮膚病どころか体調まで崩してしまい、お客様に尋ねてオタニさんを知った。的確な診断と丁寧な説明、そして選んだ薬でチャーの皮膚病は翌日で治ってしまった。それ以来私達はオタニ動物病院に決めました。


2%2C4%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%83%8B%E5%8B%95%E7%89%A9%E7%97%85%E9%99%A2.jpg

チャーの車中での恐怖からくる震えはいつもより早く、JR兵庫駅あたりから始まったぁ~。オタニ動物病院までの道程はまだまだあるというのに。

到着してしり込みするチャーを抱っこして診察室。後ろ足の細くて痛そうなところから注射で採血。チャーはフギャフギャ口輪されてもがいている。その後肛門に棒を突っ込まれて便の検査。
検査結果が出るまで待合室でじっと待てるチャーではない。

%E9%80%83%E3%81%92%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC.jpg

体調悪いはずのチャーなのに、必死の力振り絞ってチャーにとって恐怖の館からの脱出を試みる。
しかたなく外で待つことに。少しでも恐怖の館から離れたいチャーはひっぱる、ひっぱる。赤信号危なぁ~い。
ハミはまず顕微鏡で映った便の状態を見せてもらい、今回のチャーの体調不良の原因の説明を聞いた。実際はないといけない善玉菌の一種類が全然ない状態だそうです。これはストレスが原因だそうです。ストレスと聞き、お客様への遠吠えを戒めたのがいけないのか、走りたい犬種なのにゆっくりの散歩がいけなかと脳裏をかすめましたが、そのストレスの原因は寒さだそうです。工房はコンクリートの上にPタイル。座布団2枚でも冷えていたのです。
子供の時から室内で飼っている犬は、寒い暑いに対して非常にデリーケートになってしまうのだそうです。私が若かりし頃楽しんでいた信州での越冬キャンプに連れて行ったとしたら、チャーは即凍死だなぁ~。
検査を終え、二本の注射をフギャフギャなきながらしてもらい、チャーの恐怖の時間は終わった。

オタニ先生は特に手術が得意である。知り合いが飼っているコーテッドレトリバーのクーが目の内側が化膿し、目が飛び出しそこから膿が出て、失明は免れないとどの獣医さんも言う状態だったのに、的確な診断とメスさばきでクーは元気を取り戻した。本当に信頼できる獣医さんです。
その上オタニ病院に休みはありません。往診も必要ならばします。動物たちが大好きな獣医さんです。
2階の自宅にはブルドッグを筆頭に数匹。入院患者犬、ネコもいつもいっぱい。鳩もいる。

%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%89%B9%E7%AD%89%E5%B8%AD.jpg

アルファのチャーの特等席に落ち着くと急に強がり、車窓に見える散歩中の犬やオジサンを見ては吠えている。守られた場所で安全だと思うと、本当は弱虫だのに偉そうな態度。オタニ動物病院での情けないチャーは何所へ行ったぁ~。隣の助手席に座るご婦人がいつものように「運転している誰かさんにそっくり」と。確かに似ているという自覚はある。でもチャーみたいにあからさまには人間様である私にはできない。少しは配慮というものがあ~る?。

本調子になったら、歯垢取りとお腹のおできを切り取る相談を先生とハミがしていたことを、恐怖の館から離れ強がって吠えているチャーはまだ知らない。
今日から仕事場のチャーの寝床にはペット用コタツなるものが用意されました。暖かホカホカで私たち人間様より良い環境でお昼寝です。まったく過保護な犬であります。これで元気回復したらチャーは恐怖の館での歯垢取りとおでき切除の二重苦へGO~。

2008年2月 2日

雑誌「サライ」の取材とカメラマン

今日、雑誌「サライ」の取材がありました。
この雑誌には特別な思いがあります。
2年ほど前にも取材があり、その時のライターの人が後に私の時計趣味の師匠となったN氏でした。そしてその紙上にカバンマニアとして載っていたのが古山画伯でした。その縁でその後今日まで親しくしてもらっています。時計と万年筆という私の泥沼趣味?を後押しする両師匠との縁をとり持ったのが2年前ほどに取材を受けた雑誌「サライ」だったわけであります。

今回は神戸特集の中で紹介していただけるそうです。ライターの人は2年ほど前には古山画伯を取材した人。過激派のアジトのような煙突工房での取材は今も鮮明な記憶として残っているそうです。
ライターの方もアウロラの万年筆使っていたぁ~!これはもしかしてと思って逆取材。するとペリカンももっていたぁ~。これは同じ穴のむじな、楽しくお話がはずむ。

%E5%8F%96%E6%9D%90%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3.JPG

そんな私たちにはおかまいなしに、写真を撮り続けるカメラマンさん。

何度か取材を受け撮影していただきましたが、今回撮影していただいたカメラマンの方のような人は初めてでした。自分の仕事に対して、真剣さが目に見えて凄いのです。
親しいお客様ではありましたが店内におられました。営業中の取材です。でもより良い写真が撮りたいとの思いから、店内の照明を消して欲しいと頼まれた。金具を写す時は人影が金属面に写し込んでしまうからと、店内からの退場をお願いされた。その真剣な仕事への取り組みにイヤとは言えない雰囲気。カメラはフィルムです。

「サライ」の掲載される写真は、他の雑誌より写真が綺麗という話を聞く。
今回撮影していただいたカメラマンの方のような真剣勝負の仕事が、誌面の写真を特別にするのだろうなぁ~。緊張感と爽やかな仕事を感じた。

ル・ボナーの取材が載る雑誌「サライ」の発売は3月19日だそうです。

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2008年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年1月です。

次のアーカイブは2008年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。