時計は調べに調べて、頑張ってこずかい貯めて50万円前後の時計が一つあれば良いと考えていた。
そんなふうに思案しているうちに、現行の時計たちは価格高騰し、その上時計の大型化が進み、私の好きな35ミリ前後のサイズの時計がどんどん消えていった。
そんな時、古い時計たちの存在を知った。私好みの時計たちがいっぱいあるではないか!。それも汎用ムーブメント全盛の現在の時計たちとは違い、オリジナルムーブメントを職人の創意工夫で作り出していた時代の時計は、作り手の心も内包していると思った。
そんな風に魅力は感じながらも、古いから壊れたらとか、中古品のマイナスイメージが払拭できなかった。そんな時水谷時計修理工房を知り親しくなったことで、アンティーク時計趣味のハードルは逆に楽しみの一つに変わった。そうなると魅力的な時計たちが私の手の届く値段で入手することができる。それも新しい時計であれば、時計屋さんに並んでいなくても頼んでおけば手に入るけれど、アンティーク時計は出会った時に決断しないと2度と巡り合わないかもしれない一期一会の真剣勝負。思い出もおまけでついてくる。

そんな私のアンティーク時計趣味に共感する人たちが増えたぁ~。
左から3つはオバQ似のYさんの時計。つい最近までロレックスのデイトナを神戸の高級時計店カミネでの購入を画策していたお人なのになぜ?。50分の1の値段で購入した品で十分満足が得れるアンティーク時計の魔力の虜になってしまった。お祖父さんやお父さんから譲っていただいた年代物の上質な時計をしてる紳士をお洒落と感じつつ、そんな家系に生まれてないわが身。そしたら自分で買うしかありません。時代と一緒に架空の上流社会にタイムスリップ。この他にも外観で選んだアンティーク時計を何個か手に入れたみたい。まだ2ヶ月ちょっと、早すぎます。いくらデイトナの50分の1以下の値段だとしても、もっと吟味して時間をかけて楽しまないともったいなぁ~い。
右2つは良い品を吟味し長く使い続けたいとの思いで、身の丈にあった身の回り品を選択するM氏が最近購入したアンティーク時計。あれ?パテックも含め時計は今持っている数で十分で、中古時計には興味がないと言っていたのになぜ?。
水谷時計修理工房を紹介したのがいけなかったようです。一期一会で見つけ出した時計を水谷さんのところにメンテナンスで持ち込むとき、「良い時計をさがしだしましたねぇ~」と言われながら裏蓋開けて中のムーブメントを愛でる時間が、今までどんな雲上の時計を購入しても得られなかった至福の時間とM氏は言う。これからもその至福の時間のために、アンティーク時計探しの旅は続く~。
10日ほど前、ボウラーハットかぶった怪しげな男二人組でいっしょに東京を彷徨した時計ライターのN氏からメール。またまたロードマーベルを手に入れたみたいです。N氏にとって何個目のロードマーベルなんだろう。それも私が切望しているステレスのロードマーベル36000!趣味と実益兼ねてのアンティーク時計行脚、良いなぁ。
以下ライターN氏からのメールの抜粋と添付されていたロードマーベル36000

待ち合わせ時間より少し早く到着したので、
ちょっと町を歩いてみました。
すると、買い物通りの脇で、
すすけたような古道具屋を発見。
どの商品もホコリをかぶったような店頭には
めぼしいものはありませんでしたが、
店内を覗くと、腕時計が数点、見えました。
そこで思い切って中に入り、
「ごめんください」と声を掛けると、
奥から店主が出てきました。
ガラスケースの中の時計を凝視している僕を見ると店主は
「時計ですか?」と聞いてきます。
「ええ。時計か万年筆、ありませんか?」
「時計だったら買い戻したのがありますよ。セイコーのマーベルです」
「ちょっと見せてもらえますか?」
「はい」
そこで出てきた時計は、なんとセイコー・ロードマーベル36000!
「いくらですか?」
「2万5000円です」
「う~ん・・・」
ま、とても綺麗だし、十分に安いのですが、
ここはちょっと値切りたいところです。
「これ、2万円じゃダメですか?」
こんどは店主が唸る番です。
「う~ん、ま、いいでしょう」
と、あっさり交渉成立。
聞けば、お客さんが以前、ここで購入し、
どこかでオーバーホールなどして綺麗に仕上げたものらしいのです。
ストラップはごく普通の黒いレザーのもの(といっても19mmは珍
しいです)でしたが、
スペアとして、昔のセイコー純正ワニ革ストラップ(セイコー・バック
ル付き)が付属していました。
これはなかなかラッキーですね。
この人が悪い。私はN氏と会うまで全然時計に興味がなかった。でも今の私の朝の日課は、持っている時計のリューズを巻くことから始まる。好みの時計をいかに安く、それでいてコンディションの良い品を手に入れるかがアンティーク時計趣味の極意。安く入手することが自慢なのです。それでいて職人が妥協せずに作る事の出来た時代の時計たち。
私がヤフオクでデッドストックのロードマーベル36000を6万円で落札した時N氏は「高ぁ~い、もっと安く買わないとダメ」と一笑に伏されたぁ~。100万円前後の値段で多くの時計が流通している昨今、アンティーク時計はその何十分の一の価格帯で素敵な夢を見させていただける。でも沢山持つ必要はないよなぁ。
(悪魔の囁き)
しめしめ、万年筆とアンティーク時計趣味に新しくはまった同行の志は増えつつある。旅は道連れ、趣味は混沌?。
でもアルファに新しく乗り換えたという話は聞かないなぁ~。大人の玩具としては抜群に面白い車だと思うのだけれど、やはり車の最大の存在価値は快適な移動手段なのか。そのことは考えていなかった。