2008年3月アーカイブ

2008年3月30日

シェーファーのスノーケル、オノトいいなぁ~

共通する趣味における会話は楽しい。
特に認識を共有出来ると、至福の時間であります。

昨日横浜から0さんが来られた。
この方若くして万年筆菌に感染した幸せな?お人。
勤め先がいけなかった。
万年筆いっぱいの銀座界隈にオフィスがあり、
お昼休みは近所にあるユーロボックスを覗き、
帰途途中フルハルターで頑固職人の講釈を聞く日々。
好んでそんな場所に関わると、もう戻れない環境。

そんなOさんとお会いするのは2度目。
3年ほど前に来店された時は、私はまだ万年筆菌感染者ではなかったので、
万年筆を見せられた記憶はあるのですが、全然興味を示さなかったようで、
Oさん寂しく帰っていかれたそうでありますが、今は違います。
ここ2年で私は、万年筆を売っていなくてカバンを作って売っている万年筆屋のオヤジと呼ばれることを名誉と思う困った人に変わり果ててしまった。

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Oさんは万年筆を驚くほど所有しているわけではない。
ただインク瓶のコレクションは凄い(100個以上のインク瓶を画像で見せてもらった)。

そんなOさんが持って来られた万年筆4本、興味をすごくそそられた。
あっち行ったり、こっちへ行ったりと定まらなかった私の万年筆趣味の方向を、
決定づける4本でありました。

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シェーファーのPFM-Ⅲスノーケル(1960年頃)。
私の大好きなシェーファー独特のペン先。
そしてなんとペン芯の部分からインク吸入ノズルが出てくる!
プランジャー吸入方式に似た所作で吸入完了。面白い。

カートリッジを付け替えればそれでOKが当たり前の現在の万年筆。
その方が壊れない(壊れる部分が少ない)。
それに比べこのスノーケルのような無駄にメカニカルな吸入方式は、
壊れたらという不安がつきまとう。
でもなんてバカバカしくて面白い無駄な努力という豊かさ!。

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豚ペンと呼ばれている独特のペン先形状のシェーファー クレスト?(1965~70年)。
この豚ペンもPFMと同じペン芯からノズルが出てくる吸入方法のペン。

胴の色は昭和レトロ、それにキャップが金属のコンビは古き良き時代の憧れのアメリカンコンビネーション。


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モンブランの二桁シリーズの#12(1960年頃)。
現行のモンブランに似た中庸の書き味は、万年筆の王道。
ペン先のデザインは、時代の流行を感じさせる。
私が生まれた昭和30年代前後の流行の意匠に魅力を感じる私です。

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出ました!。幻の万年筆、イギリスのオノトです。商品名はマグナ(1930年代)?。
プランジャー吸入方式の元祖オノトは、その吸入方式のメンテナンスが大変で、
そのため現存する万年筆が少ない貴重なコレクターズアイテム。

書いてみると、柔らかなペン先とインクフローの豊かさによって毛筆のような書き味。
セルロイドの胴は鼻を近づけて嗅いでみると、独特の香りがノスタルジック。

興味のない人にはガラクタ、でも興味のある少数の人には特別なアンティークな品が私は好きなようです。
今度の東京出張、寄り道してユーロボックスに行きたいと思っております。

2008年3月28日

プラチナケースのエベルを水谷さんの処へ、、、そして

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昨日は2週間ぶりの休みでした。
水谷時計修理工房に行ってきました。
目的はエベルのプラチナケースの極薄2針時計をメンテしてもらうため。

この時計、モノ好きの山奥のお宝寺の住職?が所有していた品を、
ル・ボナーの顧客のTさんが購入されたのですが、
現在、なぜか私の手元に。しばらくの間愛でる日々。
この時計、ケース径34ミリほどで極薄。上品な時計です。
こういった時計が本当に少なくなりました。


その時計を水谷さんの処でメンテをお願いしたいとTさん。
私は二つ返事で了承し、水谷さんの処に持ち込みました。
だって中のムーブメントを拝見できるチャンスなのですから。

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水谷さんに裏蓋を開けてもらうと、水谷さん「オォォー!」と感嘆の呻き声。
早く見せてとせがむ私。見ると私も「オォォー!」。素晴らしいムーブメント!。
こんなに極薄だから、ムーブメントの部品一つづつも極薄であるはずなのに、
一つ一つの部品に質感があり、丁寧な仕上げに感動する。

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あれ、もしかしてと水谷さんが取り出したパテック・フィリップのムーブメント。
見比べてみるとまるで同じムーブメントです。サイズも厚みも、そして部品の配列も形状も。
これはどういうことなのか。
それにしても、雲上のパテックのムーブメントにも劣らぬ素晴らしいエベルのムーブメントです。
良いモノ見せていただきました。

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水谷時計修理工房のガラスケースをまじまじと見ていると、
なぜか気になる時計が。オレオール、聞きなれないスイスの時計メーカー。

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50年ほど前の時計だのに、裏はスケルトン。
水谷さんがいたずら気分で風防を削って裏蓋にしたそうで、面白い。
チラネジが見えるムーブメントもいいではないですか。

時計修理工房で、時計を売っているお店じゃないが水谷さんの口癖。
私のブログで水谷修理工房を知り、
「時計を売ってくださぁ~い」と行った若者が、断られたらしい。
親しくなってからでないと、売ってはもらえません。

で、親しくなった私は「この時計はいくらでわけてもらえますか?」と尋ねると、
「?000円でいいよ」と水谷さん。
?000円なら買わない訳にはいかないでしょう。
私はニコニコしながら帰途につきました。

2008年3月27日

35年頑張っているクリッカー

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東京で仕事をしていた頃はまとめて革を裁断しなければいけない時、
国立の村田さんのところにあったクリッカーを使わせてもらった。
数をいっぱい作る時、刃型を作りこのクリッカー(裁断機)で抜くと、
裁断時間が短縮出来る。
でもその頃は古い借家住まいで、重いクリッカーを置ける場所がなかったし、
新品だと100万円オーバーするこの機械は買えなかった。

10年ほど前にこの中古のクリッカーを入手した。
中古の機械を扱っていたオヤジと、ハミの作ったバッグの物々交換で。

鞄本体は手断ちするのだけれど、数多く作る時
鞄の部品や、革小物を断つ時は便利です。

そのクリッカーが動かなくなった。

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製造年、昭和48年。35年動き続けた機械です。
10年前は量産していたので、この裁断機は助かりました。
その後夫婦二人のル・ボナーになってからあまり使わないようになったけれど、
結婚の引出物で大量の革小物を頼まれていたので、クリッカーが動かないのは困ります。

時々使う時、急に動かなくなったりしても、あちこちいじっていると
機嫌を直して動き出してくれていた偏屈だけど、人っぽい裁断機さんでしたが、
本気で機嫌を直してくれなくなったぁ~。

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色々調べて、この2つの部品を新しくすると動くらしい。
この製造元に電話して部品を取り寄せて交換したら、
元気はつらつ動き出したぁ~! ばんざぁ~い!

まだまだ現役で頑張ってくれそうです。
重いけれど単純な仕組みの機械。
息を吹き返したクリッカー君にいたく感激。
リズム良く、ウキウキしながら革小物を抜いている私であります。

2008年3月24日

午後の散歩、、、そして青い靴履いていたぁ~

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オーダーのミニミニダレスが出来上がりましたぁ~!。
シュランケンカーフのトープ色と新色エッグ色のコンビネーション。
チケット入れも同じコンビでセットでの注文。
なかなか良い感じで出来上がったと思います。

で今日は気持ちの良い晴れた日だったので、午後のひと時
お店をちょこっと閉めてハミとチャーとお散歩。
先週は木曜日が春分の日でお店を開けたので、少々疲れ気味。
この程度の気分転換は許されるだろう。

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私たちが六甲アイランドでお店を始めて丸々15年が経った。
紆余曲折色々あったけれど、私たちはこの場所が大好きです。
ゆったりした気持ちで仕事しながら、親しくなったお客様たちと楽しくやっていきたい。
そして少しずつその輪が広がってゆけばいい。
ル・ボナーがブレークするなんてまずないし、知る人は知っている程度の今のポジションが良い感じ。

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Photo by ハミ。俺が撮った桜の蕾の写真はみんなぼけてたぁ~。

東京はちらほら桜が咲き始めていると聞くけれど、ここはまだ。
でももう少しで咲きそうな桜のつぼみ。

1年で一番気持ち良い季節が始まろうとしています。
鼻はグスグスするけれど、新芽が初々しくて空気がまろやかな季節。
アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型(もうフルネームじゃなくても覚えてもらえたかな)でどこか遠くまでドライブしたいなぁ~。故郷の南但馬を越えて日本海まで行ってみたいな。尾道にも行かないと。

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チャーはお昼寝の真っ最中に「散歩に行こう~!」の声に飛び起きて、
嬉しい時の表現がテンポずれ。でもしつけの悪さ全快で、先頭でリードを思いきり引っ張る。
もう9歳である。獣医さんに聞くと人間年齢だと52歳ぐらいだそうです。
私と同じ年だぁ~。もう少し私のように?落ちついた大人にならないと。シラ~~。

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あれ~?メタボリおじさんの足元に見慣れぬ青い革靴。
この靴目立つ。ロングノーズで少しスクエアのバリバリイタリアン。その上水色に近い青。
イギリスのビクトリア時代のジェントルマンを標榜する私?がチョイスするはずのないコンチネンタルな青い靴。

実は、数日前紹介したドイツボックスを使って作ったドレスシューズがすぐに完売したことに気を良くしたミステリアスY君が、企画した靴の売れ残った品をまた持って来た。
それも大部分売れたけれど、派手な2足が残った。
その1足は私が履こうじゃありませんかとこの青い靴。


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この青い靴は革はよくない。繊維が浮いている。革好きの私には許せない。
でも履いてみるとすごく楽ちん。
履き心地良くて仕事場で3日連続履いていた。
来店するお客様は、接客する私の足元にまず目線がいく。
相当目立つ様であります。
でも楽ちんだから、これから私は足元だけはイタリアちょい悪でいくことに。

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あと1足残っています。この青い靴よりは少しおとなしめのロングノーズでスクエアなコンチネンタル?デザインな白い靴。いつ履くのか悩む白い靴。サイズは26センチ。欲しい人ここ三日間いなかった。

そうだぁ~!。今年還暦を迎えるtakaさんに買ってもらおう。
白い麻のスーツにパナマ帽被ってこの白い靴履いていたら、赤いチャンチャンコより全然かっこいい。
もうすぐ来神するって聞いているので、その時まさに神戸人のお洒落な老年ファッションとか何とか言って勧めよう。私は青い派手なこの靴は履けても、最後に残った白い靴は履けない。

何で散歩の話から靴の話になってしまったんだろう?
突然革底の靴が3足になってしまったぁ~!。革靴も面白いなと思う。
でも、ル・ボナーの靴も大好きなお客様たちのようには絶対なりません。
私はアディダスカントリーで十分と自分に言い聞かせております。

ハミはまたまたオーダーの黒とチョコのキューブボストン製作中。
もう少し待っていてくださいね。

2008年3月22日

T氏の困った万年筆コレクション

親しくしている某印刷会社」の若社長T氏は現在完全に重症の万年筆菌感染者です。
近づくと危険です。万年筆菌がうつります。

T氏は万年筆に興味を持ち始めてまだ8ヶ月弱。
靴やカバンは大好きでノンブランドの良質な品をなくてもいいのに買うぐらい。
後は社長になってからは年に一度、高級時計を購入する程度のつつましい?ブルジョアでありました。
それが、今では高級万年筆が10本を越えたぁ~!。
その万年筆たちの全貌を私は始めて垣間見た。


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私がいけなかった。こんな風になるとは思ってもいなかった。
最初万年筆の書き味を満喫できるノートを作ろうよとT氏をそそのかし、
”ホンマモン”好きのT氏はその提案に乗ってきた。しめしめ。
そしてオープン前のpen and message.の吉宗さんを紹介し多くの万年筆を見るに至り爆発したぁ~!。

5年で3桁という困った万年筆感染者にお会いしたことがあるが、
それに匹敵するペースで万年筆が増殖している。
それもT氏は美しい万年筆が好きである。
美しいということはイコール高価なのが万年筆の世界。

私のように部分に特化した万年筆趣味はまだまだ健全?であります。
万年筆菌感染者仲間に納得していただけるチョイス?、その上少しでも安く手に入れる努力。
プロレタリアートの万年筆コレクションは納得していただけるはず?。

それに比べT氏の10本はいけません。ブルジョア的過ぎると思いませんか?
私も欲しいなぁ~欲しいなぁ~と思っていながら高くて躊躇する万年筆を次から次へと手に入れる。

美しい色そして美しい意匠を万年筆に求める、
T氏の所有する万年筆の半数以上がイタリアモノ。
イタリアモノが好きというのがまたいけない。
イタリアの万年筆は悪女に似ている。
一度味わった陶酔の世界、また訪れると思ったら大間違い。
こんなはずではないと浪費を繰り返すことになる魔の万年筆たち。
その上節操なく限定万年筆とか何とか言って、
限定2000本を乱発してイタリア万年筆好きを触発し続ける。


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左端に見えるのは、T氏が最初に買った万年筆の良心「ペリカン・スーベレーンM805」。
万年筆の王道であるドイツモノを気に入っていれば、
万年筆菌の侵食ももう少しゆっくりしていたはず。
それにしても最初からM805なんて、フルハルターの森山さんだったら怒るだろうなぁ~。

おぉ~!私が恋焦がれながら高価で見果てぬ夢と諦めた
「アウロラ85周年記念万年筆・レッド」まで入手したぁ~!。
私の真紅のアル君にピッタシの万年筆。
デルタのマンガチックなアルファロメオシリーズより、
このアウロラのレッドこそがアルファ的万年筆?だと惚れ込んだ色と意匠。
ブルジョアはいいよなぁ~と嫉妬と羨望の眼差し。
書いてみると、なんだぁ~この気持ち良いスムーズな書き味は!
元来の素性の良さと、pen and message.の吉宗さんの調整で、
T氏所有の万年筆の中で一番の書き味ではなかと思った。
イタリア万年筆によくある、性悪女の素性を露呈して面倒見きれな~いとT氏が手放すことを願う。
そしたら私が安く買い取って面倒みまぁ~す。

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ミラノのアウロラの倉庫に眠っていたレッドが再来日し、
それをpen and message.に引き取りに行った時、
魅力的な万年筆があったからそれも買っちゃったと中屋万年筆の黒溜!。
そんなに簡単に購入しないで!
私も前々から狙っている万年筆ではないですかぁ~!

中屋万年筆のノーマルな黒漆は持っている。
でも黒溜は特別。
轆轤師・松原さんが削り出すスキッとしたフォルムに、
輪島塗の高等技術がマッチして今日本製で一番私が欲しい万年筆。
それをいとも容易く手に入れるなんて、万年筆愛好家の風上にも置けない。

万年筆は一本で十分(私が言うと虚しく響く)。
一番高価なビスコンティのディヴァイン・プロポーションは持っていていいから、
残りの9本は恵まれない私に寄贈すべきだと思いまぁ~す。
私が万年筆菌の脅威を一手に引く受けようじゃありませんか。
T氏の苦悩を私が肩代わりしてあげようじゃありませんか。
なんと心広い私なのだろう。T氏は心動かされているはず、、、、?。
そんな事は有り得ないよなぁ~。

2008年3月20日

紐長財布勢揃い

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大人気の紐長財布が出来上がりました!。
今回は6色での登場です。

この紐長財布は男女問わず人気があります。
ハミはオレンジを使っていて、良い感じに馴染んでおります。
私も北欧のボルゲ社の今は入手できなくなったフェルディナンドという革でつくったファーストサンプルを使っていますが、大変便利で気に入って使っています。

紐で止めるのも思ったより面倒ではなく、ホックなどで位置を固定する財布に比べて融通の幅が格段にあります。銀行の通帳だって入ります。

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内側もオール革、内側の革のその裏も革の2枚貼り。
丈夫で馴染みが良いですよ。
カードは16枚納まるし、小銭を収める中央のファスナー部分にもマチが付いているので使い勝手はいいですよ。

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パープルは大人気。
上品な紫色だと皆さん言って下さいます。
さすがフランスのH社が色指定して作った紫色。


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今回作った黒はいつもよりシボが大きい。
でも均一に大きいのは、それはそれで良い雰囲気です。


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オレンジ色でなくて、これはコニャック色。
オレンジより少し茶が強い。この微妙な色違いの革も作るところが凄い。

写真のパープル、ブラック、コニャックとジーンブルー、オレンジ、チョコの6色が揃いました。
シャキっとスマートな財布ではありませんが、
柔らかな緩みがお気に入りの財布です。
使い込んだ時、その良さを益々強く感じられるはずです。
価格は税込み29,400円です。

2008年3月19日

「てつじ屋」さんの靴とドイツボックスで作った靴

同じ革を扱く靴の縫製技術とかには興味を持っていたけれど、スニカーで充分満足な私でありました。それゆえ今まで革靴は冠婚葬祭用に友達から譲ってもらったリーガルのアッパーが硬くて履くとパカパカいう靴しか所有していなかった。

自分の足の形に合わせて誂えるというのを一度してみたかった。でもいくら底が手縫いだからと言って鞄の3分の1ほどの革しか使わない靴に30万円は出せる身分ではありません。バカ高くなった既成の欧米のブランド靴は論外で、私の革靴はこのまま黒いリーガル1足のままで、あとはスニーカーいっぱいのまま終焉を迎えるかに思われました。

それでよかったのだけれど、私の時計学の先生のライターのN氏が納得価格で自分の足の木型作って誂える独立系の靴屋さんがありますよと甘い誘惑。ライターのN氏は時計と同じぐらい独立系の鞄、靴、革小物に造詣が深い。他にもアウトドア用品、洋服、文具、ギター、帽子、眼鏡etc守備範囲の広さはライター屈指。趣味と実益を思う存分シンクロさせて自由に生きるお人であります。

ライターのN氏に教えていただいた靴屋さんは「てつじ屋」さん。
半年ほど前に芦屋で受注会があったときにオーダーして、その靴が届いたぁ~!。

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私がオーダーした黒の靴と一緒にオーダーしたT氏のグレーの靴。
私のより、T氏の靴の方がスマートに見えまぁ~す。足の形の差なのか。

フィレンツェのマンニーナで修業したてつじさんの作る靴はマッケイ製法のイタリアンな靴。
アッパーの素材はル・ボナーでおなじみのバタラッシーのミネルバボックス。
普段はロングノーズでスクエアトゥーの靴を作るてつじさんに、
始めて靴を誂える私は、無難な選択をしたため、おとなしい靴に仕上がりました。
履いてみると私だけのための木型、ピタッとフィットして良い感じ。
仕事場ではこの靴履いて作業することにしまぁ~す。

靴代   47,000円
木型代  30,000円 (次回から修正を加えても無料)
        +消費税

納得価格だと思いませんか?

ちょうど3月20日から25日まで、芦屋のギャラリーで受注会をされています。
興味のある人は行ってみてくださぁ~い。T氏は2足目を頼んでみるそうです。

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てつじ屋さんにオーダーした靴が届く前に、写真のドレスシューズをなぜか購入した。
ル・ボナーに頻繁に訪れるY君が企画した靴。
この若者怪しい雰囲気ムンムンで、私たちはミステリアスY君と呼んでいる。
靴を企画してテーラーで販売している。
高級皮革のドイツボックスで作ったブラックラピド製法というマッケイの進化版の製法の靴ですが、履いてみるとつま先の形状に色気がある。
飾りの穴の連続はいただけないけれど、履くと隠れるからまあいいか。
4足持って来て1足は私。あと3足は興味を持った顧客の人が買っていった。
だってスニーカー買うより安いんだもの。残り物には福があ~る。

急に革底の革靴が2足にな~った。
革靴も面白いなぁ~と思いつつ、イヤイヤこれで十分。
靴道楽の泥沼にははまりません!。

2008年3月17日

レトロなモノが大好き

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電波の隙間も埋め尽くし現在社会は情報の洪水状態。チョイスするのも一仕事。
データに裏付けされた合理的なビジネスのシステムをプレゼンできる人が勝ち組。
裏付けなしに好きな事を気合と根性で、無我夢中一生懸命頑張ったからといって、成功する確率は益々少なくなっている。合理的でしゃくし定規な時代であります。
マーケティングやビジネスプランより、作り手の情熱が優先された時代の工業製品が好きです。

このところ私がよく使っている三種の神器?。
時計はオメガの1950年前後のハーフローター。コンステレーションの12画のタイプの原型のようなダイヤルデザインが良い。この時計姿勢差が極端で、腕に付けていると狂わないのだけれど、置いておくとすごく遅れるのです。そんな理由もあり現在一番使っています。
私の回りにはオメガの手巻きのデビルを結納返しで入手した人が何人かいる。そのデビルを大事にしている人はその一つの時計で充分満足し、その時計が防波堤の役目をしているのか、時計趣味に走らない人が不思議と多い(ただその人たちはみ~んな万年筆い~っぱい)。私も最初にこのオメガのハーフローターを入手していたのならば、それ1本で満足していたかも。

ヌ~ラヌラ書き味を求め続ける私の万年筆行脚の旅は現在進行形なのではあるのですが、なぜか普段使うのはこの2,000円で入手したパーカー21。決して書き味は私の希望するヌ~ラヌラではなく、ロデオの荒馬をなだめすかしながら使っている感じ。不自由ではあるのですが、それが良いなんて思ってしまう私がいる。その上私的にデザインは秀逸だと思っているのだけどチープです。でもそれがよかったりする私がいる。
ベトナム戦争の時、米兵に支給されたのがこのパーカー21という万年筆。このペンで故郷にいる家族や恋人に手紙を書いたそうです。

シルバーケースのジッポーは友人から奪い取った品。ケースはデコボコでグラグラだけど、このライターでシガリロに火を点けないと落ち着かない私がいる。

私は少し古い時代の工業製品が好きです。人が作っていることが実感できる時代の誠意を感じられる品。そんなモノたちが不思議と優しさを提供してくれる。

鞄職人で良かったぁ~。革製品の中古品は抵抗感を持つ人は多い。
新品を購入して、所有者と一緒に年月を重ねることを人は望む。
ビジネス優先のモノ作りの時代、独立系の鞄、靴、革小物職人たちの作り出す品は、柔らかな心地良さを提供できると思う。少しアンティークな工業製品に柔らかな心地良さを感じている私は、私が作るカバンを使うお客様たちが柔らかな心地良さを感じていただければ嬉しい。

2008年3月15日

新ブッテーロ天ファスナー・ブリーフ

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ファーストサンプルをブッテーロ革のバーガンディー(ワイン)で作り、
色々な部分を手直しして同じ革の黒でセカンドサンプルを作りました。
その結果外観の意匠はファーストサンプルと同じに決定。
セカンドサンプルでは本体をぐるりと回るベルトを止めるループを
2本ステッチにして位置も少し変更してみたのですが、
カジュアル方向に行き過ぎるとのお客様の意見もあり、大人しく仕上げることにしました。
確かにスーツ着て持つにはその方が違和感がない。

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現在製造中。4月始めには店頭に並びます。
出来上がる前から製造する数の3分の1はバックオーダー。嬉しい悲鳴。

この新ブッテーロ天ファスナー・ブリーフは旧型の問題点を改良して作りました。
旧型の外ポケット部分の内側がナイロンであるのがいかにもチープという意見もあり、内貼りはオールピッグシルキー。1つのブッテーロ天ファスナーで一枚丸々必要です。
その上ヨーロッパ皮革大幅値上げも影響して、このB4ファイルサイズのブッテーロ天ファスナブリーフケースは税込み81,900円での販売となります。
黒、茶、チョコ、バーガンディー(ワイン)の4色で只今製作中。

2008年3月12日

イリジュウムの小宇宙?

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フルハルターの森山さんにパイロット823プランジャーコースニブを極細にに研いでいただいた品が
2本届きました。
左が本来の極太を気持ち良~いヌ~ラヌラ書き味に仕上げていただいたもので、
右2本がその太さを極細に削っていただいた品。
ペンポイントが5分の1ほどになっています。ペン先に「C」と刻印されているのに、
書くとあ~らびっくり極細ではないですかぁ~というのが良い。
完全な自己満足。

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いくら私が万年筆に夢中だからといって2本同じモノを購入するなんていう
暴挙を決行した訳ではありません。中央が私の823。
右は私が823コースニブを森山さんに極細に研いでもらおうと考えていることを知った
40有余年万年筆を使い続けているベテラン万年筆菌感染者Sさんに
「俺も極細仕上げを頼んどいてぇ~」と言われて出来上がった823。
Sさんは去年の暮に森山さんのところでアウロラのエイシアを削ってもらったので、データーがあるので行かなくてもなんとか注文できる。

2本の極細に削っていただいたパイロット823プランジャーコースニブのペンポイントをよ~く見ると、イリジュウムの厚みや角度が微妙に違うことがわかる。それが面白い。
だからどうした?と言われればまったくその通りで、興味のない人にはどうでもいいこと。
でも、万年筆菌発症者にはそれがたまりません。

Sさんはペン先フェチ。早速会社の顕微鏡でペン先の写真を撮って来られた。
それが下の写真たち。興味のある人は見てくださぁ~い。

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2008年3月11日

テイカの革でハンドバッグ

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兵庫県の川西にテイカというタンナーがありました。
日本らしい良い革を作ろうとしたタンナーでした。
私達はそのテイカの革を知り、その良くなめされた質感と丁寧な仕上げに、
誤魔化して作っていない本物を感じ、定番で使いたいと思っていた矢先、会社をやめてしまいました。

多くの国内なめしの革よりも値段は当然高いけれど、輸入皮革と同等の値段。
同等の値段だとブランドイメージを語れる輸入皮革を選択する日本の消費者たち。

そんなテイカの革を少し持っています。
テイカのきめ細かなカーフ(生後3か月)の表面をうっすら起毛させたヌバック革と、
フランスのデュ・プイ社のマローカーフ(生後6か月、ボックスカーフをカバン用に1処理加えた革)をコビネーションしたハンドバッグをハミが作りました。
5~6年前に10本ほど作り、久しぶりの制作となりました。

帯締めのように組んだ革紐がアクセントの、和服に似合うハンドバッグです。
テイカの革との出会いがなければ発想しなかったハンドバッグです。
取っ手のベルトの長さを決める穴は、購入されたお客様に合わせて開けます。

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5年ほど前にこのテイカのカーフヌバックでミセスを作ったことがあります。
その品を毎日のように使っているというお客様が持って来られた。
繊細な表皮が使い込んだ時どんな風になるか少し不安だった私たちでしたが、
5年使い続けたそのミセスを見て安心しました。
クロームなめしの革だのにテイカの革は、素敵な経年変化をしています。
誠意を持って作った革は、素敵な変化を約束してくれるのです。

そんなテイカのカーフヌバックを使って作ったハンドバッグ、税込94,500円でお店に展示しています。

2008年3月10日

カニゆで名人の松葉ガニ

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昨日日本海の港町から松葉ガニが届いた!

大和出版印刷の若社長は美味しいモノが大好きです(誰でも好きかぁ~)。
特に牛肉とカニには強いこだわりを持っておられる。
さすが兵庫県生まれの兵庫県育ちの神戸人。しゃべる言葉は河内弁。

去年の暮れにも解禁直前の松葉ガニを頂いて、同じ面してても今まで食べた事のない松葉ガニに感動の嵐。
その時入手ままならず諦めたけれど、もっと美味しい松葉ガニがあると豪語する若社長。
その特別美味しいという松葉ガニが、シーズンが終わろうとする昨日届いたぁ~!。

私はカニは生きた蟹を「ごめなさぁ~い」と言いながらさばいて焼いて食べるのが何より美味しいと思っている。ゆでガニはどんなに頑張っても焼きガニにはかなわないと思っている。
一般的にはそれは正解ではあるけれど、若社長は今回のゆでガニは特別だと言う。

そのゆでた松葉ガニは、日本海の港町の片隅で厳選した近海モノの松葉ガニを
ゆで具合を塩梅しながら松葉ガニの旨みを最高の状態で表現するカニゆで名人の作。
若社長が毎年カニシーズンになると日本海まで行き食べ続けみつけたゆで名人。
その道一筋の無口で頑固なそのゆで名人がゆでた松葉ガニは
高級料亭でも食べる事は出来ない超旨ゆで松葉ガニだと若社長は豪語する。


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焼きガニにはかなわないだろうと高をくくって食べてみると~。
何だぁ~この美味しさは!。
刺身で食べているようなジューシーさに加え、ゆで加減が旨みを倍増させている!。
私たち3人は無言で食べ続けたぁ~。これは特別な旨さです。
その道にこだわった職人が一手間加えることで、こんなに特別な松葉ガニになってしまう。
食べ終わった私たちに幸せな余韻を感じさせ続けた特別なゆでガニでありました。

2008年3月 7日

一歩一歩スローライフ

私は実力が追いついていないのに出だしだけトップ集団で頑張って、へとへとになって酸欠状態になって最後は歩くより遅い状態でなんとか完走するマラソンランナーのような生き方を繰り返した。
身近でそんな私と生活する人たちはたまったもんじゃない。実力の範囲より少し頑張って生きるという術を知ったのはつい最近です。

そんな私を見て育った息子は多くの部分で正反対の生き方をゆっくり模索している。
息子は小さな頃から全てが遅かった。運動神経は鈍く逆上がりは放課後一人頑張って6年生で出来、家族で大喜びしましたし、球技をして楽しむ息子の姿を見たことはない。学力も小さな頃からぎりぎりで覚えは遅かった。そんな鈍い息子は当然のように学校でいじめられて育った。

高校もぎりぎり入ったけれど先生には「大学進学は君の成績では難しいから、お父さんの後を継いで鞄職人になるのがいい」と強く言われたけれど、一浪して地方の国立大学に入った。それから研究が面白くて修士、博士課程を名古屋で続けた。そんな息子は今年の4月から京都の大学で研究を続けるという。30歳間近の息子です。

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息子が子供の頃描いた絵

私たち夫婦二人がカバンを作ることが自分たちの生の表現であるように、息子にとってオリジナルな発想で調査研究したことを論文というカタチで残すことに自分が今を生きている価値を見出している。
不器用な私たち夫婦と同じように、不器用な息子です。一生をかけて美しい公式を研究の中から導き出したいと願う息子です。ドクター資格を得たのにまともな就職先のない人が多いと聞き不安になる部分はあるけれど、好きなこと続けて欲しいと願う私です。

現代社会に順応しうまく生きていけないけれど、不器用だけどゆ~くり生きた証を残していきたい。
不器用だから、器用に生きる人だとスムーズに通り過ぎて見落としてしまう事に、四苦八苦することで見えてくるものがあったりする。そんなに急いで何所へ行く?ゆっくり確実に個がその時代に生きた証を少し残せればいいじゃないか。

生きていくにはお金が必要です。お金で大部分は買える。でもお金では買えないモノがある。それを大事にした生き方が尊いと思う私です。

いいえ、父さん。そう思える様になったのはつい最近よね。先を急ぐ貴方、のろまな私。

2008年3月 6日

私のアル君はやわ肌

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私のアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型のアル君も購入して半年を越えた。走行距離も3000キロを超えたので、オイル交換兼ねて点検してもらおうと「アルファロメオ芦屋」に行ってきました。
購入したのは大阪の「アルファロメオ堺」なので、本来はそちらに持って行くべきなのですが行くのが面倒な距離です。この程度抜群のアル君を探し出していただいたイタ車一筋イタリアちょい悪Y氏が親しくしているメカニックの人が芦屋のアルファに赴任したので、その表敬訪問兼ねて2台で行きました。

芦屋は高級住宅地として有名な場所。アルファロメオが街に溶け込んでいます。
メカニックのOさんは長くアルファのレーシングカーを整備してきた人。Y氏も太鼓判を押すアルファのスペシャル整備士さんだそうです。近くにそんな整備士さんが居てくれる事で、安心してアル君との蜜月を楽しめます。

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イタリアちょい悪Y氏の147GTAもOさんの勧めで洗車することに。
彼は日本人の多くがマイカーを宝物のように綺麗に洗車して乗っていることに異を唱え、イタリア人のように一度も洗車したことがないのではないかと思えるマイカーをブイブイ言わせながら乗っている姿を良しと考えるイタリアンな人です。
そんなY氏は新車で購入して一年半、走行距離3万キロ、初めての洗車です。私の中古のアル君より色抜けしたアルファレッドの147GTAだと思っていたけれど、洗うと新車のようであります。
この車は公道を走っちゃダメな車です。こんなショートホイールで250馬力のじゃじゃ馬は街中では迷惑です。私はいりません、運転するのが怖いもん。

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私のアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型が最高~最善のアルファだよ~ん。
20世紀最後の問題車なんて言ったのは誰だぁ~。拍子抜けするほどアクシデントなく私のアルファライフ現在進行形。これからもこのアルファ145にず~と乗り続けたい。そのためにはちゃんと点検した方が安心です。

私は一度ボンネットをタオルで拭こうとしたら変になったので購入して半年洗車していない。
その事話したら、アルファの場合タオルでゴシゴシ拭いたらダメです。洗車しながら柔らかいスポンジで撫でるように拭かないと傷つくと。私がタオルで拭いた部分は洗車しても変なままだぁ~。傷つけたそうです。そんなぁ~、昔乗っていたトヨタのランクル40系の赤い塗装は、酷い保管状態で洗う時もゴシゴシ気にせずやったけれど全然気にならなかったけれどアルファはやわ肌、デリケートと言えば聞こえはいいけれど、塗装が薄くて軟弱ということ。それがアルファレッド。あばたもえくぼ、そんなアルファの塗装も愛おしい。これから固形のワックスは使わないようにして、柔らかなスポンジで優しく洗車することにしまぁ~す。

2008年3月 4日

クラシックバファロー

サライ商事の常務が棚卸していたら昔のイタリア・フラスキーニ社の革が少し見つかったと送ってきてくれました。素敵な時代のフラスキーニのクロームなめしのカーフは現在のイタリアのクロームなめしの革には感じる事の出来ない色香を持った革。使う予定はないけれど独特のなめし技法で作っていた時代のフラスキーニのイタリアンカーフはコレクトしないと。かなり持っているほうですがいつ使うのか。良い革を見ると想像力が広がる。届いた革たちを拝見~。

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ビューカーフは色違いでは持っていますがタン色は初めて。マットな質感が良好。イタリアのクロームなめしの革は色っぽかった。現在ではそのイタリアらしい味わいのクロームなめしの革は知りません。それに比べタンニンなめしの革はイタリアらしさムンムンです。でもタンニンなめしの革ではカジュアルになってしまう。シックな色気あるハンドバッグは作れない。


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フラスキーニが作る衣料用皮革。これで革のコートや手袋作ったら上等な風合いに出来上がることでしょう。サライ商事の棚の隅で、長い年月眠っていただろうに、まだその時代のフラスキーニの革だけが持っている独特のアンモニア臭がプンプン匂う。多くの欠点はあるものの、色香を感じる革という一点だけに特化した過去のフラスキーニの革たちの潔さが私は大好きです。

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革のシルクと呼ばれるシープナッパを作っているフランスのボダンジョアー社のシープヌバック。子羊のきめの細かな表皮を擦った革。上等過ぎます。これでパフを作ると素敵だけれど、1枚では作れない。

それとクラシックカーフという水牛(通称バッファロー)の子牛を揉んだり磨いたり色々試しで後処理した革たちを送ってきた。クラシックカーフは経年変化を楽しむことが出来る小物に適した革です。昔イギリスのピアス社というタンナーで作っていた頃のクラシックカーフはよく使っていた。ピアス社は狂牛病がイギリスで話題になった頃なくなり、その後他のタンナーで作るようになったクラシックカーフは私たちの望むクラシックカーフではなくなったので使わなくなった。今回届いたクラシックカーフも定番で使う気にはならない。

先日革製品をすぐクンクンと匂いを嗅ぐ革フェチの大和出版印刷の若社長が来て言っていた。「色々ル・ボナーの革製品を使っているけれど、最初に買った折財布と小銭入れに使っているこの革が一番好きなんだよなぁ~」と。7~8年になるその財布と小銭入れに使っている革はピアス社のクラシックカーフです。良い艶が出ていてまだまだ十分現役でいけるけれど、長財布を同じ革で作って欲しいと2年ほど前から頼まれているのだけれど作っていない。だってもう同じピアス社のクラシックカーフはないし、あれこれ注文が多いんだもん。でも私の我儘なお願いを形にしてくれたし(上製本仕様のノート)、そろそろ作ろうかなぁ~。

でもピアス社のクラシックバッファローはもうありません。革棚を見ていてクラシックバッファロー以上に上等で、質感の感触がよく似た革を入手していたことを思い出した。

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それはイタリアのタンニンなめしのベビィーカーフ(生後3ヶ月)。時間はかけてなめしているけれど素朴な仕上げのその革は、ピアス社のクラシックバッファローの質感でありながらキメ細やかになった感じ。この革なら革フェチの若社長も狂気乱舞するにちがいなぁ~い。良い革だとか、上等な革だとか色々な判断基準はあるだろうけれど、個々の思い出に寄り添った革が一番。

2008年3月 2日

パーカー51は21だったぁ~ そして61!

若いころから万年筆を愛用しつづけたSさんの言葉がひっかかっていた。私が2000円で購入したパーカー51は51じゃないんじゃないかという疑念。「なんか俺の持っているパーカー51より軽くて安っぽいんだよなぁ~」とSさん。私はその安っぽさも気に入ってはいるのだけれど、もしかしてその当時売られていた同じ形した中国製なのか。確かにペン先は金ペンではないけれど、オクタニウムという何なのか分からない合金を使った51スペシャルという品があったことを確認している。でも心のどこかで疑念がぬぐいきれない。

昨日四国からお客様で万年筆マニアのOさんが来られその話をしてその問題のパーカー51を診てもらう。万年筆愛好家の通例、マイ虫眼鏡を出して観察していただいて判明!。この万年筆はパーカー51の廉価版のパーカー21だった。

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よ~く見るとキャップの刻印は51ではなくて21だぁ~。刻印が薄くて老眼の私には51と見えてしまっていたぁ~。トホホ、、、51の弟分だったのだ。万年筆歴40年のSさんの指先の感覚恐るべし。私はこのペン先の意匠は51と61だけだと思っていたのです。21や41があったなんて知らなかったぁ~。万年筆初心者の私の薄い知識でSさんの40年万年筆で書き続けた指先の記憶を疑ってご免なさぁ~い。

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私のショックは隠しきれない。でも思ったのであります。21が手に入ったということは、今度はその兄貴分の51や61、それに1年しか作られなかった41なんかを手に入れる楽しみを与えてくれたということなのだと元来のプラス思考。それに75や45とパーカーのアンティーク万年筆面白いじゃないですか。

四国から来られたOさんは現在ル・ボナーの革製品に強い関心をもっていただいています。それと同じほどイタリアの個性的な万年筆色々所有されている万年筆マニアな人ですが、元々はパーカーニスト。四国にはまだまだ忘れ去られたような文房具屋さんや昔文房具屋さんをやっていたお家の片隅にひっそりと眠るお宝万年筆が存在するそうです。そんな場所を探索するとモンブランは物色されてないけれど、パーカーはまだまだあるそうです。そんなパーカーを沢山持っているOさん。

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見せてもらったパーカー61フライター(ステンレスボディーの名称)。昔文房具屋さんをやっていたというお家で入手したデッドストック品のパーカー61の5本の中の1本。5本で5000円、1本1000円での購入です。アンティーク万年筆ハンター恐れ入ります。1970年頃のもので当時の値札は15000円、現在の貨幣価値で考えると10万前後。舶来モノは高かったぁ~。当時モンブランは高根の花、出世したサラリーマンがなんとか買えた高級万年筆がパーカーという時代だったのかなぁ~。

1本1000円で購入したパーカー61が5本あるので1本差し上げますとOさん。一瞬私は耳を疑ったぁ~。いくら1000円だとしてもお宝探索の旅を続けた苦労と楽しみ?の結果得た思い出の品。それをいただくなんてまた親しい連中にわらしべ長者と言われてしまう。でも大人らしく断るなんてできなぁ~い。
ブログで万年筆ネタ書き続けた私へのご褒美と勝手に思って、遠慮まるでしないで感謝いっぱいでいただきました。突然パーカー61も私の手元に!。

早速購入したばかりの香水ビンのような入れ物に行った特製のパイロットの「紫陽花」という青紫色のインクを入れて書き味試してみました。固さ抜群のペン先なれど、筆圧優しく書くとヌラヌ~ラ書き味。質感も書き味も21に比べて上質であります。でも21は胴の青緑色が昭和のノスタルジィーを感じて良いではないですか。パーカー面白い。

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アメリカンな万年筆が5本。これからパーカーの万年筆が増えそうな予感。万年筆までアンティーク趣味の道を歩み始めると泥沼、、、、お金の問題より魅力の拡大膨張の方がやっかいなものであります。
右往左往しながら皆様に迷惑かけながら趣味を貫徹する所存であります?。

2008年3月 1日

コンビのタンクトートとプティトート

タンクトートが出来上がりました。
今回はシュランケンカーフの色をコンビネーションしたタイプを中心に作ってみました。

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新しく挑戦してみた本体トープに付属チョコのタンク。良いと思う。
上品で渋いコンビネーションになりました。

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本体ライトグレーに付属がトープのタイプは前回作って好評ですぐ売り切れお待ちいただいていたお客様もおられたので今回も作りました。シックなコンビネーションです。
あと単色でジーンブルーを作り、在庫で少しあるオレンジと合わせて店頭に4色のタンクトートが並びます。

タンクトートは肩にも下げることもできる取っ手の長さと、A4ファイルの書類が収まるサイズが支持されてル・ボナーの定番として人気のあるトートバッグです。

お待ちいただいていたお客様、出来上がりましたよぉ~!

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それとプティトートも。今回は写真のパープルと黒、それとジーンブルー、オレンジの4色。
パープルの色が写真ではうまく伝えられないのがもどかしい。ル・ボナーではこのシュランケンカーフのパープルで作ったバッグが大人気ですが、いつも入荷する革の量が少なくお客様の要望にこたえられないでいます。今回はプティトートとしてパープル登場です。

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