2008年4月アーカイブ

2008年4月28日

六甲アイランド20周年

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27日の日曜日に、私たちの職住両方お世話になっている神戸市東灘区の沖合いに作られた人工島「六甲アイランド」生誕20年のイベントがル・ボナーのお店前のリバーモール公園周辺で行われた。

ミーハーな私は安藤建築の建物でお店が出来るというのにつられて、出店を決意して東京から神戸に来て早16年。六甲アイランド20年うち16年を、ここで鞄屋を営んだことになる。結構古株になってしまった。

神戸市東灘区は神戸の中で神戸らしい住宅地です。
六甲山山の手の高級住宅地から海に向って庶民的な風情の住宅地になってゆく。その先の海に作られた人工島「六甲アイランド」は治外法権の出島のような住宅地を形成している。
レトロ好きの私にはきっと違和感があると思っていたのだけれど、エトランゼが多く住みスッキリしたモダンな街並みが居心地良いのです。そして何より神戸の中心から少し距離をおいたこの街に住んだことで、神戸の街と人と文化といったものを、距離を保って感じることが出来て、そのことで私たちは神戸が大好きになれたように思う。これからもず~と住んでいたいと思っています。

日曜日でも平日とかわらず人影まばらなル・ボナーのお店前だのに、凄い人、人、人です。
特設のステージではフラメンコ、津軽三味線、だんすetc、、、女優の三原じゅん子も歌ったぁ~。この人歌手もやってたんだ。出店もいっぱい出ていて、いつも囲碁クラブでお世話になっているシェラトンホテルも出店している。私たちのお昼ご飯はシェラトンホテルのカレーライスにしました。

それにしても不思議です。お店前でイベントがあって人がいっぱいの時はル・ボナーは全然売れません。16年間大体そうでした。この反比例はいったいなぜなのか?。私たちの職種形態が、世の中のノーマルなあるべき姿と逆行しているのか、それとも私たちの作る品に興味を持つお客様たちもまた私たちと同様天邪鬼な人種なのか。非常に不可解な現象であります。でもそんなお店だから普段人影まばらなこの場所で16年間続けて来られたのかなとも思います。お客様に感謝、感謝。

フリーマーケットもやっていて、今回はいつもより出店店舗が多いような。
朝出社する時に、あらぬ方向に行こうとするチャーを押さえつけながら見ていると、チャーのお母さん犬ナナを飼っているH夫人も今回は出店してるではないですか。ということはご主人のコレクションの一部も売りにでているのかと尋ねると、おぉ~!お値打ちのライター他色々あるではないですか。ライターは年代モノのダンヒル、ロンソン、ジッポーと魅力的な品々。それを3000円で売っている。ヤフオクでは1~2万で十分落札される品々。私もライターコレクターのSさんにプレゼントしようと吟味していたら、多くのお客が集まってきて、躊躇しているうちに売れてしまった。残念。

私はH夫人のお店を後にして、万年筆を捜すことにしました。地方は東京と違って万年筆の価値を理解してないで売っているお店が、まだまだある。前回骨董市でパーカー21を2000円で購入できたことに味をしめ、お宝万年筆を安く手に入れる楽しみを覚えてしまったぁ~。安ければハミも文句は言わない。でもそんなに万年筆が要らないのも事実。でも止まらない。

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おぉ~、あったぁ~!パーカーの45。私の持っていない全盛期のパーカーの万年筆。
いくらかと聞くと、1000円でいいと言う。値切りようのない値段に躊躇なく買った。
あとパーカーは75と因縁の45を手に入れたい。
ただこうなると高い値段を出して手に入れたくはない。
持ち帰りラミーの紫のインクを入れて書いてみると、固いけれどヌラヌ~ラ書き味ではないですか。
大変満足であります。

パイロットのスターリングシルバー軸の万年筆もあった事をハミに話すと、欲しいのならば買ってきたらと言われ、ウキウキしながら引き返してみるとまだあったぁ~!値段を聞くと、これは銀だから2,000円という。十分安いけれど、それではハミとの約束の1000円購入ではない。キャップを開けるとインクが漏れていて、手にべっとりインクがついた。それを口実に半額交渉成立。


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持ち帰り念入りに洗ったら、ご覧のような程度抜群のパイロットの70年代ではないかと思われるスターリングシルバー軸の万年筆。後でカタログ(2005,9の)見たら、現在でもよく似たタイプのモノを作っている。価格は52500円。大変気分の良い1000円でのお買い物でした。

2008年4月27日

チャーは日向ぼっこ

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コーヒーを飲みながら新聞を読むのが、私の朝の至福の時間。
リビングは東に面しているので、晴れた日の朝は朝日が気持ち良い。
そんな時に限ってチャーは私が読んでいる新聞の上になぜかメタボリ体型を乗せて日向ぼっこ。
いつもそうです。何を考えてこの行動をいつもするのか謎です。大変邪魔です。

昨日いつもの昼の散歩に行った時のことです(彼は毎日3回以上散歩をします)。
若い女性が数人「わぁ~可愛い~!」と言って横を通りすぎた。
私ではありません、チャーを見て言ったのです。
その時チャーは一瞬振り向き会釈をしたような。
そして今まで鼻を地面にこすりつけて匂いを嗅ぎながらのみっともない歩き方を中断して、前を向いて凛とした姿勢で歩きだします。若い女性にはメロメロのオス犬であります。
コイツ本当に人の言葉が理解できているようであります。
だからと言って従順にご主人さまの言うことを聞く訳ではない。
猫に似た頭の良さを持った犬です。つまり人間様とのコミニケーションにおいて頭の良さを使わず、自分の欲望に対してのみその知恵を使う犬なのであります。困ったお犬様です。
私に似ているとハミを筆頭に私を良く知る人たちは言う。
私も似ていると思う。ただチャーのようには若い女性に「わぁ~可愛い!」とは言ってもらえない。

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先週の木曜日は雨降る中、チャーにとって恐怖の館オタニ動物病院に年に一度の恒例の予防注射に行きました。オタニさんに近づくにつれて増幅するチャーの恐怖からくる震えはいつも笑ってしまいます。
その日は予防注射だけだったので一瞬の恐怖ですみましたが、その時歯垢取りの予約をしました。来月はチャーにとって忘れ得ぬ恐怖の記憶を残す一日が待っています。犬の歯垢取りは全身麻酔しておこなうそうで、大がかり。日帰りですが丸一日恐怖の館オタニ動物病院に監禁されることになります。

私とハミにとってはチャーに拘束されないかけがいのない一日を手に入れることができます。チャーが我が家の一員になってから9年、私たち夫婦は2人だけで外食したことないのです。チャーの恐怖の一日は、私たち二人には久しくできなかったチャーに邪魔されないで二人だけで過ごす休日の一日。お店めぐり、食事、その日のデートコースを計画するだけでウキウキワクワク。一緒に水谷時計修理工房にもpen and massege.にも訪問できる。

チャーは来月そんな一日があることをまだ知らない。

2008年4月25日

50歳代のあるべきファッション?

私は50歳を過ぎてから派手になった。
背広を着ないで済む仕事をしてきて、アウトサイダーよろしくカジュアルな服装しかしてこなかった。アウトドアーな服装オンリーで過ごしてきた。十代もアイビーファッション。
コンチネンタルファッション(40年ほど前はそう言っていた)なんてチンピラなお人のするものと思っていた。

そんな私がここのところメタボリ体型のためもあって、楽な服装を求めるようになった。
そして還暦の赤に向かって派手な色調まっしぐら。
ボンジョルノ松本は、イタリア富裕層のおじさん風な趣向を強めています。
ビスコンティー的ではなくて、フェデリコ・フェリーニのカラー映画に出てくるイタリアおじさん風。
皆は、イタリアの田舎のオヤジ風だと言う、失敬~な!。


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私の身の回り品は50歳を過ぎて、派手さを強めています。
ある時、おばさんのグループがル・ボナーに来店し、ハミはその人たちを接客、私は奥のマイ仕事机で黙々と仕事していたら、そのおばさんたちがハミに「奥の職人さんはイタリア人なの?」と尋ねているではないですか。それはまぎれもなく私の事を言っているのではありませんか。私は大変気を良くし、それ以来私はイタリアおじさん風まっしぐらぁ~。

私はイタリアが大好きであります。美と醜の混沌。生きてることを純粋に楽しんでいるような人たちの住む地。3年連続のイタリア訪問は風前の灯、誰か誘ってくれる人いないかなぁ~。

そんな私が、英国ジェントルマン的な服装を好むはずがありません。
特に靴はイギリス的な靴はいけません。がんじがらめっていう感じがするのです。履いたことないから偏見以外の何ものでもない意見。今まで靴はスニーカーしか履かなかった(履けなかったぁ~?)私でありましたが、縁あり安くイタリア的な革靴が一挙に増えたのですが、履いてみるとこれがなかなか良い。特に革底の革靴は足の延長線上に大地を感じる感触が、50歳超えて生まれて初めての体験で、はまりそうで怖ぁ~い。派手な色のイタリアンな靴は特に新鮮で楽しい。

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そんな私ではありますが朝夕少し寒い今日この頃、紺のブレザー着ています。
少し前まではこの季節、アウトドアーなパーカー類を羽織っていた訳でありますが、サラリとした肌ざわりでゆったりしたコンブレは非常に楽なのであります。メタボリも相まってこの季節はコンブレでいきます。少し私には地味ですが、このさらりとした着心地は良い。アウトドアーなパーカー類は、お腹回りが細くなってフットワーク軽くならないと戻れない。

夏も今年は、パナマ帽に派手なイタリアンな革靴はいて、ゆったりめの麻のブレザーでいこうと思っております。本人はマルチェロ・マストロヤンニになったつもり。コンチネンタルファッションばんざぁ~い。

2008年4月23日

スネークウッド軸の万年筆が届いたぁ~!

「楔」の永田さんは木が大好きな木工職人です。味わいのある木が生かせるなら家具から筆記具まで色々な木工製品を作っている。自宅のキャビネットを作っていただいた家具職人の難波君の紹介で知り合った。そしてpen and massege.の吉宗さんに紹介し3人で夕食でも食べましょうと実際に会ったのが3月の末。

家具の本場、岐阜(飛騨ではないけれど)で家具を作っている職人なんて聞くと、無口で強いこだわりを持った厳しい若者なのかもしれないと思いながら、人見知りする内気な私?はドキドキしながらその日が来た。でも会ってみるとポップな若者。木が大好きだから、木が生きるモノだったら何でも作りたいと思いつつ、楽しくモノ作りしている若者。
そんなスタンスが私は好きです。人生楽しんで、仕事も楽しんで一生懸命モノ作りする生き方出来れば何より。

3月の末の雨降る夜、吉宗さんと私は、木の魅力について楽しそうに語る永田さんの話を聞いていた。
私が少しお金に余裕が出来るとヨーロッパ皮革を使う予定がないのに買ってしまうように、永田さんも魅力的な木を買ってしまうようです。そんな木の中でも特別貴重なスネークウッドを使って万年筆を作ってもらうことになりました。

そのスネークウッド軸の万年筆が昨日届いたぁ~!。

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独特の木の表情が素晴らしい。
スネークウッドは別名レターウッド。
文字を羅列したような文様が特徴的で、
それが蛇の鱗のようにも見えます。
硬質で加工しにくい銘木です。

この万年筆は、役得を最大限利用して無理言って作ってもらったのではありません。
永田さんが作ってみましょうかと提案し、作っていただけるならスネークウッド(レターウッド)でとお願いしました。スネークウッドは月日が経つと木に割れ目が広がるので勧められないという永田さん。割れてもそれは味と思う私はお願いした。

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私の万年筆に、初めて木軸の万年筆が仲間に加わったぁ~。嬉しいなぁ~。
それもコーティングしていないでオイルフィニッシュで仕上げているので、エージングが楽しみです。
永田さんの使いこんだスネークウッド軸のボールペンを見ると、素晴らしく深い艶が出ている。
革で言うと、まるでミネルバリスシオなどのバケッタ製法で仕上げたイタリアンタンニンなめしの革のような経年変化。楽しみであります。


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これで木を愛でながら作る木工職人・永田篤史さんの品が2点。
カッターナイフに使っている木は、カリンの木の茎の部分だそうで、味わい深い。

万年筆の書き味はあえて書きません。
だって軸の味わいが重要な万年筆で、スネークウッドの軸であることが第一義。
永田さんとコラボして、外は銘木使って内側の内装はシットリ革貼りの、万年筆ケースや時計ケースも作れたらいいなぁ~と思っています。
異業種交流で、楽しい物作り現在進行形。

2008年4月21日

思い出がしみ込んだモノ

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今私は毎月の恒例、ベルト作りに着手しております。今回はいつもより注文数が多く、ちょっと早めに作り始めました。頑張って早く作り終えないと。

私の仕事机の上はいつもゴチャゴチャです。整理整頓された状態は今だかつて見たことがない。全て収納して机の上はすっきりしていた方が仕事がはかどると皆さんは思うでしょうが、この状態が私にとってベストなのであります。時計や万年筆たちが仕事する時になぜ必要があるのと問われれば、なくても鞄作りはできます。でも朝一番すべてのリューズを巻かなければいけない時計たちや、インクをいつも満タンいつでも書ける状態の万年筆たちに見守られながら、私は仕事がしたいのであります。仕事に集中してふと目線を上に向けると愛しい時計たちや万年筆たちが見つめていてくれると、頑張るぞぉ~!と気合が入る訳であります。

ル・ボナーはカバン屋です。時計屋さんでも万年筆屋さんでもありません。
しかし時計や万年筆を持ち込む人たちが多い。なぜなんだろう?。でも楽しいからまあいいかぁ~。

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ダンディーT氏が仕事で来神し、ル・ボナーに顔を出していただいた。
ル・ボナーはかばん屋です。だのにボロボロの時計の修理を頼むT氏。なんか変だけれど、私はその時計を水谷時計修理工房に持ち込む事を承諾した。

その時計は今年還暦を迎えるダンディーT氏が45年前中学生の時に、お父さんに買ってもらったセイコーファイブ・スポーツ。T氏の思春期から青年期を共に生きた時計。学生の頃はこの時計をしたまま野球なんかもしていたそうで、見るも無残な状態。でも壊れずに今も時を刻んでいるのです。この時計を復元したいと思ったT氏の思いに共感する私。アンティークの奇麗なセイコーファイブ・スポーツは2~3万出せば買える。でも青春を一緒に駆けたこのボロボロのセイコーファイブ・スポーツが復活することが大事なのです。私が一肌脱ごうじゃありませんか。

お父さんやお祖父さんから譲り受けた時計を丁寧にメンテしながら使う紳士。見るとグランドセイコーのファーストモデル。70歳を過ぎた老夫婦。ご主人の時計は50年前に結納返しの品で、ダイヤルにシミが滲むオメガのコンステ。いくらいっぱい時計を持っていても、高価な時計を持っていても、思い出のしみ込んだ時計にかなわないと思う。ダンディーT氏にとってのそんな時計が、このボロボロのセイコーファイブ・スポーツ。

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1972年に今はなきパイロット東京工場で作られた「エリート」

一緒にフルハルターの森山さんのところでパイロット823プランジャー・コースニブを極細に研いでもらったSさんがニコニコしながら来られた。
30数年前最初の給料で買ったパイロットの「エリート」。それから時が過ぎ、可愛い奥様と結婚し、子供が生まれ、その幼子がこの思い出の万年筆のペン先を畳に何度も突き刺して遊んだため、ペン先がグニャァ~と曲がってしまって使えなくなり、机に閉まっていた。そのペン先がグニャァ~と曲がった思い出の「エリート」をpen and massege.の吉宗さんのところに持ち込めば復活するのではと思い持ち込んだところ、治ったのであります。きっとモンブラン149を購入した時の感動より、このグニャァ~とペン先が曲がった「エリート」がまた書けるようになった事の方が感動的な出来事だったのではないでしょうか。

モノって、思い出がしみ込んで特別なものになるように思う。
アンティークなモノが大好きです。でも一夜漬けのモノ好きの所有物は、思い出はまだしみ込んでいない。

2008年4月18日

新型ブッテーロ天ファスナーブリーフ登場

人気のあったブッテーロ天ファスナーブリーフケースではありましたが、
大改造を加えて、新型ブッテーロ天ファスナーブリーフケースがやっとこさ店頭に並びました。
大きな改良点は底の部分にコバの出っ張りをなくしたパターンにしたことで、
そのため底鋲も付ける事が出来るようになり、置く時気を使わずにすみます。
取っ手に加わる重みも底から続くベルトの延長線になるように浮かしているので、
良いのではと思っております。
またそのベルトとベルト通しが本体をディフェンスして、
本体の傷も少し軽減させる効能があると思っております。
ただその分、ベルトとベルト通しの部分は最前線なので傷つきますが、
その方が味わいある経年変化が期待できます。
それはブッテーロ革を使って作ったル・ボナーの学手風ブリーフケースで実証済み。

4色のブッテーロ革で作りました。
どの色も甲乙つけがたい良い感じ。


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思っていた以上に、良い感じに仕上がったチョコ色の天ファスナー
ショルダー革の特徴である背骨のラインも中央に来ていて雰囲気であります。

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黒はオーソドックスですが、突出してないけれど深みのある艶が特別。
エボナイト軸の万年筆の深み。
また万年筆で喩えてしまったぁ~。

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ブッテーロ革のワイン色は一番良い感じの経年変化が期待出来る。
バーガンディー!バーガンディー!と叫ぶ人が東京の大井に居た。
ワイン色 イコール バーガンディー色だという事をそれまで知らなかった無知な私。


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茶の革には、イタリア的にグリーン色のステッチで仕上げました。
内貼りのピッグシルキー革もグリーンです。
ボンジョルノ松本は、この色合わせが大好きなのです。

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ベルト通しは、ル・ボナーの学手風ブリーフのように
ゲタを履かせて迫力いっぱいなんてことはしていません。
あくまで大人しく。その方がこのブリーフケースには合うと思っています。
本体は元厚のままのブッテーロ革を使って作りました。
下部の底に曲がってゆくカーブに厚み感が感じ取れます。


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内貼りにはピッグシルキー革をいっぱい使いました。
それまで外ポケットは生地を使い、中央の内貼りだけ革を使っていたのですが、
お客様の意見を聞いた結果、全部革の方が良い~!との意見だったので、
全部革にしました。内ポケットの内側までピッグシルキー革。


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表革より、このピッグシルキー革の方が汚れ難くて、肌触りが良いという意見多数、
よって今後ル・ボナーのメンズバッグの内貼りに使う革は、この革が主流になりそうです。
今回使ったピッグシルキーのグリーン色は、画像より緑色です。
色を正確にお伝えできなくてごめんなさい。

今回生産した新型ブッテーロ天ファスナーブリーフケースは、
発売前から予約が多く、残るのは3分の1(元々そんなに沢山は作っていないけれど)。
予約して頂いた方々に電話したら、東京や名古屋から来ていただけるそうです。
ありがたいことであります。

税込81,900円での販売です。

2008年4月16日

第8回ペントレーディングin東京

4月12日(土)13日(金)と「第8回ペントレーディングin東京」がありました。
この集いは万年筆愛好家は是非参加したい年に一度のお祭りで、私もこの集いと秋の「フェンテの会」には参加したいと切望しております。しかし夫婦二人だけの零細鞄屋のオヤジの私は、稼ぎ時の土日に店を留守にするなんてとんでもなぁ~い。でも良い方法を画策して来年は参加したいなぁ~。

この集いは、親しくしている革小物職人TAKUYA君がデビューを飾った場でもあります。
多くのこだわりの強い万年筆愛好家の要望を取捨選択して作り出されたTAKUYA君の作り出すペンケースは、筆記具を大事に思う人たちから高く支持される品に進化し続けています。
そんなTAKUYA君も、今回も限定品を持参して参加し、多くのお客様との会話を楽しんだようであります。

ル・ボナーにも来店していただいた万年筆好きで鞄好きの人たちも何人か行かれたようであります。
森さんのブログ「万年筆評価の部屋」の画像を見ると、イタリアに一緒に行った万年筆くらぶ会長中谷でべそさんも中央で写ってる。あれめだかさんも写ってる~。お久しぶりですと会釈してしまう。
やはり行きたかったなぁ~。

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そんな中、万年筆菌感染者になってまだ半年あまりしか経っていないのに、この4本の美しい万年筆(アウロラの80周年も持っているぅ~)他にもいっぱいのIさんも参加してビスコンティーのミケランジェロをゲット!。
自分の心象風景に寄り添う万年筆は揃ったから、しばらくはいらないなんていっていたのになぜ?。

私が引き込んだ自覚はある。でもここまで深みにはまっているなんてつい最近まで知らなかった。
革鞄のお手入れ名人一筋の真面目な人だと思っていたのに、唖然。


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良い雰囲気の万年筆です。その上ペン芯を美しいエボナイトに交換して、吸引方式はプランジャーで森さんに調整してもらったミケランジェロはヌ~ラヌラ書き味保障付きでしょう。きっとかけがえのない1本になることでしょう。それにしてもかけがいのない1本とかなんとか屁理屈言って、そのかけがえのない1本がいっぱいになってゆく。

購入価格を聞いてびっくり。ヘビィースモーカーでお酒もこの頃飲むようになり(Iさんもワイン飲むじゃないですかぁ~)時計も帽子も大好きな困ったオヤジの私ですが、もしその場に居たならIさんと奪い合いを演じていたことでしょう。ああ~いいなぁ~。

来年は絶対参加するぞぉ~!。
来年の今頃は、万年筆に最適なノートや便せんや色々な品が、万年筆好きの印刷会社の若社長をたぶらかして出来上がっているだろし、文具関連の革小物も色々作る予定。その品を評価してもらう試金石とか何とか言って、出店名目で参加して、お宝万年筆をゲットするぞぉ~!。売上より万年筆購入費用が上回る予感~。

2008年4月14日

ライターN氏のバーゼル

私の時計学の先生で、ボウラーハット仲間のライターのN氏が今年もバーゼル&ジュネーブ・サロン取材のため、スイスに旅立った。
今年で15年連続です。日本の取材陣の中では相当な古株の一人です。
ライターのN氏にとって1年に1度の恒例となっておりますが、
徹夜続きの文化祭の準備のようなスイスでの日々は、相当ハードなようであります。

バーゼル市内の宿泊施設はこの時期込んでいるので、70キロ先のホテルからレンタカーで毎日早朝に出発し深夜に戻る1週間。そんな怒涛の日々も終わり、ジュネーブ・サロンが始まるまでのひと時、時計以外にもモノ好き全開のライターN氏の寄り道が始まる。

そんなライターN氏からメールと画像が届いた。


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中央のオレンジの建物がバーゼル・ワールドのメインメッセ

今年も時計たちの高騰は止まらないようです。
もう一般庶民にはついて行けない高値に邁進するブランド時計たち。
でも見るのはタダ。私は絵画を美術館で見るように、最新のコンプリケーションを楽しみ観ることで充分。
購入するのは一部の余裕ある人たちに任せて。
良いなぁ~と思う最新の時計も、30年経ってアンティークになれば。
私は50年前は最新最高のシンプル時計で充分満足。
それにしても最近の時計は大きくなって、私の趣向からは遠のいて行く
35ミリの中にわびさびを伝える時計が私は好きです。
そんな時計たちが群雄割拠して時計職人が組み上げていた、50年前の家内制手工業的な時計たちが好きな私です。

ただ高級時計全盛の現状は、独立系時計師が重宝される隙間を作っている。
個人で時計作りする職人に脚光が浴びることは、同じモノ作りする職人として嬉しいことです。
そんな独立系時計師に特別な思いを持って取材を続けるライターN氏です。


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バーゼルのトラム(路面電車)。
スイスの大都市はもっとモダンなトラムに変わってしまっているけれど、
バーゼルはまだこのレトロなトラムだそうです。
イタリアはまだ大部分このタイプの路面電車。
古いモノ大事にしましょう!。岐阜の路面電車は最近無くなったなぁ~。

時計もやはりアンティークなモノが好きな私です。

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スイスの春の旬の味覚は、このホワイトアスパラだそうです。
今年のスイスのホワイトアスパラは少しにがみが気になるそうです。
15年間スイスの旬のホワイトアスパラを食べ続けたN氏の感想。
モノは記憶に刻まれた味覚に負けると私は思っています。
だからこそ頑張ってモノ作りを続ける。
思い出の1シーンを思い出すスイッチのようなモノを作りたいと思いつつ。

ライターN氏のスイス取材も後半戦へ。

2008年4月11日

革は厚みのあるソフトな素材だから面白い

革という素材の面白さは、柔らかでありながら厚みがある素材であるということだと私は思っています。
バッグに使う他の素材は厚みを出すために(生地やナイロンは元々厚みがないから)、芯材を加えてゆきます。表面の素材の質感は芯材で決まります。
革のバッグも多くの既製品の場合、均一な製品を生み出すために表面は革でも薄く割って、芯材で質感を出している場合が多い。それって、せっかく革を使って作るのにもったいないと思うのです。

革は柔らかくて厚みのある素材。その特性を生かして作った方が楽しいと私は思っています。
生地やナイロン素材では出来ない漉くという作業によって、厚みを微妙に操作し工夫することで特別な表情を表現できます。

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一番上の革は、シュランケンカーフの元厚の厚みのコバ。シュリンクしたことによってカーフだのに2,5ミリほどの厚みがあります(通常の生後6ヶ月のカーフ革は1,2~5ミリほど)。
この厚みをコントロールすることで、キューブボストンのような表情を作り出します。

真ん中は世界一厚いであろう北欧の雄牛の革タウラスの元厚、7ミリ強あります。
一番下は、そのタウラスのコバを磨いている途中の状態。
雄牛の大牛の革なので繊維が粗いことが分かると思います。
シュランケンカーフのコバの繊維と比べてみると歴然です。
磨いてコバの密度を高めて磨き上げるのが、大変です。

革の質感を生かしたモノ作りをしたいと思っています。
でもまだまだ思うようには出来なくて、これからも試行錯誤の連続。
でも革が好きで始めたこの仕事。革の表情を最大限表現するモノ作りを意識していこうと思っています。

厚い革、薄い革、柔らかい革、硬い革、深い革、浅い革etc色々な革。
活きる革モノ作ってゆきたい。それこそ革モノ作り人の真骨頂。


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水谷時計修理工房にお願いしていた極薄時計のエベルのメンテナンスが完了。
高級ムーブメントのメンテナンスはいつもより慎重な作業。ゆえにちょっとメンテ代高かった。
頼まれていたペリンガーのクリスペルカーフで作ったベルトを取り付けてみました。
極薄時計には本来同じように薄いベルトがバランスがいいのは分かっている。
でもふくらみのあるベルトにしたかった。それも薄く平らに漉いた革の間に芯を単純に入れた時計ベルトではなくて、二次曲線が独特のふくらみ曲線を描く時計ベルト。
ベルトは時計本体にとって、絵画の額縁のような関係。
少し額縁だのに出しゃばったようですが、お許しくださいませ。


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だって私の60年前のセイコーに薄く作ったクリスペルカーフのベルト付けてみましたが、なんかつまらなくて。納まってはいるけれど。
でも小さな革製品だけれど時計ベルトって、作るのが楽しい。
革の質感を生かす工夫に特化したモノ作りができるから。

常連客のF氏のIWC用にクリスペルカーフの時計ベルトを作りました。その時は思いきりふくらみを出したベルトを作ってみたのですが、1年経って本当に良いエージングしています。
時計ベルトとして使う革としてクリスペルカーフは、抜群に良い革である事は実証済み。

革の質感を生かすモノ作りの工夫をこれからも続けていきたい。

2008年4月 9日

アウロラのレッドが通り過ぎてゆく~

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イタリアちょい悪Y氏までもが、アウロラの85周年レッドを買ったぁ~!。
なぜなんだ。車とバイク、それにギターで十分ではないか。
いくら私がアルファの助手席にそっとこのレッドがあればピッタシ。
アルファロメオにはデルタのアルファロメオシリーズではなくて、
このレッドこそふさわしいと言ったからと言って買うとは思わなかった。
私の前をレッドは振り向きもしないで通り過ぎて行く~。
ブルジョアたちが私の躊躇をあざ笑うかのように、
躊躇なく愛するレッドを我がモノにするブルジョアたち。
世の中不公平だぁ~!。身分違いのお姫様を好きになったプロレタリアートの心境。

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私がこのアウロラのレッドに出会ったのは去年の初夏の事でした。
限定万年筆マニアなHさんが持っていた。
カタログで見て知ってはいたけれど、実物を見るのはその時が始めて。
見た瞬間、私とハミは一瞬にして虜になった。
実物はカタログでは全然分からなかった発色と質感が素晴らしい。
女優のクラウディア・カルディナーレに実際に会ったような感動(変な喩え)を感じた。
書いてみると、またまたその重量感が心地良いではないか。


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シルバーの文様は緻密でありながら、インディアンジュエリーのような優しい温もり。

最初のチャンスは初めてフルハルターを訪れた時。
もう売り切れてないと思っていたのにあった。
「この万年筆本当に良い、でも高いから」と躊躇していると、
ペリカンの400で悩んでいた同席していた中年夫婦が、
そんなに良いんですかと、お値段5倍するレッド買ってしまった。
唖然とする私、次の日からイタリア旅行でなかったら買っていたぁ~。
イタリアだったらこのアウロラのレッドを安く買えるのではないかと、
各都市の文具屋さんを出来るだけ見て回ったけれど、1本も見ることも適わなかった。

その後は、アウロラのレッドは私の前を通り過ぎて行く~。
先月手に入れた某印刷会社の若社長は、
夜書斎の電気を消してデスクライトだけを点けて見ると、
その美しさにニヤニヤしてしまうんだよなぁ~なんて惚れ込んでいる。
今月もまたイタリアちょい悪オヤジが手に入れた。そしてこの写真、美し過ぎる。
まさにアルファロメオのイタリアンレッド。血の赤。

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イタリアちょい悪Y氏が発見したぁ~!。
クワドリフォリオ(四葉のクローバー)のマークがぁ~。
何の意味で付いているのか知らないけれど、
私が溺愛するアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型の四葉のクローバーじゃないですか。
なぜそんなにレッドは私を誘惑するのか~助けてくれ。


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紫水晶(本物?)に浮かび上がるAURORAの文字。
紫水晶の形状もアウロラマークの形。色っぽい。

片思いの時が一番輝いて見えると自分に言い聞かせ、
何年か後に偶然再会する時があるかもしれないと目を瞑る。
だって高過ぎるよ。脳裏にこのレッドを刻みつけて、私は明日?を見ている。
クラウディア・カルディナーレは後ろ姿だけを私に見せつけて、他の男の処に~。
浮気症の私ですが、このレッドが手に入れば万年筆菌から解放されるのではと
ちょっとだけ思ったけれど、やはりダメだったぁ~。
愛する人の面影を振り払うために深酒するように、私の万年筆は増え続けるのかぁ~。

2008年4月 8日

キューブボストン完成してハミは、、、

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キューブボストンの中サイズをチョコ色で、小サイズをブラックで出来上がりました。
チョコ色は久しぶりの入荷でした。この色の内縫いの鞄を希望している人多いのです。
メンズバッグをこの色で作ると必ずこのチョコ色から先に売れてしまう。
落ち着きのある良い色です。
黒の小サイズは注文主の希望で取っ手を少し長くしました。


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キューブボストンはル・ボナーらしさが強く表現されているバッグです。
内縫いのふくよかさは、既成の多くの内縫いの鞄には見られない表情を生み出していると思っています。
その表情を出すため元厚のまま、縫う部分も極力厚みを残した内縫いを心がけ(厚みを残すとミシンの内縫いが急に難度が高くなる)、いせ込みに工夫を加え縫います。
良い表情していると思っています。このふくよかさは長い年月維持します。

このオーダーのキューブ・ボストンを作り終えてハミはダウン。
日曜日の午後から、熱が出て家でしばらくの休息。季節はずれの風邪のようであります。
鬼の居ぬ間の洗濯なんて私はゆめゆめ考えてはおりませぬ。
こういう時こそ普段より頑張らなければ!

我が家はハミが調子悪いと暗ぁ~くなる。他の家族が体調崩しても雰囲気はさして変わらないのだけれど、ハミだと家庭が機能不全。私たちはハミに頼って生活していることを改めて痛感する。反省しまぁ~す。チャーは寝ているハミの横に居座って、私や娘がハミに近づこうとすると吠えて威嚇する。何思ってそんな態度をとるのかこの過保護犬チャー。

しばらくお休みください。私が仕事だけでなく、家事も一手に引き受けようじゃありませんか。
と言ったけれど、出来る訳のない私であります。でもここのところある出来事から食後の皿洗いはやるようになりました。食洗機あるのに、使わずスポンジで洗ってしまいます。なぜなんだろう?。宝の持ち腐れ。

2008年4月 7日

がんばれ!若き独立系職人たち

福岡で革小物を作っているという人からメールが届いた。
ホームページを作ったのでリンクさせて欲しいという内容が書いてありました。
私はその人と会ったことがない。ホームページを開いてみると、丁寧な仕事の革小物たちを見ることができます。私は承諾のメールを送りました。

ここのところ独立系の若い鞄、靴、革小物職人の人たちや、なろうとしている人たちと接する機会が多い。カンダさんや、安田君も少し前に進んだようです。みんな頑張って素敵な製品を作り続けて欲しいと思っています。
それにしても皆良いモノ作っています。私たちが独立した時は本当にヘタでした。

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20年ほど前の私たち二人

私は独立して鞄を作って食べていこうとしたのは21歳の時でした。
その頃作っていた鞄は手作りであることを売りにしたラフな鞄でした。素人が自己流で作ったカバンは未完成の味わい?と、置いてあげないと自殺しそうな私を哀れに思う慈悲深い鞄屋のご主人に支えられて独立系鞄職人としての道は始まった。

私の鞄職人としての成功の論理は理路整然としていて、成功間違いなしと思えた。ただ私自身の実力は考えていなかった。ゆえに現実は七転八倒いばらの道。技術力がない、生産力がない、ビジネスのノウハウがない、お金は当然ない、ないものだらけで、あるのは裏付けのない夢だけ。

借家の家賃滞納は常習犯、食費にも困る日々。でも良く働いた。朝の8時から夜中の2~3時まで夢を食べて働いていた。その時思った事は気合と根性だけでは現状を変えることは出来ないという事。気合いと根性は大事だけれど。あの頃のようには今の私は働けなくなったなぁ~。

そんな私は多くの才能ある人たちと知り合い、その才能のエッセンスを吸収し反芻することで少しづつ鞄職人の体をなすようになっていった。しかし生活は楽にはならない。少し上向きになると、私は自分の器以上の夢を求めて、また元のもく闇。その繰り返しの悪循環。「心の貧乏人にはなりたくない!」とハミは言った。それが金欠独立系鞄職人の家族の家訓でした。

ハミのモノ作りの才能は認めていたけれど、私自身の夢が大事でハミの事は後回し。ハミが好きな鞄を作れるようになったのはつい最近。それまで、私の我儘に振り回され続けた年月でした。

才能ある若い独立系鞄、靴、革小物職人の人たちから刺激を受けながら、私たちも頑張っていこうと思う。私たちが独立系の鞄職人として始めた頃は、他の皆も手作り鞄の領域で作っていて、それだからなんとか才能なくてもやる気があればやっていけた。今の若い人たちはその頃の私たちに比べて高いレベルでモノ作りしている人たちが多いことに驚かされる。

ル・ボナーに来店されて、普通のお客様と違うバッグの見方をしている方を見かけます。きっと同業者だと思うのだけれど、名乗らず帰られる事が多い。名乗って欲しい。そしたら革の事、鞄の事色々話しましょう。接点を持てれば、お互い刺激を受ける事ができるじゃないですか。

75歳で現役の美容師をしているル・ボナーのお客様がおられます。生き生きとした可愛いおばあちゃんです。長く作り続けることが大事だと思う。鞄職人として人生全うしたいと願っています。長く続けることが支持してくださるお客様たちへの最大のサービスだと思う。何十年かぶりで思い出して訪れた時、思い出のままの形でお店が存在していた時、幸せな気持ちになれると思うから。
そのためには、後世になってから名を残す芸術家ではないのだから、楽しく仕事を続けられるぐらいのビジネスプランを持って作り続けて欲しい。30年遠回りしたバカな先輩からの一言。

2008年4月 4日

手縫いの時計ベルト

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今時計ベルトをまとめて作っています。
時計ベルトは基本的にル・ボナーの製品のアイテムには入れないと決めていました。
自分用の時計ベルトは少しだけ、休日を利用して作っていましたが。
でも時計好きの何人かの顧客に頼まれて、今回特別に作っています。
だって1か月に一度の普通のベルトのオーダーで精一杯。
それに時計ベルトも加わると、カバン作る時間が少なくなってしまうから。

当然この機会を利用して自分の時計ベルトも作っています。
趣味と実益兼ねて、もう一頑張り。


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時計ベルトは作りは単純だけれど、その限られた形の中に個性を表現するところに面白さがある。
斜め漉きと芯に使う革の微妙な山型の形状で、独特のふくらみを生み出すところが面白い。

それを手縫いで仕上げます。
ミシンで縫ってしまえば早いのだけれど、時計ベルトにこだわりを持つ人は手縫いを好む。
手縫いは時間はいっぱいかかるけれど、やっていて楽しい作業。
単調な繰り返しをリズミカルにこなす作業は飽きないし面白い。

ただ手縫いは時間がいっぱいかかる。
時計ベルトの手縫いの距離は短いけれど、細かなステッチ。
1寸12~13目の菱目打ちで当たりをつけ、菱切りでステッチ穴を切り、手縫いして時計ベルト1本1時間半かかります。ミシンだと1分かからないで出来る。


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私は時計が大好きです。それもブレスではなくて革のベルトの時計が好きです。
永遠を感じさせる硬質な時計を包み込むように、柔らかで滅びの美学を持った革という素材がその永遠を引き立てる。そのバランスが私は良いと思っている。

ただ革の時計ベルトは毎日付けていると1年持たない。夏が特に鬼門です。
汗をかく季節に付けなければ何倍も寿命が延びる。
ただ私のように夏も革ベルトでないと嫌だという時計好きは困り者。
そんな革ベルト偏重時計好きは、何本かの時計をローテーションでつけると良い。
ただ、外した時は水拭きが重要。汗に含まれる塩分が革には大敵。
濡れタオルで塩分緩和が長持ちの秘訣。

あと半分の数の手縫いをして、コバに染料塗って磨き上げれば出来上がり。
熱ネンも忘れずコバとステッチの間に入れないと。
出来上がったら、どれとどれを自分用に使おうかなぁ。

2008年4月 2日

ボウラーハット礼賛

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高級時計専門誌「TIME SCENE vol11」がライターのN氏から届いた。
この雑誌はライターのN氏が全力投球で書いている時計専門紙で、一昨年のバーゼル・ジュネーブサロン特集号の、読者もその現場に参加しているような臨場感を持った誌面作りに魅力を感じて以来、私の愛読誌となりました。

今回のvol11ではpen and message.の紹介記事が載るというのは知っていて、時計雑誌で万年筆屋さんをどういう風に紹介するのか興味津々で見ると、あれれ~私も登場してるではないですか。私も出るなんて聞いてなかったぁ~。まあいいかぁ~。

それにしても時計専門誌だのになぜ私たちが。ギター作りしている職人も紹介している。あれぇ~表紙に今回から、歴史・人・モノのすべてを表現する”総合時計文化誌”なんて上の右端に付け足して書いてある。つまりライターN氏の趣味全開の誌面へと変貌していくということか。

ボウラーハットの紹介記事もあるではないですか。
全然流行っている訳ではないけれど、N氏と私にはマイブームのボウラーハット。


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私は現在冬は、このイタリア製のグエラのラビットフェルトのボウラーと、ボルサリーノのベレーとハンチング。
特にボウラーは出張時の必需品。前回の東京出張の時、N氏と共にボウラー被った二人のオヤジは、街行く人たちには奇異に見えたかもしれないけれど、ボウラーは新しい世界を切り開く~?。


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その時渋谷で二つのボウラーを購入。ウールフェルトの日本製だと1万円以下で購入可能。
ハミが私もグレーのボウラーが欲しいというので購入したのに、この冬は一度も被らなかった。
似合うと思うのだけれど、被るのは少し勇気がいるようであります。
チョコのボウラーは私用、来年の冬のメインはこの帽子になるのかな。

ボウラーハットに興味を持った人はタイムシーンvol11を見てください。
ライターのN氏が詳しくボウラーの魅力を、マイボウラーの写真と一緒に解説しています。
来年の冬はボウラー被って街を闊歩している人が増えていると楽しいなぁ~。


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もうすぐ冬の帽子は終わり。これからはパナマ帽の季節に突入です。
それとメッシュのベレー。夏の必需品。
ストローハットでボウラーがあれば良いと思うのだけれど、ないよなぁ~。

今ライターのN氏はスイスへ。
バーゼル・ジュネーブサロンの季節なのです。15年連続での取材です。いつもハードスケジュールで、年に一度のオールナイトの文化祭のノリで取材です。頑張ってくださぁ~い。
スイスへのお供の帽子はやっぱりボウラーハットですか?。

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