一生モノ図鑑という特集記事のお題目につられて雑誌「BE-PAL」を久しぶりに買った。
私は神戸に来るまでは、アウトドアーズマンでありました。
キャンプ大好きで、家族や友人たちとよく信州あたりを徘徊していた。
アウトドアな一生モノは合理的で質実剛健。
極貧時代の20年少し前に、神田のサカイヤスポーツで特価25,000円の値段につられて、
なけなしのお金で買ったウォーラスの傑作テント「オービット」は、
使う回数が少ないこともあるけれど、まだまだ現役です。
その他ランタンも、ストーブも、寝袋も、リュックもいつでも現役復帰可能です。
そんな事を思いながら、ビーパルに載っている品々を見ていてバックパックに目が止まった。
アウトドアバッグのロールスロイスと誰かさんが言っていたグレゴリーの
多機能で人間工学を配慮したインナーフレームの容量80ℓのリュックが44,100円。
多機能でもデイパックだと10,000円以下で手にいる。
海外の人件費の安い地域で作ったとしても、
ナイロンその他合理的に作ることが出来る素材のみで作ったとしても、
この価格に絞り込むことの出来る工業的生産システムには脱帽です。
合理的に考えると、鞄はこういった生産方法で安く作った品で十分事足りる。
それに比べて革カバンは非合理的です。
用途を満たすだけならもっと安くて十分なカバンは色々あります。
でも私たちの作る非合理的な革カバンを欲しいと思っていただける人たちはいます。
革靴も同じことが言えることを知った。
私は50歳を越えるまで革靴は冠婚葬祭の時、
友人から譲り受けたマドラスモディーロやリーガルを履く程度で、
アディダス・カントリーかナイロン製のウォーキングシューズしか日常履かなかった。
それが何を思ったのか、50歳過ぎて革底の革靴を仕事の時も履く様にこの頃なったのだけれど、
そのことでスニカーしか履かなかった時代には経験しなかったアクシデント?に見舞われた。
足の裏がこるのだ。最初メタボが原因で足裏に負担がかかっていて、
これは糖尿病の前兆ではなかと心配していたのだけれど、
日々革靴を履いている人に聞いてみると、革底の革靴を履くと皆そのこりは経験するという。
いくら高いお金を出してオーダーで靴を作ったとしても、その事は同じだと。
つまり足には1万円以下で買えるアウトドアスニカーの方が優しいのだ。
それでも革靴に強い魅力を感じる人たちがいる。苦痛をも乗り越えて。
革鞄にしても、革靴にしても、それって何なんでしょう?。
合理的に作られた品では満たされない人たちがいる。
そういう人たちがいてくれるから、私たちのような非合理的な独立系職人も存在出来る。
私たちも頑張り続けられる。
字を書くなら100円で3本のボールペンで十分なのに、万年筆が好きなのも、
時を正確に知りたいのならクォーツ時計で十分なのに、機械式時計が好きなのも、
論理的に考えれば無駄な不条理をエンジョイしているのかもしれない。

昨日I先生ご夫妻が来店された。
I先生は万年筆大好き人間であり、革好きでもおられる。
なぜなんだろう、私の知っている万年筆愛好家の皆様の多くが、
革製品にも造詣が深ぁ~い。この関連性を論理的に説明できる人は誰かいませんか?。
私は知りたい。
I先生は前の日は、ディープな万年筆愛好家が集まるワグナーの集会が名古屋であり、
森さんに3本の万年筆を調整していただくために行かれたという。
(ということは、また3本増えたとということか。怖い、怖い~。)
その神出鬼没のフットワークに唖然とするボンジョルノでありました。
そこで私のブログに時々投稿していただく夢待ち人さんとも会われたそうであります。
夢待ち人さぁ~ん。是非一度ル・ボナーにも来てくださ~い。お待ちしていま~す。
I先生は今回もいっぱいの万年筆を持ってこられた。
ペリカンのシャルロッテも6本のトレドも、それに最新のM800デモンストレーター他色々。
でも話の中心は2本のパイロット70周年。
ハミはこの70周年を見て「オノトのマグナですか?」と。確かに似ている。
いつの間にかハミも万年筆について相当詳しくなっていることに驚く。
この70周年の書き味面白い。
私の持っているパイロット・ジャスタスに似た柔らか書き味の前期型と、
切り割が開いてインクフローが不安定になるからと、定番の10号ペン先に変更した後期型。
私は欠点があっても前期型の方が好きだなぁ~。
それにしても一昔前のパイロットは面白い万年筆を色々作っていたなと感心する。

写真中央のウルトラは、技術力の表現とコストとの相克から生まれた稀有な万年筆だと思う。
万年筆がますます面白いなぁ~と思っているボンジョルノであります。
何をとりとめもなくまとまらない文章を、長々と私は書いているのだ。
本題はどうしたんだぁ~!。少し興奮気味であります。ではいきます。
あれぇ~?。
なぜI先生は、私の恋い焦がれているアウロラの85周年レッドを2本もお持ちなのですか?。
もしかして、1本は~なんて感じで後編へ。
コメント (8)
いよいよきましたね・・・。
ティーザーキャンペーン、ですね。関係ない記事を読んでいると、なぜか赤いものが目に入る・・・。
赤いものを人に譲ったすぐ後に、別の赤いものを手に入れてしまった私です。
http://panasy.blog.eonet.jp/kumamekuri/
投稿者: つきみそう | 2008年09月17日 22:46
日時: 2008年09月17日 22:46
Re:つきみそう さん
知らなかった。ブログ書かれていたんですね。中屋の赤溜は私もず~と、レッドより前から狙っている1本です。でも今はレッドがあるからしばらくは静かにしておきます。本当にありがとうございました。
投稿者: ル・ボナー松本 | 2008年09月17日 23:40
日時: 2008年09月17日 23:40
旅は、旅そのものより、出発までの準備の時間が楽しいのです。
出発してしまうと、ただ行程をこなすだけで、「出発前のわくわく感はどうしたんだ」ということがよくあります。
手に入れてしまうと、確かに嬉しいのだけれど、何か寂しい気持ちになりませんか?
人はその寂しさを紛らわすために、次のターゲットへ向かうのであります。
投稿者: ひろなお | 2008年09月18日 00:26
日時: 2008年09月18日 00:26
Re:ひろなお さん
まだ大丈夫です。でもその気持ちよく分かりますが、今はそんな風には考えないようにしてます。新しい何かを求める旅がまたはじまるのでしょうか?。
ひろなおさんのレッドを見たのが始まりでした。1年少し経ったんですね。
投稿者: ル・ボナー松本 | 2008年09月18日 00:34
日時: 2008年09月18日 00:34
まっ、まさかアウロラ・レッドを入手したのですか??もしそうだとしたら人生の目的の大半が手に入ってしまったことになりますよねえ。抜け殻のようになってしまうのでは…。鶴首して後編を待つことにします。
ところで、革鞄にしても革靴にしてもボンジョルノさんのおっしゃる通りキャンバス地のカバンやスニーカーの方が合理的だし楽ですが、敢えてそうしないのは「やせ我慢」が自分を満たすことに気付いてしまったからではないかと考察します。合理性や利便性に長けた最近の日本車よりも欠点だらけでもアルファ145に乗り続けるように。そしてこの「やせ我慢」にモノはやがて応えてくれるように思うのです。さらには「やせ我慢」から自分を解放してしまうとその途端に自分を見失うようなボンヤリとした不安を感じます。
ただ、非合理的な愛すべきモノを身につける時、自分とのギャップを極力縮める努力は必要ですね。素晴らしい万年筆を持っているけれど、書いた字はミミズが腸捻転を起こしたようではいただけません。キーワードは「凛々しさ」。肝に銘じることにしましょう。
投稿者: pretty-punchan | 2008年09月18日 08:02
日時: 2008年09月18日 08:02
こんにちは、名前まで出して頂いて光栄です、是非お邪魔させて頂きたいと思っております。つきみそうさんにお会い出来た事、ボンジョルノレッドの調整に立ち会えた事、とても嬉しかったです。ルボナー鞄が人を引き寄せ萬年筆が縁を取り持ちレッドで語り合えるとは楽しい限りです。また鞄が欲しくなってまいりました。
投稿者: 夢待ち人 | 2008年09月18日 08:32
日時: 2008年09月18日 08:32
夢待ち人さんのコメントを読むとついに手に入れたのですね。おめでとうございます。14日に行ったときにはレッドはなかったですよね。この2,3日の間にボンジョルノさんの人生は大きく動いたのですね。うらやまし~。
ベルト毎日使っていますよ。気分も新たにシャキッ、としますね。ありがとうございます。
個人的な質問で申し訳ないのですが、ベルトの革とバックルの素材は何でした?
投稿者: tsugu_u | 2008年09月18日 10:06
日時: 2008年09月18日 10:06
Re:pretty-punchan さん
やせ我慢の美学と効用かぁ~。いい事言いますね。ただプントと145は大差ないと思います。
ペン習字やろうかなぁ~。
Re:夢待ち人 さん
是非遊びに来てください。
見れば見るほどやはりレッドは素敵なデザインだなぁ~と強く思う次第であります。アウロラの歴史の中で特別な存在として残るであろう万年筆ではないかと思っています。今日アウロラ80周年をpen and message.で見ましたが、やはりレッドの方が私は好きです。
Re:tsugu_u さん
そうなんです。ついに入手できました。15日の午後に私のところに突然。嬉しいやらびっくりするやら。少しの間浮気心は起きないとおもいます。
メールのお返事まだ書けないでいてごめんなさい。あの革はスエーデンでなめされた超ビックサイズの成牛の革で、「タウラス」という名です。それとバックルは溶接せずに1枚の板から削り出した真鍮(ブラス)をコーティングせずに磨き上げて作った品です。すぐエージングしますので、それを楽しむのも良いし、磨きながらピカピカ状態で使うのも良いので、お好きに楽しんでください。
投稿者: ル・ボナー松本 | 2008年09月18日 14:08
日時: 2008年09月18日 14:08