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愛すべきポンコツライターが残った

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1940年代のイギリスのオーリック社のマッチレスというライターです。
ル・ボナーの顧客でもあるライターコレクターのS氏から、
500以上のライター調べたら重複するのがあったので差し上げると言われ私は喜んで頂いた。

見れば見るほどこのライターが魅力的に思えるボンジョルノです。
手先の不器用なイギリス人が腕力勝負で作った感じは決して洗練されていない。
蝋付けだって素人レベルで、部品一つ一つの仕上げも雑な感じ。
60年以上の歳月を使われ続けて、角は削れ
シルバー色のメッキはところどころ剥げて真鍮の地肌が露出している。
しかし手作りチックなこの無骨なライターが愛され使われ続けたことで、
経年変化が味わいを増幅しているように私には思えた。

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今まで私はダンヒルとデュポンの2つのオイルライターを使っていた。
ライターとして素晴らしく洗練されていて、申し分ない高いレベルで仕上げられたライターです。
それに比べてこのオーリック社のライターは未完成で雑な作りです。
でもそのポンコツだけれど持った瞬間愛しい思いを私に伝えた。
これはいったいどういうことなのか?。

私はこのライターを見ていると色々な事を感じる。
オズの魔法使いのポンコツロボットとか、ジブリの天空の城ラピュタを守る花を添え続ける古びたロボット兵とかがまず想像できて、
もっとじっと見ると60年以上前のイギリスの鍛冶屋然としたライター工房の不器用だけれど一生懸命作っている職人さんを思い描くこともできる。
他にも色々想像出来る余白があちらこちらから見え隠れするタイムマシーン。

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私は鞄作りをする職人で、より精度のあるダンヒルやデュポンのライターのような完成度を持った鞄を作ろうと思い続けてまだ道半ば。
オーリックのライターのような味で勝負する鞄は作ろうと思わない。
でも下手くそだけれど作り手の思いを60年後にも伝え続けるモノに対して嫉妬と憧れを感じるボンジョルノでありました。
私の宝物がまた一つ増えました。

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コメント (2)

エアコンマン:

これはもう、「器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神と号すと云へり」の世界ですね。
根付けの「やれ」とも通じるかな。

Re:エアコンマン さん

そんな部分は全然見せないけれど、文化的教養をお持ちの人だとは徐々に認識しておりましたが、この言葉は良いですね。私はガラクタと人は思っても消耗品でない付喪神(精霊)をやどしたモノが愛おしく思えます。

                         ル・ボナー松本

pretty-punchan:

ジッポーに比べ合理的なつくりではないし、ジッポーほど風に強くもなく、ジッポー並みにオイル抜けはするけれど、ジッポーの比ではないソリッド感に、なによりも愛すべき表情を見せる掌の相棒です。仲間内ではマッチレス(比類なき)というネーミングを笑いながら許しています。お気に召してなによりです。デュポンやダンヒルには無い愛すべきお間抜けさもヴィンテージライターの魅力のひとつです。万年筆や時計も同じでしょ?

Re:pretty-punchan さん

頂いた時感じた印象よりも使ってまじまじと見たとき益々好きになってしまいました。本当にありがとうございます。

万年筆や時計はここまで角が使い続けたことによる磨耗がはげしく、メッキが剥げれた状態になったら厳しいでしょうね。その点この状態ゆえに味わい深く感じられるライターの魅力というものが少し分かったように思います。思いますがライターはこれで十分です。怖い世界だということもわかりました。頑張ってくださぁ~い。

                         ル・ボナー松本

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2009年02月10日 22:32に投稿されたエントリーのページです。

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