2010年1月アーカイブ
2010年1月31日
1月最後の日曜日の二人は仕事モード
1月最後の日曜日は雨降る一日。
お客様たちも少ないし、チャーはまたまた体調不良で大人しくしているし、
静かな一日でありました。
そしてル・ボナーの二人は鞄作りに集中した一日となりました。
ハミは一時中断していた学手風鞄の製作。私はやっと集中して太ダレス作り。
2台の革用アームミシンTE-2も同時稼動。
気持ち良いリズムで半回転上下送りのマシンは走る。
ボビンケースが半回転して、押さえが上下送りのミシンは、
現在では作られていないタイプのミシン。
色々なミシンを使ったけれど、私たちはしっかり絞ってくれるこのタイプのミシンが好きだ。
ハミの作っている学手風鞄も縫い終わり、あとコバの処理を終えれば、
部品を装着してネイビーとワインの少しマチ巾のある学手風鞄完成。
その後あと黒で2本残っていて、まだまだハミの学手風鞄作りは続く。
私もまだまだ太ダレスの製作は続く。
あれやこれやと、色々な仕事を学校の時間割のようにこなす事が苦手な二人。
今日のように集中して鞄作りに集中出来た日は、充実した心持ち。
二人は会話も少なく黙々と手を動かし続ける。そんな一日が愛おしい。
2010年1月28日
ボンジョルノのバウハウス
私の趣向は、イタリアの装飾性過剰であったり、昭和のレトロ風だったり、どこかアナログなデザインの品が好きだと思っていた。まったくもってその通りだ。
しかし新品で購入した品々を見てみると、少し傾向が違っているではありませんかぁ~。
新品で購入した唯一の時計はSTOWAのこのアンテア。
昨年購入した唯一の新作万年筆はラミーのダイアログ3。
その上機種変更して手に入れたiPhoneは、全然機能を使えてはいないけれど、このフォルムが大変気に入っているボンジョルノでありました。
そして共通するのは何かと考えると、それはバウハウス的デザイン思想。
そうなのだ。私は普段使うモノは、バウハウス的なモノに居心地の良さを感じるのであった。
やらなければいけない仕事はいっぱい抱えていて、休みの今日も仕事に出ています。
そんな私だけれど、仕事の傍ら頭の中はバウハウス的な革製品のカタチを創造している。
試験前の学生が、目の前の試験勉強から逃避するため、急にいつもはしない部屋の掃除なんかし始めるのに似ていると言えば似ているけれど、私は大人?なのでちゃんと目の前の仕事もやっています。
いっぱい創造出来て、夜それをノートにデッサンする。煮詰め込んでカタチに出来たら新しいル・ボナーをトータルに表現出来ると思うとワクワクします。
ル・ボナーのバウハウス的デザインフォルムの革製品が登場するのは今年下半期か。
その前に目の前の抱えている仕事をこなしていかないといけないボンジョルノでありました。
(追伸)
マイGR DIGITAL Ⅲのグリップ部分の張り替えをまたやった。
知り合いがGRDⅢ友の会?に入会したので張り替えてあげることにした。
贅沢にも黒のエレファント革を指定。やってみると良いではありませんか。
なので私のGRDⅢも黒のエレファントに決定。
いやぁ~良い。これでいきます。
2010年1月27日
先行してシュランケンカーフのデブ・ペンケース
仲間のお店のPen and message.さんや分度器ドットコムでも好評なデブ・ペンケースです。
先行してシュランケンカーフのスカイ、オレンジ、バイオレットが出来上がりました。
ブッテーロのデブ・ペンケースは来週初めには色々な色で登場します。
今回生産分の大部分はP&Mさんと分度器さんへと旅立っていきますので、
すぐにリピート生産準備中。
それまではル・ボナー店頭は品薄状態。
このカタチは作り始めて30年が経ちました。これもル・ボナーのカタチです。
他のところからまるで同じカタチで登場している。
真似るにしても少しは変えるとまだ許せるけれど、そのままはダメでしょう。
それにしても残念な出来事がいっぱいです。でもル・ボナーは負けません。
今店頭にあるデブ・ペンケースはこの6種類。
来週初めにはもう少し増えます。
春には銀座の「C,O,U.」さんにもこのデブ・ペンケースは並びます。
心許せる仲間たちと関わりながら、豊かさ伝えられるカタチを想像してゆきたいと思っています。
2010年1月25日
カトウセイサクショカンパニー
私を万年筆の迷宮へ案内したのは古山万年筆画伯です。
4年ほど前ル・ボナーを訪れた画伯は、1本は万年筆を買うといいよと勧めたのが「カトウセイサクショカンパニー」の加藤清さんが作る万年筆だった。轆轤で軸を成型する手作りでありながら安い。「今買っておかないと後悔するよ」なんて言われその気になった。
画伯の書いた「万年筆の達人」は読んでいた私は、加藤さんは知っていた。
アラブの万年筆の父と呼ばれ、ヨーロッパでも今はれっきとしたブランドに成長したイタリアの「ビスコンティ」の創業時に加藤さんは加わっていた。まさに世界を相手に万年筆ビジネスを展開した凄い経歴。70歳過ぎてから自身で轆轤を挽いて軸を成型した筆記具を日本国内で製造販売するようになった。
それもその手作り万年筆が鉄ペンだと6000円程度で入手出来ると言う。
私は早速三宮にあった細長い、まさにペンシルビルと呼ぶにふさわしい、今はないナガサワ本店ビルの5階の万年筆売り場へと初めて足を運んだ。
そこで接客して頂いたのが現P&M店主の吉宗さんだった。
私はカトウセイサクショカンパニーの14金ペン先の万年筆を12,000円で入手した。
その万年筆1本で満足していれば良かった訳でありますが、そうはいきませんでした。
その後色々な万年筆が増えてゆき、戦後の昭和を感じさせるセルロイド軸のカトウセイサクショカンパニーのペンも増えていった。
最初に購入した万年筆は現在、JICAの仕事で南米のコロンビアに行った卓袱堂の卓ちゃんが持っている。
加藤さんが作った万年筆の中で特に気に入っている万年筆がこれ。
ビスコンティ創業時に作った「ポンテ・ベッキオ」とまるで同じ形。
その上カトセイサクショカンパニーの万年筆には珍しいピストン吸入方式。
少し高級なカトウセイサクショカンパニーだ。
しかしこの吸入方式を内蔵している事が問題で、よくインク漏れする。
イタリアに行った時持って行った万年筆の中で唯一飛行機の機内の気圧で噴いた。
でもそんな問題点も加藤さんが作った品だと思うと愛嬌と感じる。
そんなセルロイド軸のペンたちを作り続けた加藤清さんが素敵に生きて昨日亡くなった。
「俺の人生楽しかったなぁ~」と思いながら終わりたいと私は願っています。
最後は市井の万年筆職人として終えた加藤さんの一生は素敵だったと私は思います。
私の憧れの生き様です。
久しぶりに加藤さんの作った万年筆使って書き綴る。
やはり加藤さんの作った万年筆は、私にとって特別な万年筆だ。
ご冥福を心からお祈りいたします。
2010年1月24日
マイカメラはボンジョルノ仕様
ル・ボナーのお客様が持っておられた「ツァイス イコン」。
銀塩カメラに憧れます。良いなぁ~と思いますが行けません。
でも格好から入る私には惚れ惚れする雰囲気持ったカメラです。
ここのところカメラが大変面白いと感じているボンジョルノであります。
格好から入る私ですから、今持っているGR DIGITAL Ⅲも、
少しでも私仕様の雰囲気だけは特別感あるカメラに変身させれば、
写真の方も上達するのではないかなんて思ったりするけれど、
なかなかそうはいかないのが現実であります。当たり前ですよね。
でも半端の革はいっぱい持っている立場を利用して、飽きもせず変更し続けています。
本体グリップ部分もバッファロー革に変更。
良い雰囲気になりましたが、なんか納得出来なくて~。
次に吟スリシャークに変更
でもハミが好きじゃないなんて言うものだから
今はすっきりシュランケンカーフのトープ色。
まだ納得出来ていないから、また変更し続けるでしょう。
そんな風に外観はそれなりに着飾る事は出来るけれど、
GRの広角21ミリは、やはり奇跡の1枚すら写せていない。
しかし負けません。見つけ出します。
GRDⅢで私好みの写真を撮る方程式を。
私の好みの写真は抜けの良い写真ではない事が判明した。潤いが感じられる写真が撮りたい。
すっきり撮れなくても、みずみずしさのようなもの感じられる写真が撮れたら満足。
今日の朝もそれを意識してGRDⅢで撮ってみた。でも28ミリ。
朝焼けの空が美しくて自宅のベランダから。
朝からしっかり食べる松本家。ベーコンとアスパラの炒め物がすきっと撮れた。
3枚中この写真が私好み。
でも愁いのようなものが撮れないと感じてしまう、カメラ初心者のボンジョルノ。
それに比べ、一時代前のデジタル一眼のキャノン10Dだと、
カメラ初心者の私でも時々自分好みの写真が撮れる。
それはなぜなのか?。
でもって10Dも革に貼り替えた。こちらは濃いブラウンのバッファロー。
益々このカメラに愛着感じるのでありました。
しかしこのカメラを、先日行われた「星を見る会」の時落下させてしまったぁ~。
レンズトップに装着していたフィルターは木っ端微塵。
しかしそれ以外外観的には大丈夫だった。
なので撮影しようとしたら、これが大丈夫ではなかったぁ~。
私が一番気に入って使っている50mm1,4の短焦点レンズが、
自動でも手動でも焦点を合わせる事が出来ない。
私は動揺し星を見るどころではない有様。
翌日すぐにキャノンお客様相談室に連絡したら、修理可能との言葉にやっと一安心。
今度休みが取れる日に、キャノンの修理センターに持ち込む事にします。
その時10Dの本体もメンテナンスして頂こうと思っています。
これからも長く付き合って行きたい愛しの10Dも10年選手。
今年一年間無事に仕事が出来たら、
自分へのご褒美としてフルサイズのキャノン5Dなんて考えたりしている私ではありますが、
今持っているこのカメラたちも、ボンジョルノ仕様の外観だけではなく、
ボンジョルノ好みの写真が撮れるようにしたいものだと思っております。
それに応えてくれるだけの十分なスペックを持った2台ですから。
2010年1月22日
只今名刺入れ裁断中~!
年明けから休まず仕事をしている二人です。
作業し易いように工房は変身させて良い感じだけれど、一つの事に集中して作業が出来る状態ではなくて、しなければいけない仕事を書き出してみるとただ唖然とするばかり。
私は太ダレスを、ハミは学手風ブリーフケースを、それぞれ作っているのだけれど、まずは自分だけで完結する仕事は後に回して、共同作業で作り上げる品の、私たちがしなければいけない部分を済まさないと、組上げをお願いしている職人さんたちの作業が始まらない。セカンド生産に入る「ディプロマ」のパターンの修正と革その他材料のチェックと指示書の作製。今回は背胴のトップ部分に補強のベルトを縫い付けるのでその変更した型紙を作り、それとコバ部分に巻く革の処理方法の検討。
それと多くのお客さまに待って頂いている名刺入れの裁断もあった。
休み返上で名刺入れの裁断作業。
今回名刺入れは今までのブッテーロ以外に、シュランケンカーフ、クリスペルカーフ、バッファローでも色々な色で作る事にしました。その結果いっぱい裁断するこになりました。
鞄は基本的に手裁ちしているけれど、革小物の裁断は裁断機を使う。どちらにしても革の繊維の方向は考慮して裁断する必要はあるけれど、手裁ちでも裁断機使っても出来上がった品に差は出ない。
私の職人人生より長く動き続けるこの裁断機は、昭和の風情があってお気に入りのマシーン。
前回の修理を経て、元気そのもの。私の寿命より長く動き続ける気配濃厚。
今回一番裁断するのに苦心したのがこのバッファロー。
キズ多い革だのにシボが深くて見損じそうになる。
中央の部分がキズです。老眼が進む私たちにはチェックが大変。
こっちはもっと分かりにくいキズが中央部分に。
その上革小物の場合ル・ボナーでは、0・3ミリ割の革の2枚べた貼りを多様して作るので、名人漉き割り職人の山西さんに頼んでいても、シボの凹凸が深いこのバッファローを0・3ミリで割ると割り損じの確率が高くなるので、それどれの部品は予定数の倍裁断しておかないと不安。
普段は作業机での座り仕事の多い私ですが、太ダレスの貼り込みや革小物の裁断が連続して、立ち仕事が連続してる。立ち仕事の合間の休憩時に「よっこらしょ」と椅子に座って一服する時、充実感を感じるボンジョルノでありました。こんな感じで2010年は4月までノンストップのル・ボナー。
あぁ~そうでした。分度器ドットコムの谷本さんの世界一周バイヤー投票の順位が、締切間近かになって最終面接に残れる20位を切ってしまっています。一時皆様の応援のおかげでベスト10突入寸前で安心していたら、いつの間にやら非常にまずい状況になっているではありませんか。あと4日です。1日1回の投票宜しくお願いいたしまぁ~す。谷本さんが世界一周バイヤーに選ばれた暁には、私はイタリア編のみ勝手に乱入する予定にしております。皆様応援宜しく切に切にお願いいたします。
2010年1月19日
2010年最初の「星を見る会」
寒波到来中の日本において、神戸も例外ではない。
そんな中恒例の「星を見る会」が決行されたぁ~。
今回は少し高等な趣向でオリオン星雲を見ることになった。
そのためいつものル・ボナー店舗前では明る過ぎて、
暗がりを求めてメンバーは彷徨い求めた場所は、
六甲アイランド最南端マリンパーク近くの暗がりだぁ~。
今回はいつもの高価そうな電動天体望遠鏡ではなくて、
組み立て式の相当大きな反射望遠鏡。
組み立て終わりさぁ~初めて見るオリオンの星雲を堪能しよう~。
見ると思ったよりやはり小さい。天体写真で見るオリオン星雲を想像しながら星空のロマン。
今回はいつもの「中高年星空探検隊」メンバーに加えて、
P&Mのお客様2人が加わって総勢7人の「中高年星空探検隊」に拡大した。
ただここは六甲アイランドの中でも端に位置する辺境の地だし、冬の寒い時期だから、
いつものように通りすがりの人たちや近所のお店のひとたちの途中参加はなかった。
大きな双眼鏡は今回も活躍。
しかし天体素人の誰もが「おぉ~!」と感動する月は、西に沈んでしまって見れない時間。
ハミは星空に夢中なので、私がチャーの子守り。
しかし私も見たいからと杭に繋ぐと、うるさく吠える困ったチャー。
「あぁ~!流れ星~!」スタッフK女史の叫び声。
10時近くなったので機材を撤収してお開き。
夕食も食べずに缶コーヒー1本で楽しんだ2時間弱の星空と戯れる時間。
次回はどんな「星を見る会」になるでありましょうか。
2010年1月17日
阪神淡路大震災から15年
15年前の1月17日も今日と同じような夜明けだったように記憶している。
15年前のこの日だけは老人性痴呆症気味の私ですが忘れた事がない。
多くの人が亡くなられ、多くの人が傷つき、
そんな日々の中で助け合ったその後の数年間が、
私たちの神戸に対する思いを特別にした。
私は今、神戸が大好きです。
この地で多くの親しい人たちと一緒に楽しく生きてゆきたい。
そして神戸の仲間と一緒に、何かカタチ残したいと思っています。
あの日以後の日々を思い起こしながら、
自分がしなければならない事、自分がこの地ですべき事、
色々考えを新たにさせてもらえる日です。
震災の数ヶ月前まで住んでいた芦屋の借家にあの時も住んでいたら、
私たち家族の誰かは生きていなかったと思う。
それを思うと、亡くなった人たちやその家族の人たちの悲しみは人事には思えない。
1月17日の日は自然と明ける空に向って黙祷する二人です。
亡くなられた人たちの分まで、神戸の地で前を向いて生きてゆこうと思う二人です。
2010年1月15日
ル・ボナーの革製品のメンテはスパルタ式
ル・ボナーでは革のお手入れとして、革表面の埃や汚れを水拭きして取り除いて、その後乾拭きないしはブラッシングを勧めています。革に水拭きと聞くと多くの方が躊躇される。革のメンテ方法として水拭きを今まで勧められた事がなかったから。全ての革にその方法が正しい訳ではないけれど、ル・ボナーで扱っている大部分の革に有効だと私たちは思っています。
革を長く良い状態で保つには、革の繊維の気孔の空気の出入りがスムーズであるべきだと思っています。汚れがその気孔を埋めないように、水拭きして汚れを拭き取る。また皮革オイルを多く加えることもその気孔を塞いでしまう事になります。その気孔での空気の出入りが革を活性化させて長く良い状態を保つ事が出来ると考えています。寒布摩擦のように、あまり水を与えずに作る作物のように、革とも愛情持ってスパルタ式に接すると長く付き合って行けると思うのです。
表面を顔料で厚塗りした革や表面コーティングした革は、最初の数年は傷付きにくくて丈夫な革だと錯覚しますが、気孔が埋まった状態なので空気の出入りがなくて寿命は短い。長く使っていける革はなめしがしっかりしていて、気孔での空気の出入りが十分出来る革です。ただそういった革は傷付きやすい。使い手のお手入れ具合によっても左右される革でもあります。使い手の日々の接し方次第で永遠を信じる事が出来ますが、良い状態をキープするには使う人の手入れは欠かせません。
ル・ボナーの定番で使っている革の中で特に、クロームなめしのクリスペルカーフとタンニンなめしのブッテーロは傷は出やすいけれど、接し方で永遠の可能性を持った革の双璧です。
そんな使う人の接し方で大きく差が出るブッテーロ革の製品を日々使って頂いているお客様の中でお手入れ名人が何人かおられる。
その中のお1人が毎日使っておられるグリーンのブッテーロ・天ファスナーブリーフケース。
新品時よりも魅力を増した鞄に成長している。どんな風に日々お手入れされているのかと尋ねると、満遍なくハンカチで乾拭きしているだけだと言う。
同じ方が使われているブッテーロのデブ・ペンケースのように、小さなサイズの革製品なら、満遍なく磨き上げるのも出来るかもしれないけれど、鞄の大きさになると満遍なく磨くのは大変だ。でもその大変なお手入れを持続すると、こんなに素敵な状態で進化してゆく。
ブッテーロの場合、爪キズなどは出やすいが磨き上げることで収まる。厄介なのは雨粒の点々。これは汚れを含んだ雨粒がしみ込んで、その後水分は乾いて汚れだけが革の内側に残って生じる。これも水拭きを繰り返し汚れを緩和させる事で、徐々に消えてゆく。そんな風に接しながら添加物加えないで日々の乾拭きと時々の水拭きだけでお手入れすると、お手入れと正比例して美しい光沢が増してゆく。そして寒布摩擦した肌のように、革の表皮も強く締まって、寿命も延びてゆく。
革は表皮がパサパサになりひび割れが生じ始めると、復元力失い寿命だ。その状態になると革が持つ特性である弾力性も復元力も再起不能になってしまう。そうならないために、革が本来持っている潜在能力を刺激しながら手入れして使うと、何倍もの寿命を生き続ける。
良い革は、
革と会話しながら過保護にせずに、
愛情持ってスパルタ式に接すると、
素敵に成長してゆくのだと思っています。
2010年1月13日
台湾の雑誌に「ディプロマ」が載りましたぁ~
ジャガー・ルクルトのブランド名が入った封筒が届いた。
誰からだろうかと見るとライターN氏からだった。
開けると中には台湾の雑誌「ウォッチャー」が入っていた。
予想していたより立派な雑誌で驚いた。
ライターN氏にル・ボナーの「ディプロマ」を、
この雑誌の誌面で紹介して頂いた。
黄金コンビの高橋カメラマンの写真も素敵です。
ディプロマの記事のページにクリップが付けてありました。
そのクリップにはパテック・フィリップのエンブレム入り。
ライターN氏の文章は中国語で内容は私には解読不能。
メールで伝えて頂いた日本語の文章だと下記の内容のようです。
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極上の皮革で作られた
柔らかなショルダーバッグ
日本の神戸に、私が信頼し、交流を深めている鞄工房がある。それが「ル・ボナー」。フランス語で「幸福」という意味を持つ、この鞄工房は、松本佳樹さんとハミさんのご夫婦が経営する。お二人は、どちらも鞄職人であり、製作する鞄や革の小物は、私だけでなく私の妻や、妻の母も使っている。つまり、みんなのお気に入りなのである。
そのル・ボナーが、新しいショルダーバッグを発表したのが2009年の7月。「ディプロマ(diploma)」と名付けられたその鞄を、私はインターネットの松本さんの日記で見たとたんに欲しくなり、すぐ松本さんに「その鞄を買います!」という電子メールを出していた。
それから待つこと約4か月。新作バッグはやっと本格的な生産に入り、私が注文していたブルーのモデルが届けられたのである。
この鞄に使用している革は、ドイツの鞣し業者であるペリンガー社(LUDWIG PERLINGER GmbH)が生産する「シュランケンカーフ」というもの。仔牛の皮を素材に、薬品を使って縮ませた独特の皺の模様が上品な雰囲気を醸し出す。発色も美しく、手触りも独特で非常に柔らかいが、繊維が緻密なので、非常に丈夫である。きっと使い込むと身体にいい具合になじんでくれるに違いない。そして、基本的に内張りはなく、表から後まで一枚のシュランケンカーフで仕立てているからから鞄自体が軽く、背負っていて非常に楽だ。この点も気に入った。
しかも、見た目は小振りに思えるのだが、収納力は十分にあり、A4サイズの書類や小型のノートパソコンも納められる。だから、いざとなれば仕事でも使うことができる。また、ショルダーストラップが鞄本体を一周しているので、たとえ重い物を入れても耐えられるように配慮されている。
一見、ごく普通のショルダーバッグに見えるが、素材も仕立ても一級品である。そこには鞄を作り始めて30年以上の経験を持つ松本さん夫妻ならではの作品である。また、インターネットで試作品を発表した後、数多くのお客さんからアドバイスをもらって修正を施し、最終的な形が完成したという。これもまたル・ボナーならではの鞄作りなのである。
●問い合わせ先
ル・ボナー http://www.kabanya.net/
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異国の素敵な雑誌に、素敵な文章と写真。
嬉しいお年玉頂きましたぁ~。
2010年1月12日
チャーが元気がない一日
日曜日の夜はチャーの大嫌いなシャワー&シャンプータイム。
いつものことながらヒィ~ヒィ~泣き叫び、裸の私の柔肌?に爪を立てる。
冬場はチャーのシャワー&シャンプータイムの回数は減るのだけれど、
いつものようにチャーは、いじめを受けているような声を上げ、
私は全身チャーの爪痕でみみずばれ。私の方が被害者だ。
私も出来る事ならプロの人にお願いしたい作業だけれど、
まず彼をちゃんと押さえ込んでシャンプー出来る人はいないであろう事は、
火を見るより明らかなことであります。この作業は私にしか出来ない。
こんな手のかかるペットに誰がした?。
そしてその翌日のチャーは朝から体調を崩しているようだ。
食欲なく(チャーにとって驚くべき事態)水もあまり飲まず、散歩時も草を食べたがる。
仕事場に到着しても、ホットカーペットが敷かれたベットで丸くなって静かにしている。
昨夜のお風呂のショックからだろうか?それともここのところの寒さで体調を崩したのか?。
彼は寒さに滅茶苦茶弱い。冬の外に一日放置したらきっと死ぬでしょう。
元気のないチャーを気遣いながら、連休最後の成人の日は始まった。
1月になってお客様が全然来ない。
1月初めての土日もすご~く静かに終わり、
私たち二人はこのまま1年ず~と閑古鳥のル・ボナーではと真剣に心配した。
ただそういう風に日々の浮き沈みに一喜一憂するから、
小売業は日々緊張感を持って過ごせるのだと思ったりもする。
やはり良い日も訪れる。その日は多くのお客様に来店頂いた。
一時家族連れも含めて5組のカップルが店内に。
店舗を広くして良かったと思ったぐらい一瞬盛況だった。
いつもはお客さまが入って来ると、大きな声で吠えるチャー。
吠えるのをやめさせるためにおやつを与えたのが悪かった。
その後悪知恵だけは天才的なチャーはその事を脳にインプットした。
しかし今日はホットカーペット入りのベットで大人しく静かにしている。
これは大変助かって、いつもより接客がスムーズだし、鞄作りの作業もはかどった。
心配は心配だけれど、時々は元気がないチャーだと助かるなぁ~なんて思ったりした。
そんなチャーも一日じっと大人しくして回復に努めた。
でないとチャーにとってシャンプー&シャワータイムよりも恐ろしい、
オタニ動物病院へ行く事になる。それだけは避けたいチャーなのです。
そして帰宅時にはいつもの元気なチャーへとなんとか回復した。
家に戻って朝から何も食べていないチャーは食欲盛々。
食べ終わると、いつものようにハミの横でおこぼれ頂く体勢(行儀の良いお座りの姿勢)。
うるうるした目でハミを見つめ、人様の夕食もゲットするのだ。
そしてハミが我が家でチャーに一番甘い。それをチャーは良く理解している。
その事をハミに言うと、「私はチャー以外にも皆に甘々です」と言い返されるので、
私も娘も面と向かっては言えない立場。
夕食終わるとリラックスモード。
冬場はホットカーペットと座布団の間に潜り込む。
本当に寒がりな犬であります。
チャーはなぜか頭を温める。頭寒足熱の反対だ。
コタツがある時も頭だけ潜らせ、ホットカーペットの場合もご覧のような状態を好む。
本当はもっと頭部分を座布団で隠すのが本来のチャー。
そんな変なチャーももう数日で11歳になる。
人の歳で換算すると60歳ほど。私より年寄りになった事になる。
非常に手間のかかる犬だけれど、長生きして欲しいと願うボンジョルノでありました。
2010年1月 9日
ボンジョルノの携帯電話の機種変更
2年半ほど前のイタリア旅行前にこの高機能なパソコンのような携帯電話を入手した。
無線LAN機能とキーボードがあり、イタリア旅行中にもブログの更新が出来たら楽しいなと思い、
思案に思案を重ねてこの機種にした。
しかし私には使いこなす知識も技術も持ち合わせていない事を忘れていた。
結局イタリア旅行中はブログ更新は出来ずじまいでした。
その後もメールすらまともに出来ず、電話機能のみ使えた2年半でありました。
しかし高機能な携帯電話を使いこなしている風に見えるというだけだけれど気に入っていた。
ただこの携帯電話は重くてキーボード部分があるからかさばる。
新年を迎えて、新しい携帯電話に交換することにした。
そして選んだ機種はiPhone3G。
分かっています。ボンジョルノは老人向けの簡単操作の携帯電話が向いている事は。
きっとまたまた色々な機能は使えないまま時が過ぎて行くでしょう。
多くのご批判は甘んじてお受けいたします。
でも店頭に並んでいる携帯電話を色々見たけれど、このデザインは秀逸だと思った。
去年発売された万年筆の中でマイベストに選んだラミーのダイアログ3と共通する、
バウハウス的デザインは素晴らしいと思った。そしてこれにした。
説明書も少なくてよく分からなくて、今のところ電話のみ使用しているけれど、
前機種に比べて使い勝手は良いように思う。
周りにiPhone使っている人多くいるので、色々教えてもらいながら、
徐々に使いこなせるようにしていければと思っております。
前機種に装着していたすべり止め用のアルファロメオのエンブレムのシールをはがして、
マイiPhoneに貼り直そうとしたらエンブレムをボロボロにしてしまった。
新しくアルファロメオ滑り止めエンブレムを入手して、
アップルマークの下あたりに貼ることにいたします。
充電機その他の付属部品もトータルに美しくデザインされていて、さすがアップルだと思う。
前機種とはまた違った意味で、所有する喜びを持つ事の出来る道具です。
ただ「0円購入キャンペーン中」なんて大々的に書いてあったからタダかと思っていたら、購入時点ではお金かからないというだけの事で、その後2年間毎月銀行口座から引き落とされる。
そういう謳い文句って良いのでありましょうか?。
まあとにかく気に入っているので、細かな部分は目をつぶって使いこなせるようにしようと思います。
puraさん、谷本さん、そして還暦過ぎてiPhone使い始めたtakaさん、
ご指南のほど宜しくお願いいたします。
整理も終わって本格始動。
店内に去年まで収めていた革たちは倉庫に移動した。
在庫調べしながら整理して、全量移動完了。
倉庫の棚に納め終わって思った。
今までお店のお客様から見えない狭いスペースに、
これだけの大量の革をよく納めていたものだと。
それにしても二人だけの零細鞄工房にしては、多すぎる在庫量だ。
私にとってこの革棚は、ビンテージモノも隠し持つワインセラーと同じように見える。
私が倉庫に革その他を移動している間に、ハミは引出しの中を整理した。
いつもゴチャゴチャに収まっていたカット台下の金具の収納部分の引き出しも、
綺麗に金具が整理され収まった。
こういった作業が私は苦手だ。
いっぱいある型紙は、紙袋に入れて棚に収めていたけれど、
美しい収まり具合ではなかった。
多くの工房では紐を通してぶら下げたりしているけれど、
私たち二人はそれがあまり好きではない。綺麗に収納したいと思っていた。
そんな時設計事務所などで図面を入れるマチ付きのケースがある事を教えて頂いた。
早速購入して型紙を入れてみたが、これは良いではありませんか。
棚にこのケースに入れた型紙たちが並べば、すっきり収まり見つけやすい。
これで年末年始に決行したル・ボナー大改装計画も一応完了した。
スムーズにカバン作り出来る環境整備を終えて、
ル・ボナーの2010年は本格始動いたします。
2010年1月 7日
スマイソンの革張り手帳 そして私は~
去年の暮、ロンドン在住のご婦人がご主人と一緒に来店された。
ブログをいつも楽しく見させもらっていますと言いながら出した万年筆は、
セーラーの怪物万年筆・コンコルドエンペラー。
日本の万年筆がお好きだそうだ。いっぱい持っているみたいだ。
そして使っておられる手帳がすごく気になった。
スマートで上質感漂うその革貼りの手帳。
スマイソンという英王室御用達の手帳だそうです。
スーツの内ポケットからスッと出して記する姿を想像しただけで、
これは上等なシチュエーションが思い描けてしまう。
試筆させて頂いたが、これがまた万年筆での書き味抜群。
薄い紙なのに、滲みなしで裏写りもしない。
使っているフェザーウエイトペーパーなる紙は素晴らしい。
そして価格を聞くと日本円換算で5,000円ほどで、
日本でも売っているけれど、日本では1万円ほどするそうだ。
消耗品としては極めて高価な手帳だ。
でもその価値を認める人たちがいて、作り続けらてている。
万年筆の書き味にこだわって大和出版印刷さんがオリジナルで作ってしまった「リスシオ・ワン」という紙関連の企てに加わった事もあり、手帳類には興味を持つようになった。
「リスシオ・ワン」紙を使って、スマイソンのような上質な手帳に仕上げると、このこだわりの紙が生きるのではないかと思った。
今度提案する事にしよう。
そんな高級な手帳たちも素敵だけれど、メモするノートは切り取れて価格が安い方が良い。
そして昨年作ったP&MさんとのコラボA7サイズ手帳カバー用に入れる、
コストパフォーマンス抜群なノートが見つかった。
それはナカバヤシが出しているこのノート。
万年筆での書き味も十分合格点。
何と10冊で580円だ。一冊58円でホームセンターで売っていた。
見つけて頂いたのは、万年筆マニアな須磨のFさん。
これは良いと、万年筆好きなお客様たちに進呈していたら、
自分が使う分が無くなってしまっていた。買いに行かないといけない。
ただ今年使う手帳として用意したマイノートを集めてみたら、
こんなにいっぱいあることが判明。
はたしてこれら全てのノートたちに書き込む事が出来るでありましょうか。
そして何処に何を書いたか分からなくなる危険性大であります。
しかしスマイソンの手帳は良い。
リスシオ・ワンプロジェクトのための見本が必要だろうから、
私が犠牲になってこの高価な手帳を購入しようかなと思う次第であります。
2010年1月 5日
2010年のル・ボナーも始まりました。
年末年始のル・ボナー大改装も一応終わり、
ル・ボナーの2010年も昨日の4日から始まりました。
広くなりました。良いではありませんか。
掃除は嫌いだけれど、改装は大好きで普段以上のパワーが爆発する私ですが、
今回は相当へばった。腰も重くてあちこち筋肉痛。
しかし一週間もカバン作りから離れていると、作りたいという衝動が強くなる。
そして新鮮な気持ち持って2010年のカバン作りが始まった。
大改装中は落ち着いて眠る事の出来なかったチャーも、
ペット用ホットカーペットを敷いたベットで熟睡モード。
ル・ボナー初日はいつものF夫妻と、天体マニアなH氏が息子さん連れて来ただけ。
P&Mの吉宗さんから今年初めての電話があって、
その時お客様沢山で騒がしい様子が感じ取れた。いいなぁ~。
それに比べなんて静かな初日のル・ボナーでありましょうか。
H氏のまだ小学低学年の息子さんが折った折り紙。これが良いのだ。
大人の心を持たない時期の子供が夢中で取り組んだモノからは素敵な未来を感じ取る。
50過ぎた私ですが、こんな無垢な感受性を残しながら仕事出来たら素敵だなと思う。
今月中には寒~い中で「星雲を見る会」を決行するそうです。
ル・ボナー店舗前から上向いて21㎜広角レンズで撮ったら、回りの高層ビルが全部収まった。
この街の冬は寒々していて、人もいつでも少ないけれど特に少なくなる季節。
特に正月明けの時期はその事強く感じる。だから今年はやって行けるだろうかと不安になる。
でもそのように不安で気を引き締めて始める事出来るから、17年間続けられたのかもしれない。
なんて愚痴っぽい文章にはなったけれど、私は元気いっぱいノウテンキ。
広くなった工房でしっかり仕事こなして、今年はキャノンの5Dだぁ~!。
2010年1月 2日
お墓参り
朝雑煮を食べて、今日はお墓参り。
松本家は合わせ味噌の雑煮です。
年末に買ったスニーカーを今日は履いてゆこう。
私はイタリア的コンチネンタルファッション?を標榜しているのに、
イタリアンな革靴履かずに、普段はアディダスのシューズ履いている。
フランス製のカントリーに魅了され、その後中国製になってからもカントリー一筋だった。
しかしこのタイタンを知ってからは色違いが発売されるたびに入手して、このタイタンが6足目。
どうも中学~高校の頃のトラウマがあるようだ。陸上競技をしていて、納得出来る記録が出せたらアディダスのスパイクシューズをと決めていた。しかしダメだった。
私にとってその時からアディダスは特別になった。
そしてタイタンは憧れたスパイクシューズのようなフォルムしている。
松本家のお墓は加古川が眼下に見える山裾の南傾斜地にある。
父と、私が4歳の時亡くなった母と、私が生まれる前に亡くなった2人の姉が眠っている。
ここ数日吹き続けていた冷たい北風が今日はなく、日差しが優しい。
実家には今年90歳を迎える育ての母が住む。
元気でいてくれて、それが何よりありがたい。
実家は塀で囲まれているので、チャーを庭で放した。
慣れない状況に置かれた彼は、その自由を楽しむ事が出来ないでいた。
今日は渋滞する中アルファで往復走ったけれど、何故なんだ?。
ドイツ車、アメリカ車、イギリス車、フランス車は走っていたけれど、
イタリア車には一度も遭遇しなかった。どういうことなのか?。本当に楽しいのに。
お店の営業は明後日からだけれど、
明日は仕事場に居る二人です。
2010年1月 1日
2010年明けましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。
今年も皆々様宜しくお願いいたします。
(私が食べているアイスクリームを見つめるチャー)
冷たい風吹く年末年始です。
チャーは寒くて自宅の愛用のソファーでご挨拶。
ホットカーペットが敷いてある絨毯の方が温かいみたい。
今日も仕事場に午後行って改装作業の続きを少ししようと思っています。
テーブルの上を見ると息子が20年ず~と使い続けているデブペンケースが。
そのデブペンは作り始めた最初期の品で、酷使されて変形している。
その頃は国産のタンニン革使って作っていて表皮もボロボロになっている。
もう引退させて新しいデブペンに交換しろよと勧めるけれど、
息子はこのボロボロのデブペンが良いと言う。