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2010年1月25日

カトウセイサクショカンパニー

私を万年筆の迷宮へ案内したのは古山万年筆画伯です。
4年ほど前ル・ボナーを訪れた画伯は、1本は万年筆を買うといいよと勧めたのが「カトウセイサクショカンパニー」の加藤清さんが作る万年筆だった。轆轤で軸を成型する手作りでありながら安い。「今買っておかないと後悔するよ」なんて言われその気になった。

画伯の書いた「万年筆の達人」は読んでいた私は、加藤さんは知っていた。
アラブの万年筆の父と呼ばれ、ヨーロッパでも今はれっきとしたブランドに成長したイタリアの「ビスコンティ」の創業時に加藤さんは加わっていた。まさに世界を相手に万年筆ビジネスを展開した凄い経歴。70歳過ぎてから自身で轆轤を挽いて軸を成型した筆記具を日本国内で製造販売するようになった。

それもその手作り万年筆が鉄ペンだと6000円程度で入手出来ると言う。
私は早速三宮にあった細長い、まさにペンシルビルと呼ぶにふさわしい、今はないナガサワ本店ビルの5階の万年筆売り場へと初めて足を運んだ。
そこで接客して頂いたのが現P&M店主の吉宗さんだった。
私はカトウセイサクショカンパニーの14金ペン先の万年筆を12,000円で入手した。

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その万年筆1本で満足していれば良かった訳でありますが、そうはいきませんでした。
その後色々な万年筆が増えてゆき、戦後の昭和を感じさせるセルロイド軸のカトウセイサクショカンパニーのペンも増えていった。
最初に購入した万年筆は現在、JICAの仕事で南米のコロンビアに行った卓袱堂の卓ちゃんが持っている。

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加藤さんが作った万年筆の中で特に気に入っている万年筆がこれ。
ビスコンティ創業時に作った「ポンテ・ベッキオ」とまるで同じ形。
その上カトセイサクショカンパニーの万年筆には珍しいピストン吸入方式。
少し高級なカトウセイサクショカンパニーだ。

しかしこの吸入方式を内蔵している事が問題で、よくインク漏れする。
イタリアに行った時持って行った万年筆の中で唯一飛行機の機内の気圧で噴いた。
でもそんな問題点も加藤さんが作った品だと思うと愛嬌と感じる。

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そんなセルロイド軸のペンたちを作り続けた加藤清さんが素敵に生きて昨日亡くなった。
「俺の人生楽しかったなぁ~」と思いながら終わりたいと私は願っています。
最後は市井の万年筆職人として終えた加藤さんの一生は素敵だったと私は思います。
私の憧れの生き様です。

久しぶりに加藤さんの作った万年筆使って書き綴る。
やはり加藤さんの作った万年筆は、私にとって特別な万年筆だ。
ご冥福を心からお祈りいたします。

コメント(4)

知りませんでした。とうとうその日が来たのですね。私は、ペンエクスペンダーとボールペンをもっていますが、どちらも手に馴染む愛用品です。ご冥福をお祈り致します。

Re: pretty-punchan さん

84歳だったそうです。素敵な人生だと私は思います。
カトウセイサクショカンパニーでの10年あまりのセルロイド軸のペン製造は、最後の楽しみだったのでしょうね。その楽しみから生まれたペンたちを私たちはこれからも使いながら、その時加藤さんを偲ぶのでしょうね。

                       ル・ボナー松本

僕はカトウセイサクジョの万年筆を松本さんから聞き、三ノ宮に走って、当時万年筆コーナーで接客をしていた吉宗さんとお会いしました。

このブログで紹介した後、吉宗さんの所へどっと人が押しかけて、加藤職人の万年筆が一瞬で売れてしまったという話もありましたね。

今、皆さんと交流ができている一つのきっかけが「カトウセイサクジョ」の万年筆でもあります。

加藤職人、ご冥福をお祈りします。

Re: kazubon さん

本当ですね。神戸での仲間たちとのつながりの元はカトウセサクショカンパニーだったのかもしれませんね。皆加藤さんのセルロイド軸のペンを1本は持っていますよね。

                         ル・ボナー松本

昨日、P&Mで訃報に接しました。
加藤さんの万年筆がなければ、みなさんと楽しい時間を過ごす時間をもてなかった事を考えると、感謝、感謝です。

ご冥福をお祈りします。

Re: H さん

私の知っている中で一番カトウセサクショカンパニーのセルロイド軸のペンをいっぱい持っているのはHさんです。またあのいっぱいのセルロイド軸を愛でながら、加藤さんを偲びましょう。

                         ル・ボナー松本

知りませんでした。驚きです。私は白いシャープペンシルを2本持ってます。味があり他には代え難い魅力に溢れています。ご冥福をお祈り致します。

Re: orenge さん

他には代え難い魅力を確かにもっていますよね。
特別なその魅力を感じながら、これからも使い続けたいです。

                          ル・ボナー松本

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このページは、Le Bonheurが2010年1月25日 22:01に書いたブログ記事です。

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