2010年3月アーカイブ

2010年3月31日

ライターN氏が来店~

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親しくして頂いている時計ライターのN氏が来られた。スイスのバーゼルの時計取材から帰国し、翌日からは東京と言っても相当奥の方にある自宅から車で関西へ。そしてル・ボナーへ。スイスのおみあげのシュプリングリのマカロンは、美味しくてもうこの状態。

ライターN氏は私の親しいモノ好きな人たちの中でも、その趣向を仕事にまで昇華した稀有な人物だ。一度東京の山奥の旅館かと思うような自宅に訪問させて頂いた事があるけれど、広い屋敷はモノたちが多くの部分を占めている。興味のない人にとってはガラクタかもしれないけれど、興味のある人にとってはその量と質に圧倒される。

ライターN氏は、時計だけではなく多方向にモノ好きの触手は広がっているのだけれど、統一した方向性があるように思う。作り手の顔が見えるアナログなモノたち。20世紀が生み出したモノ作り文化とでも言いましょうか。言葉足らずの私には説明しきれないけれど、ライターN氏自身が文章にすれば説得力のある説明(言い訳)が出来るはずだ。実際一つ一つのモノについての説明をN氏から聞くと、それまでただのガラクタ然としたモノでも、愛おしさ感じるお宝に思えてしまう。

今私は自転車に興味の矛先が向いている。N氏は自転車も詳しい。小学校の時に興味を持ち始めアルバイトして貯めた資金でフレームをオーダーしてイタリアやフランスの部品を入手して組上げた自転車は、今でも大事な宝物だそうだ。筋金入りではありませんか。そんなN氏の自転車についての話しも大変面白い。そして私は「ルネルス」の名が深く刻まれた。「ルネルス」かぁ~。自転車界のブガッティ。

今回の来神でも、時計や筆記具色々見せてもらった。

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IWCの最高傑作ムーブメントCal89のオールドインター。もうそんなに沢山の時計は欲しいとは思っていないボンジョルノではあるけれど、是非いつか入手したいと願っている5本ほどの時計の中の1本だ。

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ムーブメントの部品一つ一つに重厚感がありながら丁寧な仕上げは、いつ見ても惚れ惚れするCal89のムーブメント。その素晴らしいムーブメントがいつでも見る事が出来るようにシースルーの裏蓋仕様になっている。いつでもオリジナルの裏蓋に交換できるのだけれど、このシースルーの裏蓋に替える事でパッキンも付属して防水性の向上にもなる。このシースルー裏蓋&メンテで5万円ほどでしてくれる工房があるのだそうだ。IWCでのメンテ代だけより安くてお得な楽しいプチ改造。

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そしてこちらはN氏所有のバセロンのアンティークムーブメントを、吉祥寺の「マサズパスタム」さんに持ち込んで組上げたという素敵な時計。素晴らしい。ダイヤルのやれ具合(エージング)がまた味わい深い。

お金さえ出せば手に入れる事が出来る価値ではない、モノ一つ一つに思い出とセンスが加わった時、モノはその人にとって特別な宝物になる。そんなモノたちをこれからも収集しつづけるために、ライターN氏はこれからもモノについて書き続ける。モノに対して深い愛情持ち続けて。

2010年3月30日

カートキャリーでGO~

ビジネスマンが出張用に使う鞄の多くがナイロン製だ。革のモノもあるけれど、それにしてもシープなどの薄い革のモノが多い。これは軽さを多くのユーザーが出張用鞄に求めるためだけれど、実際中身の重さが大部分で、鞄が1キロ重くなったからと言って、体感的には大差ない。でも購入時に空っぽの鞄を持ってみて重さを比較し、その事が購入動機になり易い。

ル・ボナーが作った出張用鞄の「ビジィー」は、巷に多く出回っている出張用鞄とは発想を変えて、革の質感とエージングを楽しみながら持てる出張用鞄をと考えて作った。けれどやはり重い。特に抜群のエージングを楽しめるミネルバリスシオで作った「ビジィー」は特に重い。しかし何度も言うけれど、中にいっぱい荷物を詰めると、軽さ求めたナイロン製の出張用鞄と、体感的には大差なくなる。

そんな出張用鞄を重さを感じずに持つには、カートキャリー(コロコロ)が楽です。でも今まで私の知っていたカートキャリーは鉄の棒を溶接したお買い物用風のカートキャリーしか知らなかった。

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しかし良く調べてみると、あるではありませんか。
こんな1本棒のハンドル付いたタイプが。

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「ビジィー」を固定してみると、これがバランス良くてスタイリッシュ。これは良い。今までカートキャリーに対して持っていたダサいイメージが払拭さた。私にとってスタイリッシュなコロコロ付きのバッグを作りたいと思い続けながら、コロコロとハンドル部分の部品の既製品で気に入ったモノが見つからずに今日に至っている。そんな私はカートキャリーに乗せた「ビジィー」を眺めながら、新鮮な驚き感じている。これで良いじゃないかと。

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乗せたままカートキャリーのハンドルを縮めると、鞄のハンドル持って持ち運べる。鞄を固定するゴム紐を取り払って、鞄と同じ革を使ったベルトにすればもっと良くなる。鞄の後本体部分にカートキャリーを固定する部品を革で作るのも有りかも。

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このカートキャリーは畳むとコンパクトになって、ビジィーの中に楽々収まる。そして私は入手した。価格は何とデフレな価格の1000円。強度に問題があるかどうかは、これから私が試してみます。まずは東京出張時に試してみよう。ビジィーにはカートキャリーも良いかもしれません。

2010年3月27日

まだまだ続くデブ・ペンケース

去年の秋からず~と繰り返し作っているような。大好評のデブ・ペンケース、リーピート繰り返しながら、3社(P&M、分度器ドットコム、そしてル・ボナー)で好評発売中~。ブッテーロ&シュランケンの黒色のデブ・ペンケースに続いて色々な革と色でまたまた登場です。

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ブッテーロではワインとグリーン。間違いなく光沢と深みが増してゆく,ブッテーロらしいエージングが楽しめる2色です。今回のワインは特に深く濃いワイン色です。染料仕上げのタンニンなめしの革は特に、1枚1枚の革の繊維の状態の違いとか、なめした時期の天候の違いとかで、色ブレが激しい。

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シュランケンカーフはバイオレット、イエロー、ライムグリーン。
シュランケンで特に人気があるのがバイオレット。光の具合でダークブラウンと見間違うほど深いバイオレットの色は、シュランケンカーフの中で人気ナンバー1。2社に卸したら、ル・ボナーに残ったのは注文品のみ。また次回作らないと。
イエローとライムグリーンは爽やかなカラフル色。さすがフランスH社が色指定して作られるシュランケンカーフの色出しは特別だ。染料と顔料の両方を使って生まれるナチュラルでカラフルという相反する革の色作りを見事なバランスで両立させている。

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そして今回はず~と待って頂いていたお客様のご要望に答える形で、イタリア・バタラッシー社のミネルバボックス革のグリージオ色でも作ってみました。驚異のエージングが楽しめるバケッタ製法で作ったミネルバボックスの中でも、グリージオ色は元色がわからなくなるぐらいの色変化をする色です。

次回のデブ・ペンケースの完成予定は4月末あたり。次回はP&M、分度器ドットコムの両社の要望で、なぜだか大人気のブッテーロの黒に赤ステッチをいっぱぁ~い作ります。他に3社欠品状態が続いているブッテーロの茶とチョコ。分度器さんだけで良く売れているブッテーロとシュランケンのオレンジ。その他色々。

これからもずーと作り続ける、ル・ボナーの定番ペンケースです。
ふくよかなフォルムがチャーミングなペンケースだと、ボンジョルノは思っております。

2010年3月25日

平穏な雨の休日

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強風が数日続き、強烈な黄砂。
晴れているのに、いつも見える六甲山が黄砂で見えない。
まるで上海に行った時のようだった。

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その黄砂が終わったかと思ったら、雨降る日が続いた。
休日の今日も雨だった。桜が咲き始めているのに憂鬱な空模様。

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チャーも大嫌いな雨の中の散歩は早々切り上げて、家でゴロゴロ。
そんなチャーは12歳になった。12歳にして初めて恋をした。相手は「さくら」ちゃん。
ワンちゃんと遭遇すると闘争本能満々の態勢にいつもなるので、チャーは友達の輪に加われない。でもさくらちゃんだと、何をされても許してしまう。そんな事今までなかった。逆にク~ンクンと甘い声。

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午後からはポートアイランドにある「IKEA」に初めて行った。
スツールを10脚必要になったため、「IKEA」だと格安で入手できる事を知った。
一脚580円也。驚きのデフレ価格だと思った。そして入手した。
雨の日は極力乗らないように心がけているアルファロメオ145クワドリフォリオ前期型ではあるけれど、今日は雨中走行した。走行に不安があるから雨の日は乗らないようにしているのではなくて、やわ肌の塗装がはげないかが心配なため。

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このところこのハリスツイードのブレザーとハンチングスタイルが気に入っている。
ブレザーは30年前製造のポロ・ラルフローレン。ハンチングはボルサリーノ。
30年の歳月着続けたブレザーとは思えないしっかり感を今も持ち続けている。

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久しぶりに「さびしんぼう」見たくなってDVDを購入して見た。
若かった頃の感受性豊かな時代を思い起こさせてくれる映画で、ハミと私にとって大事な日本映画。久しぶりに見てみずみずしい感受性を感じた。
そんな感動感じれるモノ作りが、明日からの鞄作りの力になってくれる・・・・?。

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工房「楔」の永田君にオーダーしたオールナット材のテーブルでブログ書いています。
このテーブル良い。希望のサイズで作ってもらったこのテーブルは、今まで味わったことのない身の丈に合った居心地よさを提供してくれる。

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最後の画像以外は、この外観がまたまたバージョンアップしたGR DIGITAL Ⅲで撮りました。ショルダーベルトも革に変更しました。外観は特別感を増強しておりますが、このカメラで撮る技術の方は・・・・・。でもいつか広角も自分らしい写真撮れるようになりたい。今大好きな50ミリF1,4のレンズは修理&メンテナンス中。その間このGRDⅢで頑張りたいと思っております。

そして休日の夜のボンジョルノの楽しみである、シェラトンホテルでの今日の「囲碁」の結果は1勝2敗。私の碁はどうしても攻めて守り甘く墓穴を掘る。でもそんな碁でこれからも行く。だって負けて悔しさ倍増するけれど、そんな碁風が好きだ。

2010年3月24日

太ダレス・リュック~

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ブッテーロのブルーにグリーンステッチで仕上げ、トップの巾広フレームにイタリアのO.B.I.社の錠前付けたタイプの太ダレスが、出来上がりました。フレームが巾広なので少しふくよかなフォルムの威風堂々とした太ダレスの出来上がりです。

ただこの太ダレスはトップの枠と錠前が定番の形状と違うだけではありません。
何と取り外し式ではありますが、初めて作ったリュック形式の太ダレスなのです。

私はダレスバッグにショルダーを付けたり、いわんやリュック形式にするなんて今まで拒み続けてきた。特に太ダレスのようにトップに向って本体が曲線を描くバッグだと変形する原因になるからと、断っていた。

しかし今回のオーダー主は、会社への通勤時は、最寄駅まで自宅から自転車で通っておられる。しかしは私は、ブッテーロ革で作った鞄は傷が付きやすいから、自転車カゴに入れないで使ってくださいと頼んだら、だったらリュック形式にしてとおっしゃる。で断る事出来ずに、変形その他使っていて発生する問題は受け入れるとの了承の元、作る事になった。

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スーツ姿の中年オヤジがこの太ダレスリュックを自転車に乗って背負っている姿を想像してみてください。学手風ブリーフケースをリュック形式にして背負うイメージは、英国風に想像出来るけれど、太ダレスリュックは想像しにくい。ただ間違いなく目立つ。そして個性的だ。でも何かチャーミングなような気がしてきた。

2010年3月22日

手縫いしながら革の事を思う。

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太ダレスも1本を除いて出来あがろうとしています。
この仕事だけに集中出来なくて完成が遅くなってしまいましたが、ようやく一段落。
今回はクリスペルカーフの黒の1本を除いて、あとは全部ブッテーロ革での注文でした。
ル・ボナーで使っているどの革も良いと思って入手していますが、どの革が一番好きかと言われると私はやはりブッテーロが好きです。

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ル・ボナーで定番で主に使っている革は、イタリアのタンニン革のワルピエ社のブッテーロとバタラッシー社のバケッタ製法で作った革たち。それとドイツのペリンガー社のクローム革のシュランケンカーフやクリスペルカーフ。どの革も魅力的な革だけれど、その中でも私がブッテーロが好きなのは、どの革より会話出来る革だと感じる事。

ル・ボナーで扱っている革の中で最も傷つき易い革。
でも使い手の接し方で、特別な表情に変わってゆく革。

ヨーロッパ以外の国の成牛の原皮は、背中とお腹部分で裁断した半裁と言われる形状。
ヨーロッパではお腹で割いて、お腹近くのエンと呼ばれる伸びる部分は原皮段階で切り落とし、そして性質の違うお尻まわりと背中部分に分けてある。タンニンなめしの革は大部分ショルダー(背中)部分の方を使う。

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現在世界的に革の質が低下しているように思う。
大規模なタンナーは特に質より、消費サイクルを考えた革作りが横行している。
その状況は、良い革を今までは作ってきたヨーロッパの名門タンナーにおいて顕著だ。

そんな時代でも、誠意を持って革作りしている小さなヨーロッパのタンナーの革を、主に使いたいと思っています。そんな中でもブッテーロを作っているワルピエ社は特に小さなイタリアのタンナー。そのワルピエ社が愚直なまでに手抜きせずに作っているタンニンなめしのオイルレーザーがブッテーロという革です。

タンニンなめしの革は主にイタリア製を使う理由は、世界でも唯一ベジタブルタンニン100%でなめした事を認定する機関があり、ピンキリの差強烈なイタリアなれど安心して使える。ル・ボナーが使うブッテーロもミネルバも100パーセントピュアタンニン認定革です。つまりイタリア革のピンの革です。

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お店を神戸で始める前、私たちは作った鞄を卸していた。その頃は国産のタンニン革を使っていた。ヨーロッパの革は高価で使いたくても使えなかった。今はヨーロッパ皮革を使って作れるようになった。それも厳選して妥協せずに。
それは作り手にとって何よりの幸せ。

革の寿命が短い事で使えなくなるのは寂しい。
部品その他の修理は可能だけれど、本体部分の革が再生不能状態になると直せない。

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妥協なしに気に入った革を使って作れる事の幸せを、
太ダレスのフレームを本体に手縫いしながら思うボンジョルノでありました。

2010年3月18日

少しの間大人しくしているけれど万年筆はやはり好きだぁ~

万年筆をコレクトするようになってわずか数年。
まだまだ初心者だけれど増えていった。
もういっぱいはいらないなんて言いながら増えていった。
今年は数本は購入を計画しているけれど、
去年のように20数本なんて事にならないように用心している。
しかし誘惑は多くある。

なぜ万年筆をいっぱい集めてしまうのだろうか。
実用であれば100円の万年筆でも十分事足りる。
よしんば高価な万年筆がやはり良いと思ったとしても、数多くはいらない。
だのになぜ?理由を考えるのはよそう。どんな理屈も屁理屈になってしまう。

私はこのところ万年筆は大人しく静観している。飽きたわけではない。
半年間色々な理由を自分に背負わせて見ているだけにしている。6月までは~
でも多くの万年筆趣味な人たちが訪れ、魅力的な万年筆たちをお披露目し、
その誘惑に対して私は毅然とした態度で対応し、入手しなくても楽しめる万年筆趣味があるはずだと模索し続けるのでありました。


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1957年から59年の間しか作られていない
イカペンのモンブラン642Nは良かったなぁ~。
1920年代のエボナイトのマーブル模様が美しいウォータマンNo7は、
素敵だった。やはりいつか手に入れたい特別なヴィンテージ。
他にも色々な万年筆たちが、神戸の離れ小島のような場所に居ながら、
向こうから近づいて来る。そして通り過ぎて行く。


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現行品ではドイツの「デュラー」が気になった。
髭剃りで有名なブラウンのデザイン部門にいたデザイナーが考えた。
細軸だのに鉄ペン(シュミット)が大きくて、
ミニサイズだのにキャップを差すと長~くなる工夫。
軸の質感も良い感じ。これが5000円は納得価格かもしれない。


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A7手帳カバーにもジャストフィットサイズ。

私の万年筆は、思い出の数だけある。親しくなった方々の数だけある。
ショップで購入した品はそんなに多くない。
ショップで購入する場合でも、まず親しい交友が先にある。
1本1本の万年筆には、思い出もいっしょにあるから、手放せない。
だからこれからも増えて行くだろう。

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昨夜もカトウセイサクジョカンパニーの素敵なセルロイド軸見せて頂いた。
加藤さんは不思議な魅力を持った万年筆職人だった。
そんな加藤さんの魅力が轆轤で削ったセルロイド軸から感じられる。

万年筆は面白い。アナログが生み出す混沌。
出来るだけ増やさずに万年筆菌と付き合っていこうと思う。

2010年3月17日

コレクター魂

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ライターコレクターのS氏から頂いたイギリス・オーリック社の戦前のライター。
メッキが所々剥がれ真鍮部分が一部露出し、表面は長い年月の間に磨耗しデコボコしている。
でも何の問題もなく日々の使用には支障はない。
この状態をわびさびが効いた風情と感じたり、
このポンコツ状態を愛おしく思うようになると、危ない状態だ。
私は大変気に入ってしまっている。危ない状態だ。

S氏はライターを500個以上コレクトしている。もう十分だ。
でもまだまだ追い求めるであろうS氏でありました。

前にもこのブログで書いた事があると思うけれど、奥様にもうライターを収集するのはやめてぇ~!と言われて、一時収集しなかった時期があった。でも根っからの収集癖は別の世界を求めた。マグカップ収集~!。これは奥様の牙城のキッチンを日に日に浸食してゆく。そして奥様は観念して決断した。マグカップ収集はやめて、書斎に収まるライター収集の道に戻るよう苦渋の選択をチョイス。
その後S氏家族は新居に引っ越し、S氏のお母上がS氏不在時に訪問。そして開けてはいけない書斎の扉を開けてしまった。S氏がコレクションしたモノたちがいっぱいのその部屋を見て「ギャーァ!」そして奥様に「何でこんなになるまで放っておいたの~!」と最大の犠牲者である奥様に叫んでしまったお母上。

S氏のライター収集は続けながら、このところ多方向に収集癖が広がっているようだ。
そしてこのところ結構夢中になっているのがステープラ。ホッチキスの事だそうだ。私はイタリアの万年筆メーカー「スティピュラ」が昔つくっていたホッチキスだと思っていたら、そうではなかった。その収集した一部を見せて頂いた。

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聞いたけれどどれがどれだか分からなくなったけれど、確か前からAREOW(1950年代)BATES(1980年代)RAPID(現行品)BRINCO(1901~1902年)。
誰もコレクションしようとは思わないステープラーに触手が動くS氏はやはり只者ではない。
確かに質感あって面白いではありませんか。

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特に100年以上前に作られたBRINCOには感動するボンジョルノでありました。
もっと昔の品には、針金を切って曲げて止めるタイプが存在したらしい。
その品をS氏は求め探している。

収集し続けるコレクター魂の彷徨は、他人から見ていると面白い。
S氏のコレクター魂の行き着く先にはどんな世界が待っているのだろうか。
この方がモノについて語る時、どんな品も珠玉の一品だと勘違いする。
歴史的背景からその特別な仕様まで、朗々と語る説明は説得力がある。

そんな趣向を少しだけ持ち合わせているであろう私は思うのであった。
多くの人はガラクタと思っているモノたちを収集するなんていう趣向を、
笑いながら「バカだねぇ~」なんて言いながら楽しめる関係の中で、
育んで(育まなくてもいいけれど)いければ、社会の清涼剤~?。
それが生きる力になるのであれば、まあ良しとしようじゃありませんか。

前にイギリスのミニベロ自転車に乗ってやって来たKさんが、
また別の面白い自転車乗ってやって来た。
この人まだ他にもお持ちのようだ。

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今回は国産の折り畳み式極小タイヤのKOMA。
この自転車で街を颯爽と走っていると、行き交う女学生の集団は必ず笑うそうだ。
笑いを誘うモノ好き趣味は良いではありませんか。

乗ってみると低速ではタイヤの小ささが災いして不安定だけれど、
スピードをそれなりに出して乗ると、普通に楽しく乗れる。

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こんな風に折り畳むと、ゴルフのキャディーバッグよりスマートになる。
工夫して生まれた道具たちは、特別な魅力をいっぱい発散する。

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そして私の元に、自転車用工具セットが。Kさんありがとうございます。
あとは作業する時間を捻出すれば、新しい楽しみが始まるボンジョルノです。

ル・ボナーに多くのプチコレクターが集う。
プチじゃなくて本格的なコレクターも。
どこか片手落ちで、どこか可笑しな人たち。
私は傍観者として、そんな人たちと楽しく関わってゆければいい。
少し足を突っ込みながら。

2010年3月15日

赤ステッチの黒革のデブ・ペンケース

ル・ボナーでは去年の秋頃からず~とデブ・ペンケースを作り続けているように感じています。デブ・ペンケースが安定して人気を維持しているのは、ひとえにペンメセ(神戸元町のP&Mさんの事を顧客の人はそう呼んでいる事を知った)様と文房具界の風雲児・分度器ドットコム様とのトライアングル販売体制のおかげであります。文房具屋さんでないル・ボナーだけでの販売であれば年に一度まとめて作ればそれで十分なはずであります。2店舗様はボンジョルノの掌の上で遊ばれているだけなんてほざいているけれど、いやいやそんな事はありません。その逆であります。感謝~感謝。

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その中でも絶大な支持を得ているブッテーロ革に赤ステッチのタイプが出来上がりました。このタイプのデブ・ペンケースの人気は絶大だ。
黒革に同色の黒糸だと全然人気なかったのに、赤ステッチにした途端フィーバーしてしまった。そしていつでも3店舗とも品薄状態。

今回もいっぱい作ったけれど、結局2店舗に卸したらル・ボナーには注文をお受けしていたお客様に送り出したら在庫は残っていなかった。なぜなんだぁ~この黒革に赤ステッチ人気は。


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ただ2店舗には卸していないシュランケンカーフの黒で、赤ステッチとグレーステッチで少し作った。ブッテーロのしっかりした質感とは違う、シュランケンカーフのふんわり柔らか質感は気持ち良いですぞ。このタイプも欲しいと言われれば卸す事もやぶさかではない?けれど、前回も2店舗には卸さなかったブッテーロのネイビー色ばかりがル・ボナーでは売れた。

まずは黒のデブ・ペンケースだけ出来上がりました。この後ブッテーロ(グリーン、ワイン、etc)とシュランケンカーフ(オレンジ、パープルetc)とミネルバボックスのグリージオ(グリーングレー)が月末までに?順次出来上がります。お待ち頂いているお客様の皆様、もう少々お待ちくださいませ。

デブ・ペンケースは税込9,450円で好評販売中~。

2010年3月14日

ダイニングテーブルが届いたぁ~!

工房「楔」の永田君は木製のステーショナリーを作っているだけではありません。
実は家具も作っているのです。
それで、ハミが前々から熱望していた少し高さが低めのダイニングテーブルをオーダーした。
注文して半年の月日を待って、そのダイニングテーブルが先日届いた。

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ウォールナットの木目の表情が素敵なダイニングテーブル。
68㎝の高さは一般的なダイニングテーブルより低い。その高さにこだわって注文した。
ソファーのない松本家では、食事するだけではなくて、くつろぐのもこのダイニングテーブル。
なのでダイニングテーブルというより椅子に座って使う座卓といった高さを求めた。
そして決定したサイズが横170㎝×縦70㎝×高さ68センチ。

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下から覗いてみてもしっかり感があり堂々とした造り。
今まで使っていたテーブルとは全然違う。

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我が家に初めて来た人は、何もない室内に驚く。
モノ好きボンジョルノの自宅を想像して我が家に訪れると、そのギャップを感じる事でしょう。
これはハミの趣向。そんな松本家にこのダイニングテーブルが加わった。
リビングダイニングにはタンバナンバの難波君が作ったキャビネットとこの永田君のダイニングテーブルと、独立系木工職人の作った家具で揃った。
シンプルなのは同じだけれど、ダイニングテーブルが加わって、
我が家の居心地良いくつろげる空間完成形。

ブログを記するのもこれからこのテーブルだ。
ウォールナットにオイルフィニッシュした香りが私を包み込む。

2010年3月11日

私とは違う息子の趣向

私の息子は森林関係の研究者だ。
親の私と全然違う生き方に進んだ。
私の親父と同じ道を進んでいる。
現在九州の大学に籍を置き、
月に1~2度東南アジアの数か所の研究サイトでデーターを収集しながら、
京都と福岡の大学を行き来しながらハードに研究続ける日々。
そんな息子はボンジョルノ親父のモノ好き趣味に異を唱え、
趣味は、登山、鉄道、温泉、船、そして味わいある宿に泊まる事。

そんな息子は京都への出張時も、
魅力的な京都の風情感じる宿に泊まるのを楽しみしている。

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円山公園近くの「吉水」。
築100年ほどの民家を改装して、
現代と過去の京都がシンクロする宿。

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息子が泊まった部屋は茶室を改装した一室。

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京都御所近くにある「陶月」は、息子が今まで泊まった京都の宿で一押し。
「100年同じ場所で続けへんと、京都では一人前のお店とは言えまへん」
と仲居さんは言う。一日2組しか泊まれない宿。

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こういった京都の情緒感じれる宿が、
朝食付き1万円以下で泊まれる。

クラシックホテルも息子の守備範囲。
私が東京出張の常宿として利用している「学士会館」も、
息子に教えてもらった。

「宝塚ホテル」もクラシックな風情感じれるホテル。

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宝塚歌劇をやっていない時期だと、
このクラシックホテルに朝食付き6,000円ほどで、
旧館のシングルルームに泊まれる。


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そんな息子は、京都出張の時は六甲アイランドからフェリーで九州に帰るので、
このところ毎月ル・ボナーのお店に寄ってから帰る。
その時見せてもらった携帯電話ぐらいの大きさの機械。

この機械は葉っぱの光合成の元気度を測る機械だそうで70万円ほどするそうだ。
しかしこのチェコ製は、この手の測量機器としては画期的に安くて使いやすい優れモノだそうだ。
今まで主流で使われていたドイツ製のものは何倍も大きくて重くて、
フィールドでの同じデーターを収集するのに大掛かりな上、価格は300万オーバー。
需要と供給のバランスから生じる価格の不思議。

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そんな息子とは趣向が全然違う私は、
今自転車に興味の矛先が強くいっていて、
9分の1スケールの自転車を2台入手した。
1台2800円なり。

2010年3月 9日

太ダレスが順次完成し始めました。

途中別の作業に中断を余儀なくされながらも、
太ダレスも最終段階に入りました。
数本は手縫いも終わり、注文主の来店を待つばかり。
完成したらブログで公開してと言われたので、その太ダレスを公開します。

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ブッテーロのネイビー色の太ダレス。
黒と見間違う濃いブッテーロ革のネイビー色。
その色より少し薄いネイビー色のステッチが良いコンビネーション。

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イギリス製の真鍮素材の錠前が良い雰囲気。
イギリスの錠前は、工作精度や質感に目を瞑れば、雰囲気はピカイチ。

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太ダレスのようにマチまでフレームを縫い込むタイプのダレスの場合、
マチに独特の折曲がった部分が生じます。
そこがこのダレスにおいて一番革をいじめる部分。
少しでも負担を減らすための工夫をこの部分に注いでいます。
フレームを包み込むようなマチの余分を作っているのは独特な方法。
このことで堅いフレームが直接マチのカーブした部分をいじめない。
そして上部マチと下部マチを縫い合わせているのは、
0,2ミリ上部マチだけ厚くしたいため。
その差が太ダレスのフォルムをキープする。

そんな風に順次太ダレスを作っておりますが、
オーダーされている皆様、もう少しお待ちください。


( 追伸 )
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今日ハミが近所のコンビニに買い物に行ったら、缶コーヒは買わなかったのにこんなグッズいっぱいもらってきた。この場所で17年もお店をやっていると、親しくなった店主も何人かいて、ハミは特に色々頂く。恐縮しながらもありがたく頂く。今回の品は、なぜ60歳間近かのおばさんになぜ?。でも私は喜んだぁ~。だってセナモデルですよ。あのF1界のジェームズ・ディーン。こういうお金では買えないグッズ好きだぁ~。

2010年3月 8日

「トマジーニ」と「華麗なる双輪主義」

ル・ボナーには色々なモノ好きな人たちが来られる。
鞄作り一筋で行きたいと思っている?ボンジョルノではありますが、
日々誘惑と戦い続けなければいけないのでありました。

そして、このところ自転車に興味の矛先が向いているボンジョルノです。
調べれば調べるほど、またまた「イタリア」が気になるのでありました。
そんな週末、イタリアらしさムンムンの自転車を見せて頂いた。

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イタリアンな装飾性が美しいフレームの「トマジーニ」その美しさに一瞬言葉をなくした。
そしてカンパニョーラのパーツがそのイタリアンフレームをより色っぽく演出している。

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このあたりの装飾性が、このフレームを特別に仕上げている。まさに走る芸術作品。

素敵だけれど、憧れるけれど、無理だぁ~。
こういった高級な自転車を入手する手立てが私にはなぁ~い。
ただ指をくわえて見ているだけのボンジョルノでありました。

そんな時自転車趣味をひた走る別のお客様が、
自転車関連の本を私に進呈してくださった。

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その本がこの「華麗なる双輪主義」という本。
普段乗っている自転車でも、少し工夫してエンジョイしましょうといった事を説いている。
まさにこれこそが私の求める自転車趣味。
お金は少々で、センスと労力を惜しまなければ私も出来る術。

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このこのところ放置していたマイ自転車を、私らしさ表現した自転車に変身させます。
まず最初に工具を入手して完全に分解して、パーツ一つ一つを取捨選択し、これからも使い続けるパーツは磨き上げて、新しく入手するパーツは中古でもいいから気に入ったモノを徐々に揃える。ブレーキはカンパのデルタが効きは悪いらしいけれど特別感ムンムンで良いな。デレーラーも古いカンパが好み。そしてスポーティーではないけれど、キャリアは付けたい。そこにクラシックなデザインの革のバッグを作って装着出来るようにしたい。そんなレストアを考えてはいるけれど、それが出来る時間はどう捻出しようか思案中。でも考えているだけで楽しくなるのでありました。

それにしても「トマジーニ」は色っぽい自転車だったなぁ~。

2010年3月 6日

ウォーラスのオービットを酷使した私の80年代

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私の所有するテント「オービット」を何年かぶりに組み立ててみた。シェラデザインズを創業した二人が、再び夢よもう一度と始めたアウトドアブランド「ウォーラス」のテント。二人は今も頑張っているのかな。

このテントには特別な思い入れがある。私の80年代はバブル景気で華やかな世の中とは正反対で、初めて出したお店をつぶし貧乏だった。格安で済ませるキャンプが唯一の楽しみだった。それまでホームセンターで購入した5,000円のテントを使っていた私でありましたが、「オービット」が発売され、そのテントの生まれた背景と、オリジナルな発想とフォルムに魅了された。しかし当時8万円ほどの価格は貧乏な私にとって高嶺の花だった。そして月日が経った。ある日卸し先回りの途中に、神田神保町にある、さかいやスポーツを訪れた時、2万円チョットの価格でなんと「オービット」が売っているではありませんか。欲しいけれどその2万円もすぐには用立て出来ない貧乏な私。でも数日悩んだ後、購入決定。その後のキャンプはこのテントが、格安キャンプサイトであることは同じでありながら、豊かな心持ちを与えてくれた。

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その頃私たちは府中の借家住まい。その庭に大屋さんには無断で8畳ほどのプレハブを立てて工房にしていた。玄関前には数センチの隙間しかない状態で車も止めていた。だから家に入るには車のボンネットを乗り越えてでないと入れない状態。
そんな府中の我が家には、何人かの高校生だった頃から親しくなった学生たちがよく来ていた。その家から大学へ通う者もいた。そして無休なのに私の仕事を手伝ってくれたりもした。そんな連中と家の裏に4畳半ほどだけ残った庭にセメントブロックで炉を組んで肉なしのバーベキューなどもしたなぁ~。いやハミ得意のミンチ肉1割入ったハンバーグは焼いた。

そんな一回り若い連中とキャンプによく行った。総額1万円程度を割り勘で。零下15~20度の厳冬の霧ケ峰や奥蓼科でもキャンプした。寝袋は3000円で購入したナイロン綿タイプを2重にして。マットは段ボール何枚か敷いて。そんな時の相棒はこのテント。雪はまだ良かった。しかし雨は弱かった。そして移住空間は大きさの割に2人半ほどと中途半端な床形状。でも不満はなかった。

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テントの中で寝転んでみると、メッシュ越しに空が見れて(フライシートをはずしていれば)、不思議なほど心休まる空間。ピラミッド形状の中にいると、心が休まるというような事を聞いたことがあるけれど、お気に入りのテントの空間でも同じ効果があるように思うボンジョルノでした。

私にとって1980年代は経済的に一番苦しんだ年月だった。でも思い出すと懐かしい。その頃知り合った仲間は私にとって特別大事な人たち。このウォーラスの「オービット」はその頃の思い出の大事なアイテム。しかしもうあの頃の貧乏生活は2度といやだぁ~!。

そんな一回り若い仲間たちと知り合わせてくれた「卓袱堂」の卓ちゃんがコロンビアから戻ってきたら、キャンプを久しぶりにしたねと話している。彼は念願のモスのテントを入手したらしい。でもコロンビアから戻ってくるのは2年後。

2010年3月 5日

20年ほど前に作ったトランクが里帰り

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20年ほど前に作ったトランクが修理で里帰りです。
このトランクを作っていた頃は、まだヨーロッパの革は使えなくて、
アメリカ原皮の国産なめしのタンニン革を使っていた。
それが災いして革の表皮は瀕死状態。
でもトランクのようなハードケースは表皮が死んでも、
柔軟性が必要な部品を交換すれば使い続ける事が出来る。
ベルト2本とハンドルをブッテーロ革使って修理します。
最初はコンビ風になるけれど、使い込めば同化する。

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このトランクの持ち主は女性で、
自分の絵をこのトランクに詰め込んで行商で全国を旅し、
風雨にさらされながら共に思い出作った相棒。
トランクに刻まれた傷やシミの一つ一つが愛おしいと言う。
ハンドルとベルトをそのまま使えればその方がいいのだけれど、
旅の途中で切れたりすると困るので交換修理と相成りました。

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東京の池袋にあった鞄屋さんにあったこのトランクに一目惚れして入手したけれど、
誰が作ったかなんて知らないまま使い続けた。
修理したいと思って、内側に縫い付けてられた「アウム」のラベルを頼りに、
ネットで探してル・ボナーに辿り着いた。
「アウム」は12年前まで使っていた屋号。

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「オヤジの作る鞄は、ラフだけれど誰も真似出来ない味があるんだよなぁ~」なんて、
職人の私に対してけなされているか褒められているのか分からないけれど、
同業者によく言われる。その象徴的な鞄が、私の作るトランク。

だから今日の夕方、キャリアに括りつけてゴロゴロ持って来たトランク見て、
すぐに私の作ったトランクだと分かった。
昔恋した女性に何十年振りかで再会した時に感じるドキドキ感と似た感覚を、
このトランクと再会して感じるボンジョルノ。

良くなめされた革をお手入れしながら素敵にエージングしてゆくのは素敵だけれど、
傷付きシミが付き朽ち果てながらも、それを思い出のキャンバスのように愛せる付き合い方も素敵じゃありませんか。

鞄作り続けて30数年。
愛情持って使い続けてもらっている私の作った鞄との再会は、
鞄作り続けていて良かったと心底思う瞬間。
思い出のキャンバスは残しながら、心を込めて復元します。

2010年3月 2日

フレームトップバッグの枠

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現在ダレス用の枠を組んでいます。これから本体とこの枠の手縫です。
ル・ボナーのダレスに使う枠は、3ミリ厚の12mm巾のアルミ製です。
カーブする部分が直角だとスマートなので、曲げる位置を皿揉みして曲げます。
他社のダレスバッグの枠は鉄枠で幅も15ミリ~20ミリを多く使っている。その方が丈夫だ。
でも重くなるしスマートではないと私は思って、アルミの12ミリ巾をル・ボナーは使っています。
その枠でも変形しないようにするためには工夫が必要です。本体と枠を縫う時は緩みを最小限にし、曲がる余白が生じないように、手縫いで絞りながら縫い上げる。

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今回は定番の太ダレスのタイプ以外に、外枠と内枠を直接止める形式のダレスバッグも頼まれています。つまり本体前面に錠前と下がりの部分がないタイプ。この形式の錠前を枠に装着するには20ミリ巾が必要です。巾のある枠の場合は少し緩やかなカーブが似合います。定番の太ダレスよりもっこりしたダレスバックに仕上がります。錠前と下がりが前本体にアクセントを与えるのですが、このタイプだとシンプルな表情になる。少しアクセントを与えるために、枠を縫い付けた本体中央部分に取り付けるベロを大きめのタイプにしている。それだけで相当バランス良くなる。

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このタイプの枠に取り付ける錠前は、今回はイタリアのOBI社製。
このところ作れていないけれど、ル・ボナーらしさ伝える棒屋根ボストンの金具も作っている金具屋さんの錠前で、初めて今回使った。このタイプの金具は種類がそう多くなくて気に入った形が少ないけれど、このOBIの金具は美しい。

ダレスバッグはフレームを本体トップ部分に縫い付けて枠を閉じるまで、ダレスの素敵なフォルムと出会えない。だからこれからがダレスを作る中で一番楽しい時間。一針一針手縫いのチェーンステッチしながら、ダレスバッグの完成時のカタチを思い描いています。

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