2012年3月アーカイブ

2012年3月30日

ついでにちょっとお買い物

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昨日は木曜日で定休日。ただ色々仕事と宿題?が山積みで、のんびり休んでいられる状態ではないのだけれど、チャーをあのオタニ動物病院に連れていかないといけないので休んだ。そんな事は知らぬチャーはスヤスヤ。

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麻酔かけて犬歯を抜くのは、今回は飼い主側の心の準備がまだ出来ていなくて先送り。今日は狂犬病の注射だけなのに、当然チャーは知るすべもなくガタガタ震えている。本当に心の底から怖いらしい。

帰り道そのまま帰るのはもったいないので、それぞれが行きたいと思っていたお店を訪れる事にした。チャーがいるのでお昼ご飯はコンビニで買って公園でピクニック気分。日差しが気持ち良い。

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私が行きたかったのは旧居留地の端の方にある高砂ビル。古〜い戦前築の建物で、昭和レトロなお店がある雑居ビルヂング。玄関は摩訶不思議なワンダーランドランドへ招き入れる気配濃厚。ただ私の目的のお店はここからではない。

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その横の方のジュースとタバコの自販機がいっぱい並ぶ場所の奥。奥右のドアをノックして見せてくださいと言わないと、シャッターは閉まったままで電気もついていないお店。元々このビルの持ち主が帽子の輸出業で財をなし、その時の在庫がまだまだ倉庫に眠っていて、その帽子をやる気なさそうに売っている穴場なお店。

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そこで今回はパナマを3つ。しめて3,000円也。禿げオヤジには必需品のパナマ帽だけれど、冬場の帽子と違って消耗品。気に入ったパナマ帽を出来るだけ安くいっぱい持っていたいと願うボンジョルノにとって、なくてはならないお店なのであります。これでパナマ帽も8つになりこれから暖かくなっても大丈夫と思うボンジョルノでありました。

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ただ一つ問題がある。内側のテープ部分の塩ビがボロボロになっている。なっていなくてもすぐなる。倉庫に眠っている間に経年劣化したのだ。私の場合その部分を革で補修して被るので問題ないけれど、直せない場合それを我慢できるか。でも1,000円。

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ハミが行きたいと思ったお店は、東門街にある古道具屋さんの「生田ギャラリー」。私たちが結婚したばかりの頃から訪れている。小さな庶民派の骨董屋さん。そこでお気に入りの古道具を少し買った。お店は12時オープンと書いてあるけれど午後1時オープンと思った方が良い。今回も少し待った。今日はいつもの息子さんでなくてお母さんがお店番で、ハミはお買い物より会話の方が弾む。

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まず私が注目したのはこの小さなトランク。日本のトランクで三越の刻印が入った品は一級品。この小さなトランクも三越製。小さなトランクは使用頻度が高いのでコンデションの良い品は希少。このトランクはまだ革が生きていてハンドルも錠前もまだ大丈夫。内貼りを張り替えれば十分現役。

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それとこの小さな鏡台は可愛いとハミが。裏を見ると「回轉鏡台」と。クッルと回って鏡部分が出て来るギミック。

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それと少し背の高いこの椅子を購入して、しめて13,000円也。

春の日差しが心地良い日。ささやかなお買い物を二人でした。
チャーは車の中で一匹だけでお留守番。なので吠え続けております。
まだまだ大丈夫なようだ。

2012年3月28日

絶好調の「パパス・ショルダー」登場ー!

またまたパパス・ショルダーの登場です。

最初は自分の使いやすいショルダーバッグをと考えて生み出したカタチだった。そのカタチが思った以上に好評で、定番としてもう10年弱作り続けているル・ボナーのメンズカジュアルの代表的なバッグ。内装をナイロン素材からピッグシルキーに替え、ショルダーも生地テープに革を重ね、細部の変更を加えて高級方向にマイナーチェンジして、売れ行きは鈍ると思っていたのにありがたい事に続いてる。そのパパスがまたまた登場です。

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まずはパパスと言えばイタリア・バタラッシー社のミネルバボックス使用タイプ。今回はコニャックとグリージオ。タバコ色は今回は作っていません。今回のパパス制作に入る時はまだタバコ色のパパスの在庫があったのですが売れてしまい今は在庫なし。次回生産までタバコ色なし状態です。私の判断が甘かった。

今回のコニャック色のパパスは平均してシボが弱い感じです。つまり冬場の原皮なのでしまっていると言う事か。グリージオの場合も同じ感じですが、いつもよりグリーン色が強く濃い感じ。タンニンなめしの革は季節や気候の変化を強く受けて、ロットによって相当な差が生じる。それもナチュラルタンの面白いところ。エージングは保証付き。

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このところ毎回作るようになったシュランケンカーフのパパス・ショルダーは、今回は黒(ブルーステッチ)、トープ、ライムグリーンの3色。エージングではミネルバボックスには全然かないませんが、発色の良さと使い込んだ時の腰の抜け具合が違った革の魅力を伝えてくれる。私は使い込んだ後の状態をお客様に伝える為?、一年に一度使うパパスを交換していました。シュランケンのライムグリーンのパパスを使い始めてもう2年になりますが換えられません。人それぞれピタッと相性があう革と色があるようだ。

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このショルダーバッグは少しの中身だと、身体にフィットして良い感じ。いっぱい入れてみると予想以上の収納力。上の画像をよ〜くみてください。普段の家と工房の行き帰りは、ポーチ・ピッコロと革カバーに収まった11インチのMacBookAirは必ず。それと太軸万年筆5本が収まったペン挿しが加わり、その上重くて大きな5Dに50mmレンズ装着したまま収めてまだ余裕ある容量。これだけ収める事が出来るのは、底幅が寄与している。

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前回作って残りわずかなゴールドとスカイも加わり、
シュランケンカーフのパパス・ショルダー5色そろい踏み。

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やはりタバコ色がないと寂しいなあ〜。
でもミネルバボックス3色の人気順位はグリージオ、コニャック、タバコの順。

パパス・ショルダーはこれからも作り続けます。
税込み52,500円で好評販売中〜。

2012年3月27日

迷犬チャーの近況

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チャーの鼻血ドバー、その後麻酔かけて鼻の粘膜採取してついでにレントゲンもした後、丸一日寝たきり状態だった時は動揺した。その後の事はブログに書いてなかったようで、多くのお客様が来店時に「チャーはどんな具合?」とよく尋ねられた。その後のチャーの容態を心配するメールも頂いたりしたので、これは書いておかないと。

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その後もチャーにとって益々恐怖の館状態強まったオタニ動物病院を何度か訪れた。どうも上の前歯が化膿しそれが原因で鼻から出血したようだ。その後も同じ症状(鼻血ドバァー)が何度かあり、これは先生の言うように歯を抜くしかない。犬歯を抜いても問題ないそうです。ただ麻酔後のあの情けない状態を思うと、直ぐに決行するのは躊躇う私たちです。

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お店ではお客様がドアをあけると必ず吠えていたチャーですが、このところその勢いは少し影を潜めよく寝ています。親しいお客様たちは「チャーに吠えてもらわないと寂しいなぁ〜」とよく言われます。やはり13歳は相当お歳をとったと言う事でしょうか。

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家でも食欲だけは全然衰えを見せないのですが、それ以外の時間は呆れるほど寝てばかり。マンションの3階にある自宅まで階段で上がるのが相当重労働のよで、3階に着くと息も絶え絶え。白内障が相当ひどくなっているようで、階段を降りる時も一段ずつ両足揃えながら怖々降りてます。抱き上げて上り下りすれば良いのでしょうが、22キロの重さを抱えるのは厳しいです。

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このところ1日3回の私との散歩もあまり乗り気ではなくなっている。けれどハミも一緒だと喜々としてリードを引っぱり往年のチャーが復活。我が家の者たちは皆ハミさんが一番のようです。

2012年3月25日

「iHub」そしてスケルトン「iPhone」

私のネット環境はいつの間にかアップル製品ばかりになってしまった。
最後に残った自宅のWindowsのパソコンもまだ使えるけれど使わなくなってしまった。
こんな私に誰がした?。
やはりその犯人はフランク・ミュラーダイアルコレクターでもあるK氏だ。
K氏は最新のアップル製品は必ず買い替える筋金入りのアップルマニア。
私も相当洗脳されつつある。
そんなK氏が新iPadを入手したのでその魅力伝えにやって来た。
確かに画像が凄く鮮明になり魅力的だ。
しかし私の場合は iPad 2 を入手したばかりだしここは我慢。
その時お土産だよ〜んとUSBハブを頂いた。

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アップルマークの下にはスティーブ・ジョブス 1955-2011 と記してあり、
アップルユーザーの心を揺さぶる。
このカリスマを思い涙するのは私だけだろうか?。
粋なパーツをアップルは作るなぁ〜と思っていたら、これは社外品。
こんなに堂々とアップルマーク使っても大丈夫なのだろうか。
それもそのアップルマークは点灯までする。

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そしてケースに記された名は「iHub」。
素晴らしい。

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それよりもっと見せたい品があると言って自身の使っているiPhoneを取り出した。
表からみたらバンパーカバーがただ装着されているただのiPhone 4S。
でも裏返すとぉ〜


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iPhoneのスケルトン仕様〜!。
これはインパクト十分。
その上これまた社外品でありながらアップルマーク付き。
内部の部品の美しさにまでこだわりを持っていたジョブスは。
きっと冥途で喜んでいるであろう?改造だとボンジョルノは思った。
私もこの仕様に近々追従する事にいたします。
壊れても保証外だとは分かっておりますがそれでも決行したい。
それにしてもアップルマニアなK氏は色々面白い品をよく見つけてくるものだと、
改めて感心させられました。

2012年3月24日

手縫いな日々

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現在ダレスバッグのトップ枠の手縫いの日々です。1本の太ダレスのトップ一周を手縫いするのに要する時間は2時間半。なのでその事だけに集中出来たとして一日3本。まずそうは行かない。なので相当な日数手縫いの日々がこれから続く。

ダレスのフレームを本体に縫い付ける事はカーブ部分が邪魔してミシンでは縫えないみたいだけれど、工夫すればミシンでも縫える。その上菱切りでステッチ目を開けてから縫うと手縫い風にも縫う事が出来る。しかしル・ボナーではあえて手縫いで仕上げている。軽量化の為にル・ボナーではダレスの枠はアルミを使っている。その上スマートに仕上げたいのでギリギリまで細い枠を使っている。

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枠錠前タイプで15mm幅。全面の錠前がくるオーソドックスなダレスにいたっては12mm幅。アルミ枠でこの細さをミシンで縫うと、荷物を入れた時の重さの負担を繰り返す事で早く枠が変形する恐れがある。ミシン縫いの場合絞りが甘くなるけれど、手縫いだとぎちぎちにステッチを絞る事が出来る。その事でアルミフレームを包む革の弛みが生じる事を防ぎ変形しぬくくなる。なのでル・ボナーで作るフレームトップのバッグの枠は手縫いで仕上げている。

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手縫いとミシン縫いは菱穴の方向が反対。なのでフランスのH社の場合も「全て手縫いで仕上げています」とお店の人は言うけれど、そうでないと菱穴の方向で分かる。それよりH社の場合弱い麻糸をミシンで縫っている技術の方が凄いと思う。この凄さは麻糸をミシンで縫ってみたらわかる。まず出来ないはずだ。ただ菱切りで穴を開けてから丸針使って丈夫な化学繊維の糸で縫うと手縫いと同じにミシン縫いも見える。それを手縫いですと言って売っているトップフレームバッグも巷では多くみかける。その場合手縫いかミシン縫いかを見分ける方法は裏糸(下糸)を見て判断する。ミシンで太い糸を表に使った場合、裏糸は必ず表より細い糸になっているはず。手縫いは表裏同じ太さの糸以外あり得ない。

などと言っているけれど、私の場合手縫いに拘ってはいない。なので手縫いする場合もすり切れにくい強度がある化学繊維系のビニモ糸を使って縫っているので、麻糸使った味わいのある手縫いではない。それにしても手縫いしている時は全然眠くならない。それに比べ作業の中で一番眠くなるのはコバ磨きしている時。なので時間はかかるけれど手縫いするのは結構楽しい作業だ。

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まずはご注文を多く受けている太ダレスから仕上げています。前回作った枠錠前タイプが結構好評だったので、オーソドックスなタイプと今回は半々作っています。黒、ネイビー、チョコ、ワインの4色で合計22本。そのうち半分は長くお持ち頂いているお客様の分。頑張ります。

2012年3月21日

「ホンブルグハット」と言うのかぁ〜

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冬場のボンジョルノの定番ハットはボウラーハット。しかし本格的なボウラーハットはどうも普段のカジュアルな服装で被るとアンバランス。それで工夫して丸いトップを中折れ風にしてみたら、私の場合は違和感なく被れる事に気がついた。これはボンジョルノだけのオリジナルな被り方だと悦に入っていたら、どんな事でも詳しく調べ上げないと気が済まないダンディーT氏が、「それはホンブルグハットと言うのだ。」と教えて頂いた。ネットで検索してみると確かに存在していた。

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という事は下北沢の古着屋さんで入手したこのドイツ製のファーフェルトのハットも、中折れのソフトだと思っていたけれどホンブルグと呼ぶ方が正しいみたい。渕にパイピングがあってクランク中央に折り目が入った帽子がホンブルグ。ホンブルグハット気に入ったぁ〜!。

カバンと革の事だけは詳しい私ではあるけれど、それ以外のモノ趣味はライターN氏を筆頭に、ダンディーT氏や現在東京単身赴任中のF氏や多くのモノ知識豊富な方々のバックアップに支えられている。そして知らなくてもいい深みへと導かれる・・・・?。

ここ数日春の訪れを感じさせる空気に変わって来た。花粉症で悩まされていない人には最も心地良い季節があと少しで訪れる。4月後半からはパナマ帽に移行する。ホンブルグハットを被る日々もあと少し。

2012年3月18日

「学手風ブリーフケース」はやはり良いなぁ〜と思う。

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東京にお住まいのN氏が出張で関西に来られたついでに、ル・ボナーに立ち寄られた。
寄り添うカバンはル・ボナーを代表する「学手風ブリーフケース」。

ブッテーロの革を使ったル・ボナー製品をお使いのお客様は、
びっくりするぐらいのお手入れ名人の方が多くいる中、
私と同じでN氏はお手入れした気配なく?使われているので小傷がいっぱい。
でも気にせずがんがんお使いで、それはそれで良い味わい感じられる。

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定番より幅広に作ったマチ幅だけれど、
二本の立派なベルトがしっかりホールドして、
使い込んで絶妙な形状を生み出している。
ベルトがない普通のカブセ式ブリーフケースだと、
この幅広のマチだとシンメトリーな変形はまず望めない。

多くのお客様からこの学手風ブリーフケースの注文もお受けしている。
でもこのカバンの特徴である全面のベルトを通す立体的なループ(通称・ゲタ)が、
量産を阻んでいて工房内生産の為申し訳なく思っているけれどまだ作れないでいます。
前回作った時は、何個かは店頭にも並べたいと思い多めに作っていたら、
作っている途中からその店頭展示用にも注文が入ってしまい、
結局お店に並べる事が出来なかった。これは嬉しくも有り寂しくも有り。

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今一年に一度の恒例のダレスバッグを作っています。
確か12月の恒例だったはずが、
ここ数年この時期恒例にずれており申し訳ない事であります。
こちらは太ダレスも細ダレスも両方店頭に並べられる事が出来る量を作っています。
現在最終段階のトップフレームを本体に取り付ける手縫いをしているところです。
お待ち頂いている皆様、もう少々待っていてください。

2012年3月14日

独立系職人の鞄を欲する人と作る職人のギャップ

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先日久々にフルオーダーで大きなブリーフケースを作った。使い手の要望を聴いて、デザインから全て自前でのオートクチュール的な鞄作りだった。一個の鞄の為にパターンを起こしサンプルまで作るので、その費やした時間もすべてその一個にかかる。一日8時間労働で純粋にその仕事だけに費やした工賃を割り出し(15日)、それに材料費を加え、そして営業経費をかけて価格を割り出したら60万円也。その価格にになった最大の理由は工賃。もっと早く作ればその価格にはならいないけれど、非効率なオーダーメイドの一点作りを私がする場合、作り上げるまでにその時間が必要だった。しかしその価格は却下された。その時その鞄を収める化粧箱は12,000円しても納得したのに(同じ化粧箱を50個ほど頼むと1個1,000円ほど)。まあ楽しい仕事だったから受け入れた。その代わりこのカタチを量産する事で折り合いをつける事にした。システムをしっかり組んで量産すれば月30個は作れる。そうすればデザイン&パターン&サンプル作りにかかった時間は数に等分することになる。その結果同じ鞄が10万円前半の価格で卸しも可能になる。

前述のように今も時々は自分でも作るけれど、多くは信頼する職人さんに頼んで作ってもらっているプレタポルテ的生産体制で鞄作りを今は主にしている。それ故に余計に独立系鞄職人が自ら作る鞄を欲する人と作る職人とのギャップが見えて来る。

鞄以外のモノ作りを見てみるとその事がよく分かる。良く似た職種の靴で見てみると、ハンドソーのオーダーメイド靴を名ある独立系靴職人に頼むとだいたい30万オーバーというあたり。材料費も鞄に比べてかからない靴がなぜそんな値段がするのかと思っていたけれど、これは工賃を正当に計算するとなってしまうという事なのだ。その結果同じ革を使った紳士靴でも30万オーバーから3万までの差が生まれる。海外の雲上ブランドでオーダーすると100万円以上するが、それでも企業として全うな経営が成り立っている。それが靴の場合成立して市民権を得ている。

鞄の場合はどうか。日本のトップクラスの独立系鞄職人が自ら作ったフルオーダーの総手縫いのブリーフケースだとしても、50万の値をつけると多くのそういった鞄を欲する人でも躊躇する。実際に制作にかかった時間を計算して、それと材料費を足して営業経費をかけるという当たり前の価格計算をしてみると、100万円ほどで注文を受けないと成立しない。だのに50万円でも現実は躊躇される。そのギャップが現実に存在する中で、作り続けたいと願う独立系鞄職人はその作業のみでは生活をしていけないのが現状だ。方法はある。その技術を強くアピールし100万円でも注文する人たちをつかむブランド力を持つか、ある程度の量産体制を整えて欲する人との価格ギャップを埋めるシステムを構築して、個性を持ったオリジナルを生み出していく工夫をするか。どうしても手縫いにこだわる場合は前者の方法でフルオーダーを受ける道しかない。世界トップの鞄ブランドが手縫いとミシン併用で作る百万円オーバーのバッグが売れる日本なのだから、工夫次第で適正価格での手縫い鞄を作る方法論が必ずあるはず。その事に拘らなければ後者の方法で個性を表現する工夫が可能になる。ただその場合独立系の鞄職人であるだけではいられないけれど。

作り上げる為にかかった仕事量を適正に反映した価格で作り、その価格以上の満足を提供出来る関係を作っていかないと、独立系鞄職人の明日は見えて来ない。少しその場所から距離を置いているボンジョルノ松本は思うのでした。

( コメント頂いた皆様へ )

多くの皆様からのコメントを頂きありがとうございます。
多く頂いたので纏めて返信とさせて頂くご無礼をお許しください。
私は30万で靴をオーダーする事は金銭的に出来ませんが、
事実それが成立している世界があります。
それと同じでカバン作りにおいてもそうある事を願うのです。
その事が市民権を得る為には、
より魅力あるカバン作りをする努力をしていかないといけない訳で、
その方が職人側から考えても厳しい道だと思うのです。
そしてその緊張感から素敵なカバンが生まれて来ると思っています。
プロとしてカバン作りを生業としている訳ですから。

2012年3月13日

革を巻いて楽しむ

革巻きして楽しんでいるボンジョルノです。
これは革鞄職人である私の特権だと気がついた。
そこで差別化を謀る事で普通なモノが特別のモノに変わる。

その最たる品がカメラ。
グリップ感が増して、
良い一枚が撮れるんじゃないかという錯覚すら感じる革巻き仕様。
でもそのままだとヤフオクでは売れません。

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エレファント革が似合っているGR DIGITAL Ⅲ ワイドコンバージョン装着仕様。

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EOS 5D はエルメス仕様ライカで使っていた、
同じトープ色のシュランケンカーフを巻いてみました。

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最も革巻き重装備の EOS 50D はグリップ感を考えながら貼っていたらこうなった。
グリップ力抜群のクラシコバッファロー革がいいエージングしてきました。

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この オリンパスE-P1 は貼るとイメージ悪くなるのを確認したので、
最小限に押さえてエレファント革をそれでも貼ってます。

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顧客の方が「新しくカメラ買ったよぉ〜」と持って来られたら、
喜んで革張りしているボンジョルノでありました。


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時計ケースもフラスキー社のデッドストック革を貼り替えてみました。
数千円で買った時計ケースが上等になりました。

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当然中に収めている時計たちは自前で作った時計ベルトたち。
今クリスペルカーフ使って作った時計ベルトが大変気に入っておりますが、
時計ベルトの製造販売は現在休止中。

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万年筆の革巻きも上達しました。
巻くと元は何ていう万年筆だったのか分からない。

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普段使っている仕事用の筆記具にも革を巻いてグリップ感と質感アップ。
筆記具の革巻きは、本当はこのタイプあたりが一番理にかなっていると思う。

いっぱいは買えない?ので、持っているモノを私なりに楽しむ方法がこれ。
愛着増します。

2012年3月 9日

ライカはカメラの雲上ブランド

カメラに興味を持ち始めてまだ5年ほどのボンジョルノ。
その間増え続けた。これからも増え続けるだろうと思う。
撮るという行為以上に、外観が好きみたい。
だから顧客の皆様からは「大きなアクセサリー」と言われている。

先日 M9さんと呼んでいるTさんが奥様と一緒に岡山からやって来た。
彼は決して裕福には見えない(失礼)。
そんな彼は高価なライカM9をローン組んで購入したという30代のツワモノ。
今回もその特別なデジカメを持参しての来店。

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このデジカメは別格の存在感と風情がある。
日本製のプロ仕様の見たからに凄い迫力のモンスターデジカメたちが、
束になっても越えられない壁がそこにはある。
所有することの喜び。安易には撮れない楽しさ。
重さも快感へと変わる錯覚を感じられる特別なカメラのブランド。
水戸黄門の葵の紋所のような存在感。

そのTさんのライカM9には、
今まで安く入手したライカのヴィンテージレンズが装着されていた。
それがM9のローンが終わったと思ったら高価な最新レンズがぁ〜。
ズミルックス50mmF1,4。

マニュアルフォーカスな上に確認用の液晶画面は一昔前のレベル。
デジカメである利点は極わずか。でも特別な存在感を持ち続ける。
私はまず買わないだろう、いや買えないだろう。
でもこのブランドだけは認めてしまう。

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ライカというブランドのオーラは憧れに近いボンジョルノ。
それでやっと手に入れたライツのファインダーは、
カメラ本体より存在感が上回ると私には思えてしまう。

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そして遠ざかっていたM3のシャッターを久しぶりに切ってみた。
この余韻を持ったシャッター音と感触はたまりません。
どんな写真が撮れたとしても許されるオーラを持っている。
いつの日か、このライカM3というカメラを楽しめる、
そんな心の余裕が持てる日々がボンジョルノに来るのでありましょうか。

2012年3月 6日

名古屋の「PEN-LAND CAFE」にル・ボナーのバッグが

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名古屋の大須の「梦麺88」というラーメン屋さんの2階にテイクアウト出来るカフェもオープンした。それだけだと寂しいなぁ〜と感じたオーナーは、自分の趣味も持ち込んだ。多くの趣味仲間から「趣味を商売にすると楽しくなくなるよ」と言われながら、その忠告など聴くお人ではない。その趣味とは万年筆。それも新品からアンティークまで本格的な品揃え。今まで名古屋にはなかった万年筆ショップの誕生だ。そのお店の名前は「PEN LAND CAFE」。はたして名古屋に新しい万年筆の風を吹かす事が出来るでありましょうか。

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このお店をオープンしたお方は、名古屋界隈では知る人は知っている(当たり前かぁ〜)万年筆愛好家。本職は食品会社を経営する自称 夢待ち人さん。仲間内ではシャチョウさんと呼ばれている名古屋弁のエネルギッシュダンディーな老紳士。

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これは完全にペンショップじゃないですか。でも主はカフェだそうです。一度私も一階のまだ本業の延長線上のラーメンを頂いて、その後2階のシャチョウさんの趣味の部屋を覗いてみたいと思っていたら、それどころではなく私たちも加担する事になりました。

この名古屋のカフェ&ペンショップで、ル・ボナーのカバンたちを展示販売する事になりました。万年筆好きは革製品が好きな人が多いのでそれならという事で、親しいル・ボナーにお声がかかってしまったと言う事であります。。主はカフェらしいですが、万年筆とル・ボナーの革製品が多くのスペースを占領するお店となっております。いやはや。やるとなると本格的。専用にサイズ測って特注した什器にル・ボナー製品は陳座しているそうであります。なぜかル・ボナーの顧客指数が高い名古屋で実際に見て触ってル・ボナー製品を購入出来る場所が初めて誕生しました。名古屋界隈にお住まいのル・ボナーファンの皆様、是非「PEN LAND CAFE」でコーヒー飲みながらル・ボナー製品も見に行ってみてください。。

2012年3月 3日

残心シリーズの長財布が出来上がりました。

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土俵際でなんとか踏ん張りながら続けている、
残心革小物シリーズの新作の長財布の登場です。
必要十分な機能を持ちながら、
限りなくシンプルなカタチを求め、
革の質感の魅力を求めたシリーズです。
裏貼りにはフランスのデュ・プイ社のソフトカーフ。
その革を裏に完全破壊強度での圧着をする事で、
表革の上質な質感をより高める。

今回の残心長財布は、
スーツの内ポケットに入れて使う事を想定してデザインしました。
着物姿での使用も頭の隅にありました。

表から見ると一万円札と他のお札を分けて入れれるように二層にしました。
50枚以上のお札が納まり、それでもスマート。

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裏の中央に刻印を入れてみました。

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カードも3枚収める部分があります。

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シュランケンカーフではジーンブルー、ダークブラウン(チョコ)、黒、ライムグリーン、ゴールド、オレンジの6色。
薄さを実感するのはこの革が筆頭。その上発色が良くてソフトな手触り。
税込み12,000円。

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クリスペルカーフでは黒とダークブラウン。
上質な革とは何かという事を、
この革で作った製品を使い続けると実感出来る。
税込み14,000円。

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黒桟革では黒とブラウン。
本漆の光沢が独特の質感を感じさせる。
正に「和」の美学を伝える革。
税込み15,000円。

2012年3月 1日

TAKUYA君の作る革製品にオートクチュールを見た。

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親しくしているお客様がTAKUYA君にフルオーダーで頼んだ、ショルダーバッグを提げて来られた。シンプルだけれどTAKUYA君でないと生み出せない個性が伝わる上質なショルダーバッグだと思った。表はイタリア製のクラシコバッファロー、内装にはペッカリーでも特別上等なペリンガー社製。ショルダーはクロコダイルの贅沢仕様。それをオール手縫いで仕上げたソフトショルダー。カブセ中央部分を横断する掬いの手縫いが特別感を醸成する、身体にフィットする素敵な佇まい。このバッグを注文し出来上がるまでの過程をそのお客様から聞いた。まさに作り手と注文主のバトルだったそうです。試作をし変更点を洗い直しながら、作り手のTAKUYA君と一緒に特別なカタチを生み出したという満足感をその注文主は感じる事が出来たと言っておられた。

その制作過程をお客様から聞いていて、TAKUYA君のオーダーメイドはビスポークというよりオートクチュール的だと思った。オートクチュールとは既成服では使えない素材や縫製方法を駆使して作る一点モノの高級服。数百万円の価格が当たり前の世界。それでも注文主の思うままには作ってもらえない。デザイナーと注文主との真剣勝負から生まれる特別な一着。そのオートクチュール的かばん作りをTAKUYA君はしていると思った。

モノ作りを生業とする時その作る品にかかる労働時間を適正に計算し,価格にフィードバックする必要がある。特に一点モノの場合、打ち合わせ時間も、パターンを制作する時間も、サンプル作りも、全て注文主に販売する一点の為に費やすのだから、それらを数に分散できる量産品とは比較にならいほどの時間をその一点の品に費やす事になり価格はそれなりにする。しかし多くのオーダーメイド制作をする独立系鞄職人は適正な請求を出来ないでいる場合が多々ある。でもその事は作り手は勿論注文する側においても不幸な事だ。無理な価格設定でモノ作りを続けると継続出来ない。技術的向上心や豊かな創造力を発展させる時間も持てない事になったりする。

TAKUYA君の作る革製品は彼しか出来ないオリジナルな作品を創造し、それをオートクチュール的な販売方法で注文主と格闘する。その結果注文主が満足感を感じてもらえたなら、価格も納得してもらえる。その為の技術力と感性の進化を彼の作り出したカタチの中に見た。

彼の作り出す革製品と販売方法に刺激を感じています。

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