« 残心シリーズの折り財布がやっと店頭に | ホーム | シュランケンの残心小銭入れが出来ました。それと〜 »

2014年4月 7日

兄貴のように慕った人のお城へ

ハミと二人で行った東京出張は、ペリンガー社の社長さんとのミーティングが主な目的ではあった。でもそれ以上に、二人にとって特別な場所に行く目的もあった。先日亡くなった私が兄貴と慕ったダンディーTさんのお宅へ行って線香を手向ける事。会うたびに話していたそのダンディーTさんが自慢していたワンダーランドへ。

内装無しで購入し、親しい建具職人さんと内装を何年もかけて作り上げていたダンディーTさんの小さなお城へ初めて訪問した私達。まだ未完成でこの後も完成するまで奥様は続きを頼む事にしたそうですが。今後も手を加えて行くと言う意味ではガウディーのサクラダファミリアみたい。

リビングに入るとそこはダンディTさんの世界。中でもウォークインクローゼットの扉が目を引く。奥様の希望にそう形でダンディーTさんが探しだしたイタリアの高級モダン家具の扉。良質な質感とシンプルなデザインに惚れたのだと思うけれど、そのまま買わないのがダンディー流。扉以外はいらないと交渉し購入。そして中は建具職人さんに。この扉がまずあって、その質感に合わせて統一感のあるインテリアで室内全体を構築する計画。

DSC03072.JPG

それにしてもこのリビングはまるでダンディーTさんの美意識を凝縮した書斎。モダンとクラシックの絶妙な均衡を感じるインテリアが居心地いい。好きなモノと本が調度品のように存在する。ただここまで男の我が儘を許容した奥様は偉い。ちなみに我が家のインテリアは私の要望は皆無。

DSC03075.JPG

よく自慢していたLINNのオーディオ。より良い音を得る為に天井から吊るしていたという生地のテープたちは取り除かれている。でもダンディらしさ感じる選択と質感のオーディオだ。

DSC03071.JPG

銀塩が面白いという強い信念を感じるカメラ&レンズたちが鎮座する防湿スペース。バルナックライカはいつも出張時バッグに忍ばせて持ち歩いていた。神戸の旧居留地でそのバルナックを構えていたら、横を通ったギャルが「わぁ〜カッコ良い〜」と話しているのを耳にした事を得意げに話してくれた。「俺って撮る技術も知識も十分持っているんだけれどセンスがないんだよ」と言いながらアナログに撮る事を楽しんでいたなぁー。結果はあまり価値を持たず、撮るという行為を茶道の作法のように楽しむ人だった。

DSC03079.jpg

この珍しいグラッパは、今はない神戸のバランザックでお相伴させて頂いたなぁ〜。蔵書を開くと、きっとマーカーだらけなんだろうな。ネットから入手するデーターも一度プリントアウトする人だった。でないとマーカーでチェック出来ないから。知識も楽しみながら吸収する人だった。

DSC03076.JPG

そんなダンディーTさんが最後にチョイスした時計がこの「レベルソ」。孤高のマニファクチュールブランド・ジャガールクルトを代表する時計。その選択も、らしさすごく感じられる素敵な選択。

DSC03078.JPG

そしてル・ボナーのバッグたちを愛して貰った。このバッファロー革使った横型の特注ディプロマを見て、使い込まれた風情にハミは感無量だった。

特に男は格好つけたがる生き物だと思うけれど、ダンディーTさんは筋金入り。オンもオフも渋いオヤジを気取っていた。そして興味を感じたら上っ面だけでなく、深く理解する過程も楽しむ人だった。なので綻びをみつけたら突っつくのだけれど、そうすると理路整然とした論理で逆にギャフンといわされた。それがまた心地良いと思えたのは何故なんだろう?。生前の持ち物やインテリアなどを実際に拝見し、この人の芯の通ったダンディズムにあらためて恐れ入りました。しかし多くの事を整理しないで逝っちゃったから、奥様は今大変ですよぉ〜。そして私の嗜好の方向性はこの人に感化されていると強く思った。兄貴ともっと遊びたかった。

コメント(4)

義姉から、お二人がお運び下さった事は伺っておりました。
ありがとうございました。
私たちもあの家で野辺送りまでの5日間を兄の亡骸とともにすごしたので、今も折々にその時の光景が蘇り、なかなか気持ちの整理がつかない日々を過ごしています。
義姉にわがままを赦してもらって、自分の思い通りに生きた兄の生前の姿の象徴のような部屋でしたね。
生前も、亡くなってからもお二人が兄を大切に思って下さる気持ちに感謝の思いでいっぱいです。

 ダンディズムとは最も遠いところにいる私ですけれど、こういう生き方には強く憧れ、そして、大変なんだろうなぁ、と思います。ダンディズムってのはやせ我慢でもあるわけで、多くのものを犠牲にしないと実現できないことも多々ある。私がもし、生前のTさんにお会いしていたとしたら、自分の生き方を恥じ入るばかりだったでしょうけれど、自分が若い頃はこういう先輩がけっこうたくさんいたように思います。

コメントする

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、Le Bonheurが2014年4月 7日 09:58に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「残心シリーズの折り財布がやっと店頭に」です。

次のブログ記事は「シュランケンの残心小銭入れが出来ました。それと〜」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。