
10年ほど前にパターンを起こして販売していた大きなトートバッグを、仕様を一部変更して作ってみました。仕様変更の為のサンプルを作ってみて納得出来ず、ハミの意見を取り入れ最小限の変更に止めて本生産に突入しました。そして出来上がったパパス・トートは良いのではないでしょうか。
仕様の最大の変更点は革。大きなトートバッグ(縦38×横36×幅15)なので革をいっぱい使い、ヨーロッパ皮革を使うと価格が上がってしまう事を避け、10年前の旧作ではバングラキップのサンタフェという革を使っていたけれど、今回はミネルバボックスとシュランケンカーフで作って、パパス・ショルダーと共通素材とした。その為価格もそれなりにする。内装は計量化の為10年前と同じナイロン生地。あとトップをファスナーで閉じれるようにし、ショルダーベルトもパパス・ショルダー同様革を巻いた。それとショルダー取り外し時のギボシ金具は丸いタイプをやめ、穴が緩んでも撮れにくい嘴(くちばし)ギボシに変更。
フォルム的には大きな変更点はない。唯一旧作ではマチと本体を明確にする為に、ステッチを入れて角を作っていたけれど、それをやめた。今回パパス・トートを再製品化するにあたってこの四角のステッチを入れない事には躊躇があった。納まりが悪いフォルムになるのではという心配があったから。でもハミの助言を受け入れて、ステッチを入れなくて正解だった。逆に自由な開放感があって革の豊かな質感を表現出来たのではないでしょうか。
初回生産ではシュランケンカーフではオレンジ、ゴールド、ホースの色で作ってみた。黒での要望もあったけれど、丁度シュランケンの黒の在庫がない状態で今回は作れなかった。ミネルバボックスではグリージオとタバコ。

イタリア・バタラッシー社のミネルバボックスはエージング世界一だと私は思っている。旧作では輸入元の革屋さんのサライ商事の現副社長に頼まれて、この革のグリージオで特別に作った事があった。日々気に入って使ってもらっていて、凄く良い感じにエージングしていた。そのミネルバボックスが今回から定番で登場です。

この大きさでシュランケンのオレンジは派手かと躊躇があったけれど、出来上がってみると良い感じ。私はこの色のパパス・トートを使いたいなと考えている。やはり制作者自ら広告塔の役目を担わないといけないのではないかと思うのでありました。

ホースは定番色のゴールドを少し濃くした茶。トープ色にも似た感じ。

そしてゴールド。シュランケンのパパス・トートはパパス・ショルダー同様発色と革の質感でミネルバボックスより秀出ている。エージングを選ぶか、発色と質感を選ぶか、さあどっち?。
2〜3泊の旅行でも十分な容量。口元にファスナーを付けたので安心感も加わった。旧作が内縫い部分の玉芯交換で里帰りしていたのを見たお客様の何人かが要望されて今回の生産となった。税込み94,500円での販売で、今後定番になるかは売れ方次第。
こんばんは。この鞄、とっても素敵です。できれば、内装も見せていただきたいところです。
Re:ボンジョルノより
内部はパパスショルダーと同じようなファスナーポケットと中央にしきりのある大きなポケット二つ。それとマチトップ近くに携帯電話などが収まる小さめのポケットが二つついた仕様になっています。