
月に一度、オーダーのベルトを作ります。バックルを止める部分を手縫いで処理しているので、サイズを調べてから作ります。毎月月末の数日、平均10本前後の注文をこなしています。10本前後の数であればプレッシャーも感じず、楽しく仕事ができます。
1年前までは、毎月40本ほどのベルトを作っていましたが、長さ、革の種類と色、糸の色など全部違うオーダーベルトを毎月40本こなすのは、頭の中がパニックをおこしてしまいました。時間的な負担もバカになりません。あの頃に比べて今は良い按配。ストックしている革で、ベルト用の革としてカタログに載せていない革でも、ベルトに適しているものであれば作れる余裕も今はあります。

ル・ボナーのベルトは革を3枚重ねて作っています。真ん中の芯に使う革は斜め漉きをかけています。一般的に売られているベルトの場合、多くがこの芯材に紙系のものを使っています。紙系の芯材を使うとベルトは長持ちしません。
ル・ボナーでは紳士ベルトの場合、厚みが薄いベルトを厚く見せる工夫ではなく、厚みがあるのに薄く見せる工夫をしてベルトを作っています。使い続けると、その差がわかります。
北欧の革で、厚みが7ミリ強あるものを入手しました。一枚革で7ミリ強の厚みを持った革はあまり見たことがありません。既製の一枚仕立てのベルトで厚いなあと思って見てみると、とこ革を圧着して厚みを足してるものが大部分、ほんとに一枚で厚いものはなかなかみません。
この革で、一枚仕立てのベルトを作ります。

ブッテーロの原厚と比べても、3倍ほどの厚みです。
作るのが楽しみです。この一枚仕立てのベルトには、オリジナルで作ったバックルは似合わないので、それ用のバックルを用立てしないといけません。浅草の三筋にある柳場で真鍮の雰囲気のあるバックルを探してきます。ヤナギバは古き良き時代の金具屋の雰囲気を今でも残している貴重な金具屋さんで、真鍮の無骨なバックルを多く扱っています。ヤナギバのおばあちゃんが元気だった頃は、夏には冷たい砂糖入りの麦茶をだしていただきました。今でもカウンターにはいつでもどうぞと飴ちゃんが籠に入ってあります。ヤナギバに行くと必ずトイレを貸してもらいます。初めての人は少し恐怖を覚える、もう見ることも少なくなったクラシックな水洗トイレが今も使われています。
お世話になっております。
以前拝見させていただきましたが、じっくりと見なかったので、お伺いした際にもう一度拝見させてください。
7ミリ厚というコトはハーネスレザー(馬車等牽引用皮革)ですか?