
現在小物作りの下準備中です。暮に向って、いくらなんでも小物がお店に並んでいないとまずいでしょうと、自らを叱咤激励しながら小物作りです。十分な量を作るのは困難ではありましょうが、頑張って作りまぁ~す。
その中でエレファントで作って欲しいと頼まれた品があるので、一緒に作っています。貴重品革はあまり好みではない私ではありますが、エレファント革は結構好きです。

このラウンドファスナー財布も20年前に作って現在も使っています。修理を一度もせずに20年使い続けて、まだまだ現役でいられる財布は珍しいと思います。それもファスナーモノで。これはエレファント革が大変強度のある革だからで、薄く漉いてへり返したファスナー周りのコバも擦り切れていません。それとこの当時のスイスのリリー社のファスナーに使われていた生地が特別丈夫だったからでしょう(現在は違う素材になっています)。
一時ワシントン条約で、輸入できなかったエレファント革ですが、アフリカで象を保護したことで増えすぎて、大食漢のためサバンナの砂漠化が進み、間引きしないといけなくなり、エレファント革と象牙はまた手に入るようになりました。でも値段はします。国内なめしの牛革の7倍ほどします。高価ではありますが、革の中で一番丈夫ではないかと私は思っています。

0,3ミリに割って、縁を斜め漉きした内貼りに使う革。お見事
小物を作る場合、割り漉きが一番のキーポイントです。特にル・ボナーの小物は内貼り部分も生地や合皮を使わず革を使っているのでなお更です。小物の場合厚みが出てしまうと中身が思ったより入りません。そのため薄く作りたいのですが、その場合裏貼りの素材を薄い生地や合皮を使って作る場合が大部分なのですが、ル・ボナーの小物の場合裏も革です。
革は0,6ミリの1枚の革より、0,3ミリの2枚の革を張り合わせた方が何倍も強度を増します。なので革の貼り合わせを多用して小物をつくります。当然一個の小物は見た目の倍の量の革をつかっていることになります。この方法での小物作りは特に割り漉きが重要になってきます。
割り(厚みを減らす)は0,2ミリが限界と言われています。割り損じを覚悟して頼む厚さです。その薄い厚みの縁を漉いてもらいます。この厚みを漉ける人は限られます。当然元々鞄職人の私にはできません。そのため私は小物を作る時は、割り漉き名人の大阪の山西さんに頼みます。山西さんの割り漉きは見事です。
小物の場合、自分で作るとしても割り漉きを外部にお願いするので、ある程度の量が必要です。
そのため久々に、小物作りがばっと頑張っちゃいます。
今日からハミは実家に里帰りであります。決して放蕩の夫に愛想をつかしての里帰りではありませんので念のため。しばらく私独りのル・ボナーであります。あっ、チャーはいます。仕事を黙々とこなそうと思っておりますが、誰か遊びに来ないかなァ~。
スイス製のririのジッパーはエルメスも使っているし,ヨーロッパのブランドモノの革ジャンなど衣類にもよく使っていますね。少し華奢な感じがします。リボン地が豊富でスライダーがエレガントですね。オーダーのスーツにも使っているところがあります。LVは,YKKがほとんどで,剛性感があります。スライダーがひっぱりやすいです。ちょっと前のU.S.Aモノの革ジャンではTARONやCOMARなどが使われていて,ノスタルジックで味があります。ジッパーなどの部品も作品を大きく左右しますね。金具にはこだわりたいところです。