材料も全てが高騰してペリンガー社のシュランケンカーフ使った製品を作っているメーカーの中で最安値?で我慢しているル・ボナーも限界が近づいて来ております。そんな状況の中、ペリンガー社のシュランケンカーフは特別なカーフで代替えが効かないので高くなっても耐えるしかないと思っております。でも原皮がアルペン牛で同じだとしても、ソフトスムースレザー(ナッパレザー)の革がシュランケンカーフと同価格だと厳しい。だって同じ製品だとシュランケンカーフと同価格での販売になってしまう。スムースレザーの製品はシュランケンカーフと価格差つけて販売したい。
そんな時知ったのがデンマークの原皮。昔は、世界最上級はダッジ(オランダ)レザーと言われていたけれど今は日本で流通すらしていない。その近くのデンマークの原皮だと初期クロームなめし(ウエットブルー)した革を日本のタンナーが輸入している事を知った。その革を使い仕上げを希望し作れるではないですか。まず21世紀になって幻となったフラスキーニ社が作っていたブレンダボックスカーフのストック革を見本に、ねっとりイタリアンカーフ風でデンマークカーフという名称で作り、色々な製品を作りました。これはこれで良い革だったのですが、時代は柔らかな革の方が好まれる傾向にあると思い、第二弾として作ったソフト(ナッパ)カーフがデンマークソフトカーフ。ペリンガー社のスイフトカーフを見本にして、加えてオイルを2度入れしてオイリーに作ってます。
ナッパレザーの代表的な皮革はラムナッパ、グループに加わる前のロエベの製品に使われていたラムナッパは本当に良かった。あの頃の質感は同社の衣料品だとまだ残っている事を確認。牛革だと高級車に使われていたコノリーレザーとか良いか悪いか別にして有名です。そいったブランド力のあるナッパレザーではありませんが、デンマークソフトカーフは良い革に仕上がったと自負しております。
これがデンマークソフトカーフのマルーン。
こちらがペリンガー社のスイフトカーフ。
ただブランド力とは偉大なり。価格差あってもデンマークソフトカーフはまだ弱い。
そんな時、ペンアンドメッセージさんに頼まれたデンマークソフトカーフで作った「デブ・ペンケース」が完成した。
これが凄く良い〜現在デブペン大量製作中で、この後順次590&Coさんに頼まれているプエブロ、そして定番のブッテーロやエレファントが出来上がって来ますが、第一弾はデンマークソフトカーフバージョンでした。吉宗さんにデンマークソフトカーフで頼まれた時は、半信半疑でありましたが、出来上がったデンマークソフトカーフタイプのデブペン見てびっくり。デンマークソフトカーフの質感の魅力が見て触って伝わって来る。吉宗さんの直感に脱帽。
現在ル・ボナーはペリンガー社のシュランケンカーフメインに、クリスペルカーフ、黒桟革、ブッテーロ、ミネルバボックスと時々エレファントやクロコで作ってます。デンマークソフトカーフが今後シュランケンカーフと双璧のル・ボナーの革になる事を願っています。
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