
ライターコレクターのS氏から頂いたイギリス・オーリック社の戦前のライター。
メッキが所々剥がれ真鍮部分が一部露出し、表面は長い年月の間に磨耗しデコボコしている。
でも何の問題もなく日々の使用には支障はない。
この状態をわびさびが効いた風情と感じたり、
このポンコツ状態を愛おしく思うようになると、危ない状態だ。
私は大変気に入ってしまっている。危ない状態だ。
S氏はライターを500個以上コレクトしている。もう十分だ。
でもまだまだ追い求めるであろうS氏でありました。
前にもこのブログで書いた事があると思うけれど、奥様にもうライターを収集するのはやめてぇ~!と言われて、一時収集しなかった時期があった。でも根っからの収集癖は別の世界を求めた。マグカップ収集~!。これは奥様の牙城のキッチンを日に日に浸食してゆく。そして奥様は観念して決断した。マグカップ収集はやめて、書斎に収まるライター収集の道に戻るよう苦渋の選択をチョイス。
その後S氏家族は新居に引っ越し、S氏のお母上がS氏不在時に訪問。そして開けてはいけない書斎の扉を開けてしまった。S氏がコレクションしたモノたちがいっぱいのその部屋を見て「ギャーァ!」そして奥様に「何でこんなになるまで放っておいたの~!」と最大の犠牲者である奥様に叫んでしまったお母上。
S氏のライター収集は続けながら、このところ多方向に収集癖が広がっているようだ。
そしてこのところ結構夢中になっているのがステープラ。ホッチキスの事だそうだ。私はイタリアの万年筆メーカー「スティピュラ」が昔つくっていたホッチキスだと思っていたら、そうではなかった。その収集した一部を見せて頂いた。

聞いたけれどどれがどれだか分からなくなったけれど、確か前からAREOW(1950年代)BATES(1980年代)RAPID(現行品)BRINCO(1901~1902年)。
誰もコレクションしようとは思わないステープラーに触手が動くS氏はやはり只者ではない。
確かに質感あって面白いではありませんか。

特に100年以上前に作られたBRINCOには感動するボンジョルノでありました。
もっと昔の品には、針金を切って曲げて止めるタイプが存在したらしい。
その品をS氏は求め探している。
収集し続けるコレクター魂の彷徨は、他人から見ていると面白い。
S氏のコレクター魂の行き着く先にはどんな世界が待っているのだろうか。
この方がモノについて語る時、どんな品も珠玉の一品だと勘違いする。
歴史的背景からその特別な仕様まで、朗々と語る説明は説得力がある。
そんな趣向を少しだけ持ち合わせているであろう私は思うのであった。
多くの人はガラクタと思っているモノたちを収集するなんていう趣向を、
笑いながら「バカだねぇ~」なんて言いながら楽しめる関係の中で、
育んで(育まなくてもいいけれど)いければ、社会の清涼剤~?。
それが生きる力になるのであれば、まあ良しとしようじゃありませんか。
前にイギリスのミニベロ自転車に乗ってやって来たKさんが、
また別の面白い自転車乗ってやって来た。
この人まだ他にもお持ちのようだ。

今回は国産の折り畳み式極小タイヤのKOMA。
この自転車で街を颯爽と走っていると、行き交う女学生の集団は必ず笑うそうだ。
笑いを誘うモノ好き趣味は良いではありませんか。
乗ってみると低速ではタイヤの小ささが災いして不安定だけれど、
スピードをそれなりに出して乗ると、普通に楽しく乗れる。

こんな風に折り畳むと、ゴルフのキャディーバッグよりスマートになる。
工夫して生まれた道具たちは、特別な魅力をいっぱい発散する。

そして私の元に、自転車用工具セットが。Kさんありがとうございます。
あとは作業する時間を捻出すれば、新しい楽しみが始まるボンジョルノです。
ル・ボナーに多くのプチコレクターが集う。
プチじゃなくて本格的なコレクターも。
どこか片手落ちで、どこか可笑しな人たち。
私は傍観者として、そんな人たちと楽しく関わってゆければいい。
少し足を突っ込みながら。
私はお店にお伺いさせて頂く度にまだまだ自分は軽症だと思います。
しかし素晴しき先輩の集まる店よ永遠に!!
Re: しげお さん
いやいや十分重症だと思われます。
これからも一緒に楽しみましょう。
ル・ボナー松本