「マエストロ」が修理で一時帰神、ダンボルールを開けて見てみると、8年経って素敵な状態で嬉しくなりました。革製品は使用される方それぞれで経年変化に大きく差が出る素材。日々オンタイムに毎日使われて8年でこの状態は、お客様のこのバッグに注ぐ愛着のほどを感じます。ここまで良い状態で使って頂けていると、修理にもいつも以上に力が入ります。
「マエストロ」は世界的に有名な指揮者の方のベルリンフィル客員指揮記念で仲間の方々に頼まれてオーダーで作ったブリーフケースが元型で、その後、関係者の皆様と本人に了承を得て、サイズダウンして各部分仕様変更して作ったモデルなので「マエストロ」という名にしました。
修理箇所はカブセ裏部分の裂け。現行と違って当時はハンドル押さえ裏に付ける鉄芯の端を鋲で止めっていなかった。その先がカブセ裏の革に負荷をかけて避けた。現行の鋲で鉄芯の端を固定する仕様変更した事は良かったと、あらためて思った次第であります。
裂けの修理は2通り提案した。裂けたのは片方だけだったので、裂けた部分の裏から革を貼って裂けは残るのでそこに顔料塗布して目立たなくする。シボ革なのでそれでも目立たない修理になると思ったのだけど、提案したもう一通りのパッチワークでの補強の方を所有者は選ばれた。これだと裂けてない方もパッチワークしないと変なので、料金も倍かかるけれど強度は増す。
鉄芯の端を現行品と同じ仕様の鋲留めして修理終了〜このバッグと新品交換しませんかと提案しても拒否されるでしょうね。
私が元気な内は、ル・ボナー製品の修理お受けします。最も古い修理希望はまだ六甲アイランドに店を構えるより前の東京時代の35年ほど前のバッグでした。そうなんです、本体の革さえ経年劣化してひび割れさせずに愛情持って接して頂いているのであれば、修理代はそれ相応にかかりますが真心込めて修理します。卸先経由で購入された場合も、出来るだけル・ボナー直接お問合せください。その方がスムーズな対応出来るかと思います。
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