神戸東灘の沖にある人工島六甲アイランドに店舗&工房を構えて32年。私は元々アウトドアな人間で、キャンプ等大好きで東京に居た頃は信州近辺に行って自然を満喫するのが楽しみだった。東京でも自然が多くある多摩地域に長く住んでいた。いつか古いペンションを購入してそこを工房兼住居にして鞄製造卸しで暮らせたら良いなと考えていた。それが何のきっかけか、東京で失敗した店舗&工房をこの地で再び始めて潰さずに今日まで続けられている。
神戸の東側から芦屋、西宮までの阪神間は住んでから実感したんだけれど、この地域は電車の沿線ではっきり区分けがある。上から高級住宅地の阪急電車沿線、JR沿線は中産階級、阪神電車沿線は庶民的。その区分けは間違いなく存在し、成金が憧れから数億の家を阪急沿線に買ったとしても、決して居心地良いとは思えない。狭い地域で山手と下町がくっきり分かれる地域は、東京はもう少し広くて混在しているし他に知らない。その沖にある人工島が六甲アイランド。ここは新しく出来た場所なのでその区分けの外にあって、江戸時代の長崎出島の現代版。イニエスタもビュッセル在籍時当初ここにファミリーで住んでいた。阪神間のチームの外国人のプロスポーツ選手の多くがここにファミリーで住む。カナディアンスクールやヨーロピアンスクールもあるので外国人は特に住みやすい町のよう。私たちもここで32年、鞄作りを生業として暮らして住んで、アウトドア思考の私なのにこの近未来的?な六甲アイランドが今では終の住処と感じている。
何が居心地良いのだろか?一時、神戸の三宮駅から徒歩5分の場所に第二店舗を出した事もあったけれど、従業員居なくなって2店舗営業するのは無理で1店舗だけにしないといけなくなった時、売上でなく居心地を優先してここを選んだ。日々帰宅時同じ道を趣味のデジカメで撮りながら(SNSでは「#ルボナー低照度撮影」で昔から何度もアップ)帰宅するのだけれど、この街やっぱ楽なんだよね〜
ル・ボナー店舗前から撮影。夏場はここが賑わう。無料で浅くて危険じゃないこの人工の川に家族連れがいっぱい。だからと言って目の前にあるル・ボナーが繁盛する訳ではない。
ル・ボナーのある側はリバーモール・イーストという安藤忠雄氏設計のビルで、向かいのこちら側は別の有名な建築家設計のリバーモール・ウエスト。このショッピングモールで最初から同じ場所でずーっとやっているのはル・ボナーのみ。いやぁ考てみたら〜六甲アイランドが稼働し始めた当初から続けられているお店は全島でも、医院、歯医者系は含まずマクドナルドとル・ボナーだけかも。あったぁ〜加えてベイシェラトンホテル。オーナーは変わったけれど同じ名前でル・ボナーより長くある。ここでシティーホテル続けるのは並大抵ではないと思う。
左のリバーモール・イーストの搬入場所に空いていれば車停めて来店しても大丈夫ですよ。右のベイシェラトンホテルの駐車場に停めても、駐車券出せるけど地下で面倒です。左搬入口後ろの建物はハリウッド映画のバットマンのロッサムシティー発想した建築家がデザインした旧P &Gビル。
寂しいのでと神戸市が人工の川周辺をイルミネーションで飾り付けした。賛否両論あるけれど私は好きだな。この橋向こうに無料足湯場をシェラントンさんが作ってくれました。そうなんです、この六甲アイランドには温泉利用出来るんです。元あった海底のその奥の奥まで掘って温泉あるんです。
右に見えるUFOのような建物は、オルビスホールというコンサート?ホール。その下にスペイン階段と命名した広くて長い階段。この階段に多くの人が座って寛ぐ光景は未だ見た事はない。
計画的に作られた街なので歩道と車道が完全に分離されている。その為かこの街で育った子供たちは、島外の学校や塾に通うと当初歩くのが怖いらしい。自動車教習所が2つ島内にあるのだけれど、ここで仮免で島内の道を走らせて免許取れても、いざ外の公道走らせようと思ったら大変だろうなぁ〜。
お店から自宅まで徒歩10分ほど。街が出来て40年弱。植林された木々が生い茂り目に優しい。
さあもうすぐ自宅のある街区目の前。右正面のこんもりした木々が集まった箇所をボンジョルノは六アイの鎮守の森と命名した。神社鳥居はないけれど。
初めてこの島に店舗を構えた32年前は、丁度神戸は「アーバンシティーフェスティバル」という催しをやっていて、毎週のようにお店の目の前で有名ミュージシャンを呼んで野外コンサートを無料で催していた。この島の南端にはアジア最大のウォータースライダーのプール施設「アオイア」や遊園地が有り、ヨットハーバーや野外映画館もあった。バブル期に計画された夢の島六甲アイランドは阪神淡路大震災とバブル終焉が重なって泡のように消えていった。その後の六甲アイランドの紆余曲折を見てきたけれど、今の六甲アイランドが好きだなと思う。ただここで働き住んでいると、田舎に住む人が繁華街に行くと人混みに疲れるのと同様の現象が起こります。そうなんです、ボンジョルノにとってここはアーバン砂漠のオアシスなんでしょう。
Leave a Comment