太ダレスの組上げが始まりました。現在トップの枠を作っているところです。
軽量に仕上げるため、フレームはアルミを使っています。その他強度、質感を殺さずに色々なところで軽く仕上がるように工夫したことで、本場イギリスのドクターバッグに比べれば半分ほどの軽さになっています。
このアルミ枠は金具屋さんに図面を送って特注で作ってもらうのですが、穴の位置が微妙に狂っていることが多々あり、組上げる前にドリルとヤスリで調整しないとネジがしっかり締め付けられなくて長く使っていると緩むことがあるので、調整は大事です。
取っ手をつなぐカンとオサエは、既製の7000番のオサエとカンはダイキャストにメッキをかけたものですが、ネジ式のカンにして真鍮で作り変えてもらっています。どうしても金属どうしが擦れるところは長く使うと磨耗するのでいつか修理をすることになる部分で、ネジ棒にすることで、修理の時間と費用がかからなくてすみます。ネジにする前はフレーム部分全体を交換しなければいけなかったのですが、このネジ式のカンに変えたことで、お持ちいただいたその場でネジ棒を交換するだけで済みます。

時々お客様で、ドクターバッグの底のコバの部分に写真のような底鋲を付けて欲しいと言われる方がおられます。ル・ボナーではそれはお断りしています。付けることで底の部分が傷みにくくなると思われているようですが、付けると重力の関係で同じ高さになろうとするため、底鋲を付けた部分だけ変形してしまうのです。変形を生みやすい作りは極力しないようにしています。
革に無理をかけたデザインや工夫は、長く使い続けたいと考えるなら避けた方が良いと思う。
革に優しいデザインや工夫をしてゆきたい。そうすれば良くなめされた革であれば、長く使い続けることができます。
作業風景や道具の写真はいいですね。
見るだけでなぜかわくわくします。
お店にも行きたいのですが、なかなかいけなくて残念です。