今日はパテック フィリップの日でした。
パテックを所有することは間違っても私にはないでしょうが、素晴らしい仕事がされたモノを見ることは、大きな刺激を感じることができるし、ドキドキします。
オーダーのカバンを取りに来られたYさんのされていた時計はパテックの5085。現在生産していないモデルですが、ステンレスケースの時計の中で、世界最高の時計だと私は思っている時計です。
パテックのムーブメントの仕上げは本当に美しい。工場生産品ではあるのだけれど細部まで手抜きなしの見事なもの。
去年ル・ボナーのカバンたちを写したポスターで、印刷技術を競うコンクールで審査員特別賞をとった大和出版印刷が、今回は時計のムーブメントの超アップの写真のポスターで、金賞に輝いた(お見事)のですが、そのポスターはパテックとバセロンとランゲで、見比べてみると、やはりパテックの仕上げは別格。顕微鏡レベルで見てもパテックのムーブメントの仕上げは粗を見つけ出す事は出来ない。お見事。
夕方来られたお客様に見せていただいたパテックはこれはほんとにまったく凄い。
50年前の2526 通称トロピカル。それも裏がスケルトン。50年前にスケルトンなんてあったのかと思いつつ、シャルマンで購入された品なので、素性は間違いない。
ムーブメントの繊細な美しさに呆然。私の大好きな独立系時計師のフィリップ デュフォーさんも大いなる刺激を受けるというオールドパテックの仕事は、今まで見たムーブメントからは感じなかった、天使が住みついている気配を感じます。
多くの物語をこの小さなケースに収まった小さな小さな部品たちの集合体が語りかけてくる。この時代のパテックはまだチラネジ、スワンネックです。正にポエムを奏でるムーブメント。
美し過ぎる。
私はセイコーロードマーベルで充分幸せなのだけれど、こんな異次元の時計を時々見せていただくと、一瞬夢の世界に迷い込んだようで、幸せな気持。時計のワンダーランドに、私を招待してくださるル・ボナーのお客様たちに感謝。しかしル・ボナーに来られるお客様たちはほんとに素晴らしいモノをお持ちの方が多いことに驚かされます。




オールドパテック,本当にいいモノですね。スケルトンでは,自動巻はローターがあるので不利(美しさにおいて)ですが,それをものともしない仕事ぶりですね。