札幌の独立系鞄職人の「日下公司」の日下ご夫妻さんから小包が送られてきました。
開けると中からインキが2つ。札幌の大丸藤井セントラルのオリジナルインキが4種類作られて、そのうち2つを万年筆好きの私達にとプレゼントしていただいたのです。
「薄紅の蕾」と「骨董喫茶」という名のオリジナルインキです。セピア色の風景を創造しながら、万年筆で色を楽しみたいと思います。「薄紅の蕾」は万年筆博士に、「骨董喫茶」は今一番のお気に入り万年筆、パイロット823プランジャー式コースニブ森山スペシャルに入れ替えて楽しませていただきま~す。
こんなにインキの色が一杯増えると、823を2~3本森山さんのところで、ハミのために購入しないといけないなぁ~と独り言を呟いていると、「またハミのためにと理由つけている、時計の時もそう言って何本か買って、あなたのコレクションボックスに納まっているだけで、私は使っていないよ!」と横から真実のお言葉がぁ~。
日下ご夫妻は、私と違ってバランスのよい趣味生活を送られていて、豊かさの視点が素敵なご夫婦です。良い感じです。
私は万年筆が好きです。決して数をコレクトする気はありません?がここ1年徐々に増えてきてしまいました。1本1本愛でながら書き味を楽しみ、カバンを購入しに来られたお客様たちに万年筆の魅力を伝導したりしております。カバンを売っていて万年筆は売っていない万年筆屋さんと言うお客様もおられます。
昨日も鞄を購入しに来られたお客さまと万年筆談義。お客様の何本かの万年筆の書き味を試したところ少し引っかかる気がしました。その中でお客様自身は一番気に入らない書き味というペリカンの書き味を試し書きしてみると、私にしてみればお持ちの万年筆の中で1番スムーズに書けるのです。
つまり好きな書き味も、人それぞれ千差万別。フルハルターの森山さんが研ぎ上げたペン先のなめらかな書き味が本道であるのは間違いないことではあるけれど、引っかかる書き味を好む人もおられるのだとあらためて思いました。万年筆趣味も奥が深ぁ~い。

このお客さま、結局カバンは買わずに
TAKUYA君の作ったオレンジのグリマルディーを買って行かれました。TAKUYA君の作る木型を削って二枚重ねの革を絞り上げて手縫いしているグリマルディー・ペンケースは思った以上にル・ボナーで売れています。1本差しのペンケースで、ブッテーロのオレンジで作ったペリカン800サイズのカブセ付きのもので43,000円です。市場の相場からすれば安くはありません。しかし作り手の手間の掛け方からすれば、この値段は致し方ないところだと思います。そのことを理解されているお客様が思った以上に多くおられるということなのでしょう。それ以上に愛着のあるマイ万年筆にジャストフィットするオーダーメードペンケースの心地よさを体験すると買わずにはいられないのかもしれません。私も宝物のKENSAKIにはジャストフィットのTAKUYA君の作ったペンケースがなくてはならない相棒となっています。私にはこの繊細な仕事は勘弁であります。

そんなTAKUYA君から贈り物が届きました。
イタリア珍道中の時、私がクリスタルと銀のアンティーク・インクポットを探し求めていたことを覚えていてくれて、28~29日にあった年に1度のフェンテ(万年筆くらぶ)の集まり恒例のオークションに出品されたこの品を、とうさん(TAKUYA君は私とハミのことを、とうさん、かあさんと呼ぶ。私達は大変その響きを心地よく感じております)が喜んでくれるだろうからと気合の落札。
小さくてインキは入れることの出来ないインキポットだけれど、TAKUYA君の優しさが一杯詰まったスワロスキーのクリスタル・インキポットです。私のために落札してくれたのに、ハミが気に入って、ハミの作業机の片隅に鎮座しております。
ご無沙汰です。
このサイトで話題にでる「卓さん」が卓袱堂とつながったのでびっくりしています。
作品を欲しいなと思っていて、卓袱堂のホームページをたびたび覗いていたので(まだ、実現してませんが)
いやはや、フルハルターも含めて良い「もの」連鎖=シンジケートは恐ろしい!!!
仕事の邪魔をしながら楽しい時間を過ごしたくて、神戸行を仕組んでいます。
多分、最速でも1月かなと、思っています?