
私は週一度の休みも十分にとること叶わず、一日10時間以上の労働。
自宅に戻ってもル・ボナーの販促活動の一環としてこの「ル・ボナーの一日」を書くため多くの時間を費やす。これは完全に労働基準法から考えると働き過ぎになると思うのだけれど、自営業者の私にはあてはまらない。その上楽しんでやっているのだからと同情する人は誰一人いなぁ~い。
特に今月に入って2年待たせた超複雑怪奇な鞄のまとめ作りをしているため大変であります。その製作経過をブログで公表出来れば、少しは「ボンジョルノはあそんでばっかし~!」などという誤解をされずにすむのですが、秘密裏にとのことなので鞄職人ボンジョルノ松本の真の姿は当分描き出す事はできません。
そんな日々忙しくしている私の心の安らぎは、ここ2年数ヶ月の間に収集した万年筆を仕事の合間に愛でる事。
アウロラの85周年レッド「マダム・モニカ」入手以降落ち着くと思っていた収集癖。
というよりもそんなに万年筆をいっぱい持ってどうするの?という疑念を持ったボンジョルノでありました。実用でなどと公然と言う人は2~3本で十分。だから私はコレクター。よって私はコレクターとしては初心者でもっと頑張らないという論理はどこか変だぁ~。少し冷静に万年筆と向き合うことにした。
がしかし、万年筆を売っていない万年筆屋さんなどと揶揄されるまでになったル・ボナーには多くの誘惑が忍び寄って来る。魅惑的な万年筆を実際に見せられると冷静さを失うボンジョルノでありました。

インク止め式万年筆の軸作り名人・酒井栄助氏のエボナイト軸ではありませんかぁ~!
本来その軸のペン先には兜木銀次郎氏のペン先が付いているはずだけど、
なっなんとアウロラのあの伸びやかに伸びたハイレグタイプ。
酒井氏の軸はまだ在庫があるけれど銀次郎氏の作ったペン先が底をつき、土田氏が在庫で持っていたペン先つけて、あるショップで販売しているのだそうです。
それもこのペン先はアウロラでも古い刻印だぁ~。私は欲しいと思ったぁ~。
日本の文化遺産とイタリアの美意識の融合~これは多くの万年筆愛好家からは邪道と言われるかもしれないけれど、完璧なボンジョルノのために存在する万年筆だと思った。

この万年筆を京都のTさんが持って来た時、私の万年筆収集癖に批判的な常連客F夫妻が居たのが悪かった。否定的なF夫妻の意見にハミも同調。
Tさんも実際の購入価格を言ってしまうものだから、万年筆愛好家には納得価格でも興味のない人には理解不能だから否定的発言のオンパレード。
私は購入出来る状況ではなくなってしまったぁ~。
Tさんと二人だけの時に価格を聞いていたら買っていただろう。
言い訳は後からだったらなんとでもなる。残念~!。

私にモンブラン146テレスコープの甘美な書き味を伝えた、水曜日の夜訪れるブッテーロお手入れ名人の謎の紳士がペリカンのトレドを入手した。
トレドは9本持ってるI先生の品を何度も書かしていただいたので理解していたはずだのに、このトレドの書き味が思いもよらず感動~。沢山あると気もそぞろでじっくり書き味を吟味せずに次から次へと書くため何が何やらわからない状態になるけれど、1本をじっくり書いてみると良いではありませんか。

特にこのペン先はPFマークのついたペリカンフランスの18金ペン先。
その上ユーロボックスの藤井さんが太鼓判を押す柔らか書き味の特別な個体のトレド。
1000と違って切り割りが開かないでしなる柔らかさは特別。
なぜ魅力的な万年筆を私に見せびらかしに来るのだぁ~。
少し距離を置いて冷静に万年筆と接したいと思い始めたボンジョルノなのに。

そして真打登場~I先生ご夫妻だぁ~。
週に1本ペースで入手しているのではないかと思うほど毎回新しい万年筆を何本も持って来られるI先生は万年筆菌重度感染者。そのI先生をニコニコしながら見守る奥様は達観した怪物だぁ~。
今回はイギリスの本スワンと金ピカのペリカン520NN。特に520NNは良いのだ。
現在まで続くペリカンの意匠の原型が確立した50年代の400NNは最も美しいペリカンだと私は思っている。その中でも520NNは希少モデル。金メッキが50年経っているのに全然綺麗で驚きだ。
50年代はペリカンも面白そうで困惑してしまうボンジョルノ。

ライターコレクターのS氏も不穏な気配。
モンブランのPix372をおもむろにバッグから出してきたぁ~。
50年代のPixでオリジナルの赤芯まで。
今年になってメカニカルペンシル5本だそうです。現行品ではヤード・オ・レッドも買った。
Pixについての文献も真剣に読み始めたS氏はライターから鞍替えかぁ~。
そんな混沌の中で冷静な判断が出来なくなったのだろうか。
私も3本のアンティーク万年筆を入手してしまった。
つづく
こんどは、きちんと買い叩いた品を持参申し上げます。次のも
恐ろしく魅力的ですよ。たぶんこのペン先よりも魅力的です。
兜木銀治郎さんのペン先デッドストックに関しては大阪の
某万年筆商が大量に保有しております。ただ、酒井さんの
エボナイト軸は土田さんだけです。残された問題は塗りの職人次第でしょう。
Pilot-Namikiの巨大なインク止めと違い、酒井栄助さんの
六分軸はボンジョルノさんのペンケースに入る十分に実用
を兼ね備えた万年筆です。
Re: たかくん さん
まさにボンジョルノ仕様の万年筆でありました。銀次郎さんより旧アウロラのペン先の方が私は欲しい~!。
でもなくても困らない。困らない事は分かってはいるのだけれど。
ル・ボナー松本