
ル・ボナー界隈でアウロラ85周年記念レッド騒動を引き起こし、
私の知る限り20人ほどの人がその万年筆を購入した。
そんな道連れを多く誕生させる事で、あわよくばその中の誰かがボンジョルノの口車に乗って買ったけれどいらないなと感じ、格安でボンジョルノに譲ろうと考える人物がいるはずという私のしたたかな計算ははずれ皆気に入ってしまったため、そのイタリアの悪女を入手するまで私自身は1年数ヶ月を要した。
入手した時点ではもうこれで万年筆は十分と一瞬思った。
しかし私の周りには万年筆の色々な魅力を伝える多くの人がおられる。
そして知ってしまったビンテージ万年筆の世界。
これはいけません、大海に漕ぎ出した小船状態であります。
そんな中私の生まれた年代である50年代のモンブランに強くそそられた。
特に146テレスコープ。この書き味には仰天した。
そして私の次なるターゲットはモンブラン146テレスコープと相成りました。
その私にとって1本目のモンブラン146テレスコープが手元に届きました。
悪魔の館「ユーロ・ボックス」さんを知ってしまった私は、幸か不幸かアウロラ85周年レッド「マダム・モノカ」を入手するまでの時間と策略を要することなく手に入れる事に成功した。

軸のデザインはアウロラのレッドの色香とは対極に位置する万年筆の中の万年筆。
その極めつけのオーソドックスの最初期のテレスコープ吸入方式のマイスターシュティックは、
146唯一のセルロイド軸。これが深い味わいを感じさせてくれる。
モンブランが世界トップブランドの礎を築いたのが50年代。
その時代の熱き思いを持ったマイスターたちの心が、
この時代のモンブランの筆記具からは伝わってくる。

今回入手した146テレスコープは、3Bはあるであろう極太のペン先。
その上潤滑なインクフローが後押しして、ドバドバヌ~ラヌラの書き味で、
ボタ落ちしそうでしない寸止め感覚はまさにモンスター。
筆圧かけて書けるシロモノではないけれど筆圧かけてみると、
私が魅了された146テレスコープの書き味の特徴である、
最初柔らかくてある程度のところでしっかり支える感覚が、
このドバドバヌ~ラヌラのモンスターでも十分感じ取る事が出来る。
念願の万年筆を入手するたびに、これで万年筆は十分満足したからもういらないと思う。
でも回りの誰一人信じてはくれない。鼻で笑う人も多くいる。
しかしこのモンブラン146テレスコープのセルロイド軸を眺めていると、これ1本で十分だよなぁ~と思ってしまう。最初にこの146テレスコープの中字あたりを入手していたならば、ここまで万年筆菌重症患者にならずに済んだだろうに・・・・・もう遅い。
モンブラン・ビンテージに入れば底なしになる事を肌で感じせめてソコ(底)までは行くまいと可能な限り抵抗しておりますが、敬愛する松本様のご様子に人事では済まない気配を感じております、弱き私には人生は冷酷で無情すぎます(いずれまた1950年代でお会い出来るかも)・・
Re: 夢待ち人 さん
モンブランの50年代は本当に凄いです。特に柔らかいのに筆圧かけても切り割りが開かないのには感服します。特に私が入手したペン先は3Bほどの極太でインクフロードバドバでまさにモンスターです。是非ご一緒にビンテージ・モンブランの世界を彷徨いたしましょう。
ル・ボナー松本