
太ダレスの本体で一番厚みのある部分のコバ処理中。
革製品の場合、裁断した断面は収まり良くするために処理しないといけない。
今まで染料を塗って磨き上げる処理方法を主に使っていたル・ボナーですが、
厚みのあるコバの場合は顔料での処理の方が傷みにくいと思うに至った。
今まで顔料での仕上げを使わないでいた理由は、
既存の顔料を厚塗りした仕上げの鞄のコバの表面に塗られた顔料の被膜が、
一年も経たないうちに剥げ落ちた品を何度も見てきたのが大きな理由。
しかし下処理の仕上げをきっちりしてから顔料を革の断面に染み込ませる工夫をすると、
染料仕上げにも負けない仕上がりと、染料仕上げだと使い続けるとコバの断面の重なりが分離するという避けて通れない問題が緩和される。
そんな理由から顔料での仕上げもするようになった。
顔料を使うようになったきっかけは、エルメスのコバ。
顔料で処理しているのに、その顔料がはがれにくいのに驚いた。
その上染料だと仕上げると黒ないしは濃茶のコバ色になってしまうのに比べ、
顔料だとカラフルなコバの色も可能。
シュランケンカーフなどのカラフルな色の革にはカラフルなコバ色が似合っている。
顔料での仕上げは染料での仕上げより美しくないという固定観念が今まであったけれど、
綺麗な仕上げは、顔料でも染料でも下処理次第だと確信した。
綺麗に収まって剥離しなければ顔料仕上げの方が利点は多い。
特に厚みのある重なった断面の場合はより効果的だ。
その断面に芯材などの異素材も一緒にコバ処理する時などはなおさら。

コバの断面を切り揃えて、豆カンナで角を削り、その後何種類かの荒さの違う紙やすりで断面を滑らかに揃える。ここまでは染料であれ、顔料であれ、収まったコバにするには同じ作業。
その後顔料磨きは顔料を塗布して熱と紙やすりを使って滑らかにし、その工程を収まり良い状態になるまで繰り返す。美しく仕上げるには近道はなかった。
ただ顔料での仕上げの場合、厚塗りは避けたい。厚塗りは剥離を助長させる。
あくまで顔料は薄塗りで、革の断面にしみ込ませる仕上げが頑強。
そんな風に太ダレスのコバ処理を、今回から顔料仕上げでしています。
エルメスのものは顔料仕上げが多いですね。私は,顔料仕上げが厚塗りではがれやすいという理由で
できれば避けたいと思ってました。「ル・ボナー」の顔料仕上げは固くなく自然な感じでいいですね。ハミさんの特製ブレンドと以前お聞きしましたが・・・
Re: orenge さん
コバ処理はハミが上手です。染料磨きとの違いが判別しにくい顔料磨きが良いですが、大変手間がかかります。
ル・ボナー松本