
チャーの仕事場での寝床の位置を変えた。
このところ店内まで日が差し込む午後になると、勝手にお店側の玄関口あたりで日向ぼっこするようになってしまった。これではお客様があまり来ないお店だといってもいけません。ますます入りづらいお店になってしまう。そこでハミの仕事机の下の引き出し部分を移動して、そこをチャーの寝床にした。ここだと外が見えるし、ハミと私の仕事机の中間に納まった状態で、淋しがり屋のチャーも気に入るはず。案の定寝床移動計画決行後、お客様が入ってくると「おやつくれぇ~!」と吠える悪知恵が定着してしまったチャーではあるけれど、いつもよりそのトーンが弱いような。相当気に入っているようだ。

多くの皆様方にお待ち頂いていながら、
製作が遅れに遅れている名刺入れの試作が出来上がりました。
今まであったル・ボナーの名刺入れと同じに見えるけれど、型紙全面改装しています。
サイズは横巾だけ5ミリ増やした。それとマチの折目を変えた。これで少ない名刺の量を入れた時でもマチが干渉せずに、名刺の角を傷めないはず。
そして今回作る名刺入れの最大の挑戦はオール内貼りも革を使った革小物において、最薄の厚みでの仕上がりに挑戦しました。革製品はある程度の厚みある革の方が質感あって丈夫だ。しかしル・ボナーのお客様の年齢層は高めで、薄い革製品を要望する人が多い。内装を合皮や生地を使って作る革小物であれば、それはそんなに難しくはないのだけれど、オール革で作るとなると大変だ。その質感と強度も考慮して薄く仕上げるとなると、より工夫が必要だ。
革は薄く割ると紙のようにもろくなる。特に0,5ミリより薄くすると極端にもろくなるように思う。しかしオール革での薄仕上げにするには0,3ミリまで割る必要がある。それも何重にも重なる部分はもっと薄くする必要がある。0,3ミリ割で縁斜め漉き。これは私には到底出来ない領域で、割り漉き専門の職人さんにお願いしている。斜め漉きの最端は0,0いくつかの世界~。

上の写真は0.5ミリ割りで縁を斜め漉きした内側に使うパーツ。常時刃をみがきながらの割り漉きによって、削っているのではなくて切った断面は、革のコシを残す。
革を0.3ミリで割ったパーツでも強度をだすために、その薄さのパーツは2枚ベタ貼りして圧着して使う。そうすると0,5ミリの強度のあるパーツとなる。1,0ミリの1枚仕立てより、0,5ミリの2枚圧着ベタ貼りのほうが全然強度がある。そして薄い。そういった強度のある薄いパーツを思考することで、オール革での薄仕上げの革小物の限界に挑戦してみたのが今回の名刺入れです。
内側に使う革は革の表皮が強いクロームなめしの革を使う。
内貼りを生地や合皮を使って作る場合に比べて3倍ほどの革が必要になる。

4月の声が聞こえる頃には店頭に並びます。
今回は定番のブッテーロは勿論、それ以外にシュランケンカーフ、クリスペルカーフ、イタリアンバッファローの革でも作っています。もうしばらくお待ちください。
特別な薄い仕上がりで、それでいて丈夫で革の質感は十分感じられるル・ボナーの名刺入れはもう少ししたら登場です。
いいですね,これ。ただ薄いだけじゃなく,質感と耐久性のある名刺入れになるようですね。カードケースとして使っても問題ないですか?
Re: orenge さん
カードケースとしても、定期入れとしても、使えると思います。マチ付きのポケット以外に4か所ベタのポケットがある仕様です。
ル・ボナー松本