親しくしている某印刷会社」の若社長T氏は現在完全に重症の万年筆菌感染者です。
近づくと危険です。万年筆菌がうつります。
T氏は万年筆に興味を持ち始めてまだ8ヶ月弱。
靴やカバンは大好きでノンブランドの良質な品をなくてもいいのに買うぐらい。
後は社長になってからは年に一度、高級時計を購入する程度のつつましい?ブルジョアでありました。
それが、今では高級万年筆が10本を越えたぁ~!。
その万年筆たちの全貌を私は始めて垣間見た。

私がいけなかった。こんな風になるとは思ってもいなかった。
最初万年筆の書き味を満喫できるノートを作ろうよとT氏をそそのかし、
”ホンマモン”好きのT氏はその提案に乗ってきた。しめしめ。
そしてオープン前のpen and message.の吉宗さんを紹介し多くの万年筆を見るに至り爆発したぁ~!。
5年で3桁という困った万年筆感染者にお会いしたことがあるが、
それに匹敵するペースで万年筆が増殖している。
それもT氏は美しい万年筆が好きである。
美しいということはイコール高価なのが万年筆の世界。
私のように部分に特化した万年筆趣味はまだまだ健全?であります。
万年筆菌感染者仲間に納得していただけるチョイス?、その上少しでも安く手に入れる努力。
プロレタリアートの万年筆コレクションは納得していただけるはず?。
それに比べT氏の10本はいけません。ブルジョア的過ぎると思いませんか?
私も欲しいなぁ~欲しいなぁ~と思っていながら高くて躊躇する万年筆を次から次へと手に入れる。
美しい色そして美しい意匠を万年筆に求める、
T氏の所有する万年筆の半数以上がイタリアモノ。
イタリアモノが好きというのがまたいけない。
イタリアの万年筆は悪女に似ている。
一度味わった陶酔の世界、また訪れると思ったら大間違い。
こんなはずではないと浪費を繰り返すことになる魔の万年筆たち。
その上節操なく限定万年筆とか何とか言って、
限定2000本を乱発してイタリア万年筆好きを触発し続ける。

左端に見えるのは、T氏が最初に買った万年筆の良心「ペリカン・スーベレーンM805」。
万年筆の王道であるドイツモノを気に入っていれば、
万年筆菌の侵食ももう少しゆっくりしていたはず。
それにしても最初からM805なんて、フルハルターの森山さんだったら怒るだろうなぁ~。
おぉ~!私が恋焦がれながら高価で見果てぬ夢と諦めた
「アウロラ85周年記念万年筆・レッド」まで入手したぁ~!。
私の真紅のアル君にピッタシの万年筆。
デルタのマンガチックなアルファロメオシリーズより、
このアウロラのレッドこそがアルファ的万年筆?だと惚れ込んだ色と意匠。
ブルジョアはいいよなぁ~と嫉妬と羨望の眼差し。
書いてみると、なんだぁ~この気持ち良いスムーズな書き味は!
元来の素性の良さと、pen and message.の吉宗さんの調整で、
T氏所有の万年筆の中で一番の書き味ではなかと思った。
イタリア万年筆によくある、性悪女の素性を露呈して面倒見きれな~いとT氏が手放すことを願う。
そしたら私が安く買い取って面倒みまぁ~す。

ミラノのアウロラの倉庫に眠っていたレッドが再来日し、
それをpen and message.に引き取りに行った時、
魅力的な万年筆があったからそれも買っちゃったと中屋万年筆の黒溜!。
そんなに簡単に購入しないで!
私も前々から狙っている万年筆ではないですかぁ~!
中屋万年筆のノーマルな黒漆は持っている。
でも黒溜は特別。
轆轤師・松原さんが削り出すスキッとしたフォルムに、
輪島塗の高等技術がマッチして今日本製で一番私が欲しい万年筆。
それをいとも容易く手に入れるなんて、万年筆愛好家の風上にも置けない。
万年筆は一本で十分(私が言うと虚しく響く)。
一番高価なビスコンティのディヴァイン・プロポーションは持っていていいから、
残りの9本は恵まれない私に寄贈すべきだと思いまぁ~す。
私が万年筆菌の脅威を一手に引く受けようじゃありませんか。
T氏の苦悩を私が肩代わりしてあげようじゃありませんか。
なんと心広い私なのだろう。T氏は心動かされているはず、、、、?。
そんな事は有り得ないよなぁ~。
魅力的品で目の保養になりました。ビスコンティのディヴァイン・プロポーションは憧れの万年筆です。中屋万年筆の黒溜は今一番気になるものです。羨ましい。私はオークションで安価に購入して、ワグナーで調整していただき、万年筆菌を増殖させています。