ル・ボナーの一日

新絞り技法を使ったペンケース思案中。

2008年07月09日

私はレジェ・ボストンの制作にはいりました。 今回はオーダー品だけを作る予定にしていましたが、 バッファローのダークブラウンでも作ることにしました。 ハミはキューブ・ブリーフ制作中。 お店にも並べようと、オーダー品以外にも沢山作っているため、 テンヤワンヤで大変であります。 %EF%BC%97%E6%9C%88%20014.jpg レジェ・ボストン作る前に、万年筆が10本納まるペンケースを考えておりました。 絞り技法を使って、厚みを出して両側に5本ずつの筆記具を収め、 中央に仕切り代わりの、メモ用紙などが収まる部分を取り付けて、 コンパクトでありながら10本の大型筆記具が個別に仕切られて納まるペンケース。 万年筆を10本も携帯するペンケースなんて誰も求めていないと、 普通の人は思うでしょうが、万年筆に魂を奪われた感染者は10本以上持ち歩く。 万年筆道の深みに導かれた私もまた、その必要性を強く感じるに至った訳であります。 まず絞り型のサイズと型紙を作って型を作らないと始まりません。 そして内装をイメージしなければ。 7491.JPG イタリアの秘宝 チェザレ・エミリアーノの入っていた、 ワイン色のイタリアンカーフのケースの内寸が、 思案中の新絞り技法のペンケースに近いサイズであることに気付いた。 このケースを使って、10本入るペンケースの内装の試作をしてみることにしました。 大変素敵なイタリアンカーフのケースです。 使わずにしまっておくにはもったいないケースです。 絞りの3本差しのペンケースより少し大きぐらいですが、 このケースの中に大型の筆記具が10本入ります。 内装の試作に取り掛かりました。 夢中でやっていたら、あっという間に完成。 しめて3時間でありました。やればやれる。 7492.JPG 1本1本仕切りを入れて、万年筆が接触しないようにして、 出来るだけ万年筆の胴が見えるように工夫した。 ゴム紐で固定させるペンケースが一般的だけど、 漆の胴軸に良くないと、漆軸の万年筆をいっぱい持っている愛好家の人が言っていたので、 ゴム紐を使わず、革紐2本で固定することにしました。 製品化するまで試行錯誤は続くと思いますが、 まあ最初の試作としては、良い感じに仕上がったのではないでしょうか。 これから私が使ってみて、改良点を洗い出していこうと思います。 ただボンジョルノ松本が使いたくて、3時間を浪費しただけじゃないのかと言われれば、 確かにそれもまた否定できない事実ではありますが、 万年筆愛好家の皆様が待ち望んでいた コンパクトだのに大型万年筆10本が納まるペンケースを生み出すためだというのも事実。

Le Bonheur (21:47) | コメント(11)

Comments

  1. ノブ より:

    10本持ち歩く必要はないけれど、持ち歩きたい心情は皆同じ・・・。でもこれを持ち歩いて人前で開くことが出来るのは、極限られた機会ですね。普通の人はしませんね。でもかなり魅力的です。

  2. ひろなお より:

    なんということを!
    実は私は10本または20本のペンケースを物色中であります。
    とりあえず、ペリカンあたりでお茶を濁そうかと考えておったところです。
    これは困った。詳細が決まれば教えてください。

  3. ル・ボナー松本 より:

    ノブ さん
    一年ほどでノブさんも、10本入るケースが2つは携帯して持ち歩く機会が増えた重病患者になったのではないでしょうか。そういった困った人たちの要望に沿ったアイテムを少しづつ生み出していきたいと思っております。実は私が欲しいと思うモノをただ作っているだけと言われれば、まさにその通り。普通でなくなった者どうし楽しみましょう。
    ひろなお さん
    10本入りケースの内装の仕様は、ベテラン愛好家のみなさんのご意見聞きながら、改良したいと思っておりますので、ひろなおさんも今度来られた時、意見をお聞かせください。
    20本は10本入り2つでいいのではないでしょうか。これ以外にメモカバーとか、色々革製文具を思案中です。

  4. つきみそう より:

    9日、ISOTを口実に、東京滞在時間のほとんどを銀座界隈で過ごしました。ペンクラスターや悪魔の館1号館は定休日でしたが、何と悪魔の館2号館は営業中。そこで出会ったのは、正真正銘、人の魂を奪う悪魔、ハンス・オスターのペンケースでした。東京に住んでいる人でさえ、手に入れるのに何ヶ月も待つことがあるというのに、何と、成川さんは昨日帰国されたばかりで、在庫が目の前に・・・。
    奈良へ帰って、こちらのブログを拝見して驚愕! 何という恐ろしい計画でしょう。
    じっくり、いいものを作ってください。

  5. ル・ボナー松本 より:

    つきみそう さん
    今日某万年筆屋さんに寄ったのですが、東京でつきみそうさんご夫婦にお会いしたことを聞きました。ご夫婦の行動力に敬服します。10本入りのペンケースは現在思案中ですが、ご意見聞かせてください。

  6. tsugu_u より:

    私はナガサワさんの14本ケースを愛用しております。実は2,3年ほど前から次はフルハルターさんで扱っているドイツ製コレクターズケース(20本入り)を購入しようと思っているのですが・・・。

  7. ル・ボナー松本 より:

    tsugu_u さん
    ペリカンの20本入りケースは確認しましたが、そのドイツ製コレクターケースはどういう品なのか見てみたいです。内装は極太万年筆まで接触することなくコンパクトに納まって、美しく見えるというコンセプトで思案しています。ご意見お聞かせください。やはりル・ボナーに来られるヘビーデューティーな万年筆愛好家の人たちには20本入るケースも必要なのか。

  8. mari より:

    はじめまして、
    レジェ・ボストンは購入したかったのですが、以前の軽い革がもうないと聞いて諦めていました。
    もしよろしければ他の革で作成したときの重さを教えて頂けませんか。例えば女性に人気のぺリンガーのシュリンクカーフは何キロでしょう?
    追記7月7日の記事にある水ナスを盛った小鹿田焼きの器が素敵ですね。関西のお店がなかなか無いのですがどこかご存知ですか。

  9. ル・ボナー松本 より:

    mari さん
    現在レジェボストンの完成品はなく、使う革それぞれで重さは違い、完成品が出来た時測らないとわかりません。今店舗に並べるためにバッファローで作っていますが、これも出来てからでないと重さは伝えることが出来ません。完成した時ブログで重さもお伝えすることにします。
    焼き物についてはよくわかりません。小鹿田焼きの器だということも知りませんでした。ごめんなさい。

  10. たかくん より:

    先日、京都で開催された中屋万年筆のペンクリニックに訪れましたら、
    御社のペンケースに中屋のシガーサイズのエボナイト万年筆が入る事を試して、
    うまくゆきました。
    吉田さん@中屋万年筆も驚いており、「シガーサイズが入るペンケースを初めて見た」
    と仰っておりました。

  11. ル・ボナー松本 より:

    Re:たかくん さん
    あの長さは入る事を想定しておりませんでした。しかし古いブログにコメントされると、それがいつ頃書いたのか覚えてなくて探すのに手間取ります。最新のところにコメントしていただくと助かりまぁ~す。

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ