学手が終わり、キューブボストン(中、小サイズ)、キューブ(大、小サイズ)あわせて9本製作中で、店頭にはボストン小サイズが1つ並びます。
これは、大裁ちした持ち手で伸びを防ぐため革を二枚あわせています。シュランケンカーフの裏に、デュプイ社のチェルケスを使っています。張りとこし感が、シュランケンカーフと合わせたとき絶妙なのです。
以前は主人の激怒を恐れ、目を盗みながらチェルケスの革を使用、いつも主人には「仕事でなく趣味だ!」と言われ続けたのは、採算を度外視して製作する所以なのでしょう。お前は本当に頑固だよな、とも言われ続けていますが、自分では素直だと思っているのだけれど。
ファスナー口の裏にも革を貼ります。開閉を繰り返すことでの歪み、よれを防ぐためです。
キューブシリーズは、見た目シンプルなゆえ隠れた箇所に気を使います。
キューブの内装はステアの革を使用。
マチを包み込むため、ゴロゴロ厚くならぬよう斜め手漉きはかかせません。
すべての内装がもうすぐ出来上がり、表のパーツ磨きに入ります。




ブリーフ キューブを使わせてもらってますが、内装の巧みさは感嘆していましたが、手抜きのないきめ細かい作業の賜物なのですね。中身が重くても膝に抱えたときに、やさしい気持ちにしてくれるこの鞄は、革の感触だけでなく、デリケートな作りが決め手だったのですね。