ル・ボナーの一日

K社長がスーパークロムメッキの錠前持ってやって来た

2007年05月20日

スーパーメッキ.jpg 先日、田舎の秘密基地の首領、精密金属加工会社のK社長が、仲間の金属関係者からはやり過ぎと言われた三重メッキシリアルナンバー入りのスーパーなクロームメッキの完成品と、チョットだけよとロジウムメッキの組上げ前の錠前の本体を持ってこられました。 市場に出回っているカバン用の金具の大部分はニッケルメッキの一重仕上げ。今回作ったノーマルタイプのクロームメッキでもニッケルとクロームの二重仕上げでバイクの部品のマフラーなどの過酷な条件下用のメッキレベル。その上メッキする表面を純水で洗浄したので鬼に金棒。 だのにやってしまいました。銅とニッケルとクロームの三重メッキ。どこかの最高級ブランドが自慢気に言っているパラジュウムメッキより全然凄~いメッキ。ロジウムメッキはまたまたそのスーパーなクロムメッキに輪をかけてみんなが呆れてしまったとんでもないメッキ。ここまで来ると趣味の領域。その趣味の領域をお客様に押し付ける気はもうとうありません。10個ずつ作ったスーパーなクロムメッキとロジウムメッキの錠前は大事に保存して見せびらかすだけで、当分は使いません。モノ好きなお人がどうしても使いたぁ~いと言われた時にはいつか使おうと思っておりますが。K社長もロジウムメッキの錠前は売るのが惜しいなどと言っておられたが、それはいけません。私のモノです。 文字は大型工作機械に0,1ミリのドリルをセットして削り書きました。この作業だけで3時間あまりをかけた呆れた採算無視の作業。一般的に使われている方法は刻印かレーザーですが、刻印だと押した縁にバリがでるし、レーザーだと焼き跡が残り酸化の要因をのこすからとK社長の発言。実際は私の予算の関係で既存の設備を使って字を彫りたいという苦肉の策。しかし顕微鏡で見ると凄く綺麗な削り文様がみえるそうです。誰も顕微鏡で見るお人はいないでしょうが。 モノ作りはこだわり始めるときりがありません。いい塩梅でやめておかないと、深みにはまってしまう。でもやれるなら、やれるところまでがんばっちゃいたくなるのであります。 この後も順次金具製作はつづきます。これからが本番なのです。メッキに凝るのはこの錠前まで。次回からは無垢素材の真鍮とジャーマンシルバーでの金具作りです。K社長とスタッフの人たちにはまだまだ頑張っていただかないといけません。 アルミの不思議.jpg 今日はK社長が推し進めている「何をするか決まっていないプロジェクトX」のメンバーの金属関係者の中の穏健派お二人が来られました。お祭り好きのK社長とは対局にある常識人?です。良いバランスを保っているお仲間たちです。 私が無垢の金属で独特の模様は作り出せるのか尋ねたことを覚えていただいていて、このサンプルのアルミの板を持ってきてくださいました。 上2枚の波模様のような木目模様のような紋様は、アルミを板状に伸ばす時にでる模様で、手を加えるともっとはっきりと模様の明暗もでるそうです。 下の3枚は再結晶化という技術で模様を出しているもの。厚い板でも中までこの模様になっているので削ってもこの模様なのだそうです。アルマイト加工で色々な色に出来るのだそうです。知らなかった業界の技術や工夫は私に大きな刺激を与えます。異業種の交流は特別なモノが出来る予感が一杯です。ドキドキします。

Le Bonheur (21:20) | コメント(2)

Comments

  1. orenge より:

    今までの金具が陳腐に見えてきますね。H社の金具などを久しぶりにまじまじとながめましたが,価格ほどの価値は感じませんでした。

  2. ル・ボナー松本 より:

    orenge さん
    これからも金具作っていきます。
    御期待ください。

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