若いころから万年筆を愛用しつづけたSさんの言葉がひっかかっていた。私が2000円で購入したパーカー51は51じゃないんじゃないかという疑念。「なんか俺の持っているパーカー51より軽くて安っぽいんだよなぁ~」とSさん。私はその安っぽさも気に入ってはいるのだけれど、もしかしてその当時売られていた同じ形した中国製なのか。確かにペン先は金ペンではないけれど、オクタニウムという何なのか分からない合金を使った51スペシャルという品があったことを確認している。でも心のどこかで疑念がぬぐいきれない。
昨日四国からお客様で万年筆マニアのOさんが来られその話をしてその問題のパーカー51を診てもらう。万年筆愛好家の通例、マイ虫眼鏡を出して観察していただいて判明!。この万年筆はパーカー51の廉価版のパーカー21だった。

よ~く見るとキャップの刻印は51ではなくて21だぁ~。刻印が薄くて老眼の私には51と見えてしまっていたぁ~。トホホ、、、51の弟分だったのだ。万年筆歴40年のSさんの指先の感覚恐るべし。私はこのペン先の意匠は51と61だけだと思っていたのです。21や41があったなんて知らなかったぁ~。万年筆初心者の私の薄い知識でSさんの40年万年筆で書き続けた指先の記憶を疑ってご免なさぁ~い。

私のショックは隠しきれない。でも思ったのであります。21が手に入ったということは、今度はその兄貴分の51や61、それに1年しか作られなかった41なんかを手に入れる楽しみを与えてくれたということなのだと元来のプラス思考。それに75や45とパーカーのアンティーク万年筆面白いじゃないですか。
四国から来られたOさんは現在ル・ボナーの革製品に強い関心をもっていただいています。それと同じほどイタリアの個性的な万年筆色々所有されている万年筆マニアな人ですが、元々はパーカーニスト。四国にはまだまだ忘れ去られたような文房具屋さんや昔文房具屋さんをやっていたお家の片隅にひっそりと眠るお宝万年筆が存在するそうです。そんな場所を探索するとモンブランは物色されてないけれど、パーカーはまだまだあるそうです。そんなパーカーを沢山持っているOさん。

見せてもらったパーカー61フライター(ステンレスボディーの名称)。昔文房具屋さんをやっていたというお家で入手したデッドストック品のパーカー61の5本の中の1本。5本で5000円、1本1000円での購入です。アンティーク万年筆ハンター恐れ入ります。1970年頃のもので当時の値札は15000円、現在の貨幣価値で考えると10万前後。舶来モノは高かったぁ~。当時モンブランは高根の花、出世したサラリーマンがなんとか買えた高級万年筆がパーカーという時代だったのかなぁ~。
1本1000円で購入したパーカー61が5本あるので1本差し上げますとOさん。一瞬私は耳を疑ったぁ~。いくら1000円だとしてもお宝探索の旅を続けた苦労と楽しみ?の結果得た思い出の品。それをいただくなんてまた親しい連中にわらしべ長者と言われてしまう。でも大人らしく断るなんてできなぁ~い。
ブログで万年筆ネタ書き続けた私へのご褒美と勝手に思って、遠慮まるでしないで感謝いっぱいでいただきました。突然パーカー61も私の手元に!。
早速購入したばかりの香水ビンのような入れ物に行った特製のパイロットの「紫陽花」という青紫色のインクを入れて書き味試してみました。固さ抜群のペン先なれど、筆圧優しく書くとヌラヌ~ラ書き味。質感も書き味も21に比べて上質であります。でも21は胴の青緑色が昭和のノスタルジィーを感じて良いではないですか。パーカー面白い。

アメリカンな万年筆が5本。これからパーカーの万年筆が増えそうな予感。万年筆までアンティーク趣味の道を歩み始めると泥沼、、、、お金の問題より魅力の拡大膨張の方がやっかいなものであります。
右往左往しながら皆様に迷惑かけながら趣味を貫徹する所存であります?。
ヴィンテージの世界へ足を踏み入れられたのですね。遠くから眺めていたいです。物語をめくるような楽しみに浸ってください。