ル・ボナーの一日

フラスキーニのカーフが届きました

2005年12月02日

フラスキーニウエブ.jpg フラスキーニのカーフが届きました。このしなやかでねっとりとした手触りはフラスキーニ独特のものです。フラスキーニのカーフ革は、なめす時に漬けるクローム液を交換することなく、継ぎ足し使っている他のタンナーではやらない方法でなめすことで有名です。老舗のうなぎ屋の秘伝のタレのようなものです。 そして時間をかけてなめし、うわさではクローム液に牛の血をまぜることでフラスキーニ独特のねっとりとした触感を生み出しているといわれています。最高のイタリア、カーフです。 革屋の常務になぜフラスキーニの革をあまり輸入しなくなったのか聞いてみると、値段が高くてもイタリアカーフの良さを知ってもらいたいから、ほんとは輸入したいそうなんです。しかし現在のフラスキーニの主な取引先がトッズというブランドで、そこの指示で顔料厚塗りの革をメインに作っていて、本来フラスキーニを代表していた染料仕上げのねっとりとした革はあまり作っていないのです。無理を言って染料仕上げのねっとり革を作ってもらっても、イタリア人のいい加減な性格が災いして、顔料仕上げを送ってきたりするそうで、そのため昔のようには輸入出来なくなったそうです。イタリア、カーフは過去の遺物になろうとしているようです。寂しいことです。クロームなめしのタンナーはどこも厳しいようです。クロームなめしの革はある程度大きな規模を持つタンナーでないとつくれません。そのため規模を維持する経営をするには大ブランドに従う革作りをしていかなければならず、それぞれのタンナーの個性を無視した利益追求を最大の目的の革を作ってゆく。それが自分の首を締め上げてゆくのを知りながら。それに比べ小規模でもやれるタンニンなめしのタンナーは元気です。スエーデンのポルケ、ベルギーのマシュア、イタリアのバトラッシー、ワルピエ、個性的な革を作り続けています。 今回入手できた革は4000デシ程度。鞄約40個分ぐらいです。大事に使ってゆこうと思います。この素晴らしい革が活きる鞄を作ってあげないと革がかわいそうです。

Le Bonheur (22:10) | コメント(0)

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