
I先生は凄~い。感謝、感謝であります。
私の恋焦がれて1年数ヶ月、アウロラ85周年レッドを、
eBayで私の希望価格にて落札に成功したぁ~!。
10万以下ではまず入手不可能と言われたレッドを、
驚異の粘り腰で入手成功。
それも我儘な私の希望をかなえるため、eBayは夜中に入札終了時間になるモノが多いので、
目覚まし時計をあわせて、眠い目をこすりながら何度かのチャレンジの末の成果です。
私はアウロラのレッドが欲しい~!とただ叫び続けただけ。
なんという幸せ者なのだろうか。
I先生の処にパリから届いて、早速書いてみるとペン先の切り割りがよっていて
本来Bだのに、細~い書き味。それで早速名古屋でのワグナーの会に持ち込み、
森さんにヌ~ラヌラ書き味に調整までしてもらって、重ね重ね感謝、感謝。
そうだったのか。私に完璧な状態で渡すために、わざわざ名古屋まで行かれたのか。
万年筆愛好家らしいフットワークの軽さだけではなかったのですね。
I先生と私は書く角度、書き癖が似ているので、バッチリの書き味嬉しいなぁ~。
このレッドの前の持ち主は、パリ在住のイタリア人女性・モニカさん。
パリにペン先を調整する人が居たなら手放すこともなかったかもしれない。
万年筆天国・ニッポンに生まれてよかったぁ~。
私はこれからこのNo1862のレッドをモニカと呼ぶことにいたします。

私が初めてアウロラ85周年レッドに出会ったのは去年の初夏でした。
それまで万年筆カタログでは見ていたのですが、そんなに興味を持つことはなかった。
実物を実際に見て、イタリアらしい意匠に惚れてしまったぁ~。
レジンの赤色ならモンテグラッパの定番品で事足りるし、
ビスコンティのヴァン・ゴッホのマーブル文様の方が面白い。
でもレッドの赤は、インディアンジュエリーのような手作り感たっぷりの
スターリングシルバーとのバランスが絶妙で、
私の愛するイタリアの文化が凝縮して出来上がった意匠と思えた(少しオーバーかな)。
そして何より、後にアルフィスタとなるボンジョルノの趣向に、
ピッタシバッチリ。まさにアルファロメオの化身と私は思った。
最初のチャンスは、万年筆ペン先調整世界一の職人・森山さんに初めて会った時。
フルハルターにまだ新品で残っていたのです。
森山さんにペン先研いでいただいたレッドなら鬼に金棒。
でもその日がイタリア旅行の前日だった事がいけなかった。
イタリア行けば、きっと安くレッドが手にいるという思いが頭をよぎり
その上イタリア旅行の出費はいかほどか戦々恐々の時でもあった。
イタリア旅行最初の街はミラノ。アルファ・ロメオとアウロラの故郷。
それに泊まった宿はホテル「アウロラ」。格安でレッドが手に入るような予感。
しかしなぁ~い。大きな文房具屋さんや、あちこち探し回ったけれどなぁ~い。
その後も行く街々で探したけれど、格安品どころかレッド自体置いてないのです。
イタリア人は、高価な万年筆には興味がないのか。
失意の内に私はイタリアを後にしたぁ~(これまたオーバー)。
私はますますアウロラのレッドへの執着心を強めた。
しかし少し冷静になって考えると、15万は高いという気がした。
私の思う適正価格で手に入れてこそ、より特別な万年筆になるという屁理屈を構築した。
アウロラのレッドへの片恋慕は強まるばかり。
親しい人たちに私はレッドの魅力を伝える伝道師となった。
そしてレッド友の会は確実に広がりをみせた。
購入者が増えるたびに喜びと嫉妬の相克は続く。
それでも私はレッド友の会の誰かさんが、
入手はしてみたけれど自分には合わないと、手放すことがあるだろう。
その時私の事を思い浮かべて、中古品なりの価格で譲っていただける可能性に期待した。
長期を覚悟したレッド購入計画は、I先生という救世主が現れた事で1年ほどで終わった。
私もレッド友の会の仲間に加わったぁ~!。

私のアウロラ85周年レッド「モニカ」はシリアルナンバー1862。
小さな数字はアメリカ中心に売られ、大きい方はヨーロッパ中心だそうです。
じゃあ日本で販売されたレッドのシリアルナンバーは?。
私はレッドに魅力を感じたのは、ひたすら意匠であります。
書き味はアウロラらしい中庸の書き味で、
安心感はあるけれど個性のない書き味だと思っていた。だから期待していなかった。
しかしワグナーの森さんに調整していただいたからなのだろうか、
大変気持ち良いBの書き味。インキはパイロットの「紫陽花」を入れて書くことにした。

天冠のオニキスは濃淡色々だということだけど、私のモニカは濃い方です。
軸のレジンの色に近い色。天冠のスーパーマン形状がお気に入り。
AURORAの文字がいい感じ。

私の万年筆趣味はここに終止符を打つのだろうか。
レッドが入手出来ればもう上がりなんて言ったような言わないような。
レッドが入手できないから浮気心で色々な万年筆に手を出してしまうのだ
という言い訳はもう使えない。
写真の3本が今の私の万年筆御三家。アンティーク万年筆は別腹?。
もうなくても十分だけど、面白い万年筆の方から私に近づいて来るのを、
拒むだけの強い意志は持ち合わせていないボンジョルノであります。
2か月の沈黙はこのアウロラ85周年レッドによって破られた。
しかし当分はこの愛しのモニカとの日々を謳歌することで十分な私であります。
数はなくてもいいではないですかと人には言いながら、
私は万年筆菌の虜の道まっしぐらぁ~。それにしてもレッドはやはり最高~!。
ついに手に入れたのですね(w
今度、モニカに会わせてください。