
ここ神戸の六甲アイランドにカバンのショップ兼工房を初めて16年になる。
私の鞄職人として生きた半分を、この場所で過ごしたことになる。
内装は16年の月日が部分的に老朽化がきになるけれど、
安藤忠雄デザインで竹中が作った建物は、阪神大震災を経験しても、まだまだ大丈夫。
この場所に決定した一番のお気に入りのセメント打ちっぱなしの曲線の内壁は、
16年経って益々素敵な風格が出てきたと思う。
ここでず~と仕事出来ればと願っている2人です。

直射日光のあたる前部分には、シュランケンカーフ主体のレディースを並べています。
カラフルでお店が映えるし、紫外線の影響を受けにくい革なので。
使っていて摩擦で光沢は出てきますが、お手入れしながら使うと、カラフルな色は維持します。
奥にはメンズのカバンたち。
タンニンなめしの革がメインなので、使い込んで雰囲気でる革が多い。
紫外線の影響を受けやすく、使う前から変化し始めるといけないので、
太陽光の当たらない場所に展示しています。

フランスのアンティークのウォールナットのテーブルの上には折財布や名刺入れ。
小銭入れ付きの折財布は、今回小ロットで定番以外の革で作ったタイプから売れました。
定番のブッテーロ革で作った小銭入れ付き折財布もグリーンは完売してしまいました。
もう少ししたら色々な革で作った長財布も登場します。

大ヒットしたペーパームーンのショルダーバッグ。430gの軽さが最大の魅力。
それに加え複雑なパターンで極力ステッチは見えない。
それが特別な印象を与えるソフトなショルダーバッグ。
購入される年齢層が高めだったこのバッグ、
若い人にも興味を持ってもらえる工夫をして、新ペーパームーン登場します。
ブリーフケースやリュックもペーパームーンシリーズとして新しく考えました。
新ペーパームーン・シリーズは来春の目玉です。

二人の仕事机は企業の実験室で使っていた什器を払い下げていただき使っています。
それ以外の家具は米軍払下げや古道具屋さんで入手した格安家具。
お洒落じゃなけれど使いやすい。二人の仕事場としては、
30年以上カバン作りしていて、一番広いスペースを使っているのだけれど、
なんか狭いよねなんて贅沢なこと言っている。
整理整頓すれば済む話なのは分かっておりますが。
100年前のアメリカ製掛け時計がボンボンボ~ン。
ル・ボナーの時の流れの中に溶け込んでいます。

いつもよりは相当奇麗な状態の私の仕事机。万年筆に時計に帽子がいっぱい。
そんなモノに包まれて仕事することで頑張れる?今日この頃のボンジョルノ。
ランドセル背負ったオヤジと言われていたのが、いつからかボンジョルノ松本に。
誰が最初に言ったのか覚えてないけれど、結構気に入っている。
本当は繊細な心を持ったナイーブなオヤジ?なのだけれど、
誰もそうは思ってくれない。31年連れ添ったハミですら。

今年末に向けて、もっと革小物を充実させるため、裁断、裁断の日々。
そのため年末恒例のベルトを作るのが月初めになってしまいました。
オーダーした皆様もう少しお待ちください。
新型パパスの完成も、来週末になってしまいました。
待っていただいているお客様ごめんなさい。
予想以上に好評で、3色各10個作っているのですが、
予約だけで3分の2は売約済みになってしまいました。
今年中にもう1度作らないといけない嬉しい悲鳴。
多くの職人さんに協力していただきながら、
ル・ボナーはより充実した品揃えを目指します。
二人のアイデンティティーを伝えながら。
まだ伺ったことのないのに、このブログを通して一番身近に感じる鞄屋さんです。そして作品に触れるたびに、お二人が大切にされているものを感じます。ペーパームーンシリーズのリュックは楽しみですね。柔らかい革で作られたリュックは、赤ん坊を背負う心地よさかな。