
ハミがオーダーで作っていたグラスが完成しました。
注文主の希望で、イタリア・ワルピエ社のブッテーロ革のネイビー色で作りました。
今までグラスは、デュ・プイ社のチェルケスやペリンガーのシュランケンカーフで作っていて、
タンニンなめしの革で作ったのは2度目です。前回は私が作ったので、ハミは初めてです。
堂々としたグラスに仕上がったと思います。

このデザインは元々はエルメスのデペッシュです。前面の錠前部分が特徴的です。
フィレンツェのチェレニーニやJ・M・ウェストンやダンヒルなどでも
同じタイプのブリーフケースを作っていますが、ル・ボナーなりの解釈で作っています。
内貼りは赤。開けた時のネイビーと赤のコントラストが素敵です。
ブッテーロは愛情を持って使い込むと、素敵な経年変化をしてくれる革です。
このグラスが何年かしてお手入れで里帰りして、
どんな風に馴染んでいるかを見るのが楽しみです。

昨日5~6年前にブッテーロの黒色で作ったブリーフケースが里帰りしました。
今回はショルダーを止める部分が切れそうなので、その交換です。
前回お手入れで里帰りした時は、
出張の時しか使わなかったためなのか、お手入れの方法を伝えなかったためなのか、
少しパサパサした表皮の感じになっていた。
それが今回は素晴らしくシットリした最高のコンディションでの里帰りです。
聞くと、今は毎日のように使い、水拭きして使うようになったそうです。
水拭きして、乾いてから乾拭きして摩擦してあげるのが、
ブッテーロには最善のメンテナンス。
ブッテーロというタンニンなめしの革が私たち二人は大好きです。
使うと傷がつき易い革で最初気になりますが、復元力のある革だから大丈夫。
相当酷い傷をつけない限り復元ないしは緩和します。
そしてご主人の愛情に比例して、ゆっくり変化してゆきます。
先日はどうもありがとうございました。
修理預かりの鞄のように、財布が綺麗に経年変化を過ごせるよう、
毎日財布を磨いております。
ネイビーに赤というのはとても惹かれる配色です。僕以外にも
この配色にピンと来る人が少なからずいると思います。