
今年になって初めて水谷時計修理工房に行った。この路地裏のお店が私は好きだ。
静かに時が流れるその空間に掛け時計のチックタックが心地良い。
時計のムーブメントの部品たちを見ていると、その繊細な仕事に敬服する私であります。

腕時計の心臓部のテンプとひげゼンマイ。
数ミリの大きさの部品もしっかり工業部品の精度がある。
そのひげゼンマイを固定する部分はペン先のイリジュウムポイントほどの大きさしかないのに
ルーペで見るとしっかりエッジがある工業部品だ。
その仕事の集合体であるムーブメントは人が作りだしたミクロの総合芸術。

山奥のお宝寺の住職から格安で入手した50年代の自動巻き最初期のハーフローターを搭載したルクルトのフューチャーマチックが私の手元から離れて1年になる。
私はハーフローターが好きだ。全回転ローターのスムーズさとは違い、
振り子のようなカチカチという音と振動を伝えながら巻きあがる感じが妙に心地良い。
特にこのフューチャーマチックのオリジナルなダイヤルデザインとケースの丸みが私の琴線に触れた。
その可愛いフューチャーマチックが動かなくなった。ローター直下の特殊な歯車が摩耗してしまったようであります。
特殊な部品は作って修理するのは無理だと水谷さんに宣告され、恐る恐る時計ライターN氏経由でスイス本国送りの修理をお願いしてしまったぁ~。

この時計は変だ。
手巻きなしの自動巻きオンリーは他にもあるけれど、時刻合わせは裏のここでする。
これはいけません。夏場にしたら汗がしみ込んでしまうではありませんか。
でも素敵だ。次世代まで残したいルクルトが50年代に描いた近未来。
送り出したのが去年の3月だったので、もう戻って来ると思っていた。
まだ連絡がないので見積書を確認してみたら5月16日と記してあった。
そうかぁースイスに送られて見積書が作られたのは5月16日だったのだ。
つまり5月から7月あたりに届くということか。まだだったぁ~。

この修理見積書の通り修理したら冗談ではありません。
修復サービスとダイヤル交換のみ選択したのですが、間違いなく相当に魅力的なアンティーク時計が入手できる驚きの修理代。でもこの時計は特別な思入れ感じているのでやってしまった。
5月から7月にかけてフューチャーマチックの修理とアルファの車検と恐怖の連続パンチ。
私はKOされずに立っていられるだろうか。
悪女の魅力が少しわかるようになった今日この頃のボンジョルノ。
ボンジョルノ改めブルジョアジー松本殿
ぎゃあ~、すごぉ~い見積り金額!
でも自社製品は責任を持って直すというルクルトの姿勢、そしてその体制も素敵ですね。帰ってくるフュチャ-マチックが楽しみだなぁ~。
私は明日水漏れの車の修理にいってきま~す。
少しお金が、かかっても時計に限らず、修理した車や鞄、靴はいいですね。
擦り切れたシャツの襟を、修理をして着ている私ですから。
Re:三好 さん
ブルジョアだったら悩み苦しみませーん。
何でこんな泥沼に足を踏み入れたのか。モノ好きのリーインカーネーション・・・・・?。
きっとシャツの襟を修理交換したらシャツが数枚買える価格fだったなんて言う事態になっても納得しているのでしょうね。何か変だけれどまあいいかぁ~。
ル・ボナー松本