ル・ボナーの一日

ノブさんへのお返事

2006年01月03日

2日のコメントへの私なりの考えを書きます。 鞄の好みはその人の趣向に起因するので、何が良くて何が悪いとは答えられません。 ラフな縫製をしたものを、ワイルドだと好む人もいれば、丁寧な仕事の鞄を爺くさいと思う人もいます。 価格にしても、人それぞれ基準が違います。 自分の趣向にあっていて、その物の価格が納得できればよいと思うのです。 丈夫さだけで鞄を選ぶ人は少なく、多様な要素で多くの人は選びます。 作る側も同じで、基本的には自分の作りたいものを作っています。  作りたい鞄を作って、希望どうりの値段で売れれば最高です。 しかし現実はそうはいかず、そこでそれぞれ工夫します。その工夫も千差万別です。 時計を選ぶ場合でも、正確さだけならクオーツを選べばいいのだけれど、時計好きは機械式を欲しがります。それとおなじです。 エルメスの鞄が職人差があることも、作る側から見ればみえてくるけれど、買う人には分からない。分からなければエルメスを買ったということで充分満足できます。知りすぎるとややこしく考えるだけで、損をすることもあります。 ブランドについても、私の好き嫌いはあるけれど、良い悪いは買う人の判断です。 手間のかかる縫製をしている、していない。良い革かそうでないか。長持ちするかしないかといった部分的な事柄の判断は出来ても、良い悪いは人それぞれが決めることだと思います。個々の判断で満足のゆく物を購入すれば、丁寧に扱うので、長く付き合ってゆけると思います。 個人でしている私たちのような鞄職人は、試行錯誤しながら鞄を作ってます。 何が良くて、何が悪いかという判断も作りながら感じ、それぞれ違うと思うんです。 hinode.jpg 明日から、2006年のル・ボナーの始まりです。 1日1日充実した鞄作りの日々を過ごして行こうと思ってます。 今年の第一目標は充実した品揃えです。それと妥協のない一品物を作ってゆくこと。 有言実行でいきます。見守っていてください。

Le Bonheur (17:58) | コメント(1)

Comments

  1. ノブ より:

    ありがとうございます。
    良い仕事をより理解したいという願いだけです。
    渾身の作品を期待しています。

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