ル・ボナーの一日

アルファロメオ145との蜜月は続く~

2010年02月12日

トヨタのリコール問題は色々感じるところがあった。アメリカでのリコールは当然だとは思ったけれど、プリウスのリコールには驚かされた。あれがリコール対象になるという事は、痒いところまで配慮した車作りの姿勢が、人の五感を退化させてしまった結果のように私には思えた。 それに比べ私の愛車の1998年式アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型は良い。まずそこまでコンピューターで制御していない時代の車(今のアルファも同じ程度の電子制御かも)だし、ブレーキの効きの悪さは全域で感じられるので、その腹積もりで運転するから安心だ。そんな車に乗っていると五感で車と会話しながら乗らないと(それが楽しい)危険だ。隙間(余白)がどんどん無くなってゆく時代の中で、少し緩めなモノたちに楽しさ感じるボンジョルノでありました。 昨日「アルファを所有したいと思っているけれどご意見聞かせて」と来店した若者がいた。私は車に関して詳しい訳ではなくて、アルファとの付き合い方も相当思い込み満開のところがある。ただこの金食い虫と思われているアルファを安く維持している事においては自慢出来る。 10%E5%B9%B4%EF%BC%91%E6%9C%88%20131.jpg この1998年式アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型を私が溺愛するのはなぜなのか。 まず第一に高級乗用車ではあってはならないことだけれど、五感を刺激し続ける車だという事。車体は安普請であちこちからきしみ音がし、ハンドルはシビアに路面の状況を伝え、唐突な反応をなだめすかしながらのアクセルワーク、傑作ツインスパークエンジンは思いっきり回してと要求する。なので長距離走行だと楽しいけれどすこぶる疲れる。それと走行中まず眠くなる事がない。いつもドライバーに緊張を強いる。雪道へはスタッドレスタイヤを履いたとしても行く気にはならない。でも近場への短いドライブでも、多くの事を車は運転者に語りかけ飽きさせない。 この一体感がアルファの魅力だ。 現行の国産の乗用車から乗り換える人には勧めない。私のように1968年式のビートル、その前はランクル40系、三菱ジープJ-38といった一癖ある車を乗り継いだ者にとっては、ラクチンこの上ない車だ。その上刺激的。ただこの感想はそれまで乗り継いだ車たちと比べての事で、一般的な意見ではありません。念のため。 %EF%BC%90%EF%BC%99%E5%B9%B4%EF%BC%91%EF%BC%91%E6%9C%88%20359.jpg アルファをディーラー使って維持すると大変だ。新車で購入した1600ccの147の1回目の車検をディラーで見積もってもらったら総額52万と言われたそうだ。アルファは程度の良い中古車を格安で入手し、五感を研ぎ澄まして車の状態を感じ取りながら、親しい車修理屋さんと純正部品にはこだわらず修理しながらその事も楽しんで維持すれば、そんなには維持するのも厄介な車ではない。ただ年間走行距離5000キロ未満の人限定。トヨタの車のように走行距離25万キロ到達なんて事は望めない。 大多数の人が不満を感じないモノ作りは、その代償に尖った魅力をスポイルせざるおえない。しかし少数の人の望みを叶えるために多くの部分に目をつぶって、目指す方向が特化したモノは魅力的な輝きを見せてくれる。 BMWとアルファロメオは表裏だと言う人がいる。ドライブする楽しさを追求する車作りの方向性は同じだけれど、BMWはその目的を最新の技術を駆使して大多数の人たちも満足させながら演出する。それに比べアルファはイタリアのマンマの手料理。既存の部品の寄せ集めなれど、アルファ的味付けで少数は支持する特別を創造する。そんなアルファロメオが愛おしい。 10%E5%B9%B4%EF%BC%91%E6%9C%88%20148.jpg そしてこのエンブレム。私はフェラーリよりもポルシェよりも、このアルファロメオのエンブレムが車の中で一番素敵なエンブレムだと思っている。20代に免許を取得してから憧れ続けたこのエンブレム。悪評に躊躇し、それでも憧れ続けて50歳過ぎてからアルフィスタ。これからもアルファロメオです。 先日道路で右折する時、反対車線で右折しようとする同じアルファロメオ145と対面した。 その時思わずニッコリしながら手をお互い振ってしまった。

Le Bonheur (21:54) | コメント(7)

Comments

  1. 2/11に三木市からデブペンケースを買いに来たものです。
    ずっとこのブログを拝見させていただいてて、ル・ボナーさんの生み出すプロダクツへの思い等をブログを通して感じ取り、ダイアリーカバーを購入したことが始まりでした。
    ペンケースもものすごく気に入ってます。
    アルファロメオも好きで、アルファへの愛情も同感します。
    僕も人生で一度は所有してみたいと思っています。
    今度はキーケースを狙ってますので、またお店をのぞいた時は話させて下さい!
    Re: りゅうちゃん さん
    145だと30万ほどで売っていましたよ。価格以上の満足感を間違いなく得られる車です。その時代までの車が私の持っているタイプのキーです。147も100万切って出始めております。親身になって対応してもらえる修理屋さんが探し出せれば、リーズナブルに特別な満足感を運転する事で得られる車です。是非屈折したアルフィスタのお仲間に。ただ自己責任です。
    またの来店をお待ちしています。
                              ル・ボナー松本

  2. 村上 より:

    ハイブリット車もガソリンを必要とするわけだし、燃費だけでエコと優遇するのはどうなのか?古い車を大切に乗るのも“捨てない”エコなのでは…と、この国の制度に疑問を感じる1992年式のVOLVO 240乗りです。五感で車と会話しながら乗ることについて同感です。
    Re: 村上 さん
    バスタブに乗っておられるんですね。一時私も選考の一台でありました。ワゴンのヒンジが素敵ですよね。気に入った車とは、修理しながら長く付き合ってゆければ幸せですよね。
    お振込みありがとうございます。ご希望された品は数日中に送れます。楽しみに待っていてくださいね。
                              ル・ボナー松本

  3. つきみそう より:

    トヨタのリコール問題、あれはトヨタがそんなユーザを育て続けた結果ですね。
     ふわふわでとにかく足を乗せれば効く、そんなブレーキのついたクルマばっかり作って、こういうのがブレーキだと教え込んだあげくに、フィーリングの問題と主張してもそれは無理です。トヨタ車ばっかり乗っている人は、ハンドルの手応えもブレーキの踏み応えも知らない人に「調教」されてるのですから。
     今踏んだ石は大きかったなぁ、とかわかる車が大好きです。だからトヨタ車には可能な限り乗りません。バカになってしまいますから。
    Re: つきみそう さん
    車に対して家電と同じように接する人を多く育てたのでしょうね。便利になりすぎると思い出が希薄になってゆく。それがもったいないと思います。
                              ル・ボナー松本

  4. pretty-punchan より:

    つきみそう様のご意見に賛成です。誰でもが安全に乗れます、の果てにあるのが、運転者の感覚の退化と許容度の狭小化だと思います。イヤな汗を背中にたっぷりかいて、何度もやり直した縦列駐車で培われたフィールは、今や無用の労として、なんだか嘲笑われてしまいそう。面白くない話が多いです。メルセデスもハイブリッド出すみたいだし。狂犬病ウィルス保有車としてのアルファとは、径庭の感があります。
    Re: pretty-punchan さん
    乗るたびに、どこか調子がおかしくなっていないかと五感を駆使して感じ取り、大丈夫だと確認してアクセルを踏み込んだ時、陶酔のドライブフィールを私に享受してくれるこの車は、正に私の思い描くイタリア。運転する事を快楽に昇華してくれる。この方が楽しいです。同じイタ車でこれからも行きましょうね~。
                              ル・ボナー松本

  5. ノブ より:

    フィーリングの世界を標準化しようというのが無茶と思います。実用車として15年前からトヨタ車に乗っていますが、高品質から高級感、高付加といった方向へベクトルが変わった最近のモデルに魅力は感じません。
    しかし、この傾向はトヨタだけではないと思います。私はハイテクよりローテクを誇れる車が好きです。
    Re: ノブ さん
    ラインクルで25万キロは素敵な事ですね。トヨタ車がトヨタの品質重視で輝いていた時代の象徴的な車ですよね。他のメーカーには真似出来ない凄い部分。その事においてはアルファは足元にも及びません。でも走行距離が年3~5000キロ程度の私は、ファミリーカーの顔してスリリングな感動を伝え続けるアルファに満足しています。一緒にポンコツになって行こうと思っています。
                            ル・ボナー松本

  6. orenge より:

    趣味兼実用車としてランクル70系を2台乗っています。快適装備はエアコンとパワーステ等でしょうか。車がポンコツになる前にこちらがポンコツになるかも?プリウスには興味があって初代から試乗してますが,ブレーキは少しくせがあります。しかし,ずいぶんとよくはなってきています。ハイブリッドは必要なんじゃないでしょうか。電気自動車ですと電気がいってないところは使えないですから。急用の時に間に合わないことも?このようなチャレンジ(ハイテク)は私は大好きです。リコールを乗り越えより多くの人々の役に立ち喜ばれる車を作り続けて欲しいです。それが世界NO1メーカーの責任ですね。ところで「ピッコロ」はスマートでスーツスタイルを格上げしてくれます。普段使いにもGOOD。「オブレ」の新型が欲しい理由は肩が痛くなりにくいコンパクトショルダーを持ってないからです。シュランケンパパスは肩が痛くなりにくくて本当に重宝してます。肩に優しいコンパクトショルダーを開発してみませんか?
    Re: orenge さん
    それでもハイブリットではなくて、ランクル70系を乗り続けるんですよね。トヨタ車は永遠に乗り続けられると思わせる、唯一の車かもしれません。これは凄い宝ですが、私はいつ壊れるかビクビクしながらその刹那を愛おしく思いながらアルファに乗り続けます。
    コンパクトショルダーは~まだ予定していません。いつの日かという事でお許しください。
                            ル・ボナー松本

  7. hiro145 より:

    私も145に乗っており大変共感いたしました(^o^)/
    アルファのエンブレムを見つめる度にコイツが愛車であることアルファを所有している事の優越感にひたります!
    世間からはこれ程出来の悪い奴は……と悪口たたかれますが私にとっては最高のエンジン五感を駆使して車に乗っている事が伝わるハンドリングや体感★
    1度蛇に飲み込まれたらもうアルファ以外には乗れなくなりますよね!(笑)
    145とすれ違うときパパーっとクラクションや横に並んで軽く会釈してくれたり…………それもこの車だからこそ味わえる楽しみですもんね(^з^)-☆
    Re: ボンジョルノ より
    同時代のGTVアルファコルセと乗り換えようかと検討しましたが、やはりこの145が可愛い事に気付かされました。やはり乗り換えられそうにありません。

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