
NHKの朝ドラ「あまちゃん」は家族でかかさず見ている。
「じぇじぇ」とつい言ってしまう。
その1シーンに登場した使い古した革のショルダーバッグが目に止まった。
それは間違いなく「ゴローズ」が30年以上前に作っていた品。
このバッグは記憶にある。
内縫いの玉ブチを、コバだしの一枚革で作る仕様は他に見た事がない。
サイドポケットのホック部分のデザインがその当時のゴローズらしさ。
一枚仕立てのラフなショルダーバッグだのに、
丁寧なコバ磨きとネン処理がされていて、
あの頃魅力を感じた「ゴローズ」のバッグに間違いない。

国産のタンニン革だけど、
あの頃は原皮もなめしも良かったから、
時を経ても現役でいられる。
バックルは真鍮金具で定評のある柳場製。
「ゴーロズ」は原宿の表参道で今も特別なオーラを放つ
インディアンジュエリーショップとして存在している。
イエローイーグル高橋吾郎さんの人生は破天荒で、
隙間のない現代社会では存在し得なかったであろう希有な昭和人。
今とは違って30年以上前の「ゴローズ」は、
革製品のウエートが高い商品構成で、
職人集団として素敵な製品を生み出していた。
手作りブームだったその時代(70年代後半)に、
そのゴローズが作り出す品々は数ランク上を行っていた。
しかし事業拡大が裏目に出てその組織としてのゴローズは終焉を迎えた。
私も「ゴローズ」に本当は入りたかった。
でもヒッピー風の迫力あるその職人集団に怖じ気づいて、
もう少し優しそうなところで鞄職人人生を始めてしまった。
その後何年か経った後、メンバーだった数人の方々と縁あって親好を深めた。
秀出た才能から不器用な職人である私は多くの事を学んだ。
この時代のゴローズ製のバッグを熟知している?私は、
手抜きではないラフさを持った丁寧な作りのバッグを、
復刻させたいという思いを持ち続けている。
今そいったタイプのバッグは皆無だと思う。
今でもあの頃見た「ゴローズ」のバッグは色褪せていない。
少し現代風にアレンジすれば、失われた夢をカタチに出来る予感。
良い話を読ませて貰いました。
僕世代では革よりインディアンジュエリーのイメージが強く正直、ゴローズはウォレットかジュエリーって感じでしたから。
是非、良き時代のモノを作って下さい。
Re: ボンジョルノ より
今のゴローズの革製品は確かタケウチさんが作っているはずです。あのインディアン系でない時代のゴローズのバッグたちに思い入れがあります。是非復刻させたいと思っています。