ル・ボナーの一日

ブッテーロ革のお手入れ方法

2016年10月10日

ル・ボナー製品に使っている革のお手入れ方法は、ル・ボナー店舗で直接販売する時は必ず実演してお伝えしています。また郵送での販売の場合はハミが万年筆で書く同封の手紙で伝えるようににしています。それでも半信半疑の場合や、卸先でご購入されたお客様からのお手入れ方法のお問い合わせメールも月に何軒かあるので、ブログで画像付き説明をする事にしました。

特にブッテーロという革は使われるお客様のその後の接し方で大きく差が出る革なので、まずはイタリア・ワルピエ社のイタリアタンニン鞣し協会認定の100%ピュアタンニン革のブッテーロ革のお手入れ方法を。

基本は乾拭きです。乾拭きして革表面に刺激を与えると革の内側に含まれるオイル分(ブッテーロの場合、植物性オイル)が刺激され気孔部分からオイルが染み出して表皮をコーティングし艶が出ます。これが防水効果にもなります。ここに外部から既成の皮革用オイルを加えると気孔が詰まり呼吸困難になり革が早く老化する事に繋がります。多くの防水や傷つきにくさや脱色防止の為に表面をコーティングしている革は、最初から呼吸困難状態で早く革の寿命は尽きるので、ル・ボナーでは呼吸可能な革を選んで使っています。革が死んだというのは表皮がひび割れた外観で判断出来ます。そうなると革の持つ特性である柔軟性や復元力はなくなります。

それでは私の所有物の15年選手のお手入れほどほどの学手風鞄でお手入れ方法をお伝えする事にいたします。ブッテーロ革のお手入れ名人の製品を見るたび私は恥ずかしくなりますが、それでも15年経った今も外からオイルを加える事なくこの学手風鞄は現在も革は生きています。

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最初にお伝えしたように基本は乾拭きです。ただ使い続けると爪傷が目立ち始めますし、表面を覆うオイルに空気中のホコリ等が付着します。それが気になり始めたら水拭きしてください。まず相当ビチョビチョに鞄全体を水拭きします。爪傷等がある部分を特に水分が染み込むように水拭きしてください。爪傷が目立つぐらいに水を染み込ませた方が良いです。これは水を染み込ませ革をふやけさす為です。そのご乾拭きするとふやけた部分が締まり何度か繰り返す間に爪傷(凹んだ部分)が目立たなくなります。

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水拭きした後表面の汚れが染みたオイルが取れマットな状態になります。そこで乾拭きするとその不足した表面のオイルを補おうと内側からオイルが分泌され表面の艶が清潔になった上で復活します。これが革の新陳代謝を即し健康な状態を保ちます。ということは革のオイル分は徐々に減るということですが、私物のこの15年使った学手風鞄でこのコンデションですからそうは簡単に枯渇しません。この作業を繰り返して艶が戻らないようになった時がオイル不足状態です。その時(10〜15年先)初めてデリケートクリームなどの保湿オイルを加えてあげると良いです。

また雨に降られた場合ですが全然大丈夫です。ただ雨は汚れを含んだ水なので帰ってから水拭きしてその汚れを緩和してあげるとより良いです。小雨の時はちょっと注意が必要。雨粒が点々状態で付着したままにしているとそれが粒状のシミとなって残ってしまいます。生地等で拭くと雨粒の形状を残したまま水分を吸い取る事になるのでシミになります。 そんな場合は雨粒を掌で広げるとシミが残りません。

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特にハンドル部分は水拭きを頻繁に行うことをお勧めします。革が老化する最大要因は塩分です。人の汗に含まれる塩分が最も吸収されるのがハンドル部分です。その塩分を水拭きして緩和してあげると持ちが格段に違います。

ブッテーロ革だけではなくル・ボナー製品で使っている牛革のお手入れ方法は、タンニン鞣しの革だけではなくクローム系も基本同じです。しかしこのお手入れ方法が他社の鞄でも可能かというとそうでもない場合が多々あります。防水加工とかコーティングされた革は御法度です。

ブッテーロは使う人の思いに応えてくれる革です。お手入れしながら使うとそれが顕著に感じる事が出来ます。どうぞ楽しんで使ってください。

Le Bonheur (09:35) | コメント(2)

Comments

  1. YasuakiH より:

    こんにちは。いつも楽しみに読んでいます。
    記載された手入れの手順は、自分のような不精者でもできそうで興味を持ちました。なかでも水拭きは斬新です。
    以前も別の記事で拝読した記憶があり、頭の中では理解したつもりでした。ですが経験的に(例えば)鹿革の手袋のような革を濡らすと縮んだり固くなったりして二度と戻らないことから、つい弱気になってました。また人によってはかばんに防水スプレーをかけるといった話も聞きます。
    高価なかばんですとつい大事にしたくなって雨の日は持ち出さないとか、真夏の汗をかく時期は避けるとかで結果的に出番が少なくなりました。必要な手入れはした方が結果的に長持ちするのでしょうね。しかも手軽であれば長続きもするでしょうし、
    今後も革かばんとの上手い付き合いかたを教えてくださるとうれしいです。また、別の機会にシュランケンカーフについても手入れについても紹介してください。手元にあるのはこのタイプなのです。

  2. Le Bonheur より:

    鹿革やヌバック革は水拭きは厳しいですね。でもシープナッパ素材の手袋は手袋をしたまま水拭きして、その後デリケートクリームを含ませてあげると良い状態を長く保たせる事ができます。近々シュランケンのお手入れ方法もブログアップするようにします。

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