ル・ボナーの一日

オブレ登場

2006年07月26日

オブレ.jpg 3年ほど前に、イタリアで特注した生地とコンビで作っていたオブレを、今回はミネルバボックスで復活させました。生地あわせのカバンはどうしても長く使っていると、生地が擦り切れてきます。 これはどうしょうもないことで、その修理はむずかしい。そのことに抵抗を感じて、生地あわせのカバンを作るのをここのところやめています。 そのため、このオブレも革のみでの復活です。 横17cm×縦21,5cm×幅、本体8cm+前ポケ2,5cmのサイズで少し大きめのポシェットというサイズで、セカンド、ポーチ代わりに持つのにいいサイズだと思います。ポケットが前ポケットと本体の間にもあって使い勝手のよいバッグだと思います。 私も、いつも使っているパパスショルダーだとモノがいっぱい入るので、ものぐさな私は整理せずにいっぱい入れてしまうので重たくなってしまいます。オブレに変えて、必要なものだけを整理して持ち歩こうと考えています。 重さは600g、お値段は税込み35,700円です。 夏になり、街のかばん屋さんは生地やナイロンを使った鞄にディスプレイをシフトしているのに、ル・ボナーの店内は革カバンばかりです。 女性もののカバンはシュランケンカーフ中心で水色やライムグリーンがあり、夏でも涼しげなのですが、奥に並ぶメンズはイタリアのタンニン革が中心なため暑苦しいです。 特に秋に向けて、メンズの充実をはかっている最中なので、この後も暑苦しい鞄が増えてゆきます。 昨日、革屋の常務と話していて、オイルを含んだ革でもその油質はそれぞれ違っていて、バトラッシーのバケッタ製法(ミネルバ、ナッパCDなど)の革は牛の油を入れていて、ワルピエのブッテーロは植物性オイルを入れているそうです。オイルを含んだ革は、お手入れで後から別のオイルは入れると科学反応を起こす場合があるそうです。水拭きしてその後乾拭きするのが一番無難です。

Le Bonheur (08:46) | コメント(5)

Comments

  1. ノブ より:

    科学反応を起こすとどういう現象が表れるのでしょうか。幸いビジーは水拭き、から拭きしか行っていないのでよかったです。

  2. ル・ボナー松本 より:

    ノブさん
    革の表皮にシミのような形でムラがでてきたりするそうです。
    オイルを含んだタンニンなめしの革の場合、後からお手入れ用に入れるとしたら蜜蝋だと革屋の常務は言ってましたが、入れない方が無難のように思います。ちなみにブライドルレザーの場合、革に含んでいるのと同じ成分のブライドルオイルというのがあります。

  3. ロブーオ より:

    はじめまして。
    一つ質問をさせてください。
    今まで自分で革製品を手入れをする時は、ごく一般的な市販のデリケートクリームやラナパーのようなものばかり使ってきましたが、ここを拝見したところ「水拭き」ということを初めて知りました。これは革を濡れた布などで拭くということなのでしょうか?また、染料で染められた革を拭いた場合に革の色がステッチに移ってしまうような心配はないのでしょうか。突然お邪魔して質問してしまい申し訳ありませんが、もし時間がありましたらコメントをお待ちしております。

  4. ル・ボナー松本 より:

    ロブーオさん
    当店のカバンに使っている革の場合は水拭きを勧めています。中でもタンニンなめしのオイルを含んだ革は有効です。雨などにあたると水分は蒸発しますが汚れは残ります。この汚れを水拭きでとってあげ、ついでに古い油分もとってあげると革の内側に含まれている油分が活性化し革が長持ちします。クロームなめしの革の場合も水拭き、乾拭き後デリケートクリームというのが良いです。ただ顔料が強く乗っかった革は止めた方が良いと思います。大部分のカバンに使っている糸はナイロン素材なので水拭きしたからといって染まることはアリマセン。手縫いの場合は麻糸を使うことが多いですがその場合も、手縫いの場合麻糸に蜜蝋を含ませて縫うので、簡単には革の染料で染まるという事はありません。その前に汚れが糸の色を変えます。タンニンなめしの染料仕上げなのに色変化があまりしないとかムラになっている場合、満遍なく革に水がしみるほど水拭きしてあげると均一な色変化を楽しむことが出来ます。後から入れるオイルはモノによって入れると悪い影響を与える場合があります。

  5. ロブーオ より:

    ル・ボナー松本さま
    大変に詳しいコメントをどうも有り難うございました。目から鱗が落ちたような気分です。革には水は大敵だという思い込みがあったのですが、革を活性化するのに役立つとはまったく知りませんでした。最近はタンニンなめしの革製品が私の身の回りにも少しずつ増えてきたところで、中でもイタリアの革を使った製品は独特な質感があるので、どうやって手入れをしていいものか悩んでいたところでした。さっそくこれからの革製品の手入れに役立てていこうと思います。改めてどうも有り難うございました。

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