ル・ボナーの一日

素晴らしき削りだし錠前プロジェクト(後)

2007年03月11日

グラス錠前3、9.jpg 蝶番も一体で削りだす錠前のメリットは色々あるけれど、その一つにもし蝶番などの突起部分を溶接すると、表面にいくら丈夫なメッキをしたとしても、溶接で熱を加えた部分に酸化する要因を残したまま、メッキで覆いかぶすことになり、メッキの内側で酸化した部分とメッキが剥離し、メッキがパリっと剥がれる可能性が生じます。一体で削り出せば、熱の加わった部分がないので酸化によるメッキの剥離の可能性はなくなり、表面のメッキが削れる心配だけになる。それも今回はカバンの金具ではまずしたことのないニッケルとクロームのWメッキで、素晴らしく頑強なメッキ。1,3ミクロンで均一にメッキしているので、削りだしの文様もちゃんと残っています。 メッキの真鍮への食いつきも、メッキする真鍮の表面を純水で洗浄するこだわりのメッキ職人さんに頼むので心配なしです。 でありながら、精密金属加工会社のK社長の提案?(私だったかなぁ~)でとんでもないメッキの錠前も数個だけ作る事になりました。 まずはメッキ技術の究極を追求したスーパークローム(勝手にそういう名前で呼んでいる)の品。これは宝飾品レベルの光沢を約束します。そして頑強。銅とニッケルとクロームの3層メッキです。メッキ職人の腕の見せ所。 それと、なんとロジウムメッキの品。ロジウムは究極のメッキ素材です。硬度はクロームの100倍(クロームのメッキでも十分固いのに)で、プラチナより全然高価な貴金属です。 それぞれル・ボナーの名前とシリアルナンバーを内側に極細のドリルで彫って各10個のみ作ります。これは凄い事です。簡単には使いません。1/10のシリアルナンバーのスーパークロームとロジウムの錠前は私の棺おけに一緒に入れてもらうために使わないで大事に保管しつづけるかもしれません。 宝飾品レベルのグラスの錠前まで作ってしまうことにあいなりました。これは凄い事です。 前代未聞の企てです。 ビフテキ むさし.jpg 最終打ち合わせ?を終え、この地の名店ビフテキむさしに。知る人ぞ知る名店なのだそうですが、見た目は至って質素。田舎のお好み屋然。出てきたビフテキ200グラムは素晴らしく旨みに満ちた但馬牛。神戸で食べれば1万円オーバーはするビフテキがなんと3400円。また行って食べたい素晴らしいビフテキ。 ただデミグラスソースがのっているのです。美味しいデミグラスソースではあるのだけれど、あれだけ素晴らしい牛肉、次回は塩で頂こうと思っております。 K社長は私と同年代の、イタリアチョイ悪おやじ風を標榜しつつなりきれない、金属に関しての知識と技術のスペシャリスト。30代でその知識と技術で請われて大手企業の工場長になった金属加工に関してオールマイティーな凄い人なのです。 しかし元来の独立独歩アウトローな性格が災いして、7年前にこの秘密基地の主人となる。約束された安定した生活を捨てたイタリアチョイ悪おやじの奥様はそれを自然に受け止め、今やこの秘密基地は奥様なしでは動かない(私のところに似ている、、、)。 それにしても、K社長夫人は私たちと同年代とは思えない可愛い女性です。どうみても30代に見える。主人に苦労させられる女性は若いままいられるのかなぁ。私たち夫婦同様、、、?。 K社長はモノ作りは面白いとよく言う。モノ作りを面白いと感じている職人同士でしか分からない共通の言語があるように思う。そのことが商売にはならないのに、多くの職人が真剣にこの錠前を作ることに取り組んでいただいた理由があるように思うのです。 Y氏の運転するアルファ147GTAで、ほどほどスポーツしながら六甲山の山道を走り帰路につきました。 Y氏には、モノ作りを楽しむK社長とそのお仲間との出会いをセッティングしていただいて、本当に感謝しています。この後、Y氏、K社長、大和出版印刷、それと私や多くのKOBE MADE(車の神戸ナンバー全域とします)のモノ作りをする人たちがコラボして、新しい企てをしようと思っています。 真剣に遊んで、豊かで楽しいモノ作りの輪を少しづつ広げていければ、なんて素晴らしいことでしょうか。

Le Bonheur (20:10) | コメント(8)

Comments

  1. アバター orenge より:

    写真からただものではない重量感が伝わってきますね。ここまできたら,世界NO1の鞄の誕生を待つのみですね。

  2. アバター ル・ボナー松本 より:

    orengeさん
    素晴らしい錠前に、恥じぬカバンを作らないと。気持を引き締めてこの錠前が生きる縫製をしようと心新たにしてカバン作りに取り組みます。そう強く思わせる職人の思いが込められた特別な錠前です。良い仕事は良い仕事でつなげていかなければ。

  3. アバター kazubon より:

    さあー、いよいよ面白くなってきましたねー。
    このプロジェクトを確実に軌道に乗せたいですね!
    各方面の職人さんの技を近くで見て、感動をもらい、
    そしてその造形物に魅了され、共感した人、共感してもらいたい人
    の目に触れてもらい、手元に届ける。
    こんなやりがいのある、面白く、ワクワクし続け、仕事として成立できる
    プロジェクトは、そう滅多に出会えないはず。
    まだまだ、アイデア段階ですけど、少しずつレールが延びつつありますね。
    慌てず、かといってノンビリし過ぎず、着実に育てていきたい企画!
    あーでもない、こーでもないと試行錯誤しながら、どこにも真似できない
    「ほんまもん」プロジェクトを目指して!
    今年一年は忙しくなるぞ~(笑

  4. アバター ル・ボナー松本 より:

    kazubonさん
    ビジネスとしての成否は、大和出版印刷さんのやる気にかかっております。私たちモノ作りが大好きな職人は、リスクは少し負って、真剣に遊ばさせていただければそれで良いと思っております。

  5. アバター たなか より:

    ル・ボナー松本様
    仕事をせかすように感じてもらいたくないので、書き込みを控えさせてもらってました。
    でもロジウムメッキのブログを読ませてもらって贅沢なお願いを書き込みさせてください。
    お願いしたグラスにぜひロジウムメッキの金具をお願いしたいなあと勝手に思っているのですが。
    お断りされても仕方ないのですが、お願いだけはしたいと思い書き込みさせていただきました。
    宜しくお願いします。

  6. アバター ル・ボナー松本 より:

    たなかさん
    ごめんなさい。ロジウムとスーパークロームメッキのグラスの錠前はしばらくの間使わないと決めているので御容赦を。お客様にお見せするだけで、飾っておきたいのです。年に一つ特別な手縫いのカバンをお店に飾るために使いたいと考えております。御理解ください。

  7. アバター nam より:

    凄いものができましたね、
    結構私の所から近いのでしょうか?
    みじかな所に凄い方がいらしゃるのですねびっくりです。
    今の私の仕事では金具に負けてしまいます
    いつかお願いできるよう、
    もっと精進いたします、
    その前に。むさしさん行ってみます

  8. アバター ル・ボナー松本 より:

    namさん
    家具の蝶番や、引き出しに内臓するロックも面白いねと話しておりました。ほんとにnamさんの近くです。私も金具に負けないように、心ひきしめて作らなければ。
    namさんもKOBE MADEのビジネスプロジェクトに参加しませんか?面白いですよ。
    むさしに行ってみてくださ~い。

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