ル・ボナーの一日

ビスコンティーのヴァンゴッホ

2007年09月13日

明日から私は少しの間お店を空けます。去年に続き2年連続イタリアです。昨今海外旅行は当たり前になってきましたが、私にとっては特別なことであります。私は今まで海外には4度しか行っておりません。一度はアメリカ西海岸を2週間かけてレンタカーを借りてモーテルに泊まりながら旅した貧乏旅行。それとお店のあるショッピングセンターのテナント会の旅行で、上海と台湾。あと幼なじみの弁護士O君と行った去年のイタリアツアー。今回はテレビ局に勤めるH女史がすべてセッティングしていただいて、オジさんたちはすべてH女史にお任せでの旅行であります。去年のイタリア旅行で一番強く感じた事はツアーの添乗員という仕事は本当に大変だなぁ~ということでした。旅行好きだから出来る仕事ではない。特に我儘なおじさんたちを統率するのは大変であります。去年もルイビトンの工房見学の旅を企画し、今年はイタリア鞄と美術館の旅を企画しクセのあるおじさんたちの世話をしてくださるH女史は偉ぁ~い。出来るだけH女史に迷惑かけないように努力しつつ、イタリアを楽しんで来ようと思っております。 この旅の名称は「イタリア三都市えんとつツアー」なのだそうですが、私は「美女とランドセルを背負ったオジさんたちのイタリア珍道中」と命名することにします。 %E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%9B.JPG 旅行に出発する前日、完全に万年筆菌に侵された印刷会社の若社長がビスコンティーのヴァンゴッホを持って来店しました。ヴァンゴッホも手に入れていたのかぁ~、それも色違いで2本も。 TAKUYA君にグリマルディーを注文するためです。とうとうTAKUYA君にペンケースを特注するまで病状は悪化してしまっている。もう普通の人には戻れない。 この若社長元々革フェチ?なのであります。私は革を吟味する時、指先でつまんでみた感触を大事にしますが、若社長は匂いを嗅いで選ぶのです。これもまた独特の選択基準。 そんな若社長の万年筆たちが革のペンケースに納まらないでいることは許されません。TAKUYA君とじっくりこのヴァンゴッホを引き立たせるグリマルディーペンケースをイタリア旅行中に相談してくることにします。 %E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%9B%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97.JPG それにしてもこのビスコンティーのヴァンゴッホの軸の模様は魅力的です。油絵の具をキャンバスに塗ったようなマーブル模様は見れば見るほど惹きつけられます。新興のフィレンツェに本店がある万年筆メーカーですが、独自の美意識を軸に表現していて、この文様は同じものは作れないはずです。それが良い。 去年フィレンツェを訪れた時、ビスコンティーの小さな本店の前を通ったのだけれどお店には入らないままでしたが、今回は万年筆好きのお歴々と一緒なのでじっくり見て来ようと思っております。 フィレンツェのモノ作り文化は同じ工程での作業でありながら、一つ一つ違う表情を見せる品を生み出す。マーブル紙がその最たるもので、革製品にしても成形後に染料を筆で塗る独特の技法が、同じ形の品でも違う表情を見せます。そんなフィレンツェもの作り文化を万年筆で表現しているのが、このヴァンゴッホです。私も1本欲しぃ~い。

Le Bonheur (05:31) | コメント(2)

Comments

  1. めだか より:

    うわっ!読んでいるだけで、私もヴァンゴッホが欲しくなってきました。あのマーブル模様は確かにすごい。特にブルーのマーブルなんて、引き込まれそう。
    「これ、良いんだよねぇ」と何気ないセリフで人の物欲を刺激する方を、私は2人知っていましたが、ひょっとして3人目?
    あ、その2人も、今回はイタリアに行くんでした…。気をつけて。

  2. ル・ボナー松本 より:

    めだかさん
    私は画伯に「今買わないと後悔しますぞ」の言葉にそそのかされて万年筆が増えていった被害者?であります。もうお1人とは今回初めてお会いします。怖ぁ~いですが楽しみです。
    今回の旅行は鞄好きが満喫できる旅と聞いて参加しましたが、ミラノで泊まるホテルは「アウロラ」という名で、夜はグラッパ飲んでへべれけという噂です。気を付けないと、、、、、、。

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ