ル・ボナーの一日

さよならビーちゃん

2007年10月11日

卓袱堂の卓ちゃんが来てくれた。卓ちゃんは陶芸家です。知り合って23年になる、私にとって大事な心許せる10歳年下の友です。卓ちゃんが高校生の時、私たちが初めて持った多摩の聖跡桜ケ丘のお店でアルバイトとして知り合ったのが最初でした。その頃卓ちゃんは将来の進路で悩んでいた。そんな時人生を右往左往している私たちと知り合い、陶芸の道を選ぶことになった。その後も折にふれ一緒に遊んだ。卓ちゃんは遊び名人で、私たちにとって忘れられない思い出の多くの場面に卓ちゃんは登場する。 そんな卓ちゃんが、個展開催中の合間をぬって来てくれた。彼は現在の魯山人、料理の美味しさを引きたてる器を作り続けています。陶芸に興味を持っている方、見に行ってみてください。お気に入りの器が見つかるかもしれませんよ。11月4日まで葉山のギャラリー「蓮REN」で開催しています。 今回来てくれたのは、私の窮状を助けてくれるためです。 私は現在車を2台持っています。これは現実問題無駄だし、私の経済状況を圧迫します。しかしビーちゃんは可愛い。知らない人に買われていくのも、廃車にするのも忍びない。そんな時卓ちゃんが面倒を見てくれると言ってくれたのです。これはありがたい申し出であります。卓ちゃんなら大事に乗ってくれるだろうし、愛くるしいあの姿をこれからも見ることができます。その上で、私はアルファ145クワドリフォリオ1台に集中することができる。卓ちゃんだったらビーちゃんが朽ち果てるまで乗ってくれるだろう。 %E6%88%91%E3%81%8C%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%AE%E3%83%93%E3%83%BC%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93.JPG 卓ちゃんと会うのは1年8か月ぶり。そんなに長い間会っていなかったなんて、全然感じることなく話がはずむ。 夜、神戸の繁華街に久々行った。食事は少し贅沢して神戸牛のステーキ。ここの神戸ビーフが一番美味しいのではないかと、ル・ボナー界隈では話題のKOKUBUに行くことにしました。ここなら食通の卓ちゃんも参ったと思うでしょう。口の中でとけてしまいそうなレアで焼いた神戸ビーフは、ジューシーで甘く至福の味。他では味わえない絶品神戸ビーフです。 その後、バー「バランザック」へ。前回訪れた時N氏が持ち込んだ特別なグラッパを味わってもらうためです。私は全然アルコールがダメだけれど、なめるだけだけれど、このグラッパの芳醇な香りと口の中で広がるドラマチックな舌触りには魅了される。 バランザックは静かに時間が過ぎてゆく、特別なバーです。 %E3%81%95%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%89%E3%83%93%E3%83%BC%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93.jpg 六甲アイランドを後にし、湘南茅ヶ崎に向かうビーちゃん。 翌日の午前中に正式名1968年式フォルクワーゲン・タイプ1のビーちゃんは卓ちゃんの住む茅ヶ崎までの長旅に出発しました。卓ちゃんらしく高速道路は使わず寄り道しながら帰ったので、無事茅ヶ崎に到着したのは15時間後でありました。 ビーちゃん、10年間ありがとう。整形美人で、それにだまされ多くの思い出(アクシデント)に遭遇しながら、修理しつづけ現在の元気なビーちゃんに育ちました。今のビーちゃんは、名整備士の古川さんに出会えたことが大きい。会っていなければ2~3年で買い替えていたと思う。その古川さんも引退し、湘南で腕の良い整備士さんと出会えることを願っています。 趣味の良い卓ちゃんだから、このビーちゃんをもっと魅力的な車に育ててくれるでしょう。育ったビーちゃんを見るのが楽しみです。 ビーちゃんが旅立ってから数時間してから、毎日の日課である昼のチャーの散歩に行った。するとチャーはいつもの散歩コースとは違う方向に引っ張って行く。どこへ連れて行くのかと思っていたら、ビーちゃんが最後に止まっていた場所に連れてゆき、その場所の地面を念入りに嗅いでいるのです。チャーが我が家にもらわれてきてから、車はビーちゃんしか乗ってない。ビーちゃんが大好きなチャーでした。少しジ~ンとした私でありました。

Le Bonheur (21:13) | コメント(9)

Comments

  1. まる より:

    こんにちは!
    とっても幸せなビーちゃんですね。
    旧車をほとんど使わずに飾ってる人は多いけど、松本さんは使い続けて大事にされて、本当に幸せな車ですね。  私と同じ年齢なんですね、ビーちゃん。 もうすぐ40歳(笑)
    いつでも会える形で譲られて、そこがまたいいですね。。。
    ところで・・・アルファのマフラーは・・・まだ・・・(笑)

  2. いい話ですね。胸が熱くなりました。
    私が幼稚園の頃ずっと使っていたタオルケットがボロボロになり、みかねたおふくろが新しいものに買い替えたとき、泣きながら裏の空き地に「たおるくんのはか」を建てたことを思い出しました。

  3. まるさん
    余裕があれば2台持っていたいけれど、普段の足として使われた方がビーちゃんにとって幸せだと思っています。永遠ってないのかもしれないけれど、素敵なモノは永遠を願っています。
    アルファのマフラーは当分考えないことにしています。
    社長@大和出版印刷 さん
    子供の頃の若社長さんは、チャーに似ていたんだぁ~。今も似ているかも。若社長のコメントを読んでスヌーピーを思い起こしました。

  4. ハミ より:

    社長@大和出版印刷さん
    小学生の頃、野良犬を見つけ親に内緒で小屋を作り、給食のおかずをコッペパンの中に詰め、1日のお小遣い10円の内5円の牛乳を買い、コロ、と名付けた犬と、小屋で宿題をしながら過ごした日々。
    数ヶ月後、学校から帰宅すると、保健所に連れて行かれた、と泣きながら知らせてくれた近所のおばちゃん。静かにずっと見守ってくれたおばちゃんの、涙を思い出しました。

  5. 三好 より:

    長く大切にしていたものを手放すのはとてもお辛らかったと思います。車は雨の日も風の日も共にドライバーと一緒に行動するものだし、人にとっての食べ物のようにガソリンを必要とするし、人が病気になって病院に行くようにときどき修理を必要とするし、人が機嫌が良かったり、悪かったりするように、調子が良かったり、悪いときがあったりするので余計に気持ちが入りますね。
    でも仕方が無いので、今の車を大切に乗るしかないなといつも思うようにします。でも久しぶりに、今までに乗ってた車3台を思い出しました。

  6. 三好さん
    私は新車を3年ごとに乗り換えるような車ライフを好みません。
    息子はマニュアルのスバルレックスを先輩から譲り受けて、もうすぐ20万キロです。修理しながら乗り続けています。
    乗り継いだ車たちとは、それぞれ思い出があり、1台1台大事な相棒でした。ビーちゃんの分までアルファ君に愛情を注ぐ所存であります。

  7. シザーハンズ より:

    私も、前の車はマニュアルのトヨタ・トレノを16年愛用してました。お気持ちはわかります。
    ビーちゃんも松本さんに長年大切にされて 幸せだったと思います。
    不思議なもので、
    物や道具も長年付き合っていると
    人間関係みたいに、感情が湧いてきますよね~^^

  8. orenge より:

    モノは複数持つと,逆に「シンプルな生き方」にあこがれるものですね。私は「シンプルな生き方がいいなあ。」と最近特に思い始めてます。

  9. シザーハンズ さん
    私は基本的に人ぽい道具が好きです。思いの分、光り輝く道具。
    楽しく付き合ってゆきたいと思っています。
    orengeさん
    私はシンプルに生きていると思っております。お店はごちゃごちゃですが、自宅は驚くほどシンプルです。ものは多くの人よりない方だと思います。この一年モノに対して爆発してしまいましたが、もうおしまい?。

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